【アブルッツォ州】噛みしめる程に小麦の風味が広がるパスタ
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【vol.122|マンマのレシピ】羊肉の香草トマトソース煮込み
【アブルッツォ州】古くから伝わる羊飼いたちの料理
ヴェルディッキオの実る頃 Presented by モンテ物産
イタリアでは今年もブドウが収穫期を迎えている。
一年間情熱をかけて育てたブドウを最高のタイミングで収穫する。生産者にとっては一年間の努力が実を結ぶ高揚感のある瞬間だ。ここ、イタリア中部のマルケ州カステッリ・ディ・イエージエリアでも、土着品種ヴェルディッキオの収穫が最盛期を迎えている。
マルケはイタリアの東海岸側に面した州だ。目の前にはスタジオジブリの名作映画「紅の豚」の舞台にもなった、エメラルドに輝くアドリア海が広がる。このマルケ州の北部、海からは少し内陸がヴェルディッキオの生産エリア、カステッリ・ディ・イエージ。ワインの正式名称は“ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ”。これにクラッシコ、とかスペリオーレ、とか続いたりするので非常に名前が長く覚えづらいかもしれない。
一方でイタリアワイン好き方の中には、“ヴェルディッキオ”という白ワインの名前は聞いたことがある、という方も多いのではないだろうか。日本にはかなり昔から輸入されているし、イタリアでも最も有名な土着品種のひとつ。フルーティで、ミネラルが乗りやすく、余韻に柑橘系の果実の皮のようなほのかな苦みがあるのが特徴的だ。
「ヴェルディッキオの房はブドウの粒同士がくっついて実るんだよ」
マルケ州を代表するウマニ・ロンキ社のミケーレ社長は、美しく実ったヴェルディッキオの房を手に取り、その出来に満足するように目を細めた。
▲たわわに実るヴェルディッキオ
確かにブドウの房を見ると、ブドウの一粒一粒がかなり密集している。
「こういう形の房なので、ブドウの間の湿気が抜けづらく、雨が降ったりするとカビが発生しないように特に注意が必要なんだ。雨が多い年はブドウの葉を少なくして、木々の間の風通しをよくする。でも余りに葉が少なく、直射日光に当たり続けると、ブドウが焼けてしまう。畑の手入れには経験が必要というわけさ。」
ミケーレ社長がそう説明している間に我々のそばを収穫作業中の10人ほどのグループが通り過ぎた。ミケーレ社長はみんなににこやかに手を振り、こう続けた。
「畑での作業に経験は不可欠。収穫前の手入れも当然ながら、収穫の際はなおさらだよ。このため、我々ウマニ・ロンキ社は年間通して、畑作業の専任を45名ほど雇用しているんだ。いま通り過ぎた彼らも全て1年中ウマニ・ロンキの畑を管理する、我々の正社員なんだよ。」
いまいちピンと来ないかもしれないが、ウマニ・ロンキ社の正しい評価のために正直に言えば、他のほとんどのワイナリーが収穫時の作業員を“期間雇用”している。
つまり、収穫期以外も一年を通じて畑の管理をする正社員の数は少数に押さえて人件費を下げているところがほとんどだ。畑専門の年間契約の正社員が45人というのは、びっくりするほど多い数と言える。
▲収穫作業の様子
それを察したように、ミケーレ社長は説明を付け加えてくれる。
「ヴェルディッキオは先ほどの説明通りブドウの実が密着しているから、収穫の時も特に大切に扱う必要がある。他のワイナリーでは機械収穫しているところもあるようだけど、機械で収穫するとブドウの実が密着しているため傷つきやすい。ブドウの実に傷がついてしまうと、そこから一部発酵や酸化が始まって品質が低下してしまうんだよ。だからウチの自社畑では、ヴェルディッキオは全て手摘みで収穫しているんだ。ウマニ・ロンキ社がこれだけ正社員を雇っているのは、ブドウをとてもデリケートに扱わなければいけない手摘み作業に、経験ある作業員を常に投入したいからでもあるのさ。」
▲畑の中を歩くミケーレ社長(左)と、その父でウマニ・ロンキ社 前社長のマッシモさん
「我がウマニ・ロンキワインのエントリーライン、カサル・ディ・セッラも全て手摘み収穫のブドウで造られているんだよ。」
ウマニ・ロンキ社のヴェルディッキオのラインナップの中には、カサル・ディ・セッラとカサル・ディ・セッラ・ヴェッキエ・ヴィーニェという2種類のワインがある。ヴェッキエ・ヴィーニェは“古木の畑”という意味で、カサル・ディ・セッラの畑の中でも特に古いブドウの木がある一区画から作られる単一畑のトップワイン。数年前にはイタリアで最も権威あるワイン評価本ガンベロロッソでその年のNo.1白ワインにも選ばれた、イタリアを代表するワインだ。
このエントリーラインに当たるのが、カサル・ディ・セッラ。こちらも全て手摘み収穫のブドウで造られるそうだ。手摘み収穫の努力がどれほど品質に反映されるのか、ご興味ある方には是非一度、このエントリーラインのカサル・ディ・セッラを試して頂きたい。
華やかで白桃や花の蜜を思わせる香りに、口に含んだ時のフルーティさとミネラル。非常に繊細で綺麗な酸があり、余韻にはヴェルディッキオの特徴の、柑橘系の果実の皮のような苦みがほのかに感じられる。完成度の高さは同価格帯でも頭一つ抜きん出ているだろう。
だがそれもそのはずだ。この価格帯で完全手摘み収穫のワインはほとんど存在しない。ウマニ・ロンキ社熟練の作業員による手摘み収穫と、品質への強いこだわりを持つミケーレ社長の情熱から生まれるワインのクオリティを、読者の皆様にも是非ご実感頂ければ幸いである。
▲カサル・ディ・セッラ(左)とカサル・ディ・セッラ・ヴェッキエ・ヴィーニェ
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼ウマニ・ロンキ社についてはこちらから↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/UR.html
一年間情熱をかけて育てたブドウを最高のタイミングで収穫する。生産者にとっては一年間の努力が実を結ぶ高揚感のある瞬間だ。ここ、イタリア中部のマルケ州カステッリ・ディ・イエージエリアでも、土着品種ヴェルディッキオの収穫が最盛期を迎えている。
マルケはイタリアの東海岸側に面した州だ。目の前にはスタジオジブリの名作映画「紅の豚」の舞台にもなった、エメラルドに輝くアドリア海が広がる。このマルケ州の北部、海からは少し内陸がヴェルディッキオの生産エリア、カステッリ・ディ・イエージ。ワインの正式名称は“ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ”。これにクラッシコ、とかスペリオーレ、とか続いたりするので非常に名前が長く覚えづらいかもしれない。
一方でイタリアワイン好き方の中には、“ヴェルディッキオ”という白ワインの名前は聞いたことがある、という方も多いのではないだろうか。日本にはかなり昔から輸入されているし、イタリアでも最も有名な土着品種のひとつ。フルーティで、ミネラルが乗りやすく、余韻に柑橘系の果実の皮のようなほのかな苦みがあるのが特徴的だ。
「ヴェルディッキオの房はブドウの粒同士がくっついて実るんだよ」
マルケ州を代表するウマニ・ロンキ社のミケーレ社長は、美しく実ったヴェルディッキオの房を手に取り、その出来に満足するように目を細めた。
確かにブドウの房を見ると、ブドウの一粒一粒がかなり密集している。
「こういう形の房なので、ブドウの間の湿気が抜けづらく、雨が降ったりするとカビが発生しないように特に注意が必要なんだ。雨が多い年はブドウの葉を少なくして、木々の間の風通しをよくする。でも余りに葉が少なく、直射日光に当たり続けると、ブドウが焼けてしまう。畑の手入れには経験が必要というわけさ。」
ミケーレ社長がそう説明している間に我々のそばを収穫作業中の10人ほどのグループが通り過ぎた。ミケーレ社長はみんなににこやかに手を振り、こう続けた。
「畑での作業に経験は不可欠。収穫前の手入れも当然ながら、収穫の際はなおさらだよ。このため、我々ウマニ・ロンキ社は年間通して、畑作業の専任を45名ほど雇用しているんだ。いま通り過ぎた彼らも全て1年中ウマニ・ロンキの畑を管理する、我々の正社員なんだよ。」
いまいちピンと来ないかもしれないが、ウマニ・ロンキ社の正しい評価のために正直に言えば、他のほとんどのワイナリーが収穫時の作業員を“期間雇用”している。
つまり、収穫期以外も一年を通じて畑の管理をする正社員の数は少数に押さえて人件費を下げているところがほとんどだ。畑専門の年間契約の正社員が45人というのは、びっくりするほど多い数と言える。
それを察したように、ミケーレ社長は説明を付け加えてくれる。
「ヴェルディッキオは先ほどの説明通りブドウの実が密着しているから、収穫の時も特に大切に扱う必要がある。他のワイナリーでは機械収穫しているところもあるようだけど、機械で収穫するとブドウの実が密着しているため傷つきやすい。ブドウの実に傷がついてしまうと、そこから一部発酵や酸化が始まって品質が低下してしまうんだよ。だからウチの自社畑では、ヴェルディッキオは全て手摘みで収穫しているんだ。ウマニ・ロンキ社がこれだけ正社員を雇っているのは、ブドウをとてもデリケートに扱わなければいけない手摘み作業に、経験ある作業員を常に投入したいからでもあるのさ。」
▲畑の中を歩くミケーレ社長(左)と、その父でウマニ・ロンキ社 前社長のマッシモさん
「我がウマニ・ロンキワインのエントリーライン、カサル・ディ・セッラも全て手摘み収穫のブドウで造られているんだよ。」
ウマニ・ロンキ社のヴェルディッキオのラインナップの中には、カサル・ディ・セッラとカサル・ディ・セッラ・ヴェッキエ・ヴィーニェという2種類のワインがある。ヴェッキエ・ヴィーニェは“古木の畑”という意味で、カサル・ディ・セッラの畑の中でも特に古いブドウの木がある一区画から作られる単一畑のトップワイン。数年前にはイタリアで最も権威あるワイン評価本ガンベロロッソでその年のNo.1白ワインにも選ばれた、イタリアを代表するワインだ。
このエントリーラインに当たるのが、カサル・ディ・セッラ。こちらも全て手摘み収穫のブドウで造られるそうだ。手摘み収穫の努力がどれほど品質に反映されるのか、ご興味ある方には是非一度、このエントリーラインのカサル・ディ・セッラを試して頂きたい。
華やかで白桃や花の蜜を思わせる香りに、口に含んだ時のフルーティさとミネラル。非常に繊細で綺麗な酸があり、余韻にはヴェルディッキオの特徴の、柑橘系の果実の皮のような苦みがほのかに感じられる。完成度の高さは同価格帯でも頭一つ抜きん出ているだろう。
だがそれもそのはずだ。この価格帯で完全手摘み収穫のワインはほとんど存在しない。ウマニ・ロンキ社熟練の作業員による手摘み収穫と、品質への強いこだわりを持つミケーレ社長の情熱から生まれるワインのクオリティを、読者の皆様にも是非ご実感頂ければ幸いである。
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【お知らせ】消費税率変更に伴うご案内
いつも『イタリア好き』をご愛読いただき、またitaliazuki.comをご利用くださり、誠にありがとうございます。
2019年10月1日(火)に実施される消費税率の変更に伴い、料金表示方法、および一部送料の変更をさせていただくことになりました。
移行期間は、しばらく表示の混在が予想されます。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解いただけますようお願い申し上げます。
■販売商品価格の表示方法変更について
10月1日(火)の消費税率変更に先立ちまして、
まずは2019年9月23日(火)より、料金の表示価格を全て税込み表記へ変更させていただきました。
現在は、全て8%での税込み価格へと変更しております。
10月1日(火)より、食品以外の10%対象商品につきましては価格を変更させていただきます。
※バックナンバーは増税分据え置きで調整させていただきます。
※食品は軽減税率対象のため、10月1日(火)以降も金額変更はございません。
変更前(9/23まで):価格表示 3,000(税別)※消費税額別立て
変更後(9/24より):価格表示 3,240(税込)※消費税額含む、10/1より対象商品は10%へ変更
尚、マイページでの「継続サービス」表示価格も(税込)での金額へと変更しております。
ご不明点等ございましたら、こちらよりお問い合わせくださいませ。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
2019年10月1日(火)に実施される消費税率の変更に伴い、料金表示方法、および一部送料の変更をさせていただくことになりました。
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まずは2019年9月23日(火)より、料金の表示価格を全て税込み表記へ変更させていただきました。
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引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【vol.121|マンマのレシピ】ファーラの平タマネギとヒヨコ豆のスープ仕立て
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【vol.120|マンマのレシピ】チーズと卵のポルペッテ トマトソース煮込み
【アブルッツォ州】州全域で親しまれ、州を代表する伝統料理
10/9・10開催!!イタリア料理専門展「第9回 ACCI Gusto 2019」
「本物のイタリア料理」に出会える場として、毎年多くの食に携わるプロ向けのイタリア料理専門展示会「ACCI Gusto」を今年も開催いたします。
イタリア料理に関する食材、飲料、機器が一堂に会し、ラ・ベットラ・ダ・オチアイの落合シェフを筆頭に一流のシェフ達によるデモンストレーションや、イタリア食材や歴史、イタリア現地情報等に精通した著名専門化による特別セミナーを行い一度で様々な情報を得ることができます。
また前回盛況だったイタリア料理コンテスト「Premio ACCI」の決勝戦も行います。
今回のテーマは「イタリア産チーズ」!馴染みのあるチーズから珍しいチーズまで予選を勝ち抜いた料理人たちが自身の経験と情熱を注いだ素晴らしい逸品を実際に調理しているシーンを是非会場でご覧ください!
第9回イタリア料理専門展 「ACCI Gusto 2019」
日程:10月9日(水)・10日(木)(10:00~17:00)会場:都立産業貿易センター台東館
出展規模:100社/120小間(予定)
入場事前登録はこちらから:
入場料1,000円(税込み)が無料に!!
https://www.a-c-c-i.com/gusto/registration.php
■デモンストレーション
ラ・ベットラ・ダ・オチアイの落合シェフを筆頭に一流のシェフ達による大好評のデモンストレーション■セミナースケジュール
イタリアの情報に精通した著名専門化による、学びの多い特別セミナー■イタリア料理コンテスト「Premio ACCI」の決勝戦
「イタリア産チーズ」をテーマにした素晴らしい料理を是非会場でご覧ください!〇テーマ:「イタリア産チーズ」
〇開催時間:10月9日(水) 11:00~14:15(5F会場)
・アズーリクラシコ 阿部 正和 さん
・Ristorante t.v.b 上坂 祐一郎 さん
・DAL CUORE 鈴木 伸朋 さん
・ART MON ZEN KYOTO ristorante Galleria 中村 雄太 さん
・XEX日本橋 早川 光 さん
・RISTORANTE Borgo KONISHI 山嵜 正樹 さん
▼詳しくはこちらから!
https://www.a-c-c-i.com/contest/
■会場の様子
4,000名近くの来場者数の方々で賑わう会場。出展ブースも100以上!ご期待ください。https://www.a-c-c-i.com/gusto/index.html
事務局 TEL:03-6427-6883
バローロと名のつくワインが多過ぎてお困りの方々に捧げるコラム Presented by モンテ物産
世界的にみても、日本は輸入ワインの品揃えが異常なほど豊富だと思う。実際イタリアに駐在しながら現地で一般的に見かけるワインの中で、日本に入っていないものを見つけるほうが難しいぐらいだ。それほどありとあらゆるワインが、多かれ少なかれ日本に輸入されている。
しかし品揃えの豊富さは、ワイン愛好家にとっては嬉しい反面、一般的な消費者からすればワインをわかりづらくしている一因でもあるかもしれない。選ぶには多過ぎるのだ。
日本に輸入されるイタリアワインの先駆け的な存在であったキアンティも、イタリアワインの王様と呼ばれるバローロも、種類が多過ぎてまず何を飲んでみればよいのかわからない方もさぞかし多いことだろう。
イタリアワインの中でまず何を飲めばよいのか。悩む方にはやはりバローロをお薦めしたい。バローロは自他共に認める“イタリアワインの王様”。おそらく世界で最も有名なイタリアワインであるからだ。ネッビオーロというイタリアの土着品種のみを使い造られているから、世界的に広く栽培されているカベルネ・ソーヴィニョン、メルローといった国際品種の枠を飛び出し、イタリアワインの特徴である土着品種の個性溢れる一面を垣間見ることができる。
しかしバローロと一口に言っても、その名を冠したワインは星の数ほどある。価格もピンキリだ。
いったいどのバローロを飲めば、スタンダードがわかるのか。悩みは尽きないだろう。
前置きが長くなったが、先日のワイナリー訪問でそんな日本の現状を伝えた相手はバローロエリア最大の作り手フォンタナフレッダ社のロベルト・ブルーノ社長。
彼からの返答は明快だった。
「フォンタナフレッダ社のバローロがその答えだよ」
余りにシンプルで自信に満ち溢れた答えに思わず笑ってしまうと、それを見てブルーノ社長はニコニコとこう続けた。
「私が自分のワインを売りたいから言っていると思っただろう?その通りさ。でもそれだけじゃお客様は納得してくれない。これは世界中どこでも一緒だよ。だから今から3つ、フォンタナフレッダのバローロを最初に飲むべき理由を説明しようと思う。」
「一つ目。フォンタナフレッダ社のバローロはイタリアを統一した初代国王も飲んでいたバローロだから。イタリアでもバローロは、『王のワイン、ワインの王』といわれる。その理由は、初代国王がフォンタナフレッダの土地を買いそこで王家用にワイン造りを始めたためだ。フォンタナフレッダ社のバローロは、『王のワイン』を知るのに最適なんだよ。」
▲1903年のヴィンテージのフォンタナフレッダ社のバローロ。(写真左)
▲初代国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世(写真右)
「2つ目の理由はその造り方。バローロは伝統的には、色々な畑のブドウをブレンドし、大きな樽の中で熟成させる。フォンタナフレッダのスタンダード、シルバーラベルのバローロはまさにこの伝統にのっとって、今でも伝統的な醸造方法を頑なに守って作られているんだ。古き良き、ベーシックなバローロを知るには最適な1本というわけさ。」
「3つ目は、フォンタナフレッダ社のバローロがイタリアで誰もが知るバローロだからだよ。フォンタナフレッダ社は現在、バローロエリア最大の生産者。フォンタナフレッダのバローロは、間違いなくイタリアで最も広く愛飲されるバローロのうちの1本さ。長い間売れ続けているのには訳がある。つまりバローロというワインのスタンダードを知りたい方が飲むべき、王道ワインなんだよ。」
ブルーノ社長は詩人かなにかのように流れるような口調でここまで説明すると、あっ、と声を出して派手に慌てたそぶりを見せた。
「まずい、とても大事なことを言い忘れていた。おまけにフォンタナフレッダ社のバローロはリーズナブルだよ。これが“一番”大事なことだったね!」
彼はわざと大げさにそう言うと、いたずらっぽくウインクして話を締めくくった。
たしかにフォンタナフレッダのバローロはイタリアワインの奥深さを垣間見せてくれる。
普段バローロをあまり飲んだことの無い方には是非試してみて欲しい。余り難しいことは考えず、ただその優美に広がる香りと、フルーティでなおかつ複雑な味わいに驚いて欲しい。一言で言えば、重厚でエレガント。ちょっと矛盾しているように聞こえるかもしれないが、それが同居するのがバローロだ。
さあいかがだろうか。近々バローロとともにワインの世界のもう一歩奥に踏み込んでみられては。
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼フォンタナフレッダ社についてはこちらから↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/FF.html
しかし品揃えの豊富さは、ワイン愛好家にとっては嬉しい反面、一般的な消費者からすればワインをわかりづらくしている一因でもあるかもしれない。選ぶには多過ぎるのだ。
日本に輸入されるイタリアワインの先駆け的な存在であったキアンティも、イタリアワインの王様と呼ばれるバローロも、種類が多過ぎてまず何を飲んでみればよいのかわからない方もさぞかし多いことだろう。
イタリアワインの中でまず何を飲めばよいのか。悩む方にはやはりバローロをお薦めしたい。バローロは自他共に認める“イタリアワインの王様”。おそらく世界で最も有名なイタリアワインであるからだ。ネッビオーロというイタリアの土着品種のみを使い造られているから、世界的に広く栽培されているカベルネ・ソーヴィニョン、メルローといった国際品種の枠を飛び出し、イタリアワインの特徴である土着品種の個性溢れる一面を垣間見ることができる。
しかしバローロと一口に言っても、その名を冠したワインは星の数ほどある。価格もピンキリだ。
いったいどのバローロを飲めば、スタンダードがわかるのか。悩みは尽きないだろう。
前置きが長くなったが、先日のワイナリー訪問でそんな日本の現状を伝えた相手はバローロエリア最大の作り手フォンタナフレッダ社のロベルト・ブルーノ社長。
彼からの返答は明快だった。
「フォンタナフレッダ社のバローロがその答えだよ」
余りにシンプルで自信に満ち溢れた答えに思わず笑ってしまうと、それを見てブルーノ社長はニコニコとこう続けた。
「私が自分のワインを売りたいから言っていると思っただろう?その通りさ。でもそれだけじゃお客様は納得してくれない。これは世界中どこでも一緒だよ。だから今から3つ、フォンタナフレッダのバローロを最初に飲むべき理由を説明しようと思う。」
「一つ目。フォンタナフレッダ社のバローロはイタリアを統一した初代国王も飲んでいたバローロだから。イタリアでもバローロは、『王のワイン、ワインの王』といわれる。その理由は、初代国王がフォンタナフレッダの土地を買いそこで王家用にワイン造りを始めたためだ。フォンタナフレッダ社のバローロは、『王のワイン』を知るのに最適なんだよ。」
▲初代国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世(写真右)
「2つ目の理由はその造り方。バローロは伝統的には、色々な畑のブドウをブレンドし、大きな樽の中で熟成させる。フォンタナフレッダのスタンダード、シルバーラベルのバローロはまさにこの伝統にのっとって、今でも伝統的な醸造方法を頑なに守って作られているんだ。古き良き、ベーシックなバローロを知るには最適な1本というわけさ。」
「3つ目は、フォンタナフレッダ社のバローロがイタリアで誰もが知るバローロだからだよ。フォンタナフレッダ社は現在、バローロエリア最大の生産者。フォンタナフレッダのバローロは、間違いなくイタリアで最も広く愛飲されるバローロのうちの1本さ。長い間売れ続けているのには訳がある。つまりバローロというワインのスタンダードを知りたい方が飲むべき、王道ワインなんだよ。」
ブルーノ社長は詩人かなにかのように流れるような口調でここまで説明すると、あっ、と声を出して派手に慌てたそぶりを見せた。
「まずい、とても大事なことを言い忘れていた。おまけにフォンタナフレッダ社のバローロはリーズナブルだよ。これが“一番”大事なことだったね!」
彼はわざと大げさにそう言うと、いたずらっぽくウインクして話を締めくくった。
たしかにフォンタナフレッダのバローロはイタリアワインの奥深さを垣間見せてくれる。
普段バローロをあまり飲んだことの無い方には是非試してみて欲しい。余り難しいことは考えず、ただその優美に広がる香りと、フルーティでなおかつ複雑な味わいに驚いて欲しい。一言で言えば、重厚でエレガント。ちょっと矛盾しているように聞こえるかもしれないが、それが同居するのがバローロだ。
さあいかがだろうか。近々バローロとともにワインの世界のもう一歩奥に踏み込んでみられては。
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【vol.119|マンマのレシピ】シチリア風ポルペッテ
【シチリア州】アーモンドが入るのが特徴
【vol.118|マンマのレシピ】ナスのインボルティーニ
【シチリア州】パンを再利用した定番家庭料理
セッラ&モスカが造るサルデーニャ島唯一のDOCGワイン“モンテオーロ” Presented by モンテ物産
1899年創業のサルデーニャ島を代表するワイナリーSella&Mosca(セッラ・エ・モスカ)。
島の北西の港町アルゲーロから内陸に車で15分走ったところに650ヘクタールの広大な敷地(うち520ヘクタールがブドウ畑)とカンティーナを持ち、平地でヴェルメンティーノ種、トルバート種、カンノナウ種、カベルネソーヴィニョン種など様々な品種を植えている。
今回訪問したのは、セッラ&モスカにとって重要なもう一つのエリア、“ガッルーラ”だ。
ガッルーラはサルデーニャ島の北側に位置し、平地が多いアルゲーロとは対照的に低い山が密集したエリア。
ここに、1996年に昇格したサルデーニャ島唯一のDOCGワイン、ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラに使用される白ブドウの畑が広がっている。
夏のバカンスシーズンは世界中のお金持ちで賑わうとされる有名なコスタ・ズメラルダ(エメラルド海岸)から車で30分ほどで、コルク樫の木があちこちに見られるなどサルデーニャの自然を体感できる所だ。
案内してくれたのは、畑管理のアグロノモを務めるジュゼッペさんと統括エノロゴのジョヴァンニさん、輸出担当のダヴィデさんの3人。
「よく来てくれたね。なかなかここのガッルーラのブドウ畑に案内することはないんだ。やはりワイナリーの本拠地はアルゲーロだからね。でもこのユニークな土地でセッラ・エ・モスカの素晴らしいDOCGワイン“モンテオーロ”ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ・スペリオーレのブドウが栽培されている。それを紹介できて嬉しいよ。」
丘というよりは低い山の斜面を登った場所に16ヘクタールのヴェルメンティーノ種の畑がある。海からの温暖な風と山の冷涼さを感じる。
アグロノモのジュゼッペさんがこの土地の特徴を説明してくれた。
「この土地は標高280~350mで起伏があり、土壌の70~80パーセントは花崗岩が砕けた砂質土壌。残りは粘土質で、非常に水はけの良い土地となっているんだ。この土壌から繊細な風味のヴェルメンティーノワインが生まれる。」
また、畑の周りにはあちこちに様々な植物が自生している。
これについてジュゼッペさんは
「ここは、Macchia Mediterranea(マッキア・メディテッラーネア)=地中海潅木地帯 (*直訳は地中海の染み) となっており、地中海の様々なハーブや植物が点在しているんだ。
ニュウコウジュ、ミルト、ハンニチバナ、エニシダ、ローズマリー、オリーブの木、トキワ樫、コルク樫なんかがそうだよ。」
ほらこれがニュウコウジュ、これがミルト(ブルーベリーのような果実でサルデーニャの伝統的なリキュール、ミルト酒の原料ともなる)、これがハンニチバナと次々に植物を手に取り、紹介してくれる。こんなに花やハーブ、木々に囲まれたブドウ畑は見たことがない。
「この植物たちがモンテオーロのワインに、ハーブや草木のニュアンスを与えてくれるんだ。」
エノロゴのジョヴァンニさんが付け加える。
「ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラDOCGの規定では、ヘクタールあたりのブドウの収量は10t以下。スペリオーレで9t以下。しかしモンテオーロは、7tに抑えている。これにより、少ないブドウの房に栄養が集まり、爽やかでありながら飲み応えも感じるワインになっているんだ。」
畑のそばにある石のテーブルで、2017年、2014年、2010年と3ヴィンテージのモンテオーロを飲ませてもらった。若いうちはハーブや柑橘類の爽やかな香りで、口に含むとまろやかさと心地良い酸を感じる。熟成するにつれてより深いアロマとなり、火打石のようなミネラル感も出てくる。約10年の熟成に耐えられる白は、よほど骨格がしっかりしていないと実現しない。モンテオーロのポテンシャルを感じたテイスティングだった。
しっかりした骨格と果実味があってアルコール度数も14%ほどあるワインだが、酸やミネラル感の見事なバランスにより、全く飲み疲れることがない。
「夏一押しのワインだよ!」とダヴィデさんが言うとおり、暑い日にしっかり冷やして飲みたくなる。
夕日がきれいな場所で、ブドウの房が完熟すると黄金色に輝くことから、“黄金の山”という意味の名前がついたモンテオーロ。
このモンテオーロとともに、今年の夏を楽しんでみてはいかがだろうか?
モンテ物産
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▼セッラ&モスカ社のページはこちらから↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/sellamosca.html
島の北西の港町アルゲーロから内陸に車で15分走ったところに650ヘクタールの広大な敷地(うち520ヘクタールがブドウ畑)とカンティーナを持ち、平地でヴェルメンティーノ種、トルバート種、カンノナウ種、カベルネソーヴィニョン種など様々な品種を植えている。
今回訪問したのは、セッラ&モスカにとって重要なもう一つのエリア、“ガッルーラ”だ。
ガッルーラはサルデーニャ島の北側に位置し、平地が多いアルゲーロとは対照的に低い山が密集したエリア。
ここに、1996年に昇格したサルデーニャ島唯一のDOCGワイン、ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラに使用される白ブドウの畑が広がっている。
夏のバカンスシーズンは世界中のお金持ちで賑わうとされる有名なコスタ・ズメラルダ(エメラルド海岸)から車で30分ほどで、コルク樫の木があちこちに見られるなどサルデーニャの自然を体感できる所だ。
案内してくれたのは、畑管理のアグロノモを務めるジュゼッペさんと統括エノロゴのジョヴァンニさん、輸出担当のダヴィデさんの3人。
「よく来てくれたね。なかなかここのガッルーラのブドウ畑に案内することはないんだ。やはりワイナリーの本拠地はアルゲーロだからね。でもこのユニークな土地でセッラ・エ・モスカの素晴らしいDOCGワイン“モンテオーロ”ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ・スペリオーレのブドウが栽培されている。それを紹介できて嬉しいよ。」
丘というよりは低い山の斜面を登った場所に16ヘクタールのヴェルメンティーノ種の畑がある。海からの温暖な風と山の冷涼さを感じる。
「この土地は標高280~350mで起伏があり、土壌の70~80パーセントは花崗岩が砕けた砂質土壌。残りは粘土質で、非常に水はけの良い土地となっているんだ。この土壌から繊細な風味のヴェルメンティーノワインが生まれる。」
また、畑の周りにはあちこちに様々な植物が自生している。
これについてジュゼッペさんは
「ここは、Macchia Mediterranea(マッキア・メディテッラーネア)=地中海潅木地帯 (*直訳は地中海の染み) となっており、地中海の様々なハーブや植物が点在しているんだ。
ニュウコウジュ、ミルト、ハンニチバナ、エニシダ、ローズマリー、オリーブの木、トキワ樫、コルク樫なんかがそうだよ。」
ほらこれがニュウコウジュ、これがミルト(ブルーベリーのような果実でサルデーニャの伝統的なリキュール、ミルト酒の原料ともなる)、これがハンニチバナと次々に植物を手に取り、紹介してくれる。こんなに花やハーブ、木々に囲まれたブドウ畑は見たことがない。
エノロゴのジョヴァンニさんが付け加える。
「ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラDOCGの規定では、ヘクタールあたりのブドウの収量は10t以下。スペリオーレで9t以下。しかしモンテオーロは、7tに抑えている。これにより、少ないブドウの房に栄養が集まり、爽やかでありながら飲み応えも感じるワインになっているんだ。」
畑のそばにある石のテーブルで、2017年、2014年、2010年と3ヴィンテージのモンテオーロを飲ませてもらった。若いうちはハーブや柑橘類の爽やかな香りで、口に含むとまろやかさと心地良い酸を感じる。熟成するにつれてより深いアロマとなり、火打石のようなミネラル感も出てくる。約10年の熟成に耐えられる白は、よほど骨格がしっかりしていないと実現しない。モンテオーロのポテンシャルを感じたテイスティングだった。
しっかりした骨格と果実味があってアルコール度数も14%ほどあるワインだが、酸やミネラル感の見事なバランスにより、全く飲み疲れることがない。
「夏一押しのワインだよ!」とダヴィデさんが言うとおり、暑い日にしっかり冷やして飲みたくなる。
夕日がきれいな場所で、ブドウの房が完熟すると黄金色に輝くことから、“黄金の山”という意味の名前がついたモンテオーロ。
このモンテオーロとともに、今年の夏を楽しんでみてはいかがだろうか?
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