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イタリア取材旅(3)ファヴォーロ、トーマ、カルネクルーダ

イタリア3日目(2021年11月13日) 

取材はビエッラ市内のファヴォーロ地区へ。
曇りで、標高が高いこともあり、底冷えのする朝。
長年続く村で1軒の萬屋には、朝から地元客が絶え間なくやってくる。
そこできちんと存在感を保ちながら経営を続ける店と、
買い物に来るお客さんにインタヴュー。
小さな村で客から信頼を得続けることはそう簡単ではない、
店主のインタヴューからヒシヒシと伝わる。


お昼は朝からクラウディオがアマトリチャーナと言っていたのだが、
グアンチャーレを買おうと立ち寄ったお気に入りの2軒は長い列。
違う店で買うという妥協はなく、そこはあきらめて、
家にある食材でブッタネスカに変更となり、山盛りをいただく。
出来上がりを待つ間に、カメラマンのマルコと写真のすり合わせをする。
食後には先ほどの店で仕入れてきたマルガリの作ったトーマチーズ。
抜群の熟成具合が、ねっとりとした食感に仕上がる。



昼食後、別の取材先へ。
現在は元の肉屋を中心としたスーパーは、1900年代初頭から続く店。
コロナ禍になって新しい道を切り拓くきっかけになったという店主フェデリコ。
多くの顧客で賑わっていた。


夕食はビエッラを離れる前に絶対に食べておきたいと願った、「モスカ」のカルネ・クルーダと、
フェデリコから試食してほしいといただいた熟成肉のビステッカ。
カルネ・クルーダは機械でミンチにするよりも、ナイフでたたいてミンチにしてもらうほうがおいしさが全然違うからと、クラウディオ。
悔いなくたくさん食べたのでした。



イタリア取材旅(2)モンフェラート、カステルマーニョ、ムレッタ

イタリア2日目(2021年11月12日)

朝、夜明けは遅い。7時を過ぎてやっと明るくなってきた。
朝ランのつもりでいたのに、時間がなく断熱。
部屋で軽く朝食を。
うれしいことに、以前取材したマルガリのオルガさんのバターがある。

(vol.7掲載のバターを持つオルガさん)

もうこれだけで贅沢だ。マキネッタでコーヒーを淹れて、パンにそのバターを塗って食べた。
さっぱりとしているのに、しっかり味がある。いいね。

取材のためモンフェラートへ移動。
丘の上のピアッツァはイタリアらしい風景。「ああー来たなぁ」と改めて実感する。

その広場には小さな個店が連なる。
今回はそんなお店に来るお客さんを捕まえての取材。
長年続く食料品店には、長年通うお客さんがいる。
土曜日の午前中、買い物に訪れて週末の献立の食材を買うのだ。

コロナ禍での久しぶりの取材、初めてのカメラマンとの仕事、お客さんの反応と、
最初は戸惑いもあったが、ノリのいい常連さんも訪れて、だんだんと盛り上がってきたのでした。
その内容は2月発行の本誌で。

お昼はグルメはプリミティーヴォ(原始人)クラウディオのオススメの店で。
地元の人たちがお昼に通う店のようだ。
月〜金曜日までのランチは、前菜とパスタ、セコンドまでで11ユーロ。
vino della casaは1/2リットルで3ユーロ、1リットルで5ユーロ。
価格も内容もおよそこのような感じがランチには多いという。



せっかくなので、ランチではなく何か特別なものをと注文。
まずはアフェッタート・ミストとおすすめのワイン「I TRE VESCOVI」バルベーラ・ダスティを。
注文後、なかなか出てこなかったアフェッタート・ミストは、この前に取材していた生ハム「muretta」や、サラミ「Strolghino di culatello」、チーズ「Castelmagno」など豪華なラインナップが山盛りで登場。これがイタリアね! 最高!
そしてしばらくして、きれいに盛られたビテッロ・トンナートも。


プリモにはパニッサが食べたかったのだけれど、予約でないとできないということで断念し、
おすすめされたのは、カステルマーニョのラビオリ。
カステルマーニョはアフェッタート・ミストの中にも載っていた、ピエモンテ州クウネオ県のDOPチーズ。
その製法が独特で貴重なものとなっていて、チーズの王様とも言われる。
ホロホロとした食感と青カビが特徴で、熟成の浅いものは、塩あじもおだやかでほんのりとした甘みが心地よい。
添えてあった自家製のジャムとの相性もよかった。

中にカステルマーニョが包まれているラビオリは、カステルマーニョとサンブーコのソースがかかっている。
チーズの甘みとサンブーコの酸味が絶妙なバランスでハモる。
もちろんどれもバルベーラとの相性も最高だったのだ。
クラウディオが冗談半分に「日本人のジャーナリストがイタリアの食取材に来ているんだ」と言ったもんだから、少し慌てたオーナーの息子。
厨房で料理を作る両親と相談しながら、心地よいサービスと料理を楽しませてもらったのでした。
Grazie


満腹、満足で次の取材へ向かったのだった。

イタリア取材旅(1)サルーテ、ビエッラ、サラミ・デッラ・ドゥジャ

2020年2月29日にイタリアから帰国してから20カ月が経った。
まさかこんなに長くイタリアへ行くことができないとは思わなかったけど、
久しぶりのイタリアに少し緊張気味で2021年11月10日に出発した。
帰国は11月29日なので、19日間の旅である。

今回は『イタリア好き』長くサポートしてくれているHISの好意によりカタール航空のチケットを手配いただいた。
旅行需要の厳しい中で本当にありがたいことだ。心から感謝。

初めてのカタール航空ではあるが、利用者の評判はいい。楽しみであった。
ただし、荷重に関してはチケットによって違いがあるので、利用される方は注意が必要だ。
アリタリア航空を利用してたときは、23kg*2個までだったのでそのつもりでいたが、
今回は25kgまで。ただし個数制限はないので、僕は二つのスーツケースにほぼ半分ず荷物を詰めた。
あとは手荷物7kg。合計32kgに振り分けて搭乗した。
取材先へのお土産に、掲載誌、見本誌など必要な部数を詰めるだけでもそれなりになるので、着替えは最小限にした。
帰国便は35kgなので、ずいぶん楽になるはずだ。でも買い過ぎは注意だ。

コロナ対応の準備についてはこちらで。

飛行機は21時55分発。
機内は清潔で快適。マスクなどエチケットセットも配られる。
座席にも余裕もあったので、CAのおすすめ通りに4席を独り占めして座り、余裕の旅に。
機内食は味もそれなりにおいしく、ドリンクが豊富。
エコノミーなのに泡から始まって、食後酒で占めるという流れ。
ワインはさすがにイタリアではなかったですけど、CAはいろいろとすすめてくれて、
すっかりほろ酔いになって、食べ終わったあとはしっかり眠った。

ドーハの乗り換えは3時間。
広い空港だったが、メールなどやりとりをしている間にあっという間に出発。
こやって、今までとは違うハードルをいくつも飛び越えて無事にイタリア・ミラノへ降り立ったのだった。

空港には、本誌の取材ではいつもお世話になっている、ピエモンテ・ビエッラに暮らす岩崎幹子さんが迎えてくれた。
会うのはもう何年ぶりだろうか?
さっそく車でビエッラへ。今回の取材はここから始まる。
宿はビエッラ市街から山へ向かい、ソルデボロ村のB&B。
晴わたる秋空にきれいに黄葉した木々。
イタリアは最高に気持ちよく僕を迎えてくれたのだ。

荷物をほどき、さっそく市内へ下りてアペリティーヴォを。
ほんのりオレンジ色の街灯が灯されて、石畳を照らした夕暮れの街並み。
泡と生ハムにチーズにパン。
あーーイタリアきたなって! 実感した瞬間だった。
うれしい。

夕食はクラウディオと幹子さん宅でいただく。
最新号のマンマの料理に登場してくれたフランチェスカさん家族と、今回撮影をお願いするマルコさん家族を囲んで和やかに。
前菜は、ビエッラやノヴァーラあたりの伝統的なSalame della duja(サラミ・デッラ・ドゥジャ)はラルドに漬けて1年ほど熟成させたサラミ。


クラウディオのマンマのレシピを伝授した、幹子さん手作りのpate de Manma(パテ・ディ・マンマ)。
本来はビテッロ(仔牛)のレバに、マルサラ酒を混ぜるが、今回は鹿肉のレバで。
滑らかな口当たりは、赤に最高な組み合わせ。


そして、メインはイノシシ肉のラグーとポルチーニのラザニア。
いやいや初日からどっぷりイタリアな夜なのでした。


イタリア入国にあたって 2021年11月10日現在



イタリア渡航におけるコロナ対応の準備について
すでに多くのかたがネットで情報をあげていますが、一応僕の情報を参考までにあげときます。

(1)ワクチン接種証明書
もうすでにワクチン接種はされたかたは申請をすれば各市町村で発行されます。僕の場合は申請後1種間くらいで届きました。

(2)PCR検査陰性証明書
イタリア入国72時間以内に実施された検査証明書。
これは乗り換え便で時間がかかる場合などは要注意です。僕は出発前日の夕方に行い、当日(検査翌日)の午後に受け取り完了。この時点で万が一陽性だった場合は残念ながらアウト。

(3)EU Digital Passenger Locator Form
入国者の所在の管理等を把握する内容のもので、イタリア入国時に提示を求められます。フォーマットは英語で、項目も多いので事前に登録を済ませてPDFをプリントすることをおすすめします。
ちゃんと登録したQRコードが入っていることを確認してください。
飛行機の座席を記入するところもありますので、僕は事前にチャックインを済ませてそれを記載しました。

入国のための準備はこれだけですが、僕の場合成田でカタール航空から書類を2枚渡されました。
内容は(3)とほぼ同じですが、これもすべて英語。
1枚は成田チャックインのときに渡し、1枚はイタリア入国で渡足すように指示されました。
到着間際に書こうと思っていたら、乗り換え便の中でもまた書類が配られて「げっそり」
でも、よく見てみると内容は一緒だったので、これは(3)さえあれば大丈夫だと思いつつも、
ゲートで止められるのも嫌だったので、一応書類には書き込み持っていました。

ミラノマルペンサでは、まずはこれらの確認のゲートがあり、
上記の証明を用意して並ぶように係員が誘導します。
順番が来て、3つを提示すると、機内の書類も提出することなく意外にもあっさりクリア。
特に質問をされることも何もありませんでした。

その後イミグレです。
日本のパスポートは自動読み取りができるゲートなので、これもまたスムーズに通過。
荷物も無事乗り継ぎされて、晴れてイタリアの地に降り立ったのでした。



帰国時のPCR検査について
僕は書類をプリントアウトして持ってきました。
この件は、帰国後に追記します。
ここは現在日々変わっているので、情報を常に更新しておく必要がありそうです。

マッシモ

グラッパの名手ノニーノが誇るもうひとつの食後酒『アマーロ・ノニーノ』 Presented by モンテ物産


『イタリア人の夜は長い…』

レストランでの夕食、
特に友人や親戚、家族と集まる『ここぞ』という機会の夕食は、とてもとても長い。

まず、アペリティーヴォに始まり、前菜からプリモ、セコンド、デザートと食事を楽しみ、エスプレッソで締める。ここまでで大体2時間くらいだが、日本でもこの程度の時間をかけてゆっくり楽しむ方はいるだろう。

イタリア人のおしゃべりが発揮されるのはここからだ。

お腹は十分満たされたが、食事の余韻に浸りながら、まだまだ友人や家族と話しを続けたい…
そんな場面に寄り添ってくれるのが食後酒である。

イタリアには実に多くの食後酒が存在する。特に代表的なものに、ワインを造るときに出たブドウの搾り滓を蒸留して造られる『グラッパ』や、南イタリアでよく飲まれる『リモンチェッロ』、甘口の『ヴィンサント』などがあるが、薬草を漬け込んだリキュール『アマーロ』も欠かせない。

アマーロとは、イタリア語で「苦い」を意味する。数種類以上の薬草をスピリッツに浸して造るのだが、製法や漬け込むハーブの種類・組み合わせによって、色合いも味わいのバランスも全くと言ってよいほど変わるところがおもしろい、イタリアを代表する食後酒のひとつだ。

今回は、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州のグラッパメーカー、ノニーノ社が造る『アマーロ・ノニーノ』についてお話ししたい。

<ノニーノ社の歩み>

ノニーノ社は1897年創業の老舗の蒸留所。一種類のブドウ品種の搾り滓から造る「グラッパ・モノヴィティーニョ」をイタリアで初めて造ったことで知られているが、さらに、ブドウの搾り滓を原料に使うのではなく、ブドウをまるごと使って蒸留するアクアヴィーテを生み出したことでも有名だ。

(ノニーノ社の功績については2016年のVENTOで詳しくご紹介しているので、ぜひご一読いただきたい)
2016年12月VENTO グラッパの革命児 ノニーノ 前編
https://italiazuki.com/?p=19145

グラッパ界に偉業ともいえる革命を二度ももたらしたノニーノ社が、初めてアマーロを造ったのは1933年。

実はアマーロ造りの歴史も長いのだ。

3代目社長のアントニオ・ノニーノ氏が手がけた『アマーロ・カルニア』がノニーノ社の初代アマーロなのだが、それは、カルニアと呼ばれるフリウリ北東部の山のエリアから採取したハーブを、なんと、自社のグラッパに浸して造るというものだった。

グラッパの革命児らしく、アマーロ造りでもその個性を発揮したのだろう。



アントニオ氏は残念ながら、第二次世界大戦中の1943年に戦争で亡くなってしまうが、ノニーノ社のアマーロ造りは途絶えることなく、妻のシルヴィアによって引き継がれた。

当時、女性として初めて蒸留所を率いる立場となったシルヴィアが造る『アマーロ・ディ・フリウリ』は、新たにスパイスや植物の根を原料として加えた、より複雑な香りと味わいだったという。



<『アマーロ・ノニーノ』誕生>

そして、初代アマーロの誕生から60年ほど経った1992年、現当主である4代目ベニート&ジャンノーラ夫妻が造ったのが、現在の『アマーロ・ノニーノ』だ。

『アマーロ・ノニーノ』の特徴は、なんといっても、自社で造るアクアヴィーテ“ウーエ”を使用していること。

リムーザン、ネーヴェル産の小樽やシェリー樽で12ヵ月熟成された“ウーエ” をベースに、こだわり抜いたハーブを漬け込むことで、オレンジの皮やビターオレンジマーマレード、タイムやメンソールに、マンゴーなどエキゾチックさも感じられる複雑でエレガントな香りを出している。

そう、『アマーロ・ノニーノ』の味わいは“エレガント”。

アマーロというと、色も味も濃く、ボディが強めという印象をお持ちの方も多いと思うが、『アマーロ・ノニーノ』は透明感があり、味わいにも適度な抜け感があるのが特徴だ。甘さと苦みのバランスが絶妙で、複雑な香りの要素が、繊細に、重層的に感じられるといった印象だ。

<アマーロの楽しみ方>

フリウリのレストランで、『アマーロを…』と注文すると、メーカー名を聞かれることもなく、必ずと言っても良いほど、『アマーロ・ノニーノ』のロックにオレンジピールを添えたものが出てくる。

この地方でアマーロといえばノニーノなのだ。
ウーディネの老舗バール

ウーディネのレストラン

地元での人気もさることながら、『アマーロ・ノニーノ』は、すでに世界70ヵ国に行き渡っており、中でも、アメリカでの販売が大きく、同社製品中、単品でNo.1の売り上げを誇るそうだ。

グラッパをも上回る人気の裏には、あるカクテルの誕生がきっかけになったという。

2007年にニューヨークの有名なバー「Milk&Honey」のバーテンダー、Mr.Sam Rossが発明したカクテルで、ビター、バーボン、フレッシュレモン果汁と『アマーロ・ノニーノ』を同率で割った、『ペーパープレーン(紙飛行機)』。というカクテルだ。
世界を飛び回っていたこのバーの常連客が、イタリアから『アマーロ・ノニーノ』を持ち込んだことをきっかけに考案されたと言われている。


ノニーノ社を訪問した際にも、ノニーノファミリー6世代目となる広報のフランチェスカさんが『ペーパープレーン』を作ってくれた。

バーボンと、『アマーロ・ノニーノ』に使用される12年熟成のアクアヴィーテ“ウーエ”の樽の香りと深い味わいに、爽やかなレモンの酸味がバランスよく合わさり、心地よい飲み口であった。

このように『アマーロ・ノニーノ』は食後酒としてストレートやロックで飲むだけでなく、様々なカクテルにしても楽しめる。

もうひとつ、ぜひとも試していただきたいカクテルをご紹介しよう。それは、『ジャンノーラ・スタイル』だ。

フランチェスカさんの祖母であり、現在のノニーノ社を経営する3姉妹のお母さん、ジャンノーラさんの名前が付いたこのカクテルは、5clのアマーロ・ノニーノにスライスしたオレンジ、スパークリングワインを加えるというシンプルなものだが、飲んでみると、とても気分を上げてくれる。

常にパワフルで元気なジャンノーラさんのイメージそのものだと感じた。

これまであまり薬草酒を飲んだことがない、なじみがない方にとっても、比較的トライしやすいのではないだろうか。

アクアヴィーテ由来の繊細な香りを存分に感じたい方はぜひストレートで、薬草酒に慣れない方はまずはカクテルで、『アマーロ・ノニーノ』を味わっていただきたい。
イタリアの食後酒文化に触れるきっかけになれば嬉しい限りである。

モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
★ノニーノ社について詳しくはこちらから↓↓▼
https://www.montebussan.co.jp/wine/nonino.html

【完売!】本誌限定企画『イタリア好き』 内藤和雄さんの「イタリアワインズキ」6本セット

「イタリアワインズキ」ワインセットは完売いたしました。
ご購入いただいた方、ご興味を持って下さった皆様、ありがとうございました。
「テーブルの上にイタリアワインがあることの楽しさ」を味わっていただけら嬉しいです。


『イタリア好き』本誌Vol.37 最強イタリアワイン企画!

内藤さんがコラム内で実名を出している生産者、もしくは銘柄、地域に限っており、生前に店で使用したもの、個人で所有していたもの、気に入っていたもの、から厳選して限定セットとして「ロッソ・ルビーノ」で販売することになりました。それぞれ内藤さんがこだわり、熱く書き残してくれたワインをぜひお楽しみください。


《『イタリア好き』36セット限定 内藤和雄さんの「イタリアワインズキ」6本セット のご紹介》

ワイン解説:坂田真一郎(「リストランテ・ラ・バリック・トウキョウ」オーナー・ソムリエ)

「魚介と赤ワイン」から Nerojbleo/Gulfi(ネロイブレオ グルフィ)(赤)

シチリア南部で栽培されるネッロ・ダーヴォラ。海の側の畑からの葡萄もブレンドされている。滑らかな口当たりと心地よい塩味と鉄分、上品でふくよかな果実味のバランスが素晴らしい。加熱した魚介料理とシチーリアのネッロ・ダーヴォラとの組み合わせの入門編に最適。

「ヴェローナ東のワイン産地」から Soave Classico/TESSARI(ソアーヴェ・クラッシコ テッサーリ)(白)

ソアーヴェ・クラッシコの模範と呼べる1本。鉱物的なミネラルとキレのある酸が味わいを引き締めている。内藤さんのワイン授業でも登場していたワイン。

「ヴェローナ東のワイン産地」から Spumante Gran Cuv’ee/Fongaro(スプマンテ・グラン・キュヴェ  フォンガロ)(発泡)

この品種、気候風土ならではの心地よい硬さと上質な泡を楽しめる辛口スパークリングワイン。20年程前に日本に輸入された際に内藤さんが喜んでいた1本。

「アリアーニコの無いイタリアなんて…!!」から Camerlengo/Camerlengo(カメルレンゴ カメルレンゴ)(赤)

内藤さんが亡くなる直前まで普及に尽力していたアリアーニコ種。特にこのワインは内藤さんのすすめで日本に輸入が始まった思い入れのある1本。肉料理とはもちろん好相性ですが、内藤さんのおすすめ通り、加熱した野菜料理とも合わせてみてほしい。

「プーリアワイン概論」から Gioia del colle/Fatalone(ジョイア・デル・コッレ
ファタローネ(パスクアーレ・ペトレーラ))(赤)

本文中ですすめていた生産社の一つ。プリミティーヴォはジャムのように濃厚というイメージを持っている方に試していただきたいワイン。瑞々しい果実味と伸びやかな酸、上品な甘みを楽しめる。様々なプーリア料理と合わせやすい。

「プーリアワイン概論」から Salice salentino/Cosimo Taurino (サリーチェ・サレンティーノ コジモ・タウリーノ)(赤)

内藤さんが最も敬愛していたプーリアの生産者の一人。本文にも出てくるフラッグシップ「パトリリオーネ」は格別。今回はウニと合わせたというサリーチェ・サレンティーノを。
プリミティーヴォ同様、サリーチェ・サレンティーノも明確な個性があるため、敬遠する人もいますが、これを機にぜひ積極的に大地の恵みを受けたプーリアの赤ワインを。
《本誌限定企画 内藤和雄さんの「イタリアワインズキ」6本セット》
●Spumante Gran Cuv’ee/Fongaro(泡)2016
●Soave Classico/TESSARI(白)2018
●Camerlengo/Camerlengo(赤)2016
●Gioia del colle/Fatalone(赤)2019
●Salice salentino Riserva/Cosimo Taurino(赤)2011
●Nerojbleo/Gulfi(赤)2018
▼内藤和雄さんの「イタリアワインズキ」6本セットはこちらから
https://rossorubino.jp/italia_winesuki



■【本誌特集続編〈本誌見掲載分〉】故・内藤和雄さんの連載「イタリアワインズキ」を読み解く

『イタリア好き』Vol.47のp32~35のインタヴュー記事の続きとなる、本誌に収められなかったインタヴューの続編はこちら↓
>>https://italiazuki.com/?p=46727

【連載ページの再録】故・内藤和雄さんの連載「イタリアワインズキ」を読み解く vol.14・22・24・37

vol.47「最強! イタリアワイン」本誌企画の一つとして、イタリアワインのレジェンド、故・内藤和雄さん連載を読み解く企画。
本誌をお持ちでない方のためにも、連載ページを再録しました。

vol.14 バジリカータ特集に掲載
「アリアーニコの無いイタリアなんて…!!」
vol.22 パレルモを食べる特集に掲載
「魚介と赤ワイン」
vol.24「野菜食べようかプーリアで」特集に掲載
「プーリアワイン概論」
vol.37 ヴェネト特集に掲載
「ヴェローナ東のワイン産地」


■【本誌特集続編〈本誌見掲載分〉】故・内藤和雄さんの連載「イタリアワインズキ」を読み解<

『イタリア好き』Vol.47のp32~35のインタヴュー記事の続きとなる、本誌に収められなかったインタヴューの続編はこちら↓
>>https://italiazuki.com/?p=46727

《『イタリア好き』36セット限定 内藤和雄さんの「イタリアワインズキ」6本セット のご紹介》


内藤さんがコラム内で実名を出している生産者、もしくは銘柄、地域に限っており、生前に店で使用したもの、個人で所有していたもの、気に入っていたもの、から厳選して限定セットとして「ロッソ・ルビーノ」で販売することになりました。それぞれ内藤さんがこだわり、熱く書き残してくれたワインをぜひお楽しみください。
ワイン解説:坂田真一郎(「リストランテ・ラ・バリック・トウキョウ」オーナー・ソムリエ)

「魚介と赤ワイン」から Nerojbleo/Gulfi(ネロイブレオ グルフィ)(赤)

シチリア南部で栽培されるネッロ・ダーヴォラ。海の側の畑からの葡萄もブレンドされている。滑らかな口当たりと心地よい塩味と鉄分、上品でふくよかな果実味のバランスが素晴らしい。加熱した魚介料理とシチーリアのネッロ・ダーヴォラとの組み合わせの入門編に最適。

「ヴェローナ東のワイン産地」から Soave Classico/TESSARI(ソアーヴェ・クラッシコ テッサーリ)(白)

ソアーヴェ・クラッシコの模範と呼べる1本。鉱物的なミネラルとキレのある酸が味わいを引き締める。内藤さんのワイン授業でも登場していたワイン。

「ヴェローナ東のワイン産地」から Spumante Gran Cuv’ee/Fongaro(スプマンテ・グラン・キュヴェ  フォンガロ)(発泡)

この品種、気候風土ならではの心地よい硬さと上質な泡を楽しめる辛口スパークリングワイン。20年程前に日本に輸入された際に内藤さんが喜んでいた1本。

「アリアーニコの無いイタリアなんて…!!」から Camerlengo/Camerlengo(カメルレンゴ カメルレンゴ)(赤)

内藤さんが亡くなる直前まで普及に尽力していたアリアーニコ種。特にこのワインは内藤さんのすすめで日本に輸入が始まった思い入れのある1本。肉料理とはもちろん好相性ですが、内藤さんのおすすめ通り、加熱した野菜料理とも合わせてほしい。

「プーリアワイン概論」から Gioia del colle/Fatalone(ジョイア・デル・コッレ
ファタローネ(パスクアーレ・ペトレーラ))(赤)

本文中ですすめていた生産社の一つ。プリミティーヴォはジャムのように濃厚というイメージを持っている方に試していただきたいワイン。瑞々しい果実味と伸びやかな酸、上品な甘みを楽しめる。様々なプーリア料理と合わせやすい。

「プーリアワイン概論」から Salice salentino/Cosimo Taurino (サリーチェ・サレンティーノ コジモ・タウリーノ)(赤)

内藤さんが最も敬愛していたプーリアの生産者の一人。本文にも出てくるフラッグシップ「パトリリオーネ」は格別。今回はウニと合わせたというサリーチェ・サレンティーノを。
プリミティーヴォ同様、サリーチェ・サレンティーノも明確な個性があるため、敬遠する人もいますが、これを機にぜひ積極的に大地の恵みを受けたプーリアの赤ワインを。

《限定 内藤和雄さんの「イタリアワインズキ」6本セット》●Spumante Gran Cuv’ee/Fongaro(泡)2016
●Soave Classico/TESSARI(白)2018
●Camerlengo/Camerlengo(赤)2016
●Gioia del colle/Fatalone(赤)2019
●Salice salentino Riserva/Cosimo Taurino(赤)2011
●Nerojbleo/Gulfi(赤)2018
▼内藤和雄さんの「イタリアワインズキ」6本セットはこちらから 
https://rossorubino.jp/italia_winesuki

【本誌特集続編〈本誌未掲載分〉】故・内藤和雄さんの連載「イタリアワインズキ」を読み解く

vol.47「最強! イタリアワイン」本誌企画の一つとして、イタリアワインのレジェンド、故・内藤和雄さん連載を読み解く企画。内藤さんが、あの連載で書きたかったこと、伝えたかったことはなんだったのか。内藤さんの愛弟子である坂田真一郎さん(「リストランテ・ラ・バリック・トウキョウ」オーナー・ソムリエ)に紐解いてもらった。

p35からの続き、本誌未掲載分は、Vol.22「パレルモを食べる」とVol.24「野菜食べようか、プーリアで」にて紹介された連載から読み解きます。

 
魚介料理と赤ワインが絶妙にマッチするわけとは?
松本 魚介と赤ワイン、このテーマは実に楽しいですね。これはvol.22「パレルモを食べる」特集に掲載されたものです。最後の一文「この国のワイン文化は伝統的に赤なのだ」って言い切っているあたりはすごい!

坂田 このコラムでは、パレルモのストリートフードを楽しそうに物色しながら歩く内藤さんの姿が思い浮かばれますね。

松本 「ビールに合う」と書かれていますが、きっとビール飲みたかったのでしょうね。(笑)

坂田 コラム後半には魚介と赤ワインの組み合わせについて書かれています。シチリアの魚介料理は、ナッツやレーズン、ハーブ、スパイス、パン粉、柑橘などが加わることで、各地でよく見受けられるシンプルな仕上げの魚介とは、味の複雑さやスケールも違う。これらの食材は赤の接着点になりやすいものなので、当然ワインも赤に寄って来る。コラムの最後に「この国のワイン文化は伝統的に赤なのだ」とありますが、シチリアの空気感、異国の文化がミックスされたエキゾチックな料理、皿の配色も含め、その存在感を、受け止めてくれるのって赤なんだなと。赤を合わせると料理に立体感が増すように思います。

松本 魚介は白、みたいな固定観念があるけど、僕も現地を回っているとそればかりではないなと感じていました。これを読んだ時もさすがだなと思いました。

坂田 現地を体験し、魚介に赤を勧める店は昔より格段に増えていますが、個人で楽しむにはまだハードルが高い。そんな時、火を通した魚料理であればあまり深く考えずにシチリアの赤を合わせてみてください。
もう一歩踏み込むなら、内藤さんは、シチリアの魚介料理に合わせたい代表的なものとしてDOCGチェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアと品種ネロ・ダーヴォラを挙げています。
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアは、フラッパートとネロ・ダーヴォラをブレンドして造ります。配合によって濃厚なスタイルもあれば、瑞々しいものもあります。内藤さんはフラッパートがより引き立つものがお好きでした。イチゴのような優雅で穏やかな果実味や余韻に続く酸がフラッパートの個性。プルーンや紫のベリーの果実の豊かさと優しい甘みがネロ・ダーヴォラの個性。二つの品種のいいとこ取りをしたのがこのワインです。是非色々な生産者を試していただきたいです。内藤さんがお好きだった生産者のひとつはパオロ・カーリ(現在日本未輸入)、流通しているものではオッキピンティも一緒に飲みました。これは個人でも所有していました。
ここにオレンジスライスを入れたらサングリアのように飲めるくらい、柑橘を風味付けに使うシチリア料理に合うんです。生の柑橘を受け入れてくれる赤ワインというのは、シチリアならではだと思います。


松本 オレンジとイワシのサラダとか、ベッカフィーコがまさにそうですね!

坂田 魚介と合わせる入門編としては、シチリア南端、例えばパキーノ近辺などのネロ・ダーヴォラもいいと思います。中部やトラーパニのものとはまた違った瑞々しさと、海側のワインらしい塩味が感じられます。
グルフィのネロ・ダーヴォラは、香りはネロ・ダーヴォラらしくてアルコールも高いけど、程よい酸と海由来のミネラルを感じられてとても飲みやすいです。パキーノ周辺はトマトの産地でもあるからか、単純にトマトとも相性がいい。カポナータにもよく合います。


左からフラッパート(オッキピンティ)ヴィノ・デッラ・パーチェ所蔵、チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリア(オッキピンティ)内藤氏私物、ネロブファレッフィ(グルフィ)


松本 ほんとうですね、口当たりは強いのに、飲み応えはあまり重くない印象ですね。魚介だけでなく、その土地の野菜にも合う。ワインも農作物なんだなと感じますね。

坂田 南イタリア全般に言えることですが、かつてスタイリッシュなワインがもてはやされたイタリアワイン・ルネッサンスの時代以後には、必要以上に濃厚に仕上げたり、新樽のニュアンスを過度に効かせて装飾したりということもありました。ネロ・ダーヴォラもそう。でも本来楽しむべきは、果実味の豊かさや瑞々しさ、ほろ苦さの感じられるネロ・ダーヴォラです。
いい生産者はとても優美で、さまざまな料理と合わせられるワインを造っています。生産者がどういう信念を持ち、どんなワインに仕上げたいのかを知ることは、大切なことだと思います。


松本 ようするに飲んだ時のバランスがどうか、ということですね。

 
大地の恵みとうまみを存分に
松本 さあ、プーリアですね。vol.24「野菜食べようか、プーリアで」に収録しています。実はプリミティーヴォやネグロアマーロは少し苦手なんですけど。この内容を改めて読めば「マッシモそんなこと言っているとまだまだだな」と言われそうです。内藤さんは、土地に根付く料理とワインについてプーリアで強く感じたのではないか、そう思われる内容が書かれていますね。「手なずけられて飲みやすいだけのワインだけではなく、プーリアを理解するには、その核心に迫って欲しい」とありました。

坂田 プーリアは三方を海に囲まれた土地でイタリアでは珍しく平野部が多い。海産物はもちろん、酪農、農業も盛ん。特に野菜料理のおいしさは有名。するとなんとなく白の産地だと思われがちです。でも蓋を開けてみれば、プーリアの大地のエネルギーを受け止めてくれるのは赤! 内藤さんもそう感じるところがあったんじゃないかと思います。

松本 実は僕、プーリアにも何度か行きましたが印象的なワインは今まで出合ったことがありませんでした。

左から ヨー(ジャンフランコ・フィノ)、エス(ジャンフランコ・フィノ)、パトリリオーネ(コジモ・タウリーノ)、ジョイア・デル・コッレ プリミティーヴォ(パスクアーレ・ぺトレーラ)、サリーチェ・サレンティーノ(リ・ヴェ―リ)、サリーチェ・サレンティーノ(コジモ・タウリーノ)本文中で内藤さんがすすめていた生産者から。


坂田 カステル・デル・モンテ周辺にはエレガントなワインがあるのですが、コラムでは触れていませんね。きっとこのコラムは内藤さんがプーリアに行き始めた初期にサレント半島で受けた感動と、本文に出てくるプーリアの「核心」に触れた瞬間をもとに話しているのでは、と考えられます。
オリーブの古木が並ぶ乾いた広い大地に、独特の香りが漂う店の中で飲んだぬるいプリミティーヴォの衝撃って温度管理を徹底していた内藤さんにとってはものすごかったんじゃないかと。でも大地の恵みとパワーをそのままいただくような絶対的にうまい野菜料理と、同じくそこで育ったブドウの赤ワインと、そのバランスに感動したのだと思います。


松本 なんかわかります。オヤジが造ったワインがマンマの料理と見事にマッチしておいしかったりする。

坂田 プリミティーヴォは元々糖度が高く、アルコール度も高いのですが、温度が上がるとそれがさらに増す。これがプーリア料理の持つ香り、うまみや苦みが、凝縮された味わいと同格のストラクチャーとなります。
内藤さんがコラムですすめていたこのパスクアーレ・ぺトレーラのジョイア・デル・コッレは、とてもエレガントな プリミティーヴォですが、品種の個性を素晴らしく表現しています。濃い目のベリーの香りにしっかりとしたアタック、新鮮なブドウの皮の渋みを思わせる程度のタンニンが感じられますが、余韻はべったりせずにきれい。ハッカのような清涼感もありますね。
オリーヴオイルやトマトの旨み・酸味ともよく合うので、肉でももちろんいいのですが、野菜類のほうが飽きずにワインを飲み続けられます。


松本 パルミジャーナ・メランザーネですね!

坂田 ばっちりですね! それから内藤さんが特別な思いを持っていたのがコジモ・タウリーノという生産者です。かつてプーリアやシチリアのワインは、大量生産品や北部のワインを補強するために輸出され、高値で取引できるよう色の濃くアルコール度の高いものを造るという時代がありあした。フィロキセラ被害のあと、そうした状況からの脱却を図る流れが生まれます。そのなかで地域や品種の個性を明確化していくという今のプーリアワインの礎を築いた生産者のひとりがコジモ・タウリーノでした。彼が造ったパトリリオーネはプーリアワインの代表作のひとつです。
ネグロアマーロ主体で造るサリーチェ・サレンティーノは、かつて生産者自身もそのアイデンティティをどこに置くべきか迷った時期があったようですが、コジモ・タウリーノやリ・ヴェーリは等身大のネグロアマーロを表現しています。ネグロアマーロの特徴は、カカオのような苦みに、太陽をいっぱい浴びて育ったブドウの皮ならではの香り高さや、甘みを伴った質感といったものです。トマトの甘みや酸味、ズッキーニ、パプリカのなどの甘苦さと相乗効果をなします。


松本 甘いアタックと苦みの余韻が、ローストしたパプリカと合うのか。たしかに。懐が深いですね。

坂田 同郷のよしみとはこういうことでしょうね。料理もワインも、質感や凝縮感が同等で、飲んでいて何よりの心地よさがある。そしてプーリアのジューシーで香り高い粘性のあるオリーヴオイルもワインの質感と合う。赤ワインのタンニンや構成要素の複雑さは、野菜料理のストラクチャーを明確にしてくれます。だからこそ水分含有量の多い野菜を加熱して凝縮した旨みと香りを引き出した料理と楽しめるというわけです。

松本 プーリアは前菜の野菜料理だけでごちそうですよね。結局、野菜しか採れないから、ワインに合わせるのか、野菜に合わせるのかわからないけど、おいしくなるように工夫して食べるんですね。

坂田 当時は農民が食べざるを得なかったもの。本文中に出てくる「焼いた粉でつくるパスタ」もそう。これだけ好きな食べ物を選べる現代にその土地に根付いていたものをわざわざ再現している。存在理由は違いますが、その土地の個性と歴史を受け継ぐという意味においては、非常に意義のあること。そういうロマンがとても大切だと思います。

松本  「ワインにはロマン」いいですね。坂田さん、このたびは取材にご協力いただきありがとうございました。とてもいい話が聞けました。

内藤さんがコラム内で実名を出している生産者、もしくは銘柄、地域に限っており、生前に店で使用したもの、個人で所有していたもの、気に入っていたもの、から厳選して限定セットとして「ロッソ・ルビーノ」で販売することになりました。それぞれ内藤さんがこだわり、熱く書き残してくれたワインをぜひお楽しみください。


《『イタリア好き』限定 内藤和雄さんの「イタリアワインズキ」6本セット のご紹介》

ワイン解説:坂田真一郎(「リストランテ・ラ・バリック・トウキョウ」オーナー・ソムリエ)

「魚介と赤ワイン」から Nerojbleo/Gulfi(ネロイブレオ グルフィ)(赤)

シチリア南部で栽培されるネッロ・ダーヴォラ。海の側の畑からの葡萄もブレンドされている。滑らかな口当たりと心地よい塩味と鉄分、上品でふくよかな果実味のバランスが素晴らしい。加熱した魚介料理とシチーリアのネッロ・ダーヴォラとの組み合わせの入門編に最適。

「ヴェローナ東のワイン産地」から Soave Classico/TESSARI(ソアーヴェ・クラッシコ テッサーリ)(白)

ソアーヴェ・クラッシコの模範と呼べる1本。鉱物的なミネラルとキレのある酸が味わいを引き締める。内藤さんのワイン授業でも登場していたワイン。

「ヴェローナ東のワイン産地」から Spumante Gran Cuv’ee/Fongaro(スプマンテ・グラン・キュヴェ  フォンガロ)(発泡)

この品種、気候風土ならではの心地よい硬さと上質な泡を楽しめる辛口スパークリングワイン。20年程前に日本に輸入された際に内藤さんが喜んでいた1本。

「アリアーニコの無いイタリアなんて…!!」から Camerlengo/Camerlengo(カメルレンゴ カメルレンゴ)(赤)

内藤さんが亡くなる直前まで普及に尽力していたアリアーニコ種。特にこのワインは内藤さんのすすめで日本に輸入が始まった思い入れのある1本。肉料理とはもちろん好相性ですが、内藤さんのおすすめ通り、加熱した野菜料理とも合わせてみてほしい。

「プーリアワイン概論」から Gioia del colle/Fatalone(ジョイア・デル・コッレ
ファタローネ(パスクアーレ・ペトレーラ))(赤)

本文中ですすめていた生産社の一つ。プリミティーヴォはジャムのように濃厚というイメージを持っている方に試していただきたいワイン。瑞々しい果実味と伸びやかな酸、上品な甘みを楽しめる。様々なプーリア料理と合わせやすい。

「プーリアワイン概論」から Salice salentino/Cosimo Taurino (サリーチェ・サレンティーノ コジモ・タウリーノ)(赤)

内藤さんが最も敬愛していたプーリアの生産者の一人。本文にも出てくるフラッグシップ「パトリリオーネ」は格別。今回はウニと合わせたというサリーチェ・サレンティーノを。
プリミティーヴォ同様、サリーチェ・サレンティーノも明確な個性があるため、敬遠する人もいますが、これを機にぜひ積極的に大地の恵みを受けたプーリアの赤ワインを。

《ワイン特集限定 内藤和雄さんの「イタリアワインズキ」6本セット》●Spumante Gran Cuv’ee/Fongaro(泡)2016
●Soave Classico/TESSARI(白)2018
●Camerlengo/Camerlengo(赤)2016
●Gioia del colle/Fatalone(赤)2019
●Salice salentino Riserva/Cosimo Taurino(赤)2011
●Nerojbleo/Gulfi(赤)2018

20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。
20歳未満の者に対しては種類の販売はいたしません。
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