イタリア好き委員会 のすべての投稿

繊細な表現者 マリオ・コッリーナ

ロンバルディアの取材以来だから2年振りになる。
ミラノから車で1時間とちょっと、ベルガモの小高い丘の上にある、「リストランテ・コリーナ」
オーナーシェフのマリオ・コリーナは、料理人としての高いプライドと共に、
生産者への尊敬の念を忘れない、素晴らしいシェフだ。
久しぶりの再会をお互いに喜んだ。
当時より少しふっくらした印象だったが、握手を交わした手は、あの時に感じたままだった。
僕らは新しくできた部屋に案内された。
前面は総ガラス張りで、パノラマの景色が広がり、
明るくゆとりのある店内には、日曜日のランチを楽しもうとテーブルは満席だ。
料理はお任せでお願いした。
季節を意識した洗練されたスローな料理が次々に運ばれてくる。

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一見クリエイティブな印象の皿だが、食べてみれば機を衒わない、素材を存分に活かした料理に心が躍る。
そしてどのテーブルにも彼は、一皿ひと皿丁寧に料理の説明にやって来る。
ここに彼が生産者や、素材にこだわる理由がある。

IMG_615112時半過ぎに店に入ってから、ディジェスティーボのグラッパを飲んで気がつくと、客はもう僕らだけだった。

最後に御礼を言うと、彼は御礼を言うのは僕のほうだと言う。
本誌『イタリア好き』の読者がちょこちょこと訪れてくれているらしい。
彼もそれを喜んでいて、僕にとってもそれは同じ気持ちだった。
こうやって繋がっていることに感謝した。
店を出るころには、既に時計は4時半を回っていた。
とても豊で、良い時間を過ごすことができた。
ありがとう。

イタリア・エスプレッソ最新事情 Presented by モンテ物産

仕事柄、イタリア各地を訪れた際には、毎日数杯のエスプレッソを飲むためにバールやグランカフェにいくが、最近少し雰囲気が変わった感がある。歴史がある店には、数年前までは必ずと言ってよいほど熟練の年長者のバリスタがいて、彼らが魅力的な立ち振る舞いで、そのお店の品格をさらに高めるような所作をこなしていた。

IMG_7262最近、中部~北部イタリア、そしてミラノのグランカフェなどにいくと、それまでいた50~60代の熟練バリスタを見かけなくなり、代わりに若いバリスタが立っているのを見かけるようになった。SNSなどの影響もあると思うが、以前であれば店内で写真を撮ろうとすると、熟練バリスタが無言のゼスチャーで、周りの人に不快感を与えるからそれはよくないよ、と示してくれていたものである。しかし今では、若いバリスタはSNSを活用してお店のプロモーションも行うし、店内での撮影も気兼ねなく許可してくれる。
これも時代が変わったのだと思うが、時々昔のバールやグランカフェに入る時に感じた、バリスタと対峙する際の程よい緊張感が恋しくなることがある。

IMG_7089また、北イタリアといえばイタリアの中でも少し多めのエスプレッソ(25~30ml)を提供することが一般的であるが、最近は、中部イタリアや南イタリアのように25ml程度だったり、さらに少ない25~20mlだったりするところを見かける。エスプレッソマシンもナポリ周辺でしか見かけないレバー式のマシンを使用しているところが出てくるなど、地産地消の色合いが濃いイタリアにおいてもエスプレッソの共通化が進んでいると感じる。


とはいえ、まだまだ地域別の良さはしっかりと残っている。
例えばエスプレッソカップでいえば、南イタリアは肉厚のカップで少量でもそれなりの量に見えるものを使用しているところが多い。肉厚のカップで飲むと苦味の強い味わいも口当たりは柔らかくなるので地域の味わい特性に合っている。
IMG_7081そしてフィレンツェの方に行くと特徴的な少し大きめのエスプレッソカップを使用して、より華やかなアロマをカップの中に閉じ込めることに注意している。程よい苦味と酸味を持ち合わせるこの地域のエスプレッソには豊かなアロマを蓄えたこのスタイルがとても合っている。
カップの形状ひとつとっても地域ごとでいろいろあるので、イタリア各地を旅行した際には、エスプレッソカップの形状の違いを楽しむのも、通な楽しみ方だと思う。


KIMBO[キンボ]
▼商品の詳しい説明はこちらから
https://www.montebussan.co.jp/foods/kimbo.html

パンテッレリーア

vol.232015/11/1
在庫なし

風を纏って旅をする

5月27日。
僕らはエキサイティングなパレルモの取材を終えて、パンテッレリーア島へ向かった。
プロペラ機に乗り込み、シチリア島から約1時間弱。小さな空港に降りた。
地中海の小さな島。6月に入れば学校も夏休みになるオンシーズン目前。島もそろそろ浮き足立っている頃だろうと、こちらもウキウキバカンス気分で上陸したのだけれど、空港はいたって静かで、浮かれた様子は無い。
少し曇りがちな空から差し込む陽差しと、乾いた風が心地良い。
パンテッレリーア島は、1周約50kmの小さな島で、海岸線はほとんどが岩場で黒い印象だ。島の人はあまり海には入らないだとか。それは海がいつも近くにあるからだと言う。分かるような、分からないような。なぜならこの島の様子は、6月に入ってもやっぱりリゾート気分満点の浮かれ模様にはならなかったし(少なくても僕らが滞在していた間は)、とにかく地味な印象だ。でも、その地味さが僕には魅力的だった。おそらくこれから先もさほど変わらないのだろうと思う。とにかく落ち着くのだ。
島民はほぼ自給自足に近い暮らしをしている。
風が強く吹くこの島では、植物は低く地面を這うように育つ。そんな植物のように、地に足の着いた島民の暮らしっぷりが、当然この島の表情に現れているのではないだろうか。
77歳のおばあさんが言っていた。「この島では、良い事も悪い事も風が全てを吹き飛ばしてくれるんだよ。だから、皆島に戻ってくるのさ」
島を離れ一度は街に出る、でもそこで起きた全ての事は、島に戻れば忘れられる。そしてまた家族や幼馴染みと共に島での生活を続けていく。
そう言えば23歳のシェフ、ダリオもやっぱり島がいいと修行を終えて戻ってきていた。
島ってそういうところなんだ。
さあ、風を纏ってパンテッレリーアの旅に出よう。

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【悲しいお知らせ】ダ・ロレのセルジオさんが亡くなりました

イタリアの大切な友人セルジオ・ナタリーニが亡くなってしまいました。

マルケ特集の取材の時、偶然訪れた「Da Lore’」(ダ・ロレ)というトラットリアオーナーシェフ。

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そうあの”悪魔のカルボナーラ”の店。

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偶然の出会いから、日本への来日(マンマの料理フェスタ2013 葉山)、ツアーでの訪問、数回店に行った思い出、そんなに長い付き合いでは無いのだけど、僕は彼に対する思いは、”悪魔のカルボナーラ”と共に、友人としての特別な思いがありました。

この訃報を受けたのは自分の生誕祭の終わった深夜でした。

1通のメールを見て、浮かれ気分が一挙に吹っ飛び、涙が止まりませんでした。大切な友を失ったことに、とても悲しい気持ちになりました。

昨年のマッシモツアーで訪れた時には、随分と痩せていたので、心配でしたが、彼はそんなそぶりも見せずに参加者に笑顔と最高の料理を提供してくれました。

大きな店がいつも人で賑わっているのは、優しく、思いやりのある人柄の証だったのでしょう。

もう彼のつくるカルボナーラは食べられませんが、彼の精神と魂は後進へと引継がれていきます。

きっとあの世でも、うまいもんつくって、みんなに振る舞っているんだろう。

心から冥福を祈ります。

 

ズッキーニパートナーズ紹介【il corazziere】

『イタリア好き』設置店舗であるズッキーニパートナーズの中で
新しくなったステッカーを貼ってくださったみなさんを絶賛ご紹介中です!

本日ご紹介するのは名古屋にあるこちらのお店です!

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il corazziere/イル コラッツィエーレ

5感をフルに使って楽しむ、官能的なイタリアン

口どけの良い脂と溢れる旨味が特徴の御殿場純粋金華豚や、
富士山の麓の契約農家から送られてくる生命力溢れる滋味深い野菜。

季節感を大切にし、食材の最も美味しい食し方を追求した料理は
5感をフルに使って味わっていただく、官能的なイタリアンに仕上がっています。

心地よい空間の中で、大切な人との至福な時間をお楽しみください。

il corazziere/イル コラッツィエーレ
名古屋市東区泉2丁目28-24
東和高岳ビルB1階
Tel)052-933-0085
URL) https://www.facebook.com/ilcorazziere 

★ズッキーニクラブ会員特典★
ジェラート1つお付けします!

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洗練された空間で、選び抜かれた食材をじっくりと味わえる、
そんな贅沢なひとときが過ごせそうですね!

その他の『イタリア好き』配布店舗の情報はこちらからご覧いただけます!
https://italiazuki.com/location/

新ステッカーを貼ってくださったズッキーニパートナーズのみなさん、
是非、お写真と紹介分を添えて、イタリア好き委員会までご連絡くださいね。
お待ちしてます!

Grazie.

レーズィナ産イタリアの『塩トマト』 Presented by モンテ物産

今年の夏、南イタリアの天気はトマトにとって概ね良い天気だったと言えるだろう。
雨が多く天候不順が続いて苦しんだ昨年と比べれば、大幅にトマトの質は向上し、農家の方々はほっと胸をなでおろしているはずだ。
ホールトマトやダイスカットトマトの缶詰の品質を高水準で保つための難易度は、原料となる生トマトの出来の善し悪しで大きく変わる。原料が悪い時期が続くと、いかに品質を落とさずコスト上昇を最低限に抑えるかで工場は四苦八苦する。
今回ご紹介するのは、その原料トマトの中でも少し特殊な例だ。

レーズィナ湖
▲ レーズィナ湖
レーズィナはプーリア州の最北端に位置し、レーズィナ湖周辺に広がるトマトの産地だ。
「プーリア州はイタリア有数のトマトの名産地だが、他の土地ではできないトマトがここレーズィナではできるんだ。」
そう自信たっぷりに説明するのは、レーズィナ農業組合長のラッファエレさんだ。
「実はレーズィナ湖は普通の湖ではなく、アドリア海の海水が流れ込む汽水湖なんだ。それによって、周辺の土壌には海水に含まれるミネラルが長い時間をかけて蓄積している。そしてそれを吸い上げたトマトは、ミネラル豊富で甘みがある、素晴らしいトマトになるんだ。通常は地中の塩分濃度が上がりすぎると、トマトは塩害を起こして枯れてしまう。だがレーズィナ湖周辺の土壌はそこまで高濃度の塩分は含まず、収穫量はやや落ちるものの品質は向上するという、絶妙に良いバランスで成り立っているんだ。」

レーズィナ産トマト
▲レーズィナ産トマト
確かに、他のエリアの畑と食べ比べるとレーズィナ産は甘味がしっかりしている。ラッファエレさんは日本のトマトについての知識はなかったが、イタリア版の『塩トマト』といったところだろうか。ばらつきもあるだろうが、訪問した日に収穫したトマトの糖度は他のエリアよりも1~2割高かった。
「このトマトで作ったトマト缶は、パスタやピッツァのソースにぴったりなんだ。早く日本の皆さんにも味わってもらいたいね!(※下記参照)」
ラッファエレさんは、自分たちの土地でできた特別なトマトを味わってもらうのが待ちきれないようだ。いつもながらイタリア人の郷土愛には圧倒され、感服するばかりだ。
もしどこかでこのトマト缶を見かけたら、南イタリアの太陽と海を思い浮かべながら食べてみてはいかがだろうか。

“ナポリ・ミア”というブランドで販売中です。(400g缶も来年発売予定)
“ナポリ・ミア”というブランドで販売中です。(400g缶も来年発売予定)


CA’MONTE[カ・モンテ]
モンテ物産が輸入・販売しているイタリアワインやイタリア食材の中でも、厳選されたこだわりの商品を取り扱うWEBショップです。
市場に出回っていないワイン等楽しいことがいっぱいあります。
CA’MONTE

ズッキーニパートナーズ紹介【Pepe Rosso】

この度『イタリア好き』を設置してくださっている
ズッキーニパートナーズの目印であるステッカーが新しくなりました★

新ステッカーを貼ってくださったズッキーニパートナーズのみなさんを絶賛ご紹介中~!

本日ご紹介するのは三軒茶屋にあるこちらのお店♪

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Pepe Rosso
ペペロッソ


三軒茶屋駅より徒歩3分
豊富な手打ちパスタのイタリア郷土料理のお店です。

2015年7月17日ペペロッソはイタリア郷土料理店として
新規リニューアルオープンいたしました!
料理やワインを通してイタリアの食文化をお楽しみください。

まだまだ日本では普及していないイタリアのマンマ(おふくろ)の作る
愛情たっぷりの手打ちパスタをメインにご用意しています。

またイタリア各地のいわゆるご当地グルメも取り揃えています!
街や村ごとに個性際立つディープな地酒はオーガニックの物を中心に集めています。
一風変わったチーズもありますよ。

地の料理に地のお酒。
まるでイタリア小旅行にいらしたかのような食空間をお楽しみください。


〒154-0004
東京都世田谷区太子堂1-12-23
第一ゴールドビル1F
03-3424-4230
https://www.facebook.com/peperosso1986


★ズッキーニクラブ会員特典★
アサヒ熟撰生ビール一杯サービス

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Facebookにはこだわりの品の数々がアップされていました!
スタッフのみなさんもとっても楽しそうですね。

どうもありがとうございます。


新ステッカーを貼ってくださったズッキーニパートナーズのみなさん、
是非、お写真と紹介分を添えて、イタリア好き委員会までご連絡くださいね。
お待ちしてます!


Grazie.