\12/14~16開催/マンマの料理フェスタ2017クリスマス@KITTE MARUNOUCHI

このたび丸の内にある商業施設「KITTE」で展開されるクリスマスイベント「WHITE KITTE」の一環で、
マンマの料理フェスタとクリスマスマーケットを開催することになりました。

開催は12月14日(木)〜16日(土)の3日間。

来日するマンマはピエモンテ州バローロからマリアグラッアァさん(本誌vol.7登場)と、
ヴェネト州ヴァルドッビアーデネのカリンさん(本誌Vol.31登場)のお二人。

▲写真左:ピエモンテ州バローロからマリアグラッアァさん/写真右:ヴェネト州ヴァルドッビアーデネのカリン

マリアグラッアァさんは、2012年に赤穂で開催した第1回の時にも来日してくれたので、今回は2回目です。その時の記事はこちらから。

バローロ村の小さな肉屋を家族で営んでいます。
その店で彼女が作って販売しているアニョロティ・ダル・プリンとタヤリンは知る人ぞ知る評判の味。
村の祭りには彼女の味は欠かせないとか。生のサルシッチャを持ってこれないのが残念(><)


カリンさんは、こちらもワインの銘醸地ヴェネト州ヴァルドヴッィアーデネから、100年前の薪釜を使って焼くパン屋の素敵なマンマ。パン屋の記事は本誌vol.28に、マンマのレシピとして紹介しているのは本誌vol.31に詳しく紹介しています。できればご主人も一緒に来て薪窯でパンも焼いてほしいけど……


冬、クリスマスにふさわしいマンマの郷土料理を提供してくれます。

そして今回マンマの料理を、仕込みから当日のキッチンカーでの調理まで「PACIOCCONE GINZA SALUMERIA」の高橋シェフを始めとするチームでサポートしてくれます。

◆出展店舗情報◆

【1】ヴェネト州マンマ カリンさんのキッチンカー:
自慢”ラザニア”を披露するわ!
《 ヴェネト郷土料理のウニコ 》アンティパスト(仔牛と生ハム、ゆで卵のファルチータ)、プリモ(ポロ葱とハムのラザニア)、セコンド(越の鳥のロースト)、オプション注文でトロケットとエスプレッソのドルチェも!

【2】ピエモンテ州マンマ マリアグラッツァさんのキッチンカー:
自慢の”アニョロッティ・デル・プリン”を食べに来てね!
《 ピエモンテ郷土料理のウニコ 》アンティパスト(パプリカとツナの詰め物)、プリモ(アニョロッティ・デル・プリン)、セコンド(仔牛の赤ワイン煮 バローロ風)、オプション注文でボネとエスプレッソのドルチェも!

【3】PACIOCCONE GINZA SALUMERIA:
イタリアワイン、マンマのドルチェ、カッフェ、ソフトドリンクなどを販売。イタリア好きで大好評だったバンキーニのチョコラータカルダもこちらでお飲みいただけますよ。
http://www.quals.jp/del_pacioccone_salumeria/
【4】ヒルサイドパントリー代官山:
採れたての鎌倉野菜や自家製のパネトーネ、ポルチーニのフォカッチャ、イタリアワイン等をご用意して皆様のご来場をお待ちしております。
http://hillsidepantry.jp/
【5】Limone Limone:
南イタリアの伝統酒「リモンチェッロ」やグラスの販売
ひとつひとつ手描きで色付けされたサンタクロースや、ツリーのボトルのリモンチェッロ・チョコチェッロなどはギフトにもおすすめです♪
http://www.limonelimone.jp/
【6】BANCHINI
イタリア最古のショコレート店「バンキーニ」チョコレート販売。今季初上陸の熱々で味わうチョコラータカルダやチョコボールもお持ちします!特にチョコラータカルダは【3】PACIOCCONE GINZA SALUMERIAブースでも味わっていただけます。
https://demeterdemetra.jp/banchini
【7】ヴィアルバ:
ワインやオリーヴオイル、タッラーリなど郷土菓子などの販売

【8】Plakira
ワイングラスやタンブラー、雑貨を販売。ガラスではない!新感覚のトライタン製グラス。非常に割れにくく、美しい透明感を両立した新素材アイテム。
飲み物を美味しくいただける設計です!
https://www.plakira.com/
◀当日の会場マップはこちらをクリックしてご覧ください

煌びやかなイルミネーションを楽しみながら、マンマの料理でホッコリしませんか。
”イタリア好き”の皆さまのお越しをお待ちしております。


▲1Fアトリウム クリスマスツリー
《 開催概要 》
KITTEの1F南側テラスにてクリスマスマーケット開催!
日程:12月14日(木)〜16日(土)
時間:11:30 〜 21:00
場所:KITTE MARUNOUCHI 南側テラス
東京都千代田区丸の内二丁目7番2号
▶アクセス詳細はこちらから

イタリアならでは、『友達づくり』講座-番外編―

イタリア―ニ達の間ではどうやって友情が生まれるのか、イタリア好きな皆さんにはちょっと気になるところではありませんか?

私はピエモンテ州の小さな村に嫁いで18年。少し手前味噌になってしまいますが、私の夫クラウディオはこれと決めた人(特にワインや美味しいものの生産者や本好き、映画好き、音楽好きなどの中で人間味豊かな人)に正面からアプローチをかけ、心に入り込む達人です。

『イタリア好き』最新号31号掲載のイタリア好き通信で紹介させていただいたアグリ『ロカンダ・デッリ・ウルティミ』のシルヴィオさんのところに初めてワインを買いに行った時も、面白そうな人だと見た途端、瞬く間に共通言語を見つけ出し、パタパタパタっと交流のきかっけを作ってしまいました。

その場面が結構おもしろく、私がコラムを担当しているイタリアのWebマガジン『Il Golosario』で取り上げたのですが、イタリア人にも面白かったのか、今年、最も好評だった記事の一つになりました。記事はイタリア語ですので、その日本語原文をここに掲載してみたいと思います。
イタリア人、特に60年、70年代生まれの男二人の間で心を通わす場面に必要なのは? 正しい答えはありません、判断はそれぞれにお任せします。
因みに文中のサヴィーノさんは、『イタリア好き』ロンバルディア州号にも登場してもらったトラットリアの親父さんです。
さらに付け加えると、イタリア人には政治信条が生活スタイルに影響を与えることが往々にしてあります。でも、それは特別なことではない。『ロカンダ・デッリ・ウルティミ』のシルヴィオとクラウディオの場合は共通言語はワインと味覚など直球の他にそんな変化球も飛び出しました。傍観者の私には最も楽しいジャンルの交流でした。

では、Buona Lettura!

Sempre per Sempre Grignolino!
(邦題:グリニョリーノよ、永遠に!)
www.ilgolosario.it 掲載
https://www.ilgolosario.it/assaggi-e-news/attualita/grignolino-morando-silvio-vignale

「カミさんは完璧主義でね、、料理も準備からきっちり始めたい性質なんだ。だから、いまさら人数が増えたらなんて言うか、、、」シルヴィオは頭を掻きながらもう一度繰り返した。
「贅沢は言わない。それに、隣にいるサヴィーノはブレシア一の料理人だ。冷蔵庫さえ見せてくれればどんなものでも彼があっという間に旨い料理にしてくれる。それで皆一緒にお昼を食べればいい。」強気に迫るクラウディオの隣で件のサヴィーノが綿菓子のように優しく笑って頷いた。
この時シルヴィオは、『ただ人生をもっとややこしくするために作ってしまった』アグリ『Locanda Degli Ultimi(ロカンダ・デッリ・ウルティミ)』のことを私たちの前で口にしなければよかったとちょっと後悔したかもしれない。クラウディオが畳みかけるように続けた。
「サヴィーノが僕のために持ってきてくれたサラミも一緒に切ろう。僕の友人は料理だけでなくてサラミ作りでもイタリア随一の腕前だ。ほらこれ!」
ふっくらとしてサラミをシルヴィオの手に置いた。口ごもっていた彼も最後には降参し、アグリに戻って母親に客が3名増えると告げるようにと娘に言いつけ走らせた。
(さらに…)

ハーブを使ったイタリアの修道院のレシピたち

皆さんこんにちは!

今日は、ここ最近の私の食のキーワードである、イタリアの修道院の食文化について触れてみようかと思います。と言うのも先日、以前から著書を読ませていただき、一度お会いしたいと夢見ていた食文化研究者のTommaso Lucchettiさんのセミナーにやっと参加することができたためなんです。


彼は宗教に絡んだ食文化や修道院のレシピ本などを多数書かれていて、今回のセミナーではキリスト教ベネデッテイーノ(ベネデイクト)派の食文化についてお話をしてくださいました。


このベネデッテイーノ派の活動は、現在のイタリアにおける薬草学の原点であり、いわゆるハーブの栽培が修道院で行われるようになったはじめの宗派と言われています。ハーブは染色用、ハーブテイー用、軟膏用、そしてリキュール製造用(アルコール類、取り分けワインは中世では薬とされていました)に分けられ、修道女の仕事も”看護師”と”薬草の栽培と加工”担当に役割がはっきり分かれていたと言われています。ではどのように薬用ハーブを栽培するに至ったのでしょう。

ノルチャの聖ベネデイクトは、紀元後480年に生まれた聖人で、ローマで行政官になるための勉強をしていましたが、17歳で学問を捨てて神の道に入ります。砂漠で苦行をしたキリストの精神世界に少しでも歩み寄ろうと、山奥に籠り、ストイックな環境に身を置き、食事は山にある木の実や山菜を加熱せずに食すという当時の文明からは程遠い生活をしていたそうです。そんな彼の生き方に感化された多くの人も、彼に習い深い山で野生に近い生活を試みますが、食べることの出来る野草を理解するというものも学が必要なもの、毒性のあるものを食べてしまい命を落とす者もいたり、体調を崩し看病が必要な者が出たりと、崇拝者が増えれば増えるほど、1箇所に拠点を設ける必要性が生まれ、遂に修道院を設立します。修道院とは修道士や修道女の生活を管理する他、遠方からの巡礼者を受け入れたり、病気のものを招き入れて看病したりといういわゆる病院のような役割も果たしていましたので、食物となる作物や薬用に使われるハーブを栽培する必要が生まれ、これが今日の薬草学の原点となったという訳です。



さてそんな説明をトマソさんにして頂いたあと、お楽しみのお食事です。


マルケ州の修道院をはじめ、イタリア各地から集められたレシピから作られたお料理が並び、その多くはハーブが使われているものでした。中にはあの有名なヒルデガルドが考案したサラダもありました!

まずはこちら。


“Acqua cieca”~盲目の水~と呼ばれる1品。

野生のチコリ、トマト、ニンニク、オリーブオイル、パン、塩。

シンプルな味は現代のイタリア料理からさほど遠くなく、美味しく頂けました🎶

カステル•リタルデイという町のサンタカテリーナ修道院のレシピです。

次はこちら。


 

“Fave bollite e condite “~茹でそらまめの和えもの~•••ボッビオ修道院

“Crostini alla borragine”~ボリジのクロステイーニ”•••サンタンジェロ.イン.パンターノ修道院

こちらの2品にも、野生のフェンネルやオフィシナルのボリジが使われており、大変美味しいかったです。


“Raviole rotte”~壊れたラビオリ~

フダンソウやチーズがたっぷり入った小さなボール状の1品。サンタマリア•デッラ•ネーヴェ修道院


“Salsa ai capperi”~ケッパー入りソース~

ローマンミント、ニンニク、アーモンド、酢に浸けたパン粉、レモン汁。こちらも美味しくいただきました。

サンタンジェロ•イン•ポンターノ修道院

 


“Insalata secondo santa Ildegarda”~ヒルデガルド風サラダ~

私の大好きなワイルドレタス(Lactuca virosa)やバジル、パセリ、オリーブやゆで卵などが入っており、大変美味しかったです。ヒルデガルドさんもベネデッテイーノ派だったとは💕何だか嬉しい。


“Timballo di zucca “~カボチャのテインバッロ~

カボチャに野生のフェンネルと玉ねぎやパセリ、シナモンや卵などを加えたリッチな1品。当時は大変な高級品だったシナモンの存在が、特別な時の料理だったことを物語っています。


参加者の皆さんと先生を囲んで和気あいあいとお食事…ハーブの話しにも花が咲きます。

今回のセミナーで修道院がどれだけ学校や病院のような役割をしてきたか、またレシピをドキュメントとして残してこれている、という点でも読み書きの出来た彼らは、食文化の後継にとても貢献しているのだな~と強く感じました。

これからも小さなライフワークとして少しずつ勉強していきたいと思います!

また更にデイープでマイナーな情報をお伝えしていきますね。それでは、また次回に!

 

 

 

もうすぐクリスマスシーズン到来!この時期に我が家で作るカラブリア州郷土菓子をご紹介します。


いよいよクリスマス! イタリアの本格的なクリスマスシーズン入りは12月8日から。我が家も8日にクリスマスツリーとプレゼーペを飾ります。(写真はボローニャのクリスマスツリー)

クリスマスの飾りつけと同時に始まるのがクリスマス郷土菓子作り。カラブリア州コゼンツァ県では、はちみつやナッツ類を使った素朴なお菓子を並べてクリスマスをお祝いするのが習わしです。

で・・・この郷土菓子の数々。もちろん地元語で呼び名がついていて、「これ、イタリア語?」というものばかり(笑

それでは、カラブリア州コゼンツァ県コゼンツァ市のクリスマス菓子の中で、我が家で作るお菓子一覧です! 読めるかな?

・Pitta ‘mpigliata

・Turdiddri

・Chinuliddri

・Ciccitieddri

上から解説してみましょう~


Pitta ‘mpigliata(ピッタンピリャータ)はコセンツァ市から30分ほどの山村発祥のお菓子。このお菓子ばっかりは、名前のバリエーションがありません。どこに行ってもピッタンピリャータはピッタンピリャータです♪

カラブリア州中東部では、ピッタンキューザ(Pitta nchiusa)という名前が似ているお菓子がありますが、こちらは全くの別もの。混同するとカラブリア人が悲しみます(笑


Trudiddri(トゥルディッドゥリ)はイタリア語でTrudilli(トゥルディッリ)のこと。ニョッキ状に成型した生地を揚げて、こちらもはちみつをたっぷり掛けます。

ドゥリドゥリ言うのはコゼンツァ市方言の特徴。発音も大変なんですが、カタカナ表記でも難しいですね(笑


こちらはChinuliddri(キヌリッドゥリ)。単純にChinuli(キヌリ)と呼ばれることも。ナッツ類たっぷりクリームをラビオリ状に閉じて、オーブンで焼き上げるか揚げます。

人気はやっぱり揚げバージョン。カラブリア人って揚げ物好きですよ~(笑

州の南・レッジョカラブリアには、表面に美しい細工を施したりもするPerali(ペトラリ)という名の似たお菓子があります。


Ciccitieddri(チチティェッドゥリ)はナポリのStruffoli(ストゥルッフォリ)由来のお菓子。この名前を使うのは、コゼンツァ県コゼンツァ市とその周辺です。

豆粒大に成形した生地を揚げ、はちみつで固めます。プルーン型を使って大きくまとめることもあります。

バシリカータとカラブリアではCicirata(チチラータ)やCiceraciata(チチェラータ)が通り名。カラブリア州中部ではPignorata(ピニョラータ)とも。

単純にStruffoli Calabresi(ストゥルッフォリカラブレージ・カラブリアのストゥルッフォリの意)と呼ばれることもあります。

 

クリスマス前にはざっとこのようなお菓子を作り、魅惑の「クリスマス菓子コーナー」を作ります♡


そして、24日のディナーと25日のランチで粛々と頂きます。あくまでも粛々と。どんなに満腹でも別腹で(笑

 

いつにも増して「お食べ地獄」なクリスマスシーズンまであと少し。カラブリア州の我が家でもいよいよクリスマス菓子作りが始まります!

 

 

大理石が生んだ、知られざる上質赤ワイン「ボッティチーノ」!


私の暮らすロンバルディア州はワイン生産地としてはとりわけ有名な州ではありませんが、それでも、イタリアを代表するスプマンテ「Franciacortaフランチャコルタ」やNebbioloネッビオーロ種から造られる優良赤ワイン「Valtellinaヴァルテッリーナ」やガルダ湖近くで造られるまろやかな白ワイン「Luganaルガーナ」など、国内外でも知られる数々の良質ワインを生み出しています。

そんなロンバルディア州のワインの中でも、非常に高いポテンシャルを持ちながら恐らくイタリア国内でもあまり名が知られていない、イタリア土着品種4種(バルベーラ、サンジョベーゼ、マルツェミーノ、スキアバ)のブレンドで造られるとっても魅力的な赤ワイン「Botticinoボッティチーノ」

今日は、3年前に「BIO」ワインとして認定され、先日「SLOW WINE 2018」に選ばれた実力急上昇中の生産者NOVENTAノヴェンタのご紹介です♪

NOVENTAの畑はミラノの東約80キロにある街ブレーシャの近く、マッダレーナ山の麓の標高500メートルの小高い丘にあり、眼下にはボッティチーノの町を一面に見渡すことができます。

こちらは、NOVENTAのワインの中でも最高級のワインを造る畑「Gobbioゴッビオ」。

写真ではわかりずらいかもしれませんが、かなりの急勾配の土地にブドウの木が植えられてあり、そのお蔭で水はけがよく、また常に微風が吹くというブドウ育成には絶好の環境下にあるため、カビ系の病気にかかることは全くないとのこと。結果、化学肥料を一切使わずにブドウを栽培することが可能であり、3年前に念願の「BIO」ワインのタイトルを取得。

酸化防止剤の量もBIOワインに許される100㎎/ℓを大きく下回る60㎎/ℓなのですが、これは、『健康なブドウが育つ環境にあるから自然なこと!』と、数年前から創業者のピエランジェロの片腕となりカンティーナを切り盛りする娘アレッサンドラ。

さて、NOVENTAワインを知る上でポイントとなるのが「大理石」です。

NOVENTAの畑の周りにはイタリアでも有数の大理石「ボッティチーノ」が採掘できる小山が連なっていて、畑の土壌も山の成分と同じで泥灰土(マール)と炭酸カルシウムと砂が混じったイタリアでもかなり珍しいタイプの土壌で、土壌成分内の粘土質がブドウに骨格を、そして豊富な石灰質と炭酸カルシウムが十分なミネラルをもたらしてくれます。

また町に面した南側を除き、他三方が山に囲まれているためアルプスからの冷たい空気はここで遮断。十分な太陽の光を受け柔らかな風に包まれながらも、冷たい空気は周りの山で遮られるという最高のミクロクリマのお蔭で、ブドウは自ずと成熟し、厚みのあるクオリティーの高いワインが生まれるのです。

そんなユニークかつ恵まれたテロワール(ブドウ育成に必要な気候、土壌、地形などの自然条件)を持っているボッティチーノですが、ロンバルディア州のワインとしては古く1800年代の終わり頃からこの辺りで生産が始まり、1968年にDOCワインに昇格。当時はボッティチーノ人の多くがブドウ栽培を仕事にしていましたが、機械が入っていかれないような急な斜面にブドウ畑があり労働条件としては厳しく、また水はけが良い土壌=少ない収穫量という悲しい現実もあり、貧しいブドウ栽培農家の多くがブドウ作りを断念し大理石採掘の仕事へと移行。1950年代頃には1000ヘクタールあったボッティチーノのブドウ畑は現在では50ヘクタール、生産者の数も実に5軒まで減少してしまいました。

現在NOVENTAでは、畑仕事は「Franciacortaフランチャコルタ」で20年ワイン造りの経験を積んだアレッサンドラの夫クリスチアン(左)が主導で行っているのですが、この1月にNOVENTAワインの評判を密かに聞きつけて畑を訪れた、イタリアで著名な醸造家カルロ・フェリーニ(右)が、彼らのワインのポテンシャルに惹かれサポートしたいと話を持ち掛けてきたのです。

『彼からの提案だから、友達価格でね!』と嬉しそうに話すアレッサンドラ。畑仕事と並行し営業やマーケティングもこなすバイタリティ溢れる女性で「一人でも多くの人に自分たちのワインを飲んでもらいたい!」と夫婦一丸となり日々奮闘中。

実は、私の暮らす町のトラットリアなどではNOVENTAワインを扱っているところも多く、10年ほど前からNOVENTAワインを知っていて大ファンの私。世代交代が間近になり、カルロ・フェリーニの指導の下、彼らのワインがこの先どんな風に成長し、はたまたどんな風に世界に認められるようになっていくのか私もとっても楽しみなんです!

皆さんもミラノやヴェローナなどにいらした際には是非NOVENTAに寄ってみては如何ですか?ここでしか味わえない、果実味溢れるチャーミングで個性的な赤ワインに出会えるはずですよ♪

 


~NOVENTAの主力商品3種~
  • 左から
  • 「Colli degli Ulivi コッリ  デッリ  ウリーヴィ」
  • 「Gobbio ゴッビオ」
  • 「Pia’ de la Tesa ピアン  デ   ラ  テーザ」
  • それぞれ別の畑で造られていて、畑名がワイン名になっています☆
 

置物がビジューに変化した逸品

カポディモンテ焼きは、イタリアによくある、チェラミカ(陶器)ではなく、Porcellana(磁器)。ナポリが世界に誇るManifattura(手工業)の一つで、起源が「王家御用達」から始まるので、その流れを受けてか?ナポリ貴族の屋敷には今でも必ずといっていいほど年代物のカポディモンテの装飾品があります。
高貴過ぎて、お値段的にもデザイン的にも庶民の私の生活とは関係ないもの的な位置づけだったのですが
なぜ今回、皆さまにこちらをご紹介することにしたか?を一言でというと、ひとめぼれです。


こんなカポディモンテ焼、見たことがない!

横穴通しの変わったデザイン、控えめなミニローズとエレガントな白。そしてポーション(大きさ)でしょうか?
初めて見たとき、既にペンダントヘッドに目が釘ずけになりました。
私の友人であり、アーティストの奥様の胸元にいい感じで(写真は娘さん)収まっていて、とてもエレガントでした。
もともと奥様へ贈るために作ったオリジナルの一品ですが、今回お願いしてイタリア好きのWEB上で販売をさせて頂くこととなりました。


イタリアンマダムは自分用に、ご自分で独自にこんな感じでパーツをダブル使い。とても気に入ってるそうで、周りに褒められたそうです。紐や鎖、パーツで自分風にアレンジも可能です。


アーティストのEnzoさんがナポリの工房でカポディモンテ焼きの伝統に従い、型を一切使わずに、一枚一枚指先で生み出した花びらを、一輪の花に一つ一つ心を込めて仕上げていきます。

イギリスのハロッズ、アメリカのスミスソニアン他諸外国の貴賓からもリクエストがあるそうで、素朴な野草からゴージャスなブーケまで、花のバラエティには事欠きませんが、やはり表情が最も豊かなのはバラですね!

■カンパーニア州:カポディモンテ焼き バラ(Rose)ペンダントヘッド

現代女性の美意識スタイルに合わせカポディモンテ焼きのオリジナル作品を生み出すアーチスト、エンツォ・サヴァスターノさんが日本人女性の質感に合う大きさと、洋服を選ばずつけられる純白の色で仕上げた作品をご紹介!
>>カポディモンテ焼き バラ(Rose)ペンダントヘッドのご購入はこちらからどうぞ

フランチャコルタに並ぶもう一つのイタリア高級スパークリング“アルタランガ”(2) Presented by モンテ物産

フランチャコルタと並び、近年イタリアで高く評価されている高級スパークリング“アルタランガ”。前号記事にてご紹介したコントラット社以外にも、アルタランガのスパークリングワインには高品質なものが多い。フォンタナフレッダ社の造る“コンテッサ・ローザ”もその一本だ。

「ピエモンテ州はバローロ、バルバレスコの生産で有名だが、スパークリングも昔から造っていたんだよ」
そう話し始めたのはフォンタナフレッダ社のチーフエノロゴのダニーロ・ドロッコさんだ。
▲チーフエノロゴのダニーロ・ドロッコ氏

「ただ歴史的に、ピエモンテは赤ワインのほうが需要が多かったからスパークリング用ブドウの生産はあまり無く、1980年代頃はスパークリング用のブドウはオルトレポ・パヴェーゼ(ピエモンテ州の東側)から購入されていたんだ。90年代の初頭に、私達フォンタナフレッダ社が中心となってピエモンテ州で育てたブドウでスパークリングワインを作るプロジェクトをスタートさせた。これがアルタランガDOCGの誕生のきっかけになっているんだよ。」

「私達が作るアルタランガDOCGのラインナップの中でも“コンテッサ・ローザ”は特別だ。アルタランガの標高500~650mの畑で作るピノネーロ80%、シャルドネ20%のスパークリングワインだね。」
ワインのことを話すときのダニーロさんの目はいつも厳しく、真剣そのものだ。

「特別である理由はいくつか存在する。まず一つ目は畑だ。私達の持っている畑はアルタランガの中でも特に土壌が特徴的で、50cmほどの粘土質土壌の層の下に20cmほどの石灰岩からなる岩の層がある。その下はまた50cmほどの粘土質土壌層、さらにその下は再び20cmの石灰岩層。粘土質土壌はブドウにしっかりとした骨格を与え、石灰岩の層があることでここに水が蓄えられブドウの木に適度な水分を供給するとともに、ミネラルが豊富に与えられる。」

「このような土壌と高い標高で育つブドウは、華やかな香りと酸・ミネラルを持つしっかりとした構成になる。ブドウを収穫したら一部を木樽の中で発酵させる。木樽発酵は複雑味をもたらすけれど、ポテンシャルのあるブドウを使わないとワインのバランスを崩すから、ブドウのクオリティの高さが求められるんだ。」
木樽発酵はどのくらいの期間行うんですか、どのくらいの割合ですか、などと聞いたら「全部は教えられないよ、内緒だ」といたずらっぽく笑われた。
▲標高の高いアルタランガの畑

「“コンテッサ・ローザ”が特別であるもう一つの理由は、門出のリキュール(メトドクラッシコ製法の最後に添加するリキュールのこと)として、フォンタナフレッダ社の1967年ヴィンテージのバローロを加えていることだ。」

「シャンパーニュの中には伝統的にコニャックを添加したりする生産者もいるだろう?それと同じことだ。フォンタナフレッダ社は150年間バローロを造り続けている伝統があるからね。1967年のバローロを加えることの出来るアルタランガの生産者は他にいないし、本当に特別なことだよ。」

確かに、色を見るとほのかにピンク色がかっている。バローロが与えた色合いだ。
「現行ヴィンテージのバローロと違い、1967年のバローロはタンニンがとても柔らかくなっているので、アルタランガに良く合うんだ。味わいにも香りにも、バローロからもたらされる複雑味がでてくる。他にはない特別なスパークリングワインだよ。」

▲ピュピトルが並ぶカンティーナの風景

アルタランガはイタリア国内でもますます注目度が高まっている。特にアルタランガの生産者達の強いこだわりは、これまでの高級スパークリングの勢力図を書き換えつつある。今まさに現在進行形で進化するアルタランガのスパークリングワインを、是非一度試してみていただきたい。きっと新たなイタリアワインの魅力に気付いていただけることだろう。
▲左から『エクストラ・ブリュット』、『コンテッサ・ローザ』、『ガティネーラ』


モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼フォンタナフレッダ社の詳細はこちら▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/FF.html