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ジョルジョ・リヴェッティが蘇らせた老舗のスプマンテ・メーカー “コントラット” Presented by モンテ物産

以前のVENTOでバローロ・ボーイズの雄、ラ・スピネッタ社について書いたが、今回は同社のオーナーでありエノロゴ(醸造責任者)であるジョルジョ・リヴェッティさんが所有する、コントラット社にスポットを当てたい。
コントラット社は、ピエモンテ州のバルバレスコDOCGエリアから東に約10kmほど離れたカネッリという村の中にある、1867年創業の老舗ワイナリーだ。昔は赤ワインも造っていたが、今ではスプマンテ(イタリアのスパークリングワイン)のみを製造している。

ジョルジョさんが同社の説明をしてくれた。
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▲コントラットのオーナー、リヴェッティ兄弟 右端がリヴェッティさん。

「コントラット社はイタリアだけではなく、世界的にも非常に重要な名門ワイナリーだよ。1919年にイタリアで初めてミッレジマート(ミレジム=ヴィンテージ入り)のメトド・クラッシコ(シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵による製法)スプマンテを造った。当時は世界的に主流であった糖分が残ったやや甘口のスパークリングワインを横目に、コントラット社の辛口スプマンテはイギリス王室を筆頭にイギリス人たちに飛ぶように売れた。ただ他の国ではまだ慣れ親しんだ甘みのあるスパークリングが売れていたので、辛口のスプマンテは“For England(フォー・イングランド)”と名付けたんだ(1930年がファーストヴィンテージ)。その後、イギリスの植民地だった各国の王室や上流階級の間にもコントラット社の商品は広まっていき、サヴォイア王家やバチカン御用達になったという輝かしい歴史があるんだ。」

正面ゲート2 中庭
内廊下1 カテドラルセラー1
▲(左上)コントラット社正面ゲート (右上)中庭(左下)中廊下(右下)建物は往年の栄華を偲ばせる美しいヴィッラだが、地下にはカテドラル(大聖堂)セラーと呼ばれる熟成庫が広がる。

ジョルジョさんにコントラット社の特徴と魅力について聞いてみた。
「まずはコントラット社と私の関係を説明しようか。私はコントラット社を2011年に買い取ったのだが、実は2007年からすでに“こっそりと”製造に携わっていたんだ。私は大のシャンパーニュ好きで、コントラット社のスプマンテの品質の高さも知っていた。ちょうど買い手を探しているというのを知り、迷わず手を挙げたんだ。ラ・スピネッタ社はコントラット社から10kmほどしか離れていないので、同じエリアでこんなに素晴らしい名門に巡り合えるなんて私は幸運だったよ。私はどうすれば最高のブドウができるのかを良く知っている。スプマンテでも普通のワインでも、元のブドウの良さが高品質のカギだ。以前は18カ月シュール・リー(澱とともに寝かせる)のものもあったが、今では最低でも30カ月に変えている。ブドウの質が高くないと長期間のシュール・リーは悪い結果をもたらすこともあるのだが、もちろんそんなことにはならない。香りにも味にも複雑さが増して、より深みのある味わいになったよ。短期間ですでにこれだけの改善ができているのだから、今後はさらに期待していてくれよ!これは私のシャンパーニュへの挑戦なんだ!」

▲ジョルジョさんの造るワインのシンボル Aデューラーの”サイ“ コントラットのボトルの裏にもいます。
▲ジョルジョさんの造るワインのシンボル Aデューラーの”サイ“ コントラットのボトルの裏にもいます。

あれだけ高品質のワインをラ・スピネッタ社ですでに実現しているジョルジョさんが言うと、説得力がある。
「それともう一つ、コントラット社の大きな特徴は、いくつかのヴィンテージを混ぜた“NV=ノンヴィンテージ”は造らないことだ。私は各ヴィンテージのキャラクターを表現したいんだ。“悪い年、オフヴィンテージ”なんてものは私には関係ない。そう言われる年は私にとっては“より手間がかかる年だった”というだけで、畑仕事の仕方を間違わなければ必ずいいワインができるんだ。」

▲コントラットのシンボル シャンパングラスをもって踊る女性。ベルエポックの時代に活躍したイタリア人でデザイナー、レオネット・カピエッロのデザイン
▲コントラットのシンボル シャンパングラスをもって踊る女性。ベルエポック時代に活躍したイタリア人デザイナー、レオネット・カピエッロのデザイン
バローロ、バルバレスコのカリスマ的存在でありながら、あくまでも自分は一人の農民だと言い続けるジョルジョさんらしい発言だ。
「私の辞書に“十分に美味しい”という言葉は無い。満足してしまったらもうそれ以上のものは造れないからだ。美味しいものができても、もっと美味しくするにはどうすればいいだろうか、と常に考えて動き続けているんだよ。とは言え、すでに同価格帯のシャンパーニュには負けない味わいだと自負しているから、まずはシャンパーニュが世界の最高峰だなんていう先入観を捨てて、我々のスプマンテを飲んでみるといい。そしてできれば様々なシャンパーニュと飲み比べてみていただきたい。」

コントラット社のスプマンテは、ベースとなる“ミッレジマート・エクストラ・ブリュット”を飲めばレベルの高さがすぐにわかる。よりドライな味わいがお好みならパ・ドゼ(ドサージュをしない)の“フォー・イングランド”や“ブラン・ド・ブラン”を試してみてほしい。
今年の夏は、ちょっと贅沢な飲み比べをしてみてはいかがだろうか?


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▲左から ミッレジマート、“フォー・イングランド” ブラン・ド・ノワール、“フォー・イングランド・ロゼ、ブラン・ド・ブラン


モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼コンラット社のワインはこちら▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/contratto.html

マッシモツアー第7弾 走って、食べてバルバレスコ〜リグーリアの旅 詳細決定

ツアーの詳細が決定しましたのでお知らせいたします。
皆さまのご参加をお待ちしております。(限定8名)

『イタリア好き』創刊号の取材地リグーリアとバルバレスコマラソンを一緒に楽しみましょう!

【旅行期間】10月27日(金)~ 11月5日(日)10日間
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10月27日(金)午後:成田―ミラノ

ミラノ空港から専用車でアルバへ

宿泊:アルバ

10月28日(土)アルバの街で白トリュフ祭りを自由見学
トリュフ香があふれる街並みを散策、屋台や街のレストランでアルバの料理、ワインを堪能。

宿泊:アルバ

10月29日(日)第8回バルバレスコ・エコマラソン 参加(42Km、ハーフ、ウォーキング)
世界遺産ランゲのブドウ畑に囲まれた丘陵コースを駆け巡ります。
マラソン後:ランチパーティー&表彰式
午後:自由散策

宿泊:アルバ

午前:フォカッチャの町レッコ散策
フォカッチャ・デ・レッコの店を数件巡ります。
フォカッチャ・デ・レッコの衝撃!
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昼食:「VITTURIN 1860」(創刊号取材で訪れた店)
「Panificio Moltedo dal 1874」(テイクアウトの人気店)
午後:ポルトフィーノ観光
宿泊:サンタ・マルゲリータ・リグレ

10月31日(月)
午前:チンクエテッレへ
「Cantina Cinque Terre」見学と試飲(畑とワイナリーの見学と試飲)
その後マナローナへ

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昼食:「Ristorante Marina PIccola」
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午後:散策(自由時間)後、帰路は列車でサンタ・マルゲリータ・リグレまで。
宿泊:サンタ・マルゲリータ・リグレ

11月1日(火)
午前:ジェノヴァ 市場・歴史的地区など散策。
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昼食:Baccadasseの港にある、シェフLuca Collami(ルカ・コッラーミ)のお店「Ristorante Capo Santa Chiara」。
魚介のお料理をベース、魚介と山の幸などの組み合わせなど独自の料理を演出しています。
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取材当時は「Ristorante Baldin」のシェフを勤めていたが彼が新たに腕を振るう。

昼食後:アルベンガ近郊のアグリツーリズモへ
夕方:サヴォーナの街散策へ(自由時間)
ヒヨコ豆の粉を使ったファストフード、パニッサや、ファリナータをワインと共に楽しめます。「Vino e Farinata」
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宿泊:アルベンガ近郊のアグリトゥーリズモ「Bio Vio」

11月2日(水)
午前中:アグリトゥーリズモ「Bio Vio」にてマンマの料理教室。
昼食:皆さんで作ったものを食べます。
午後:アグリトゥーリズモ「Bio Vio」のワイナリーや、ハーブ園などを見学します。
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宿泊:アルベンガ近郊のアグリトゥーリズモ「Bio Vio」

11月3日(木)
午前:ワイナリー「SARTORI LUIGI TORRE PERNICE」 訪問。
昼食:「Al Nautico」アルベンガの方が集う気さくなお店。魚介で満腹に!
夕刻:インペリアへ、着後自由散策。
宿泊:インペリア

11月4日(金)
朝~午前:インペリアの街(市場など)自由散策。
午前:「San Martino」家族経営のオリーブ農園見学と昼食。
タイミングがよければ絞りたてのオリーヴ・オイルが味わえます。
昼食後:共同搾油所見学~インペリアの街自由散策
夕食:チェルボの名店「RISORANTE SAN GIORGIO」で最後の晩餐。
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シェフ、カテリーナさんの信条は地産地消。ほとんどの食材はこの地から半径3km以内で入手しています。
彼女のセンスと情熱で素晴らしい最後の夜を。
宿泊:インペリア

11月5日(土)
午前:専用車にて、ジェノヴァ空港出発、ローマ空港へ
午後:ローマ空港より帰国の途へ

11月6日(日)
午前:成田着

*現地諸事情により予定が変更になる場合があります。予めご了承ください。

【旅行代金】
イタリアズッキーニクラブ会員価格:423,000円 (参加人数10名様の場合は443,000円)
*非会員価格433,000(参加人数10名様の場合:453,000円)
*イタリア往復航空券、日程内の宿泊費(2人1部屋)、食事(毎朝食・昼食6回・夕食1回)、
訪問料・講習費・通訳費・交通機関・現地手配費用が含まれます。
*上記費用には、空港税、空港使用料などが含まれておりません。別途費用がかかります。
*2016/7/11現在で換算しています。
著しくレートの変動があった場合、ご旅行代金を変更する可能性があります。ご了承下さい。

●1人部屋追加代金:38,000円(7泊分)
*相部屋ご希望の方で相手の方がいらっしゃらない場合は、一人部屋追加料金がかかります。
*ツインよりお部屋が狭くなる場合がございます。

【定員】15名 (最小催行人数10名)

【申込期間】7月14日(木)〜 9月22日(木)
*定員になり次第〆切させていただきます。

【ツアーお問合せ】
アマテラス・イタリアデスク (株式会社フォルトゥーナ)
東京都港区麻布十番1-5-29-205
Mail:italia@fortuna.ne.jp
TEL:03-5772-8338
FAX: 03-6438-9990
担当:桃井/荻野

小麦栽培のプロと熟練パスタ職人が生み出す 三ツ星レストランのシェフにも愛用される極上パスタ! Presented by モンテ物産

家族経営のパスタメーカー、マンチーニ社は、ブーツ型のイタリアのふくらはぎに位置するマルケ州にある。同社は、100%自社栽培小麦のみを使用するパスタメーカーだ。

▲マルケ州モンテ・サンピエトランジェリの自社畑
▲マルケ州モンテ・サンピエトランジェリの自社畑
社長であるマッシモ・マンチーニさんの祖父マリアーノさんは、20ヘクタールの小麦畑を持っていた。毎年育っては収穫されてゆく小麦を見ているうちに次第に興味を惹かれていったマッシモさんは、大学では農業を学び、学士(農学)を取得した。
「大学生の頃はとにかく小麦とパスタの研究に明け暮れていたよ!昔は家で収穫した小麦はパスタメーカーに売っていたんだけど、地元の小麦だけを使って美味しいパスタを造ることはできないだろうかと思って研究を重ねたんだ。卒業後は自家栽培の小麦を使って隣のアブルッツォ州のパスタ工場を借りて試作を重ね、ようやく納得のいくパスタができるようになったんだ!ほどなくしてお客さんも増え始め、味にも売り上げにも満足していた。でも、祖父の代から小麦栽培をしているこの自分たちの土地でパスタ造りをしたいという気持ちが、どうしても押さえられなかったんだ。」
将来の夢を語る少年のような、人懐っこい笑顔でマッシモさんは語ってくれる。

▲マッシモさん。小麦畑の中に建つ理想を実現させた自社工場
▲マッシモさん。小麦畑の中に建つ理想を実現させた自社工場
「そして2010年になってついに夢は実現した。地元に工場を建ててパスタ造りを始めたんだ。最初は工場を変えて自分たちだけで造るのにはもちろん不安はあったよ。でも、私と製造責任者のクラウディオにパスタ造りのノウハウを全てたたき込んでくれた、この道50年のパスタ職人、チェーザレ・モレットーニさん(※1)のおかげで、さらに素晴らしいクオリティーのパスタを造れるようになったんだ!」
チェーザレさんから受け継いだ手法だが、ダイス(パスタが通る穴が開いている円盤型の器具)からところてんのように押し出された生パスタを触って香りをかいで、粉と混ぜる水分量、混ぜる時間、押し出す圧力、乾燥温度を微妙に調節をする。この職人技がマンチーニ社のパスタの味と品質を支えているとも言えるだろう。

▲パスタ職人クラウディオさん
▲パスタ職人クラウディオさん
「魅力的な風味を持つパスタを造るには、乾燥の仕方もとても大事なんだ。」
“低温長時間乾燥”というのは美味しいパスタの決まり文句のようになっているが、これにこだわるメーカーの中でもマンチーニ社は突出して低温(ロングパスタで38~45℃)であり、長時間かけて(ロングパスタで38~44時間)乾燥させる。
丸2日近くもかけてじっくり乾燥させるのには、マンチーニさんのこだわりがある。
「私は、高温で乾燥させることによって大事な小麦の風味を少しでも逃がしたくないんだ。昔の人が真夏に天日干ししていたようにじっくりと乾燥させると、それだけしっかり香りが残る。」
実際に、マンチーニ社のパスタを茹でるとそれだけで小麦の香りが立ち上る。試しに茹でただけのパスタにサマートリュフをかけて食べてみたが、シーズンが始まったばかりで香りの弱いトリュフだったとはいえ、圧倒的にパスタの香りのほうが強かったのにはさすがに驚いた。

「ありがたいことに、ミシュランの星付きレストラン(※2)の素材にこだわるシェフたちにも気に入ってもらえていて、我々のパスタのファンは常に増え続けているよ!」
ファンが増える一方で、今では自社栽培畑が300ヘクタールにまで増えたとはいえ、前述した通り手間ひまをかけた造り方のため、年間パスタ生産量は大手パスタメーカーなら数日で造れてしまう程度の量しか生産ができない。そのため輸出に回せるのは毎年わずか10%程度で、残りの約90%がイタリア国内で消費されている。

_1マンチーニ社のパスタはグラニャーノIGP(※3)でもないし、100年前からパスタ造りをしている有名な老舗でもない。ただ、良い土地に恵まれ、どうすれば良い小麦が育つかを熟知し、最高の師匠から受け継いだパスタ造りの技術がある。これ以上何を望めるだろうか?
マンチーニ社のパスタは、値段としては普通のパスタよりも確かに高い。
それでも、ぜひ一度食べてみていただきたい。普通のパスタでは得ることができない美味しさを、たっぷりと堪能することができるだろう。

(※1)2016年5月に惜しまれながらも逝去されました。ご冥福をお祈りします。
(※2)2016年6月現在、イタリアにある三ツ星8店のうち3店で使用されており、二ツ星では5店、一ツ星では18店、それ以外にも非常に多くのハイクオリティーを求めるシェフたちにに愛用されている。また、香港にあるイタリア国外で唯一のイタリア料理の三ツ星レストラン”Otto e Mezzo”でも使用されている。
(※3)IGP=Indicazione(表示) Geografica(地理的) Protetta(保護された)の略。ナポリの南にある伝統的なパスタの名産地であるグラニャーノで造られ、既定の製法、原材料などの条件をクリアしたパスタのみが、EUから許可されたIGPのロゴを付けて“グラニャーノIGP”として販売することができる。


モンテ物産
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▼マンチーニ パスタはこちら▼
http://www.montebussan.co.jp/foods/mancini.html

【イベントレポート】集まれ、イタリア好き!マンマの料理フェスタ2016 湘南T-SITE

5月21日・22日・28日・29日の4日間、
湘南T-SITEで開催された『マンマの料理フェスタ2016』

初夏を感じる明るい陽気の中、
たくさんの『イタリア好き』の方々に囲まれて無事に開催することができました。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

今回のフェスタは、来場者の皆さまに
イタリアをより近くに感じていただきたいという思いから、
“参加して楽しめる”という点を大切に企画しました。

南北イタリアから来日した2組のマンマのお料理をメインに、
イタリアのワインや食材などが並ぶメルカートでのお買い物や、
音楽や文化に触れるステージやセミナー、ワークショップ、展示など、
普段のイベントではやりきれないほどの内容を詰め込みました!

* * * *

2組のマンマ達はみんな「日本の皆さんに温かく迎えてもらえてうれしいわ!」と、
はりきって得意のお料理をふるまってくれました。
マンマ達のこだわり、知恵、そして愛情がたっぷりこもったお料理は
どれもとても美味しく、幸せな味でした!

◆5月21日(土)・22日(日) カルメラ・バリヴィさん (カンパーニア州)
カルメラさんはご主人、息子さんと来日。
トマト、塩、オリーブオイル、ニンニクのみでつくるトマトソースは、
シンプルであるにもかかわらず驚くほどの美味しさ!
これが何種類もの料理に変化し、料理に奥行きと味わい深さをもたらす様は魔法のようでした。
パスタ打ちのデモンストレーションも行ってくれて、
郷土の味を伝えたいという思いが強く伝わってきました。
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◆5月28日(土)・29日(日)
ジュゼフィーナ・フィオーリさん、パトリツィア・トルティさん、ガリボルディ・グロリアさん
(ロンバルディア州)

ワイナリーの親子ジュゼフィーナさんとパトリツィアさん、
そしてお友達のガリボルディ・グロリアさん。
とっても明るく誰にでも気さくで、笑顔が素敵な3人。
地域の特産や旬を大切にしたメニューで楽しませてくれました。
注目はボッリートに添えられたソースの一種モスタルダ。
一見甘くておいしそうなサクランボ、実はとっても辛い!でもハマってしまう人が続出!
その場にある食材を生かし、予定していたメニューになくても
あっという間に何品も作り上げてくれました!さすがマンマ!
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* * * *

マンマの他には、各分野のプロの方にも
たくさんのご協力をいただき、会場に集まっていただきました。
メルカート出展者、セミナーの講師、アーティストの方など、
プロの皆さんそれぞれが抱く、イタリアへの思いやこだわりは、
来場者の皆さまに新たな発見や感動として伝わったのではないでしょうか?

◆メルカート
お互いの顔が見えるお買い物、わくわくしました!
キリッと冷えたモレッティビールやジェラートは暑さもあって人気でした!
旬を迎えたイタリア野菜や地元の野菜、イタリア各地のワインやオリーブオイル、
パスタやチーズなどはお土産にもぴったり。
美味しい頂き方や豆知識なども教えてもらえて面白かったです。
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◆ステージ
1番人気のマンマと長本和子さんとの料理トークショーをはじめ、
イタリア文化会館フラビオ先生のイタリア語セミナー、
イタリアから来日したワイン生産者フェウディ氏によるワインの話、
バリスタ横山千尋さんのカフェの話、
イタリア好きの師匠である篠利幸さんの街歩きの話、
さらにはカンツォーネ・ナポレターナ歌手の青木純さんや、
テノール歌手三浦幸未知さんのミニコンサートまで。
バラエティに富んだ内容となりました。
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◆セミナー・ワークショップ
池田由美子さんによるイタリア陶器絵付けワークショップは、
お子様から大人の方までお楽しみいただきました。
大石知子さんのオリーブオイルソムリエセミナーは、
テイスティングをしながら知子さんの笑顔とともに和やかに。
イタリア好きカメラマン萬田康文さんのカメラワークショップでは
フェスタ会場を回りながらとっても丁寧に教えてくれました。
ワインソムリエ内藤和雄さんのセミナーには
ワイン生産者であるロンバルディアのマンマも参加。
会話を楽しみながらじっくりとそれぞれのテーマに触れることができた時間でした。
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* * * *

調理や運営にあたっては、ボランティアの方々の力もなくてはなりません!
週一しかないお仕事のお休みを利用して参加してくださった方、
得意なイタリア語でマンマとお話ししながら楽しんでくださった方などなど、
暑さに負けず、笑顔で元気にサポートしていただきました。
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* * * *

そして地元の方はもちろん、遠く関西方面の方や、期間中何度もお越しいただいた方・・・
大勢のお客様に足を運んでいただきました。
直接お話をさせていただいたり、楽しそうに過ごされている姿を見ることができ、
スタッフ一同「やっぱりやって良かったな~!!」という気持ちです!
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* * * *


『イタリア好き』というキーワードでたくさんの方々が笑顔でつながれたことが
私たちにとってなによりも嬉しいことでした。
4日間どうもありがとうございます。



最後に。
私たちが本誌の取材や、マンマの料理フェスタの実施を通して感じるのは、
イタリアの人々が日常の中にある大切なものと共に、日々を楽しく豊かに生きているということ。

自分たちが暮らす土地、そこで育まれてきた食の在り方、
仕事への誇りや情熱、家族や仲間への愛情・・・・・

ありのままを認めて、前向きに生きる彼らの姿勢から、
私たちも自分自身を見つめ直したり、パワーをもらっています。

そんなことを皆さんにも感じていただけていたら幸いです。


4日間の感謝を力にかえて。
これからの『イタリア好き』もよろしくお願いします!

Grazie!

“王のワイン”バローロ –蘇ったミラフィオーレ(その3) Presented by モンテ物産

「いずれにせよ、イメージがどうであれただ一つ確実なのは、フォンタナフレッダ社のワインは以前よりもさらに美味しくなっているということだ。理由の一つはエノロゴのダニーロ・ドロッコさん、アグロノモのアルベルト・グラッソさん(”王のワイン”バローロ①参照)の存在があるからだ。もう一つの理由は、経営が2008年から銀行の手を離れ、ピエモンテ出身の実業家であり、大のワイン愛好家のオスカー・ファリネッティさんとルカ・バッフィーゴさんの手に移ったからなんだ。オスカーさんからは、美味しいワインを飲みたいから僕のためにしっかり造ってくれ!っていつも言われるんだ。そりゃあもう期待に応えるしかないだろう?」
そう言うとブルーノさんは屈託のない笑顔で、CEOとしての重責を全く感じさせずに明るく笑った。

“王のワイン”バローロ① -フォンタナフレッダ の記事はこちらから

“王のワイン”バローロ②  ミラフィオーレからフォンタナフレッダへ の記事はこちらから

 ▲ミラフィオーレのロゴ。Mのマークは全てのボトルにエングレイブされている。
▲ミラフィオーレのロゴ。Mのマークは全てのボトルにエングレイブされている。
「先ほどなぜミラフィオーレ社の歴史を語ったかというと、我々にとって今でも非常に重要な意味を持つストーリーだからなんだ。というのも、実はフォンタナフレッダ社は2009年に、約80年の時を経て“ミラフィオーレ”の商標を買い戻すことに成功したんだ!そして我々は、創業当時と同じブドウ品種、同じ醸造方法、同じ熟成方法で造る“ミラフィオーレ”を新たなラインナップとして立ち上げたんだ!」
どうだと言わんばかりの満足げな笑顔だ。

新生ミラフィオーレの熟成庫になっているのは、ミラフィオーレ社の創業当初から使われている“王のセラー”と呼ばれる部屋だ。創業当時使われていた王家の紋章入りの6つの樽(3000~4000リットル)が、歴史を感じさせる風貌で厳かにたたずんでいる。それと同じ形、同じ容量の周囲に並べられた新しい樽の中では、新生ミラフィオーレが瓶詰めの日を今か今かと待ちわびている。

▲王のセラー。一番奥にあるのは創業当時からある樽のうちの一つ。
▲王のセラー。一番奥にあるのは創業当時からある樽のうちの一つ。
「昔ながらの造り方と言っても、ワイナリー内の清潔さや発酵時間・温度帯についての知識、標高ごとに完熟具合を計算しての細かい区分け収穫など、100年以上前には無かった知識や考え方を駆使しているので、間違いなく昔よりも高品質な“ミラフィオーレ”になっているはずだよ!このシリーズは非常にクラシックな造りなので、現代の通常のバローロよりも熟成には時間がかかると思う。もし新しいヴィンテージを飲んでみて若すぎると思ったら少し寝かせてみるといい。半年でも一年でも違いが出てくるはずだよ。それに、何本かは長期熟成用に取っておくことをお勧めするよ。何十年経っても美味しく飲めるのは僕が保証するさ!」

創業後、商標の変更という大きな変化を経験することになったが、”フォンタナフレッダ” は、創業の土地フォンタナフレッダで、途切れることなくワインを造り続けてきた。今では、バローロを筆頭に土着品種の赤ワインアルタ・ランガのスパークリング、ランゲの白ワインなど多様なラインナップでピエモンテの名門として国際市場にも広く認知されている。
一方、約80年の時間を経て再びフォンタナフレッダの土地に帰ってきたミラフィオーレでは、大きな市場を意識するのではなく、少量生産で本物の偉大なクラシックなピエモンテワインの伝統の重要さを再認識・再評価できる洗練された味わいを追及している。実際に、ミラフィオーレの生産量はフォンタナフレッダの1%にも満たない。

▲ミラフィオーレシリーズ。ピエモンテの伝統的なブドウ品種ドルチェット、バルベーラ、ネッビオーロを使った赤ワインのみをリリースしている。最近、ラベルがリニューアルされエレガントな装いになった。
▲ミラフィオーレシリーズ。ピエモンテの伝統的なブドウ品種ドルチェット、バルベーラ、ネッビオーロを使った赤ワインのみをリリースしている。最近、ラベルがリニューアルされエレガントな装いになった。
「初代国王の頃の話が序章だとしたら、我々はまだ壮大な物語の本編に入ったばかりだ。ページを重ねていっていつか過去を振り返った時に、どれだけ素晴らしいストーリーが綴られているかを考えると楽しみで仕方がないね!」
自信たっぷりにそう語るブルーノさん自慢の逸品を、ぜひ味わってみていただきたい。

例えば、フォンタナフレッダ・バローロとミラフィオーレ・バローロで飲み比べてみるのも面白いだろう。
そしてもし、昔のフォンタナフレッダ社のイメージが良くないという方がいたら、今一度、まずはスタンダードなシルバー・ラベルのバローロから、先入観を捨てて飲んでみていただきたい。新たな発見があること請け合いである。


トリノ カフェ特集

vol.252016/5/20
在庫なし

ミオバール探しの旅は続く

人にはそれぞれに心休まる場所がある。

自宅のソファであったり、いつもの酒場であったり、日だまりの川岸であったり、たき火の前であったりとさまざまだ。
イタリアには、小さな町や村にも必ず教会があって、その前のピアッツァ(広場)には必ずと言っていいほどバールがある。人々はそこに集い、憩い、談笑する。

イタリアにおけるカフェ、バールとは、多くの人が身を寄せて、心と体を休ませ、次への活力を注入していく場所だろう。時には嫌なことも忘れさせてくれるのかもしれない。決してそれは特別でも無く、日常の中のひとつの文化として、長くアイデンティティとして受け継がれてきているのだろう。トリノのカフェには1700年代から続く店がいくつもあり、その時代の人々の交流からは、多くの政治が行われ、文化が育まれてきたのだから。

カフェ、バールでは、バリスタやバールマンが、ゲストに最高のサービスを提供しようと、朝から晩まで何百杯ものカフェを淹れ、
何百杯もの酒を注ぐ。

老舗のカフェであっても、新しいバールであっても、小さくても、大きくても、自分に合っていれば、それは自分にとっては最高の場所となる。
イタリア人にとっての飲み物のカフェとは、日常だということを改めて感じた。豆やマシンなどの細かなスペックよりも、その空間、時間のほうが大切だということだ。逆から言えば、それを大切にするために選ぶ、カフェ(飲み物の)であったり、パスティッチーノであったり、リキュールやワインであったりするのだろう。

近所の酒屋へ遣いに行くと、ツンとする日本酒の香りと、缶詰や乾き物の匂いが、子供の頃は苦手だった。レジ横の小さなカウンターに仕事を終えた男たちが溜まり、思いおもいの酒とつまみでひと時を過ごしていた。いわゆる角打ちというやつだ。今ではもう少なくなってしまったり、形を変えた立ち飲み酒場になったりして、時代に即して変化しているが、バンコでの立ち飲みとダブる。
そういう中で人々が求めているのは、いつの時代も酒を潤滑油にした人と人との繋がりなのではないだろうか。特に現在のようなデジタル時代だからこそ、アナログな感覚を欲しているのではないかと感じる。
 
バール。それはもしかしたら、今の世の中で暮らす人々の心の、欠けたピースを埋めてくれる場所かもしれない。ただ、自分のピースの形は自分にしか分からない。
ミオバール(私のバール)を探す、旅は続くのだ。

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