タグ別アーカイブ: プーリア

小麦の香りに包まれるパンミュージアム& アルベロベッロが提案する滞在スタイル

再始動!小麦の香りに包まれるアルタムーラのパンミュージアム


2019年、プーリア州の内陸にあるパンの町アルタムーラに誕生したパンミュージアム。コロナ禍で休館していたが、ようやく昨夏より盛り返してHOTな観光スポットとして人気に。

地元産原材料にこだわるこの町のパンは、2003年にイタリアでDOP認定を受けた最初のパンとなり、今では州の誇る名産品だ。一般的に1kgとどっしり重く、外皮は硬いが中身はモッチモチの黄金色で1週間ほどおいしく食べることができる。材料は小麦、水、天然酵母、塩のみとシンプル。
シンプルな材料
大きい!

博物館に一歩踏み入れると香ばしいパンの匂いに包まれる。それもそのはず、ここでは1300年代のパン窯が利用され、さらには毎週、地域で焼き上げられた本物のパンが持ち込まれ、館内のあちこちに展示されているからだ。
見学は担当者の解説つきで誰でも無料。材料や作り方にとどまらず、アルタムーラでパンがどのように人々の生活に関わってきたのかを知ることができる。今では地元の子供たちの食育ともなるなど、後世に伝える貴重な町の遺産となっている。
説明員が解説してくれる
外観も素敵

Museo del Pane Forte
●HP:https://www.museodelpaneforte.it/
※48時間前までに予約が必要


アルベロベッロが提案する 地元の人とつながる滞在スタイル


世界遺産に登録された1996年以降、プーリア州アルベロベッロではここを訪れる人たちへ土地の習慣や文化を知ってもらう滞在スタイルを提案している。

伝統家屋トゥルッリの宿泊施設、郷土料理の提供、体験型プログラムなど、言葉が通じなくても触れあいで生まれる人とのつながりの大切さを伝えることに重きを置くことで、世界遺産の町並みを保護しながら、新たな学びの場を作り出している。
野菜の収穫体験
農民体験と地元民の演奏披露
特に食文化への啓蒙活動が活発で、いちばんの魅力である「人」を介して土地への理解を深めてもらうため、マンマの料理レッスンなど体験型滞在に力を入れている。

さらに町の飲食店では昔からの地産地消文化を伝えるだけではなく、食品廃棄ロスをなくす取り組みも。例えば、マンマ直伝の野菜料理を振る舞うトラットリア「テッラ・マードレ」では、自社の畑で採れ過ぎた野菜は保存食へ加工以外に経済的弱者へ無料配布する。
マンマのパスタ作り実演
素敵な雰囲気!
できる範囲で地球と地域が豊かになるように貢献する持続可能な社会づくりへ向けた一つの姿勢だ。

Museo del Pane Forte
●HP:https://www.trattoriaterramadre.it/

フェスタ デル パパ(父の日)のお菓子

今日3月19日は聖ヨセフ(サン・ジュセッペ)の日。

イタリアではこの日がフェスタ・デ ル・パパ(父の日)のお祝いです。

この日のお菓子といえばこれ。


甘いもの好きのパパたちはこの日を心待ちにしています。

南イタリア各地でも同じようなものがあるようですが、プーリアではゼッポレ(Zeppole)と呼んでいます。

ドーナツのフレンチクルーラーを思い出させる硬めのシューの上にカスタードクリームとシロップ漬けのアマ レーナ(ダークチェリー)がのったもの。シューは焼いたものと揚げたものと2種類あります。

パスティチェリア(お菓子屋さん)で完成品を買うもよし、パニフィッチョ(パン屋さん)ではシューだけでも売っているので自分でクリームだけ作るもよし。

我が家では今年は初めてシューから手作りしてみました。

 
このところ春めいたお天気が続き気温も上がってきたのでうちで飼ってる5羽の雌鶏も毎日卵を産んでくれます。お陰で生地とクリームには新鮮な卵をたっぷりと使いました。


味と色彩のポイントとなるアマレーナも庭にある2本の木になった実をシロップ漬けにしてこの日のためにとっておきました。

形はちょっと不揃いで不細工ですが、味の方は天下一品(手前味噌)。何より気持ちが込もってます(笑)。

もうひとつこの 時期だけに作られるのはタラッリ・ズッケラーティ。大きなドーナツ型のさくさくのタラッリにお砂糖がけされ たもの。こちらにも生地に卵が使われています。

プーリアらしい飽きのこないシンプルな味です。


この日が過ぎるとパステッチェリアやバールのショーウインドウが卵形のチョコレートやひよこやウサギ満載の飾り付けに変わ り、カトリック信者にとってはクリスマスと同じ位大切な“公式の春の訪れ”とも言えるパスクワ(イースター、復活祭)の準備が始まる のです。