中部イタリアのパン

vol.292017/5/20カートに入れる

Il pane cambia la vita
パーネは人生を変える

小麦と水と酵母。
たったこれだけで起こる変化が、人の生活を変え、人の価値観を変えてしまう。

薪ストーブの匂いと温もりに包まれて
取材拠点にしていたアメリアのアグリトゥリズモ「サン・クリストフォロ」は冬季休業中で、僕たちの他に客はいない。食事の準備を手伝って(好き勝手にやっていただけだが)、食堂の奥にある小さなテーブルで、オーナーのジュリオさんと麻衣子さん夫妻と一緒に食事をする時が、至福の時間だった。

取材は好天に恵まれ、順調に進んでいた。日中は温かく気持ちのよい春の陽気だが、日が暮れて8時を過ぎた夕食の頃なるとストーブや暖炉の火が恋しい。テーブルの横の古い薪ストーブに火を点けると、薪の焼ける匂いと共に、部屋を段々と柔らかな温もりに包んでいく。

ジュリオさんのワインと鹿肉のサルシッチャ・セッキをかじりながら、取材先でもらったいくつものパンを味見する。そのまま食べて、ストーブの上で炙って食べて、自家製オリーヴオイルをかけたブルスケッタにして食べて、かみしめるごとに、それぞれの個性がしみてくる。そして、ストーブに薪をくべ、炎を見ながら取材を振り返り、考える。
自分はどこに価値観を見出し、保ち、生きているのか。

パンと歩む豊かな人生
小麦を作って売るだけでは厳しいからと、50歳からパンを焼き始めたラルゲッティさんは、62歳になった今も生きいきと輝き続ける。
伝統を守るために、亡き母の遺志を継いで、パンを焼く決意をしたパオロさんは、味の再現に苦労したからこそ、守るべきものの価値を知った。
クリスティアーノさんは、大都会の生活から一転、田舎で小麦を作り、パンを焼く生活を始め、金にはかえられない毎日を豊かに過ごしている。
伝統を守る人、新しい道を切り拓く人それぞれだが、そこには、毎日の繰り返しの中で起こるパンの変化に魅せられ、没頭する姿があった。

「単純であるがゆえに、難しい。」とは、大豆と水とにがりだけで日本の伝統的な豆腐を作る職人が言っていた言葉。だからこそ腕や経験が必要になるのは当然だが、それよりももっと大切なことは、自分がいかにシンプルでいられるかどうかだろう。
パンや豆腐は、きっとそれを教えてくれるのだ。

自由に、もっとシンプルに
小麦に耳を傾け、小麦の声を聞き、
小麦の導くままに。
人と小麦が出会った時から、人が小麦をコントロールしてきたのではなく、小麦に人がコントロールされてきたのかもしれない。
流れのままに動き、生きる。
自由に形を変えて燃えるストーブの炎のように。
逆らわず、迷わず、もっとシンプルに。

パーネは人生を変える。
最新号は、イタリアズッキーニクラブ(読者会員)、イタリアズッキーニパートナーズ(配布店舗)会員様を優先させていただいております。
つきましては、『イタリア好き』にご興味をもっていただいた方は、ぜひ、特典満載の会員登録をご検討ください!
※1冊単位にて最新号をご希望される方は、次号発行以降、本号がバックナンバー扱いとなりましたら、
バックナンバーページよりお買い求めいただけます。

“ブファリー“ モッツァレッラ・ディ・ブッファラ 水牛からのこだわり Presented by モンテ物産

モンテ物産が昨年より取扱いを始めたモッツァレッラ・ディ・ブファラ “ブファリー”。生産者のコルヴィーノ社は原料の源である水牛の飼育からこだわりをもって取り組んでいる。その秘密を紹介しよう。

モッツァレッラチーズのもともとの語源はイタリア語の動詞Mozzare(モッツァ-レ):切り離す、あるいは名詞Mozzatura(モッツァトゥーラ):切り離すこと と言われている。大きなかたまりから職人が両手で引きちぎるように小さなポーションに分ける製造工程からも想像できる。
▲工場の職人たちの作業風景

コルヴィーノ社では、2,000頭の水牛を飼育し、常に新鮮な原乳を仕入れている。水牛はモッツァレッラ作りの要の存在。そのため、自分たちの水牛の健康状態を日々チェックし、水牛が住む牛舎の衛生管理に細心の注意を払っている。

コルヴィーノ社の5代目、ロレンツォ・コルヴィーノ氏に話をきいた。
「我々の使命は、本物のモッツァレッラ・ディ・ブッファラDOPの純粋な味わいをイタリアの食卓に、そして世界の食卓に届けることだ」と語ってコルヴィーノ社のこだわりについて教えてくれた。「飼料の85%は自社で栽培(牧草、小麦、燕麦えんばく、トウモロコシ)。その他購入した大豆や綿実(綿の実から綿毛を取り除いた種子で、乳脂肪率を高める効果がある)を加え、栄養たっぷりの食事を与えるんだ。仔牛には、別途ビタミンを補給する。ナポリ大学農学部、ミラノ・ローディ獣医大学連合の協力のもと、飼料の分析も行っているんだ。」



牛舎では水牛の親子を見せてくれた。母親は休暇中。コルヴィーノ社では、産後6日間は、傷ついた体内の臓器の修復を待つため、原乳は取らないそうだ。
毎日与える飼料にもコストをかけ、水牛の健康管理にも気を配る。品質へのこだわりと強い理念があるからこそ、実行できることだ。







次に搾乳の様子を見せてもらった。
「1日あたりの搾乳量は、一頭あたり約7Lに制限している。通常の乳牛の搾乳量が1日20~30Lだから、この水牛のミルクがいかに貴重かわかるだろう?あと、搾乳をするのは4~12歳の間だけだ。搾乳したミルクは、35℃程の温度からすぐに4℃まで冷やして、すぐに牛舎からモッツァレラ工場へと運ぶんだ。」

こうして牛舎から運ばれた貴重なミルクは、職人の待つ工場でモッツァレッラの特徴である繊維質、食感がありつつ噛むとミルクが溢れるジューシーな味わいのあるブファリーのモッツアレッラに生まれ変わる。



最後にコルヴィーノ社の歴史に触れておこう。
コルヴィーノ社の歴史は、1870年にロレンツォ氏の高祖父が水牛畜産協同組合を設立したことから始まる。もともと水牛の飼育が本業だったことから、水牛を育てるにあたってのこだわりは伝統なのだろう。その100年後、1970年にモッツァレッラの工場が設立され、現在のコルヴィーノ社になったそうだ。
その後、1996年にモッツァレッラ・ディ・ブッファラ・カンパーナDOPが制定された際、記念すべき最初の認定工場となったのは、このコルヴィーノ社なのだ。
このことからも当時からの同社への品質の評価が伺える。


“ブファリー“のモッツァレッラ・ディ・ブッファラは、輸出の際に冷凍にするためDOP認証は付いていないが、原料へのこだわりから来る純粋な味わいは、冷凍商品でも十分に感じられる。
特に、チルドの輸入品では容易に留めておけない繊維質や食感は、冷凍だからこそ遠く離れた日本でも再現されるのではないだろうか?
日本の食卓に、レストランに、本場の美味しいモッツァレッラを!
コルヴィーノ社のこだわりが詰まったブファリー“のモッツァレッラ・ディ・ブッファラ、是非一度お試しいただきたい。

モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼ブファリーの商品詳細はこちら▼
http://www.montebussan.co.jp/foods/bufaly.html