【リグーリア州】ジェノヴァの最も古い伝統料理の一つ
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【出展店舗紹介】イタリア好き マンマの料理フェスタ2019代官山
【MERCATO】
会場:代官山ヒルサイドスクエア開催日時:3月30日(土)~3月31日(日) 10:00~19:00
*29日は、ヒルサイドパントリー代官山のみでの開催となります。
参加店:ARANCIA ROSSA / ITALICO JAPAN / イマニシ / CA’MONTE / ゴープレミア / SAKURAGUMI / SANTA CHIARADAVINO / Siciliamore / BANCHINI / Pastificio Sugino / パシフィック洋行 / 帽子屋BARコッポレッタ / リモーネリモーネ
(地下1階ヒルサイドパントリー代官山内:フードライナー/APEROL)
■ITALICO JAPAN
本場イタリアのエスプレッソ・カプセルコーヒーを味わっていただけます。https://italicojapan.com/
■イタリア食材輸入のイマニシ
ペペロンチーノ製品をはじめとするカラブリアの食材などをご紹介します!■CA’MONTE
最優秀ブドウ栽培者賞を受賞し、ブドウ栽培者の頂点に輝いたカラブリアの雄リブランディ家が作り出すワインをはじめ、イタリアの国民的ドリンクブランド “ヨーガ” から人気の味わいをご紹介します!http://www.montebussan.co.jp/shop/
■ゴープレミア
オリーヴオイルソムリエが厳選した良質なオリーヴオイルをはじめ、はちみつやオリーヴの木で作られたキッチン雑貨、お菓子などをご紹介します。https://www.go-premiere.co.jp/
■SAKURAGUMI
復活祭で登場するコロンバや、赤穂名物てーてってーをご紹介!http://www.vera-pizza-sakuragumi.co.jp/
■SANTA CHIARA DAVINO
ユニークなイタリアン雑貨の数々をご紹介!お気に入りの1点を見つけてください。■シチリア食材専門店 Siciliamore(シチリアモーレ)
今回は、食材の宝庫 南東シチリアの美味しい物だけをセレクトしてご紹介します。ラグーサ県イブレイ山地特産の大人気トンダイブレア種100%のEXVオリーヴオイル「DOP パンタレオ」は、スペシャルセール価格でご提供します!
■BANCHINI
パルマ最古のチョコレート屋BANCHINI(バンキーニ)の人気ラインナップをご紹介。https://demeterdemetra.jp/banchini
■生パスタ専門店 Pastificio Sugino
本格的な手打ちパスタなどの生パスタとパスタソースをご紹介。小麦の味と弾力が楽しめる生パスタをお楽しみください!http://www.pastificio.jp
■パシフィック洋行
イタリアのサインボードやステッカーをはじめワインなどもご紹介します。http://www.pacificyoko.com
■帽子屋BARコッポレッタ
シチリアのスタイルで知られるハンチング帽「コッポラ」と、厳選した生地を使用した日本の職人による完全手作りのオリジナル商品をご紹介します。https://coppoletta.jp/
■リモーネリモーネ
リモンチェッロやチョコチェッロ、りんごチェッロをはじめ、レモンオイルやレモンの陶磁器などをご紹介します!https://www.luceit.jp/
【ヒルサイドパントリー代官山内での出展店舗】
場所:ヒルサイドパントリー代官山開催日時:3月29日(金)~3月31日(日) 10:00~19:00
参加店:フードライナー/APEROL
※APEROLは29日17:00~のアペリティーヴォ(食前酒と軽食)からお楽しみいただけます。
■フードライナー
ワインはすべて、店内でお飲みいただけます。選りすぐりの食品は店内で販売いたします。http://www.foodliner.co.jp/
■APEROL(アペロール)
29日17:00~のアペリティーヴォに、今イタリアでも大人気のAPEROLスピリッツを食前酒としてお楽しみいただけます。プロセッコにAPEROL、オレンジを合わせた軽食ともぴったりのドリンクです。https://www.aperol.com/ja
■【開催概要】集まれ! イタリア好き マンマの料理フェスタ2019代官山!
>>アンナマンマの紹介や、マンマの作る愛いっぱいの郷土料理の紹介、イベントの開催概要はこちらから!■開催日時:3月29日(金)~3月31日(土) 10:00~19:00
第10弾 編集長マッシモと行く 輝くカラブリア、特産品を訪ねる地元密着の旅9日間
▼2019年度は不催行となります。2020年度に同じ内容で催行予定です!お楽しみに。
編集長マッシモと行く!マッシモツアー第10弾の詳細決定!
主に本誌Vol.34で紹介した生産者を訪ね、
マンマの料理、農家の朝食、小麦収穫など、
このツアーでしか体験できない内容で、一緒にカラブリアの旅へ行きましょう!
参加人数は10名様限定です。
マッシモツアーのこだわり
●本誌取材で訪れた生産者を巡り、その情熱を直に感じられる。
●絶対うまい! 郷土の味を堪能できる。
●本場マンマの料理を一緒に楽しみながら味わえる。
●このツアーだけしか体験できない内容で、リアルなイタリアを感じる。
〈ポイント1〉
本場マンマの料理を体験して食べる
ーアンナ・ロンボラさんの料理講習と家族と一緒に食事を楽しむ。
〈ポイント2〉
酪農家アントニオさんを訪ねて
ー乳搾り〜チーズ作り見学と、農家の朝食を一緒に食べる。
カラブリアの自然を満喫
ーアルブレーシュの村チヴィタの自然公園をハイキング。
ーシーラ山地の牧場と農場を訪ねる。
カラブリアでピクニック
ー古代小麦収穫体験とその小麦で作ったピッツァやパンと地元ワインでピクニック。
取材で訪ねたマッシモオススメのレストランへ
ー「ラ・タベルナ・ディ・ペペ」でスクイラーチェのローカル料理を食べる。
〈旅行要項〉
●旅行期間:2019年6月8日(土)~16日(日)9日間
*全て専用車にて移動。
●イタリアズッキーニクラブ会員
294,000円(航空券別)
*非会員306,000円(航空券別)
*日程内の宿泊費(2名1室)、食事(毎朝食、昼食5回、夕食2回)、訪問料、講習料、通訳費、交通機関・現地手配費用が含まれます。
*上記費用には、航空券代金、燃油特別付加税、空港税、空港保険料は含まれません.別途ご手配、費用がかかります。
●1人部屋追加代金:48,000円
(ツインより部屋が小さくなる場合もございます)*相部屋の方がいらっしゃらない場合は1人部屋追加代金がかかります。
●ホテル:4つ星クラス
●最小催行人数:8名(10名様限定)定員になり次第締め切ります。
●お問い合わせ・お申込み先:アマテラス・イタリア(株式会社フォルトゥーナ)
担当:桃井祐美子、松家いくみ
TEL : 03-5772-8338
FAX : 03-6438-9990
東京都港区麻布十番1-5-29-205
●航空券お問い合わせ先:株式会社エイチ・アイ・エス トラベルワンダーランド新宿本社
アメリカ・オセアニア・ヨーロッパ/自由旅行専門店営業所
担当:柏原 健太
TEL: 03-5360-4881
編集長マッシモと行く!マッシモツアー第10弾の詳細決定!
主に本誌Vol.34で紹介した生産者を訪ね、
マンマの料理、農家の朝食、小麦収穫など、
このツアーでしか体験できない内容で、一緒にカラブリアの旅へ行きましょう!
参加人数は10名様限定です。
マッシモツアーのこだわり
●本誌取材で訪れた生産者を巡り、その情熱を直に感じられる。
●絶対うまい! 郷土の味を堪能できる。
●本場マンマの料理を一緒に楽しみながら味わえる。
●このツアーだけしか体験できない内容で、リアルなイタリアを感じる。
〈ポイント1〉
本場マンマの料理を体験して食べる
ーアンナ・ロンボラさんの料理講習と家族と一緒に食事を楽しむ。
〈ポイント2〉
酪農家アントニオさんを訪ねて
ー乳搾り〜チーズ作り見学と、農家の朝食を一緒に食べる。
〈ポイント3〉
カラブリアの自然を満喫
ーアルブレーシュの村チヴィタの自然公園をハイキング。
ーシーラ山地の牧場と農場を訪ねる。
〈ポイント4〉
カラブリアでピクニック
ー古代小麦収穫体験とその小麦で作ったピッツァやパンと地元ワインでピクニック。
ポイント5
取材で訪ねたマッシモオススメのレストランへ
ー「ラ・タベルナ・ディ・ペペ」でスクイラーチェのローカル料理を食べる。
〈旅行要項〉
●旅行期間:2019年6月8日(土)~16日(日)9日間
*全て専用車にて移動。
●イタリアズッキーニクラブ会員
294,000円(航空券別)
*非会員306,000円(航空券別)
*日程内の宿泊費(2名1室)、食事(毎朝食、昼食5回、夕食2回)、訪問料、講習料、通訳費、交通機関・現地手配費用が含まれます。
*上記費用には、航空券代金、燃油特別付加税、空港税、空港保険料は含まれません.別途ご手配、費用がかかります。
●1人部屋追加代金:48,000円
(ツインより部屋が小さくなる場合もございます)*相部屋の方がいらっしゃらない場合は1人部屋追加代金がかかります。
●ホテル:4つ星クラス
●最小催行人数:8名(10名様限定)定員になり次第締め切ります。
●お問い合わせ・お申込み先:アマテラス・イタリア(株式会社フォルトゥーナ)
担当:桃井祐美子、松家いくみ
TEL : 03-5772-8338
FAX : 03-6438-9990
東京都港区麻布十番1-5-29-205
●航空券お問い合わせ先:株式会社エイチ・アイ・エス トラベルワンダーランド新宿本社
アメリカ・オセアニア・ヨーロッパ/自由旅行専門店営業所
担当:柏原 健太
TEL: 03-5360-4881
【vol.108|マンマのレシピ】レンズ豆のスープ
【ウンブリア州】修道士にも愛されるレンズ豆産地の一品
イベントレポート/イタリア好き 郷土料理を楽しもう!エミリロ・マーニャ州モデナ
イタリア20州を巡る食事会は、最新号vol.36エミリア・ロマーニャ州モデナ特集をテーマに大井町の「NIDO」にて2月11日に開催されました。
さあ、食事会の始まりです!
テーブルに置かれた白く丸い器「スコデッラ」は、ランブルスコを飲むための器。
現地ではこのような器で飲むこともあるということで、今回は現地気分を盛り上げるために戸羽さんが用意してくれた。これに並々とランブルスコを注げば気分も盛り上がる! この日は基本的にランブルスコをガブガブ飲みしながら会は進むのでした。
そして当然この州の食事といえば、生ハムにサラミなどの加工肉は外せません! 「僕は毎日こればかり食べていました」と戸羽さん。これがメインとばかりに大盤振る舞い。山盛りのアフェッタートミストはおかわりもあって会はドンドンヒートアップ。
プリモピアットは3種盛り合わせ。珍しいニョッキやラザニアも、現地での経験をされた戸羽さんならでは。
そして、かなりお腹はずっしりきたところでセコンドです。
鹿肉のバルサミコ酢煮込みポレンタ添え。
鹿肉は軟らかく、バルサミコ酢の風味が肉の臭みを消して、味を引き立ています。好みでほんの少しだけ先ほどのバルサミコ酢をかけて食べます。決してかけ過ぎてはいけません(笑)。
そしてドルチェはモデナの定番ベンソーネ。
ご参加の皆さま、そして戸羽シェフはじめお店のスタッフの方ありがとうございました。
とても充実した楽しい時間でした。
【vol.107|マンマのレシピ】ラザーニャ・ナポレターナ(ナポリ風ラザーニャ)
【カンパーニア州】ラグーソースとリコッタで仕上げる一品
NinoNegri“ヴァルテッリーナ”の魅力 Presented by モンテ物産
今、スイス国境近くのある渓谷で作られるロンバルディア州のワインが熱い。
その渓谷の名は“ヴァルテッリーナ”。
今回はその“ヴァルテッリーナ”でワインを造るニーノ・ネグリ社について、昨年就任したばかりの新しいエノロゴの話しを交えながら特集したい。
車でミラノ市内から約2時間。同じロンバルディア州とはいえ、スイス国境にまたがるアルプスを間近に見るエリアにヴァルテッリーナ渓谷がある。周りを高い山々に囲まれており、ブドウ畑が山の急斜面に広がっているのもこのエリアならではの景色だ。
ひと昔前の車の無い時代は、本当に陸の孤島ともいえる場所であっただろう。
このエリアの郷土料理で有名なものは、そば粉のショートパスタ“ピッツォッケリ”。そば粉といえばヘルシーなイメージがあるが、合わせるソースはちりめんキャベツとじゃがいもに地元のチーズとバターをたっぷりと使ったもの。栄養満点の、今でというと少々高カロリーな一品だ。寒い冬に食べると格別で、じんわりと温まる。
そしてそこに合わせるのが、地元ヴァルテッリーナ地方の赤ワインだ。重すぎず奥行きがあり、身体にすんなりと入っていく。
ニーノ・ネグリ社は、そんなヴァルテッリーナ地方のキウロという小さな町にある。
1897年創業。ワイナリー敷地内にはキウロ城があり、オフィスと熟成庫がその風情ある城と一体となっている。
出迎えてくれたのはエノロゴのダニーロ・ドロッコさん。実は、彼は1年前までバローロの造り手として世界的に有名なピエモンテ州のワイナリー、フォンタナフレッダ社で統括エノロゴを務めていた。
フォンタナフレッダ社で1年前に会って以来久しぶりに会う彼は、とても精悍な顔つきをしていた。
元来山好きで、スキーが大の趣味。それもヴァルテッリーナに移ってきた理由かもしれないが、本当のところを聞いてみた。
「一体なぜ、世界的に有名なバローロ生産者から、このヴァルテッリーナの地に赴いたんですか?」
▲ニーノ・ネグリ社のオフィスがある建物の外観とダニーロ・ドロッコさん
「フォンタナフレッダでは、バローロをはじめ多岐にわたるワイン造りに取り組んできたこの30年の間に、畑から醸造まで大きな改革を行い、品質を更に向上させることが出来たと思っている。その経験をバローロエリアと同じく高品質なネッビオーロの生産地として注目されているヴァルテッリーナ地方で活かして、新たな挑戦をしてみたいと思ったんだよ。
それから、ここヴァルテッリーナのワインは、昔はやせた印象のワインだったが、今ではしっかりとした果実味を持ちながら繊細さとフレッシュさを持つとても飲み心地の良いワインになった。世界的なワイン傾向は、“エレガンス”。そこにヴァルテッリーナの可能性を感じたのさ。間違いなくヴァルテッリーナのワインは将来成功を収める。これに貢献したいんだ!」
とても生き生きとした表情で話すダニーロさん。まだまだ世界的に有名ではないヴァルテッリーナのワインで世の中を驚かしてやろうとする気概を感じとることができた。そして、ネッビオーロのスペシャリストのこの言葉を聞き、今後のニーノ・ネグリ社のワインへの期待が高まった。
ところでヴァルテッリーナで造られている赤ワインには、2つのDOCG(※1)がある。
ヴァルテッリーナ・スペリオーレとスフルサート・ディ・ヴァルテッリーナだ。
ニーノ・ネグリ社が作る最高級のスフルサートDOCGのワイン名は、“チンクエ・ステッレ”。
収穫したキアヴェンナスカ種(ヴァルテッリーナエリアでのネッビオーロの呼称)の房を陰干ししてブドウ果の水分を減らしてから造るワインで、凝縮感があり、果実味、酸味、骨格、タンニン、余韻、全ての要素が高いレベルで調和した偉大なワインだ。
その陰干しの現場に案内してもらった。
「我々が“Fruttaio(フルッタイオ)”と呼ぶここ陰干しの場所は、標高500メートルに位置する。なぜこんなにも高い場所で行うかというと、自然の風で陰干しするため、風がよく乾燥していないといけないからだ。高地の風はよく乾燥している。
こうして窓から自然の風を吹かせているんだ。分かるかい?風が室内に入ってきているのが。」
たしかにフルッタイオ内では、心地良い乾燥したそよ風が吹いているのが感じられた。
「朝は山側から、昼はコモ湖から風が吹くんだ。この状態で9月中旬に収穫したブドウを自然の風で3ヶ月間陰干しをすると、ブドウの重量はだいたい30%落ちる。そうして上品な甘みの凝縮した陰干しブドウができるわけだ。
また、“チンクエ・ステッレ”に使われるブドウの収穫は通常より10日~15日前に行い、陰干しによってアルコール度が上がり過ぎないように配慮しているんだよ。」
ダニーロ・ドロッコさんが実際に陰干し中のブドウの房を見せてくれた。
約2ヶ月半の陰干し状態だ。香りを嗅いでみるとブドウのフレッシュ感を保ちながら深い果実の香りが感じられる。
「香りだけで質の良さが分かる。」とダニーロさん。
口に含むと、よく熟したプルーンのような味わい。とても健全なブドウだ。
▲陰干し中のブドウを見せてくれる、ダニーロさん
「この房は粒が大きくて粒同士が少し離れているだろう。これは特殊なクローンのブドウで、陰干しに最適な果汁の多さと風通しのよさを兼ね備えているんだ。」
陰干しワインではヴェネト州のアマローネが有名だが、この“チンクエ・ステッレ”スフルサート・ディ・ヴァルテッリーナは、それに比べ凝縮した果実味の中に冷涼感と、ミネラルを感じる。
ヴァルテッリーナの気候風土と急斜面での過酷なブドウ栽培作業、丁寧なワイン醸造、陰干しブドウへのこだわり、それらすべてが一体となって、ヴァルテッリーナらしさを表現した素晴らしいワインをニーノ・ネグリ社は造りだしている。
今後ニーノ・ネグリ社では、単一畑のクリュワインを増やしていく、とダニーロさんは話す。
「ヴァルテッリーナの特徴の異なる栽培エリアの中にも更に細かく見ると、独特のキャラクターを持つ素晴らしい畑があるからね。それを表現するワインを作りたいんだ。」
ダニーロ・ドロッコさんとニーノ・ネグリ社の今後の活躍と、ヴァルテッリーナのワインから目が離せない。
※1:DOCG…統制保証原産地呼称。イタリア全国にあるワインの銘柄・タイプを限定し、その品質を守ることで、古くから続くワイン造りの伝統と名誉を保護する「イタリアワイン法」のもと制定されたカテゴリーの一つ。DOCGはその中でももっとも厳しい基準を満たし、特に歴史のあるワインが分類されるカテゴリー。
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼ニーノ・ネグリ社についてはこちら↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/ninonegri.html
その渓谷の名は“ヴァルテッリーナ”。
今回はその“ヴァルテッリーナ”でワインを造るニーノ・ネグリ社について、昨年就任したばかりの新しいエノロゴの話しを交えながら特集したい。
ひと昔前の車の無い時代は、本当に陸の孤島ともいえる場所であっただろう。
このエリアの郷土料理で有名なものは、そば粉のショートパスタ“ピッツォッケリ”。そば粉といえばヘルシーなイメージがあるが、合わせるソースはちりめんキャベツとじゃがいもに地元のチーズとバターをたっぷりと使ったもの。栄養満点の、今でというと少々高カロリーな一品だ。寒い冬に食べると格別で、じんわりと温まる。
そしてそこに合わせるのが、地元ヴァルテッリーナ地方の赤ワインだ。重すぎず奥行きがあり、身体にすんなりと入っていく。
1897年創業。ワイナリー敷地内にはキウロ城があり、オフィスと熟成庫がその風情ある城と一体となっている。
出迎えてくれたのはエノロゴのダニーロ・ドロッコさん。実は、彼は1年前までバローロの造り手として世界的に有名なピエモンテ州のワイナリー、フォンタナフレッダ社で統括エノロゴを務めていた。
フォンタナフレッダ社で1年前に会って以来久しぶりに会う彼は、とても精悍な顔つきをしていた。
元来山好きで、スキーが大の趣味。それもヴァルテッリーナに移ってきた理由かもしれないが、本当のところを聞いてみた。
「一体なぜ、世界的に有名なバローロ生産者から、このヴァルテッリーナの地に赴いたんですか?」
「フォンタナフレッダでは、バローロをはじめ多岐にわたるワイン造りに取り組んできたこの30年の間に、畑から醸造まで大きな改革を行い、品質を更に向上させることが出来たと思っている。その経験をバローロエリアと同じく高品質なネッビオーロの生産地として注目されているヴァルテッリーナ地方で活かして、新たな挑戦をしてみたいと思ったんだよ。
それから、ここヴァルテッリーナのワインは、昔はやせた印象のワインだったが、今ではしっかりとした果実味を持ちながら繊細さとフレッシュさを持つとても飲み心地の良いワインになった。世界的なワイン傾向は、“エレガンス”。そこにヴァルテッリーナの可能性を感じたのさ。間違いなくヴァルテッリーナのワインは将来成功を収める。これに貢献したいんだ!」
とても生き生きとした表情で話すダニーロさん。まだまだ世界的に有名ではないヴァルテッリーナのワインで世の中を驚かしてやろうとする気概を感じとることができた。そして、ネッビオーロのスペシャリストのこの言葉を聞き、今後のニーノ・ネグリ社のワインへの期待が高まった。
ところでヴァルテッリーナで造られている赤ワインには、2つのDOCG(※1)がある。
ヴァルテッリーナ・スペリオーレとスフルサート・ディ・ヴァルテッリーナだ。
ニーノ・ネグリ社が作る最高級のスフルサートDOCGのワイン名は、“チンクエ・ステッレ”。
収穫したキアヴェンナスカ種(ヴァルテッリーナエリアでのネッビオーロの呼称)の房を陰干ししてブドウ果の水分を減らしてから造るワインで、凝縮感があり、果実味、酸味、骨格、タンニン、余韻、全ての要素が高いレベルで調和した偉大なワインだ。
その陰干しの現場に案内してもらった。
こうして窓から自然の風を吹かせているんだ。分かるかい?風が室内に入ってきているのが。」
たしかにフルッタイオ内では、心地良い乾燥したそよ風が吹いているのが感じられた。
「朝は山側から、昼はコモ湖から風が吹くんだ。この状態で9月中旬に収穫したブドウを自然の風で3ヶ月間陰干しをすると、ブドウの重量はだいたい30%落ちる。そうして上品な甘みの凝縮した陰干しブドウができるわけだ。
また、“チンクエ・ステッレ”に使われるブドウの収穫は通常より10日~15日前に行い、陰干しによってアルコール度が上がり過ぎないように配慮しているんだよ。」
ダニーロ・ドロッコさんが実際に陰干し中のブドウの房を見せてくれた。
約2ヶ月半の陰干し状態だ。香りを嗅いでみるとブドウのフレッシュ感を保ちながら深い果実の香りが感じられる。
「香りだけで質の良さが分かる。」とダニーロさん。
口に含むと、よく熟したプルーンのような味わい。とても健全なブドウだ。
「この房は粒が大きくて粒同士が少し離れているだろう。これは特殊なクローンのブドウで、陰干しに最適な果汁の多さと風通しのよさを兼ね備えているんだ。」
陰干しワインではヴェネト州のアマローネが有名だが、この“チンクエ・ステッレ”スフルサート・ディ・ヴァルテッリーナは、それに比べ凝縮した果実味の中に冷涼感と、ミネラルを感じる。
ヴァルテッリーナの気候風土と急斜面での過酷なブドウ栽培作業、丁寧なワイン醸造、陰干しブドウへのこだわり、それらすべてが一体となって、ヴァルテッリーナらしさを表現した素晴らしいワインをニーノ・ネグリ社は造りだしている。
今後ニーノ・ネグリ社では、単一畑のクリュワインを増やしていく、とダニーロさんは話す。
「ヴァルテッリーナの特徴の異なる栽培エリアの中にも更に細かく見ると、独特のキャラクターを持つ素晴らしい畑があるからね。それを表現するワインを作りたいんだ。」
ダニーロ・ドロッコさんとニーノ・ネグリ社の今後の活躍と、ヴァルテッリーナのワインから目が離せない。
※1:DOCG…統制保証原産地呼称。イタリア全国にあるワインの銘柄・タイプを限定し、その品質を守ることで、古くから続くワイン造りの伝統と名誉を保護する「イタリアワイン法」のもと制定されたカテゴリーの一つ。DOCGはその中でももっとも厳しい基準を満たし、特に歴史のあるワインが分類されるカテゴリー。
http://www.montebussan.co.jp/
▼ニーノ・ネグリ社についてはこちら↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/ninonegri.html
エミリア・ロマーニャ特集
匂いと、香りの記憶
>デジタル版はこちら
amazon.co.jp /fujisan.co.jp
父親が材木問屋だった。子供の頃に父親の仕事場に行くと、独特の木の香りに包まれた。作業場では大工が仕事をしていた。僕はその香りと音、空気感が嫌いではなかった。モデナの樽工房の木材を眺めながら脳の奥に眠っていた記憶が香りと共に蘇ってきた。
モデナの人(モデネーゼ)にとってアチェートバルサミコ(バルサミコ酢)は切っても切れない関係であり、それを造るための樽は重要な要素の一つだ。その樽工房を訪ねた時に重い引き戸を開けると、大きな機械音と共にアチェートバルサミコと木、そして油の匂いに包まれた。その作業場の奥には、乾燥させたさまざまな種類の木材が保管されている。新しいものもあれば、古い樽を分解したものもある。
年月を経た樽の軌跡は、何年、何十年と経て完成するアチェートバルサミコの軌跡と同じだ。そしてそれは香りの記憶と共に歩んできたモデネーゼの家族の歴史でもある。価値はその歴史にある。
子供のために残すアチェートバルサミコの12年後、25年後の味は、モストコットと樽と家族のハーモニーによって醸される。そしてそれは、匂いと香りの記憶と共に、引き継がれていく。
アチェートバルサミコ、小さな瓶の中の長い歴史。
発行編集人 マッシモ松本
定期購読いただくと!
バックナンバーがもれなく3冊ついてくる!!
※どの号が届くかはお楽しみ♪
- 1年間(4回発行)2,640円(税込)
- 送料無料
『イタリア好き』バックナンバー
『イタリア好き』バックナンバーは単品でご購入いただけます。
*バックナンバー 1冊550円(税込)
【vol.105|マンマのレシピ】パスタ・エ・パターテ
【カンパーニア州】誰もが知っていて誰もが喜ぶ庶民的料理
イタリア好き、郷土料理を楽しもう! エミリア・ロマーニャ州
ご覧いただきありがとうございます。
定員に達しましたので、参加申し込みを締め切らせていただきます。
次回は5月に開催予定です。お楽しみに!
\イタリア郷土料理を巡る食事会 第5回/
2月1日発行vol.36エミリア・ロマーニャ/モデナ特集の制作がほぼ終了し、
皆さまの手元に届くまではあと少し。
本誌の特集をテーマとした食事会も5回目となります。
今回は大井町にある「NIDO」にて開催します。
オーナーシェフの戸羽剛志さんは、以前「アンティキ・サポーリ」で開催した、
集まれ!イタリア好き~イタリア冬料理とパニーニを楽しもう~ にもゲストシェフとして参加してくれ、エミリア・ロマーニャ州ピアチェンツァのアグリツーリズモでの修行時代に習ったピアディーナのパニーニを披露してくれました。
▼その時のイベントの様子はこちらから
https://italiazuki.com/?p=19939
「NIDO」に初めて行ってその料理を口にした時に、この人料理が本当に好きなんだなと感じました。それが料理を通して自然に伝わってきたのでした。そして戸羽シェフに「料理すごく好きでしょ?」と聞いたら、うれしそうな顔で「はい」と答えてくれました。それ以来、僕は戸羽シェフのファンになりました。
今回は、そんな戸羽シェフの料理を存分に味わっていただきたいと思います。
■日時: 2月11日(月・祝)12:00~(11:45受付開始)
■会場: NIDO
東京都品川区大井1-55-12 ベルフルーレ1F
(大井町駅より徒歩4分)
https://hitosara.com/0006068686/
■会費: <会員> 11,000円(税別)/<非会員> 13,000円(税別)
*ドリンクなどすべて込み!
(イタリアズッキーニクラブ・ズッキーニパートナーズ会員+1名まで有効)
■形式: 着席式
■定員: 18名
3連休の最終日の午後の一時をおいしい料理と楽しいおしゃべりで過ごしませんか。
皆さんの参加をお待ちしています。
■11月に開催したリグーリア食事会のレポートはこちらから
https://italiazuki.com/?p=31164
■8月に開催したカラブリア食事会のレポートはこちらから
https://italiazuki.com/?p=30424
《お申込み方法》
以下の「カートに入れる」ボタンをクリックしてお進みください。
*参加条件はイタリアズッキーニクラブ・ズッキーニパートナーズ会員様とそのお連れ様1名のみとさせていただきます。
※ズッキーニクラブ、ズッキーニパートナーズ会員の方は、ログインすると会員価格でご購入いただけます(未ログインでは、非会員価格でカートに価格が表示されます)。
定員に達しましたので、参加申し込みを締め切らせていただきます。
次回は5月に開催予定です。お楽しみに!
\イタリア郷土料理を巡る食事会 第5回/
2月1日発行vol.36エミリア・ロマーニャ/モデナ特集の制作がほぼ終了し、
皆さまの手元に届くまではあと少し。
本誌の特集をテーマとした食事会も5回目となります。
今回は大井町にある「NIDO」にて開催します。
オーナーシェフの戸羽剛志さんは、以前「アンティキ・サポーリ」で開催した、
集まれ!イタリア好き~イタリア冬料理とパニーニを楽しもう~ にもゲストシェフとして参加してくれ、エミリア・ロマーニャ州ピアチェンツァのアグリツーリズモでの修行時代に習ったピアディーナのパニーニを披露してくれました。
▼その時のイベントの様子はこちらから
https://italiazuki.com/?p=19939
「NIDO」に初めて行ってその料理を口にした時に、この人料理が本当に好きなんだなと感じました。それが料理を通して自然に伝わってきたのでした。そして戸羽シェフに「料理すごく好きでしょ?」と聞いたら、うれしそうな顔で「はい」と答えてくれました。それ以来、僕は戸羽シェフのファンになりました。
今回は、そんな戸羽シェフの料理を存分に味わっていただきたいと思います。
◆+◆+開催概要+◆+◆
東京都品川区大井1-55-12 ベルフルーレ1F
(大井町駅より徒歩4分)
https://hitosara.com/0006068686/
*ドリンクなどすべて込み!
(イタリアズッキーニクラブ・ズッキーニパートナーズ会員+1名まで有効)
3連休の最終日の午後の一時をおいしい料理と楽しいおしゃべりで過ごしませんか。
皆さんの参加をお待ちしています。
■11月に開催したリグーリア食事会のレポートはこちらから
https://italiazuki.com/?p=31164
■8月に開催したカラブリア食事会のレポートはこちらから
https://italiazuki.com/?p=30424
*参加条件はイタリアズッキーニクラブ・ズッキーニパートナーズ会員様とそのお連れ様1名のみとさせていただきます。
※ズッキーニクラブ、ズッキーニパートナーズ会員の方は、ログインすると会員価格でご購入いただけます(未ログインでは、非会員価格でカートに価格が表示されます)。
在庫なし
プーリアの涼しい丘のワイン リヴェラ社 Presented by モンテ物産
イタリア半島を長靴に見立てたときにちょうどヒールの部分に当たるプーリア州に、世界遺産にも登録されている名城がある。カステル・デル・モンテと呼ばれる城だ。八角形を象徴的に取り入れた城で、八角形の外壁には八角形の小塔が連なり、その荘厳さは見ると圧倒されるものがある。
一方でこのお城の名前を冠した格付けワインがあることはまだあまり知られていない。カステル・デル・モンテDOC。(※リゼルヴァタイプはDOCG。)まさにこの世界の名城を臨むなだらかな丘陵地帯のエリアで生産されるワインだ。
このエリアに、プーリア州を代表するワイナリーがある。名はリヴェラ社。創業は1950年だ。
「プーリアのワインと言われて一般に思い浮かべられるワインと、我々のいるこのカステル・デル・モンテエリアのワインは少し違うんだ。」
そう切り出したのは、リヴェラ社会長のカルロさん。綺麗に整った白髪と上品な物腰が、地元の名士であることをうかがわせる。
「プーリアというと暑い気候で糖度が上がり、アルコール度数も高くなったワイン、というイメージが先行している。しかし、プーリア州の中でもこのカステル・デル・モンテエリアは、レッチェやブリンディシなどのプーリア平野部に比べると少し冷涼な気候でね。特に昼夜の寒暖差は非常に大きく、そのためにブドウに綺麗な酸が残るんだ。この酸のバランスが取れたエレガントなワインが、リヴェラ社のワインの特徴なんだよ!。」
カルロさんはそう言いながら、畑を案内してくれる。
「このエリアが涼しいのは、少し小高い丘になっているからなんだ。“ムルジェの丘”、と呼ばれているよ。」
「私がこの土地に注目し始めた数十年前、まだ畑を作る前のこの丘に何度も足を運んだのさ。来てみるとわかるだろう?標高は300mほど。常に涼しい風が吹き、昼夜の寒暖差も申し分ない、ブドウ栽培には最適な場所なんだ。でももともとここに畑は一つもなかったんだよ。なぜだかわかるかい?」
カルロさんはそう言って、持参した古いアルバムを見せてくれた。
「ここに畑がなかった理由は、この土壌のせいさ。これが昔のこの丘の写真。手前の丘の土壌をごらん。岩だらけだろう?この岩石土壌のせいで、ここは昔から植物もほとんど自生しない丘だったんだよ。」
カルロさんはこう回想する。
「私は当時、この岩だらけのムルジェに来ては考えたんだ。もしここにブドウ畑を作ったらどんなに素晴らしいだろう、とね。土壌の岩石以外、このムルジェには、ブドウ栽培のための全てが揃っていたから。そこで私は、無理やりにでもここに畑を作る方法を考えたんだよ。」
カルロさんは丘に重機を入れ、岩石を無理やり掘削したそうだ。
そうやって壊した岩石を、今度はさらに細かく小石大にまで砕いていく。
その後砕いたムルジェの元岩石を撒きなおし、リヴェラ社はついにムルジェの丘の上にブドウ畑を作ることに成功したのだ。
リヴェラ社を語るには、やはりトップワインのイル・ファルコーネは外せない。
南イタリアを代表する一本といっても過言ではないこの傑作を飲んでみると、リヴェラ社が他のプーリアのワイナリーから一線を画していることが良くわかる。香りにはブドウ本来の凝縮した果実香があり、重心の低さを感じさせると同時に、冷涼なミクロクリマからもたらされるエレガントなアロマがある。
味わいには熟した果実と粗さが取れた滑らかなタンニンが感じられ、複雑なスパイスや土の香りとともに長い余韻が残る。特にアフターに残る酸は、暑いプーリアのワインのイメージを覆す上品さをこのワインに与えている最たる要素と言えるだろう。
しかし、リヴェラ社をプーリアのワイナリーの中でも特別たらしめる最も重要な点は、このような傑作を作り出すために決して諦めることなく、最良の環境を模索しプーリア屈指のブドウ畑を作り上げた、リヴェラ社の飽くなき品質へのこだわりであることを、最後にひとこと言い添えたいと思う。
▲『イル・ファルコーネ』。ラベルにはカステル・デル・モンテを建設した王家の紋章、“ファルコーネ”=鷹があしらわれている
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼リヴェラ社についてはこちら↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/rivera.html
一方でこのお城の名前を冠した格付けワインがあることはまだあまり知られていない。カステル・デル・モンテDOC。(※リゼルヴァタイプはDOCG。)まさにこの世界の名城を臨むなだらかな丘陵地帯のエリアで生産されるワインだ。
このエリアに、プーリア州を代表するワイナリーがある。名はリヴェラ社。創業は1950年だ。
「プーリアのワインと言われて一般に思い浮かべられるワインと、我々のいるこのカステル・デル・モンテエリアのワインは少し違うんだ。」
そう切り出したのは、リヴェラ社会長のカルロさん。綺麗に整った白髪と上品な物腰が、地元の名士であることをうかがわせる。
「プーリアというと暑い気候で糖度が上がり、アルコール度数も高くなったワイン、というイメージが先行している。しかし、プーリア州の中でもこのカステル・デル・モンテエリアは、レッチェやブリンディシなどのプーリア平野部に比べると少し冷涼な気候でね。特に昼夜の寒暖差は非常に大きく、そのためにブドウに綺麗な酸が残るんだ。この酸のバランスが取れたエレガントなワインが、リヴェラ社のワインの特徴なんだよ!。」
カルロさんはそう言いながら、畑を案内してくれる。
「このエリアが涼しいのは、少し小高い丘になっているからなんだ。“ムルジェの丘”、と呼ばれているよ。」
「私がこの土地に注目し始めた数十年前、まだ畑を作る前のこの丘に何度も足を運んだのさ。来てみるとわかるだろう?標高は300mほど。常に涼しい風が吹き、昼夜の寒暖差も申し分ない、ブドウ栽培には最適な場所なんだ。でももともとここに畑は一つもなかったんだよ。なぜだかわかるかい?」
カルロさんはそう言って、持参した古いアルバムを見せてくれた。
「ここに畑がなかった理由は、この土壌のせいさ。これが昔のこの丘の写真。手前の丘の土壌をごらん。岩だらけだろう?この岩石土壌のせいで、ここは昔から植物もほとんど自生しない丘だったんだよ。」
「私は当時、この岩だらけのムルジェに来ては考えたんだ。もしここにブドウ畑を作ったらどんなに素晴らしいだろう、とね。土壌の岩石以外、このムルジェには、ブドウ栽培のための全てが揃っていたから。そこで私は、無理やりにでもここに畑を作る方法を考えたんだよ。」
カルロさんは丘に重機を入れ、岩石を無理やり掘削したそうだ。
そうやって壊した岩石を、今度はさらに細かく小石大にまで砕いていく。
その後砕いたムルジェの元岩石を撒きなおし、リヴェラ社はついにムルジェの丘の上にブドウ畑を作ることに成功したのだ。
▲細かく砕かれた岩石 | |
▲きれいに整えられた現在のリヴェラ社のブドウ畑 |
リヴェラ社を語るには、やはりトップワインのイル・ファルコーネは外せない。
南イタリアを代表する一本といっても過言ではないこの傑作を飲んでみると、リヴェラ社が他のプーリアのワイナリーから一線を画していることが良くわかる。香りにはブドウ本来の凝縮した果実香があり、重心の低さを感じさせると同時に、冷涼なミクロクリマからもたらされるエレガントなアロマがある。
味わいには熟した果実と粗さが取れた滑らかなタンニンが感じられ、複雑なスパイスや土の香りとともに長い余韻が残る。特にアフターに残る酸は、暑いプーリアのワインのイメージを覆す上品さをこのワインに与えている最たる要素と言えるだろう。
しかし、リヴェラ社をプーリアのワイナリーの中でも特別たらしめる最も重要な点は、このような傑作を作り出すために決して諦めることなく、最良の環境を模索しプーリア屈指のブドウ畑を作り上げた、リヴェラ社の飽くなき品質へのこだわりであることを、最後にひとこと言い添えたいと思う。
▲『イル・ファルコーネ』。ラベルにはカステル・デル・モンテを建設した王家の紋章、“ファルコーネ”=鷹があしらわれている
http://www.montebussan.co.jp/
▼リヴェラ社についてはこちら↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/rivera.html