【ヴェネト州】春先の季節限定のデリケートでやさしい味わい
イタリア好き委員会 のすべての投稿
【vol.88|マンマのレシピ】メランザーネ・アル・フンゲット
【ヴェネト州】ヴェネツィアに古くから伝わるユダヤ料理
シチリア人の日常に根付く、マルサラワイン(フローリオ社)” Presented by モンテ物産
パレルモ空港から右手にシチリアの海を眺めつつ、南西へ車で1時間半ほど行くとマルサラという街が見えてくる。紀元前から存在する歴史ある街だが、それ以上にこの街と同じ名前の名産品で有名な場所だ。
琥珀色に輝く、うっとりするような甘美な味わいが特徴的なシチリアの伝統酒、マルサラワイン*。ワインにブランデーを加えて作る酒精強化ワインで、スペインのシェリー酒やポルトガルのポートワイン、マディラワインと並ぶ世界4大酒精強化ワインのひとつ。日本でもティラミスなどの隠し味に良く使われている。(*マルサラワインの作り方等の詳細は記事の最後を参照)
マルサラワインを代表する造り手にフローリオ社がある。創業1833年。
実は今回シチリアに来た目的は180年以上の歴史を誇るこのフローリオ社の訪問だったが、マルサラの街に立ち寄ったところ昼下がりのバールでまさにフローリオのマルサラを美味しそうに飲んでいるおじいさん3人組に出会った。
3人のおじいさんの前にはマルサラ・スーペリオーレ・リゼルヴァ”タルガ”のボトルが置いてある。フローリオ社が7年以上熟成させて作るリゼルヴァタイプのマルサラだ。思わず立ち止まって眺めていると、おじいさんの1人が唐突に「マルサラが料理酒だけだと思っているなら大間違いだよ!」とシチリア訛りで話しかけてきた。
「私の息子が日本に旅行に行った時に、レストランではマルサラは料理に使われているだけで飲まれていないと言われたそうだ。いいかい?マルサラは、冬は常温でゆっくり香りを楽しみ、夏は冷蔵庫で冷やしてキュッと飲むんだ。マルサラの美味しさを知らないなんて、日本人は損をしているよ!」
そう言うと近くにあったグラスに”タルガ”を注いで飲ませてくれた。
すると隣のおじいさんがすかさず反論をする。
「だめだめ、美味しいマルサラは夏でも常温でこの複雑な香りと余韻を楽しまないと!」
間髪入れずに3番目のおじいさんが、
「私はいつでも氷を一つ入れて、、、」
と割って入る。
こうなると止まらないのがイタリア人だ。
それからしばらく喧々諤々の議論が続いたが、最終的には、
「とにかく、まずはいいマルサラを手に入れること、そして自分が一番美味しいと感じる飲み方を見つけることだな!」
ということで話がまとまった。
私がお礼を言ってテーブルを離れようとすると、
「君たちもマルサラを飲んでいれば私たちのようにいつまでも元気だぞ!もう50年以上私たちは飲み続けているんだ!」
と最初のおじいさんが笑いながら言う。
そして、空になった3つのグラスに、もう何杯目になるかわからない”タルガ”をなみなみと注いでいった。
1800Lの木樽で5年以上熟成させた、マルサラ・スーペリオーレ・リゼルヴァ”タルガ”。(かつては5年熟成だったが、現在は熟成期間を7年に延ばし、より深みのある味わいとなっている。)
輝きのある美しい琥珀色で、アプリコットや煮詰めたプルーンなどの複雑で甘美な香りが特徴、というのは、このマルサラを知らない人に説明するためには有用な言葉かもしれない。
ただ、あのおじいさんたちにとっては、若いころからずっと飲んでいる“美味しいお酒”でしかない。
なぜマルサラをよく飲むんですか?という質問は無粋だろう。
もちろん美味しいのは大前提として、それが彼らの日常だからだ。
そしてそれは、シチリアの歴史ある食文化の一端を担っている。
この一件以来、フローリオのマルサラを飲んだことがない方には、
「50年以上飲み続けるシチリアの熱烈なファン3人のお墨付きです」
と言って勧めるようにしている。
これから夏にかけての暑い日にイタリアンレストランに行った際には、
「冷えたマルサラはありますか?冷えていなければロックで。」
と、通な頼み方をしてみてはいかがだろうか?
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼フローリオ社ワイナリーページはこちら↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/florio.html
琥珀色に輝く、うっとりするような甘美な味わいが特徴的なシチリアの伝統酒、マルサラワイン*。ワインにブランデーを加えて作る酒精強化ワインで、スペインのシェリー酒やポルトガルのポートワイン、マディラワインと並ぶ世界4大酒精強化ワインのひとつ。日本でもティラミスなどの隠し味に良く使われている。(*マルサラワインの作り方等の詳細は記事の最後を参照)
マルサラワインを代表する造り手にフローリオ社がある。創業1833年。
3人のおじいさんの前にはマルサラ・スーペリオーレ・リゼルヴァ”タルガ”のボトルが置いてある。フローリオ社が7年以上熟成させて作るリゼルヴァタイプのマルサラだ。思わず立ち止まって眺めていると、おじいさんの1人が唐突に「マルサラが料理酒だけだと思っているなら大間違いだよ!」とシチリア訛りで話しかけてきた。
「私の息子が日本に旅行に行った時に、レストランではマルサラは料理に使われているだけで飲まれていないと言われたそうだ。いいかい?マルサラは、冬は常温でゆっくり香りを楽しみ、夏は冷蔵庫で冷やしてキュッと飲むんだ。マルサラの美味しさを知らないなんて、日本人は損をしているよ!」
そう言うと近くにあったグラスに”タルガ”を注いで飲ませてくれた。
すると隣のおじいさんがすかさず反論をする。
「だめだめ、美味しいマルサラは夏でも常温でこの複雑な香りと余韻を楽しまないと!」
間髪入れずに3番目のおじいさんが、
「私はいつでも氷を一つ入れて、、、」
と割って入る。
こうなると止まらないのがイタリア人だ。
それからしばらく喧々諤々の議論が続いたが、最終的には、
「とにかく、まずはいいマルサラを手に入れること、そして自分が一番美味しいと感じる飲み方を見つけることだな!」
ということで話がまとまった。
私がお礼を言ってテーブルを離れようとすると、
「君たちもマルサラを飲んでいれば私たちのようにいつまでも元気だぞ!もう50年以上私たちは飲み続けているんだ!」
と最初のおじいさんが笑いながら言う。
そして、空になった3つのグラスに、もう何杯目になるかわからない”タルガ”をなみなみと注いでいった。
1800Lの木樽で5年以上熟成させた、マルサラ・スーペリオーレ・リゼルヴァ”タルガ”。(かつては5年熟成だったが、現在は熟成期間を7年に延ばし、より深みのある味わいとなっている。)
輝きのある美しい琥珀色で、アプリコットや煮詰めたプルーンなどの複雑で甘美な香りが特徴、というのは、このマルサラを知らない人に説明するためには有用な言葉かもしれない。
ただ、あのおじいさんたちにとっては、若いころからずっと飲んでいる“美味しいお酒”でしかない。
なぜマルサラをよく飲むんですか?という質問は無粋だろう。
もちろん美味しいのは大前提として、それが彼らの日常だからだ。
そしてそれは、シチリアの歴史ある食文化の一端を担っている。
この一件以来、フローリオのマルサラを飲んだことがない方には、
「50年以上飲み続けるシチリアの熱烈なファン3人のお墨付きです」
と言って勧めるようにしている。
これから夏にかけての暑い日にイタリアンレストランに行った際には、
「冷えたマルサラはありますか?冷えていなければロックで。」
と、通な頼み方をしてみてはいかがだろうか?
http://www.montebussan.co.jp/
▼フローリオ社ワイナリーページはこちら↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/florio.html
【vol.87|マンマのレシピ】ビーゴリ・イン・サルサ
【ヴェネト州】鳥獣肉食を自重する日の代表的なプリモ・ピアット
【vol.86|マンマのレシピ】ガンベリ・イン・サオル(エビとタマネギの香り漬け)
【ヴェネト州】ヴェネツィア商人の航海にも欠かせなかった一品
キアンティエリア最初のクリュ(単一畑)ワイン、“ラ・セルヴァネッラ” Presented by モンテ物産
キアンティという言葉を聞いて、イタリア産の赤ワインを思い浮かべる日本人は結構いるのではないだろうか。まだイタリアンレストランの少なかった1980年代の日本でも、キアンティは存在した。当時はこもかぶりのフィアスコボトルが主流で、今それを懐かしむ消費者やソムリエもいる。かつては、キアンティと言えば手ごろな価格でカジュアルなイメージがあったが、現代のイタリアワイン界では幅広い価格帯で、数多くのキアンティ、あるいはキアンティ・クラッシコが見られ、2014年にはその上のグラン・セレツィオーネが制定された。このように多種多様なキアンティが揃うワインリストから、好みのキアンティを探すのも一苦労の時代にまでなった。
メリーニ社のフラッグシップワイン、ラ・セルヴァネッラ・キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァは、イタリアでは量よりも品質重視のワイナリーがまだ少なかった1969年に、キアンティエリア最初のクリュ(単一畑)ワインとして生まれた。
メリーニの統括エノロゴであるアレッサンドロ氏は、言う。
「Selvanella(セルヴァネッラ)のSelva(セルヴァ)はイタリア語で森という意味。元々は、森であったひとつの丘に、我々のフラッグシップワイン“ラ・セルヴァネッラ”の畑があります。南西向きの50haの畑は、海抜400m~600mでキアンティ・クラッシコ全体のエリアの中でも非常に高い位置にあります。この標高の高さと日当たりの良さが昼夜の寒暖差を生み出し、ラ・セルヴァネッラ特有の複雑さとエレガントさを作り出すのです。」
実際にラ・セルヴァネッラの畑に立つと、日当たりの良さを感じるとともに、風通しも良い恵まれた場所であるのがわかる。最良のブドウは最良の環境から生まれることを実感する場所だ。
熟成は伝統的な12200Lの大樽でじっくりと2年半から3年かけて熟成。ラベルは1969年のファーストヴィンテージから変えていない。
但し、前号で(※)紹介したNIRシステムの樽や、ホライゾンシステムという木樽とステンレスタンクの長所を組み合わせた新しい発酵タンクを一部採用するなどして、常に進化を心がけている。
アレッサンドロ氏にキアンティ・クラッシコエリアの土壌の説明をしてもらった。
「フィレンツェとシエナの間に広がるキアンティ・クラッシコのエリアですが、4つの土壌に分かれます。それは、GALESTRO(ガレストロ)という石灰質を帯びた粘土の瓦礫土壌と、ALBERESE(アルベレーゼ)という炭酸カルシウムを多く含む泥灰土の岩石、TUFO(トゥーフォ)という凝灰岩、それから粘土質土壌です。
エリアの南側は、粘土質土壌が多く、果実味の強いキアンティ・クラッシコが生まれますが、我々のラ・セルヴァネッラの畑は、中央のラッダ・イン・キアンティエリアでも先に述べたような恵まれたミクロクリマで、土壌はガレストロとアルベレーゼで構成されています。この土壌特性により、果実味、酸、タンニンのバランスが取れた、複雑で繊細な風味のキアンティ・クラッシコが生まれます。」
優良なヴィンテージしか作られないこのラ・セルヴァネッラ。
特別に現行ヴィンテージの2013年と1997年の飲み比べをさせてもらった。
現行のものは、5年の熟成を経てまだ伸びやかな酸と若々しいタンニンがわずかに感じられるものの、すでにバランスの取れた味わいで、きれいな果実味と余韻の長さを持つ。21年も経つ97年ヴィンテージは、枯れることなくその美しい調和のとれた複雑味を保ち、森の下草の香り、タイムやセージといったニュアンスも感じさせる。20年以上経ちながらその特徴をいかんなく発揮できるワインはそうそうない。感動する垂直テイスティングだった。
春の心地よい気候に合わせ、飲み心地のよいラ・セルヴァネッラを開けることで、より一層Gioia(ジョイア=喜び)を味わうことができるだろう。
▶「歴史と革新のワイナリー”メリーニ”」の記事はこちら
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼メリーニ社について詳しくはこちらから↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/melini.html
メリーニ社のフラッグシップワイン、ラ・セルヴァネッラ・キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァは、イタリアでは量よりも品質重視のワイナリーがまだ少なかった1969年に、キアンティエリア最初のクリュ(単一畑)ワインとして生まれた。
メリーニの統括エノロゴであるアレッサンドロ氏は、言う。
「Selvanella(セルヴァネッラ)のSelva(セルヴァ)はイタリア語で森という意味。元々は、森であったひとつの丘に、我々のフラッグシップワイン“ラ・セルヴァネッラ”の畑があります。南西向きの50haの畑は、海抜400m~600mでキアンティ・クラッシコ全体のエリアの中でも非常に高い位置にあります。この標高の高さと日当たりの良さが昼夜の寒暖差を生み出し、ラ・セルヴァネッラ特有の複雑さとエレガントさを作り出すのです。」
実際にラ・セルヴァネッラの畑に立つと、日当たりの良さを感じるとともに、風通しも良い恵まれた場所であるのがわかる。最良のブドウは最良の環境から生まれることを実感する場所だ。
熟成は伝統的な12200Lの大樽でじっくりと2年半から3年かけて熟成。ラベルは1969年のファーストヴィンテージから変えていない。
但し、前号で(※)紹介したNIRシステムの樽や、ホライゾンシステムという木樽とステンレスタンクの長所を組み合わせた新しい発酵タンクを一部採用するなどして、常に進化を心がけている。
アレッサンドロ氏にキアンティ・クラッシコエリアの土壌の説明をしてもらった。
「フィレンツェとシエナの間に広がるキアンティ・クラッシコのエリアですが、4つの土壌に分かれます。それは、GALESTRO(ガレストロ)という石灰質を帯びた粘土の瓦礫土壌と、ALBERESE(アルベレーゼ)という炭酸カルシウムを多く含む泥灰土の岩石、TUFO(トゥーフォ)という凝灰岩、それから粘土質土壌です。
エリアの南側は、粘土質土壌が多く、果実味の強いキアンティ・クラッシコが生まれますが、我々のラ・セルヴァネッラの畑は、中央のラッダ・イン・キアンティエリアでも先に述べたような恵まれたミクロクリマで、土壌はガレストロとアルベレーゼで構成されています。この土壌特性により、果実味、酸、タンニンのバランスが取れた、複雑で繊細な風味のキアンティ・クラッシコが生まれます。」
優良なヴィンテージしか作られないこのラ・セルヴァネッラ。
特別に現行ヴィンテージの2013年と1997年の飲み比べをさせてもらった。
現行のものは、5年の熟成を経てまだ伸びやかな酸と若々しいタンニンがわずかに感じられるものの、すでにバランスの取れた味わいで、きれいな果実味と余韻の長さを持つ。21年も経つ97年ヴィンテージは、枯れることなくその美しい調和のとれた複雑味を保ち、森の下草の香り、タイムやセージといったニュアンスも感じさせる。20年以上経ちながらその特徴をいかんなく発揮できるワインはそうそうない。感動する垂直テイスティングだった。
春の心地よい気候に合わせ、飲み心地のよいラ・セルヴァネッラを開けることで、より一層Gioia(ジョイア=喜び)を味わうことができるだろう。
▶「歴史と革新のワイナリー”メリーニ”」の記事はこちら
http://www.montebussan.co.jp/
▼メリーニ社について詳しくはこちらから↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/melini.html
【vol.85|マンマのレシピ】アーモンド入りオレンジピール
【サルデーニャ州】オリエナの結婚式には欠かせないお菓子
イベントレポート/イタリア好き、郷土料理を楽しもう!トスカーナ州キアンティ
最新号のVol.32から、もう一度イタリア20州を巡る旅が始まったのに伴って、イタリア郷土料理を巡る食事会も再びスタートすることに。
その記念すべき第一回目は、シエナ地方で修行時代を過ごしていたこともある西沢健三シェフ率いる人気店、横浜・馬車道『ラ・テンダロッサ』にて行われました。
健三シェフは、我々の取材と時期を同じくしてイタリアへ視察旅行に行っていて、なんと、本誌特集の「ダリオ・チェッキーニ」にも行っていたという偶然も重なり、イベントの内容は、まさにあの食卓の感動を伝えようということになりました。
この日のテーマは「やっぱり愛だな」
Vol.32の表紙のように、長いテーブルをみんなで囲み、それは賑やかな宴となりましたよ。
当日は席に着いたから方からアペリティーヴォスタート!
フェンネルにプンタレッラとイタリア野菜も盛りだくさんのピンツィモーニオに、フィノッキーオーナ、アフェッタート・ミスト 。イタリア好きだったら、一人できてもワインを飲んでしまえばすぐに会話も弾み、盛り上がります!
もちろん、この日は全部塩無しパン。
みなさんが集まったところで、健三シェフからご挨拶。
そして、やはりこの日のメインとなるお肉の説明から。
さあ、乾杯!
アンティパストには、カーボロネーロに、レバーペースト、トマトのブルスケッタ3種にパッパ・アル・ポモドーロ。
そして数種類の赤身の牛肉を炭火焼きで!
お腹いっぱい食べてほしいから、プリモのイノシシラグーのピーチより先に。
「Bistecca alla Fiorentina〜!」と健三シェフの雄叫びと共に!最高のビステッカが登場。
火入れも最高!もちろんトスカーナのオリーヴオイルと塩でいただきます。
〆はお待ちかねイノシシラグーのピーチ。
ドルチェには焼きたてホカホカ、オリーヴオイルをたっぷりしみ込ませた香り豊かなタルト。
この日のワインは、もちろんキアンティワインです。
モンテ物産からご提供いただいた、メリーニのラ・セルヴァネッタ、日欧商事からご提供していただいた、フレスコバルディのカスティリオーニ・キアンテイをご機嫌になるほどに飲む。
もちろんヴィンサントも。モンテ物産からのご提供いただいた、ファットリア・デル・チェッロのサンガッロヴィンサント。
そして最後、フードライナーからご提供いただいた、バローネ・リカーゾリのブローリオ キャンティ クラッシコ2012のマグナムボトルをジャンケン大会の景品として、大いに盛り上がりました!
食事の終わりには、編集長マッシモよりご挨拶。
「『イタリア好き』はこれからもロックでフリーもをモットーに、食を通して、イタリア人、イタリア人の生き方にフォーカスして引き続きやっていきたいと思っています。」
イタリア2周目の旅は始まったばかりです。皆さまも、どうぞご一緒に。
参加いただいた皆さま、健三シェフをはじめお店のスタッフの方、そしてワインをご提供いただきました、モンテ物産、日欧商事、フードライナーの関係者の皆さまに感謝します。ありがとうございました。
その記念すべき第一回目は、シエナ地方で修行時代を過ごしていたこともある西沢健三シェフ率いる人気店、横浜・馬車道『ラ・テンダロッサ』にて行われました。
健三シェフは、我々の取材と時期を同じくしてイタリアへ視察旅行に行っていて、なんと、本誌特集の「ダリオ・チェッキーニ」にも行っていたという偶然も重なり、イベントの内容は、まさにあの食卓の感動を伝えようということになりました。
この日のテーマは「やっぱり愛だな」
Vol.32の表紙のように、長いテーブルをみんなで囲み、それは賑やかな宴となりましたよ。
当日は席に着いたから方からアペリティーヴォスタート!
フェンネルにプンタレッラとイタリア野菜も盛りだくさんのピンツィモーニオに、フィノッキーオーナ、アフェッタート・ミスト 。イタリア好きだったら、一人できてもワインを飲んでしまえばすぐに会話も弾み、盛り上がります!
もちろん、この日は全部塩無しパン。
みなさんが集まったところで、健三シェフからご挨拶。
そして、やはりこの日のメインとなるお肉の説明から。
さあ、乾杯!
アンティパストには、カーボロネーロに、レバーペースト、トマトのブルスケッタ3種にパッパ・アル・ポモドーロ。
お腹いっぱい食べてほしいから、プリモのイノシシラグーのピーチより先に。
「Bistecca alla Fiorentina〜!」と健三シェフの雄叫びと共に!最高のビステッカが登場。
火入れも最高!もちろんトスカーナのオリーヴオイルと塩でいただきます。
〆はお待ちかねイノシシラグーのピーチ。
ドルチェには焼きたてホカホカ、オリーヴオイルをたっぷりしみ込ませた香り豊かなタルト。
この日のワインは、もちろんキアンティワインです。
モンテ物産からご提供いただいた、メリーニのラ・セルヴァネッタ、日欧商事からご提供していただいた、フレスコバルディのカスティリオーニ・キアンテイをご機嫌になるほどに飲む。
もちろんヴィンサントも。モンテ物産からのご提供いただいた、ファットリア・デル・チェッロのサンガッロヴィンサント。
そして最後、フードライナーからご提供いただいた、バローネ・リカーゾリのブローリオ キャンティ クラッシコ2012のマグナムボトルをジャンケン大会の景品として、大いに盛り上がりました!
食事の終わりには、編集長マッシモよりご挨拶。
「『イタリア好き』はこれからもロックでフリーもをモットーに、食を通して、イタリア人、イタリア人の生き方にフォーカスして引き続きやっていきたいと思っています。」
イタリア2周目の旅は始まったばかりです。皆さまも、どうぞご一緒に。
参加いただいた皆さま、健三シェフをはじめお店のスタッフの方、そしてワインをご提供いただきました、モンテ物産、日欧商事、フードライナーの関係者の皆さまに感謝します。ありがとうございました。
【vol.84|マンマのレシピ】スピアナータ
【サルデーニャ州】外出時に手軽に持って行ける携帯食
マッシモツアー第8弾 中部イタリアの郷土料理とパンの旅
『イタリア好き』編集長マッシモ松本と行く!マッシモツアー第8弾の詳細が決まりましたので発表します!
今回のテーマは、中部イタリアの郷土料理とパンの旅として、
最新号のトスカーナ州キアンティ特集と、Vol.29のパン特集で取材したところを中心に巡ります。
期間は6月16日(土)~6月24日(日)9日間(7泊9日)。
イタリアのいちばんいい季節に、楽しくて、おいしくて、熱い旅に一緒に行きましょう!
●絶対うまい! イタリア郷土の味を堪能します。
●熱きパッシオーネの生産者を訪ねます。
●本場イタリアマンマの料理教室を体験できます。
●アグリトゥリズモに宿泊してイタリアの田舎を満喫できます。
《 こだわりのポイント1 》
ラツィオ州・ジェンツァーノ
Forno a Legna da Sergio
ラツィオ州・ラリアーノ
Antico Forno a Legna Biagi
ウンブリア州・スポレート
Forno Vantaggi
ウンブリア州・フォリーニョ
Forno Santa Rita
強く、逞しいマンマ譲りの塩なしパン。
《 こだわりのポイント2 》
アブルッオ州・スルモナ
Ristorante GINO(Vol.11, 31掲載)
自分たちのペースを守り、家族で営むスルモナの味。
マルケ州・セッラペトローナ
Ristorante Bar Da Lore(Vol.8, 31掲載)
一度食べたら忘れられない、悪魔のカルボナーラを!
トスカーナ州・カステリーナ・イン・キアンティ
Antico Ristorante Pestello(Vol. 32掲載)
皿からこぼれる愛いっぱいのマリア・ピーアの味は絶品。
トスカーナ州・パンツァーノ・イン・キアンティ
Macelleria Cecchini(Vol. 32掲載)
ダリオ・チェッキーニの肉を、最高のパフォーマンスと共に満喫!
《 こだわりのポイント3 》
ウンブリア州・トルジアーノ
Molino Silvestri(Vol. 29掲載)
ビオ小麦にこだわる、歴史と伝統ある製粉所。
トスカーナ州・ガイオーレ・イン・キアンティ
Macelleria Chini(Vol. 32掲載)
チンタセネーゼ復活の狼煙をあげて、その発展に尽力する肉屋。
トスカーナ州・サン・ジョヴァンニ・ヴァルダンノ
Macelleria Fabbrini Carlo(Vol. 26掲載)
スローフード認定のタレーゼ・デル・ヴァルダルノのうま味。
トスカーナ州・シエナ
Az. Agr. Goddi e Farina(Vol. 32掲載)
サルドの血を引くゴッディさんの作るペコリーノは絶品。
《 こだわりのポイント4 》
2017秋ツアーでのマンマの料理教室の様子。
《 こだわりのポイント5 》
アグリトゥリズモ・サン・クリストフォロの風景。
~旅行要項~
◆旅行期間:
2018年6月16日(土)~6月24日(日)9日間(7泊9日)
◆旅行代金:
イタリアズッキーニクラブ会員 308,000円(航空券別)
※非会員318,000円(航空券別)
*日程内の宿泊費(2人1部屋)、食事(毎朝食・昼食4回・夕食3回)、訪問料・講習費・通訳費・交通機関・現地手配費用が含まれます。
*上記費用には、航空代金、燃油特別付加税、空港税、航空保険料などが含まれておりません。別途、お手配、費用が掛かります。
◆1人部屋追加代金:48,000円(ツインより部屋が小さくなる場合もございます)
※相部屋の方がいらっしゃらない場合は一人部屋追加代金が掛かります。
◆ホテル:4つ星クラス、アグリツーリズモ・サン・クリストフォロ ※シャワーのみになる場合がございます。
◆15名様限定!
◆最少催行人数:10名
◆申込期間:5月16日(水)まで。
*定員になり次第締め切らせていただきます。
★お問合せ・お申込み先
お問い合わせいただきましたら、パンフレット等お送りさせていただきます。
TEL : 03-5772-8338
FAX : 03-6438-9990
アマテラス・イタリア
(株式会社フォルトゥーナ)
〒106-0045
東京都港区麻布十番1-5-29-205
E-mail:italia@fortuna.ne.jp
★航空券お問合せ先:
株式会社エイチ・アイ・エス 新宿本社営業所
TEL:03-5360-4881 担当:佐野 健人
「イタリア好きツアーの件」とお伝えください。
E-mail:003info1@his-world.com
今回のテーマは、中部イタリアの郷土料理とパンの旅として、
最新号のトスカーナ州キアンティ特集と、Vol.29のパン特集で取材したところを中心に巡ります。
■マッシモツアーのこだわり!
●ラツィオ、アブルッツォ、ウンブリア、マルケ、トスカーナの5州を巡ります。●絶対うまい! イタリア郷土の味を堪能します。
●熱きパッシオーネの生産者を訪ねます。
●本場イタリアマンマの料理教室を体験できます。
●アグリトゥリズモに宿泊してイタリアの田舎を満喫できます。
《 こだわりのポイント1 》
本誌Vol.29の取材で訪れた各地のパン屋を訪ね、その土地ごとのパンの秘密に迫ります。
ラツィオ州・ジェンツァーノForno a Legna da Sergio
ラツィオ州・ラリアーノ
Antico Forno a Legna Biagi
ウンブリア州・スポレート
Forno Vantaggi
ウンブリア州・フォリーニョ
Forno Santa Rita
強く、逞しいマンマ譲りの塩なしパン。
《 こだわりのポイント2 》
取材で訪れたマッシモお気に入りのレストランへご案内。郷土の味を楽しめます。
アブルッオ州・スルモナRistorante GINO(Vol.11, 31掲載)
自分たちのペースを守り、家族で営むスルモナの味。
マルケ州・セッラペトローナ
Ristorante Bar Da Lore(Vol.8, 31掲載)
一度食べたら忘れられない、悪魔のカルボナーラを!
トスカーナ州・カステリーナ・イン・キアンティ
Antico Ristorante Pestello(Vol. 32掲載)
皿からこぼれる愛いっぱいのマリア・ピーアの味は絶品。
トスカーナ州・パンツァーノ・イン・キアンティ
Macelleria Cecchini(Vol. 32掲載)
ダリオ・チェッキーニの肉を、最高のパフォーマンスと共に満喫!
《 こだわりのポイント3 》
熱きパッシオーネの生産者を訪ねます。
ウンブリア州・トルジアーノMolino Silvestri(Vol. 29掲載)
ビオ小麦にこだわる、歴史と伝統ある製粉所。
トスカーナ州・ガイオーレ・イン・キアンティ
Macelleria Chini(Vol. 32掲載)
チンタセネーゼ復活の狼煙をあげて、その発展に尽力する肉屋。
トスカーナ州・サン・ジョヴァンニ・ヴァルダンノ
Macelleria Fabbrini Carlo(Vol. 26掲載)
スローフード認定のタレーゼ・デル・ヴァルダルノのうま味。
トスカーナ州・シエナ
Az. Agr. Goddi e Farina(Vol. 32掲載)
サルドの血を引くゴッディさんの作るペコリーノは絶品。
《 こだわりのポイント4 》
本場イタリアマンマの料理教室。
2017秋ツアーでのマンマの料理教室の様子。
《 こだわりのポイント5 》
アグリトゥリズモに宿泊してイタリアの田舎を満喫。
アグリトゥリズモ・サン・クリストフォロの風景。
2018年6月16日(土)~6月24日(日)9日間(7泊9日)
◆旅行代金:
イタリアズッキーニクラブ会員 308,000円(航空券別)
※非会員318,000円(航空券別)
*日程内の宿泊費(2人1部屋)、食事(毎朝食・昼食4回・夕食3回)、訪問料・講習費・通訳費・交通機関・現地手配費用が含まれます。
*上記費用には、航空代金、燃油特別付加税、空港税、航空保険料などが含まれておりません。別途、お手配、費用が掛かります。
◆1人部屋追加代金:48,000円(ツインより部屋が小さくなる場合もございます)
※相部屋の方がいらっしゃらない場合は一人部屋追加代金が掛かります。
◆ホテル:4つ星クラス、アグリツーリズモ・サン・クリストフォロ ※シャワーのみになる場合がございます。
◆15名様限定!
◆最少催行人数:10名
◆申込期間:5月16日(水)まで。
*定員になり次第締め切らせていただきます。
TEL : 03-5772-8338
FAX : 03-6438-9990
アマテラス・イタリア
(株式会社フォルトゥーナ)
〒106-0045
東京都港区麻布十番1-5-29-205
E-mail:italia@fortuna.ne.jp
TEL:03-5360-4881 担当:佐野 健人
「イタリア好きツアーの件」とお伝えください。
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歴史と革新のワイナリー“メリーニ” Presented by モンテ物産
今回、1705年創業のトスカーナ・キアンティ地方の老舗ワイナリー、メリーニ(Melini)を訪問してきた。
300年以上の歴史を持ちながら、常に革新的な取り組みを行うメリーニの魅力をご紹介したい。
フィレンツェとシエナを結ぶ高速道路RA3をポッジボンシの街で降りて、車で東に10分走った場所にメリーニの大きなワイナリーがある。この場所は、ガッジャーノといって、ブドウ畑とオリーブの木に囲まれた風光明媚な丘陵地である。ワイナリーから南側には、遠目にシエナの街や、中世の塔で有名なサンジミニャーノが見える。
日本でも有名なキアンティは、キアンティとキアンティ・クラッシコでエリアが分かれるが、メリーニはちょうどその境界線のキアンティ側に位置する。所有するブドウ畑は、キアンティとキアンティ・クラッシコエリア双方で、約160ha。トスカーナで最初のクリュ(単一畑)ワイン、“ラ・セルヴァネッラ”の畑も、キアンティ・クラッシコエリアの中心部分、ラッダ・イン・キアンティの町の北側に所有している。
ワイナリーに入り、出迎えてくれたのは、メリーニ勤続29年のルチアさん。トスカーナの方言交じりで熱心にワイナリーの説明をしてくれる、とても親切なシニョーラ(女性)だ。
「もともとキアンティのエリアが制定されたのは、1716年コジモ・メディチ3世によるもの。今のキアンティ・クラッシコのエリアにあたります。メリーニは、それ以前からワイン造りを行っていた歴史あるワイナリーです。メリーニという言葉は、ファミリーの名前で、創業から血筋の途絶える第一次世界大戦後までファミリーによる経営が続いていました。今は、グルッポ・イタリアーノ・ヴィーニというイタリア各地の名ワイナリーを所有する会社が、この歴史あるワイナリーを引き継いでいます。」
ワイナリーの会議室に入り、ずいぶん昔の賞状を見せてくれたルチアさん。
「これはフィレンツェの商工会議所から1878年に贈られた金メダルの賞状です。当時のオーナーであるラボレル・メリーニ氏は、トスカーナのガラス職人と一緒にアネッロ(指輪)というボトルの口の部分を補強するボトルフォルムを考え出し、これにより世界にキアンティのワインを輸出することができたのです。
キアンティワインのボトルは昔、フィアスコボトルという麦わらを巻いた下部にふくらみのある、首の細長いものでした。これでは、当時のコルクを打ち込む機械ではボトルが破損していたのです。」
そのような革新的な試みは、現代のメリーニにも受け継がれている。
昨年メリーニは、フラッグシップワインである“ラ・セルヴァネッラ”キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァなどを寝かせる大樽の熟成庫に大幅な投資を行った。1970年代から使用していた大樽を処分し、新しく2000L、4000L、12200Lの中~大樽を揃えたのである。
購入した樽の数は、なんと全体の約3割に当たる121樽。古くなった樽の品質を確認しながら、定期的に樽を入れかえている。
ワイナリーの統括責任者でエノロゴでもあるアレッサンドロ氏が説明してくれた。
「熟成庫の床は、トスカーナ・インプルネータの町の伝統的なレンガを使用しました。このレンガは、かの有名なブルネレスキによるフィレンツェのドゥオーモのクーポラの屋根に使われ、また歴史的にトスカーナのワイナリーの熟成庫にも使用されてきたもの。土地の伝統にこだわるメリーニの方針です。ちなみに今回の新しい樽には NIRシステムという最新のテクノロジーを使用しました。これはもともとウディネ大学のワイン醸造・食品テクノロジー分野の研究者によって開発されたものですが、樽の性質を、甘み、スパイス、骨格、バランスの4つのパラメーターとして数値化し、その組み合わせを変えることで、自分たちが理想とする熟成をさせることができます。
樽の木材は、その生育する環境により、他の植物と同様、性質が異なります。その異なる性質を最新の技術で分別し、ワイン造りに活かすのがこのNIRシステムなのです。また、大樽だけではなく、2000L、4000Lの中樽も交えてより複雑な個性を出すワイン造りをしています。」
トスカーナの伝統を大事にしながらも、グルッポ・イタリアーノ・ヴィーニというグループの強みを生かし、このような最新の技術を駆使した手法への挑戦や研究にも余念がない。
伝統と革新の融合、この相乗効果によって生まれたメリーニ社の自慢のワインたちをぜひ味わってみていただきたい。
次回は、メリーニ社を象徴する単一畑のフラッグシップワイン、“ラ・セルヴァネッラ・キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァ”について特集する。
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼メリーニ社について詳しくはこちらから↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/melini.html
300年以上の歴史を持ちながら、常に革新的な取り組みを行うメリーニの魅力をご紹介したい。
フィレンツェとシエナを結ぶ高速道路RA3をポッジボンシの街で降りて、車で東に10分走った場所にメリーニの大きなワイナリーがある。この場所は、ガッジャーノといって、ブドウ畑とオリーブの木に囲まれた風光明媚な丘陵地である。ワイナリーから南側には、遠目にシエナの街や、中世の塔で有名なサンジミニャーノが見える。
日本でも有名なキアンティは、キアンティとキアンティ・クラッシコでエリアが分かれるが、メリーニはちょうどその境界線のキアンティ側に位置する。所有するブドウ畑は、キアンティとキアンティ・クラッシコエリア双方で、約160ha。トスカーナで最初のクリュ(単一畑)ワイン、“ラ・セルヴァネッラ”の畑も、キアンティ・クラッシコエリアの中心部分、ラッダ・イン・キアンティの町の北側に所有している。
ワイナリーに入り、出迎えてくれたのは、メリーニ勤続29年のルチアさん。トスカーナの方言交じりで熱心にワイナリーの説明をしてくれる、とても親切なシニョーラ(女性)だ。
「もともとキアンティのエリアが制定されたのは、1716年コジモ・メディチ3世によるもの。今のキアンティ・クラッシコのエリアにあたります。メリーニは、それ以前からワイン造りを行っていた歴史あるワイナリーです。メリーニという言葉は、ファミリーの名前で、創業から血筋の途絶える第一次世界大戦後までファミリーによる経営が続いていました。今は、グルッポ・イタリアーノ・ヴィーニというイタリア各地の名ワイナリーを所有する会社が、この歴史あるワイナリーを引き継いでいます。」
ワイナリーの会議室に入り、ずいぶん昔の賞状を見せてくれたルチアさん。
「これはフィレンツェの商工会議所から1878年に贈られた金メダルの賞状です。当時のオーナーであるラボレル・メリーニ氏は、トスカーナのガラス職人と一緒にアネッロ(指輪)というボトルの口の部分を補強するボトルフォルムを考え出し、これにより世界にキアンティのワインを輸出することができたのです。
キアンティワインのボトルは昔、フィアスコボトルという麦わらを巻いた下部にふくらみのある、首の細長いものでした。これでは、当時のコルクを打ち込む機械ではボトルが破損していたのです。」
そのような革新的な試みは、現代のメリーニにも受け継がれている。
昨年メリーニは、フラッグシップワインである“ラ・セルヴァネッラ”キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァなどを寝かせる大樽の熟成庫に大幅な投資を行った。1970年代から使用していた大樽を処分し、新しく2000L、4000L、12200Lの中~大樽を揃えたのである。
購入した樽の数は、なんと全体の約3割に当たる121樽。古くなった樽の品質を確認しながら、定期的に樽を入れかえている。
ワイナリーの統括責任者でエノロゴでもあるアレッサンドロ氏が説明してくれた。
「熟成庫の床は、トスカーナ・インプルネータの町の伝統的なレンガを使用しました。このレンガは、かの有名なブルネレスキによるフィレンツェのドゥオーモのクーポラの屋根に使われ、また歴史的にトスカーナのワイナリーの熟成庫にも使用されてきたもの。土地の伝統にこだわるメリーニの方針です。ちなみに今回の新しい樽には NIRシステムという最新のテクノロジーを使用しました。これはもともとウディネ大学のワイン醸造・食品テクノロジー分野の研究者によって開発されたものですが、樽の性質を、甘み、スパイス、骨格、バランスの4つのパラメーターとして数値化し、その組み合わせを変えることで、自分たちが理想とする熟成をさせることができます。
樽の木材は、その生育する環境により、他の植物と同様、性質が異なります。その異なる性質を最新の技術で分別し、ワイン造りに活かすのがこのNIRシステムなのです。また、大樽だけではなく、2000L、4000Lの中樽も交えてより複雑な個性を出すワイン造りをしています。」
トスカーナの伝統を大事にしながらも、グルッポ・イタリアーノ・ヴィーニというグループの強みを生かし、このような最新の技術を駆使した手法への挑戦や研究にも余念がない。
伝統と革新の融合、この相乗効果によって生まれたメリーニ社の自慢のワインたちをぜひ味わってみていただきたい。
次回は、メリーニ社を象徴する単一畑のフラッグシップワイン、“ラ・セルヴァネッラ・キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァ”について特集する。
http://www.montebussan.co.jp/
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