イタリア好き委員会 のすべての投稿

ヴェネト特集 フェッキオ夫婦

表紙を飾ってくれた、フェッキオさん夫婦。 リヤカーを引いてやってきて、開いていくと、こんなかわいい屋台になります。 ポー川河口の三角州地帯である、デルタ・デル・ポー。 この辺りでは、特有の泥炭の多い地質を利用して、以前はレンガつくりが盛んでした。 その同じ泥を利用してつくるオカリナもまた、この地域の伝統のひとつ。 その伝統を絶やさないように、オカリナ工房と、博物館を運営しながら、 子供たちに、オカリナづくりや、地域の歴史などを教えています。 カエルのオカリナもちゃんと鳴ります。 フクロウが好きなのか、フクロウのオカリナは種類がたくさんありました。 泥はなめらか。ただし形にはできても音は簡単には出せません。
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高くてきれいな音がでます。 ふたりの素朴な感じがとても好きになりました。   イタリア好き委員会 松本浩明

vol.16 お詫びと訂正

いつもご愛読ありがとうございます。

最新号ヴェネト特集お楽しみいただけていますか。

今回は、取材先の皆さんの笑顔がいつも以上に素晴らしかったので、

その姿を中心に、お届けしています。

ヴェネトはそういう意味でも、他州とは違ったゆとりと、

大らかさがあるように感じました。

そして、この笑顔がある限り、

つくられるモノは信頼できる、確かなモノであると信じています。

 

そんな本誌内で、校正のミスにより、料理の写真と説明が違っているところがありました。

ここにお詫びして、訂正させていただきます。

大変申し訳ございませんでした。

以下に正しい内容を掲載します。改めてご確認ください。

*本誌p31下段の三種類の料理とそのキャプション。



 

 

 

 

イタリア好きVol.16:ヴェネト特集

vol.16 ヴェネト(5月20日発行)

うなぎの誘惑と憂鬱

「わたし、ウナギが嫌いなの」
今回の取材で、ポー川河口デルタ・デル・ポーの案内をしてくれた、フランチェスカはそう言った。僕らがウナギを「うまい!うまい!」と食べている横で、気味悪そうにそれを眺めている。

日本人はウナギが好きだ。世界中で獲れるウナギの、実に7割ほどを日本人が食べているというから驚きだ。古くは万葉集にも詠まれている。それだけ古来より日本人にはウナギが好まれていたということだろう。

この取材では、デルタ・デル・ポーの2軒の店で食べたけれど、(→p34、36)どちらもきちんと開いてある。それも腹側から開いてあるので、日本でいえば関西風ということになるだろうか。
以前、サルデーニャで食べた時には、ぶつ切りにした身を串刺しにして、炭火で焼いたものだったけれど、今回は2軒とも見事に開いてあった。それには感心した。開いたうなぎを炭火で焼き、味付けはいたってシンプルな塩だけ。白焼きだ。
そして、なんの飾り気もない大きな銀皿にドン!

うーんイタリアらしいと言えばそうかもしれない。僕は意外とこういうザックリとしたサービスが好きだ。

ウナギは日本ではもう珍しくなってしまった天然もの。

そういえば、今年の夏(2013年)は日本でウナギを食べていなかったなーなんて思い返しながら、ナイフとフォークでそのウナギを口に運ぶ。

肉厚でずっしりとした身は、脂のノリもちょうどよく、やわらかい。口にふくめば炭火焼の香ばしい香りと共に、口の中に甘みがトロける。豪快だが意外にも繊細だった。

うまいね~。

ニホンウナギとヨーロッパウナギ、元々の品種は違うらしいが、日本では希少で高価となってしまったため、うやうやしく、ありがたーくいただくしかない天然もののウナギを、ここデルタ・デル・ポーでは、こうやってカジュアルに食べられるのがうれしい。

魚介好きのフランチェスカには、ウナギのおいしさを話し、何度も勧めてみたけど、結局彼女は口にすることはなかった。
もったいない。

東京の某高級うなぎ店の天然うなぎはヨーロッパものだというし、稚魚としては、日本にも輸入されているかもしれないデルタ・デル・ポーのウナギ、ぜひ現地でお腹いっぱい味わってみてはいかが。

イタリア好き委員会 松本浩明

アリヴェデルチ! 板倉由未子

創刊前から企画を相談し、いままで一緒にやってきてくれました、
副編集長で、ライターの板倉由未子さんが、
今号(vol.16)をもって本誌の編集・執筆から離れることになりました。
長年のライターとしての経験と、イタリア好き、ローマ好きの視点から、
板倉さんらしいカラーを取り入れて、本誌のクオリティーの維持に、
強力な力となっていたことに、心から感謝しています。
ありがとうございました。
 
以下本誌vol.16 編集後記より
***********************************
振り返れば、2009年の12月に、『イタリア好き』創刊にあたってお話しをただき、
今号まで取材、執筆、編集に携わらせていただきましたが、
この16号で制作から離れることとなりました。
魂の故郷ローマを擁するイタリアの16州を、
この雑誌を通して4年間取材させていただいた経験は大きな財産です。
松本さんや萬田さんはもちろん、この仕事を通して出会ったすべての方々、
毎号楽しみにしてくださった読者の皆さんに心から感謝しています。
イタリアについては、これからも宣伝使のひとりとしてその魅力を伝え続けて行きたいと思っております。
今号もすべての皆様に感謝を込めて☆
アリヴェデルチ!
板倉由未子
 

VENTO

皆様はじめまして、モンテ物産㈱ミラノ駐在員2年目の松嶋と申します。物心ついてから大の“イタリア好き”である私が、イタリア各地からイチオシの生産者や食文化情報をお届けします。

泡のスペチャリスタ

ヴェネツィアから北に約60km行くと、小さな田舎町Vittorio Venetoがある。そこにあるのが1700年代から代々畑を耕してきたCosmo家が所有する家族経営のワイナリーBELLENDA社だ。
オーナーのUmberto Cosmo氏我々を人懐っこい笑顔で迎えてくれたのは、オーナーのUmberto とLuigi のCosmo兄弟。現在、兄のUmbertoが営業やプロモーション面、弟Luigiがエノロゴ(醸造家)としてワイナリーを指揮している。
そんな彼らが造るのは2009年にDOCGに昇格したイタリアを代表する発泡性ワインConegliano Valdobbiadene Prosecco Superiore(通称プロセッコ)。全部で20種類以上のスプマンテを造る、正にスプマンテのSpecialista(専門家)だ。

ベッレンダ社の自社畑彼らが自社畑を持つコネリアーノ地区は、なだらかな丘にブドウ畑が続く緑豊かなエリア。歴史的にも1800年代半ばには既にスプマンテの生産が行われていた、イタリアそして世界的に見ても重要なスプマンテの生産エリアである。初夏から夏にかけては、ブドウの葉の濃い緑と真っ青な空のコントラストが素晴らしい。コネリアーノ地区は地理的には日本最北端の稚内と同じくらいの緯度に位置するが、60km先にあるヴェネツィア湾からの風で昼間は暖かく、夜はPizzoc、Visentinという北側にそびえる山からの寒気で涼しくなる、ブドウたちにとって理想的な環境である。石灰質土壌の畑で造られる彼らのプロセッコ“San Fermo”はリッチなミネラル感とアカシアを思わせる香りがある。

Umberto氏の奥様が経営する、カンティーナに隣接する宿泊施設もあるそして他のプロセッコよりやや少なめの果実味が彼らの特徴である他とは一味違うシャープでキレのある味わいを造りだしている。

エノロゴのLuigi Cosmo氏我々の訪問の際、UmbertoとLuigiが彼らのこだわりについて静かに、熱く語ってくれた。
「私たちはこの伝統的なスプマンテの生産地区で、スプマンテにこだわってワイン造りを行っています。スプマンテは1次と2次の2回の発酵を経ることで完成します。言い換えれば2回ワインを造らなくてはいけない。だから、畑、ブドウ、ワインの非常に深い知識が必要です。そして最高のスプマンテを造るために必要なのは、昔を知ること、伝統を守ること、そしてそこに革新(技術)を加えることです。技術は重要ですが、決して伝統を忘れてはいけない」
いつもやさしい笑顔を絶やさないCosmo兄弟。その笑顔の下にはこの2月のコネリアーノの丘の雪を融かすほどのスプマンテにかけるPassione(情熱)が感じられた。

イタリア好きVol.15:フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア特集

vol.15フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア(11月1日発行)


産まれ育った土地に暮らす

「ボーラの力強さに、僕はエネルギーを感じるから、好きだ」ヴォドビヴェッチ(p12)のパオロさんは言った。

トリエステの冬、北東から吹く暴風ボーラ。
トリエステの人は誰もがボーラの事を口にする。風速30メートル以上の冷たく、強い風は、3日間は吹き続けるその間は戸外に出る人は少ない。
でも、その暴風こそがその土地の風土をつくり、環境をつくってきた。
厳しい気候だからこそ、その土地に宿る強さもあるのだろう。

パオロさん(本誌p12)は、そんなポーラの吹き荒れる日でも作業を続けるという。
22歳で自分の畑を持ち、元々あったブドウを全て捨てた。
一から始めたワインづくりでは、いまや天才とも名人とも呼ばれるようになった。

洞窟でチーズをつくるダリオさん(本誌p14)もまた、この土地の厳しい自然を受け入れて、自然体でチーズづくりを続けている。
「ビオやなんだは特に意識しない。ただ体によくて、正しいと思うことを普通にやっているだけだよ」
冬は雪に覆われてしまう、サウリスの山で地ビールをつくるペトリス兄弟。(本誌p29)「小さな集落に暮らしていると、ここの伝統を守ることが大切だと常に感じるんだ」ここで、生まれ育った彼らは、この地の恵みを見事においしいビールに変えてしまった。評判になっても、ビジネスはゆっくりゆっくりと広げてゆきたいと言う。

今回の取材で出会った生産者たちの話しを聞いているうちに、その問題意識や、考え方にいつも以上に共感できた。聞けば僕と同世代だということだ。

僕たちは青春時代を、世界経済の変化の大きな波の中で過ごした。
そのことへの違和感をどこかに感じていたのかもしれない。
ベルリンの壁が崩壊し、経済のグローバル化が進み、ヨーロッパの通貨が統一されたのもこの時期。
日本はバブルも経験していた。

イタリア好き委員会 松本浩明

JATA Team EUROPEメディアデイ2013 優秀賞を受賞しました。

日本旅行業界のTeam EUROPEの主催する、

「JATA Team EUROPE メディアデイ2013」という式があり、

今年1年間で、ヨーロッパの観光や旅行に貢献したメディアを表彰するというものです。

雑誌、新聞、WEB、TV、フリーペーパー・会報誌という部門があり、

多くのメディアがノミネートされ、その中で優秀賞の発表・表彰が11月28日に行われました。

そして、『イタリア好き』アブルッツオ特集が、フリーペーパー・会報誌部門で優秀賞として表彰されました!



全くこういうものとは無関係につくってきたので、ビックリでしたし、

受賞のことも式の直前に聞かされて、心構えもなく、壇上にあがりました。

ああいう場がいちばん苦手なんですが。。。

「フリーであるということは、無料で提供しているということと同時に、

自由につくるという意味でもあり、できるだけ何事にも束縛されずに、自由に表現し、発信したい」

とコメントをさせていただきました。

賞状と盾をもらって、じんわりと実感を感じながら、ここまでの道のりを考えていました。



創刊からずっと一緒に取材、制作をしてくれている、

ライターの板倉由未子さん、フォトグラファーの萬田康文さん始め、

制作に係ってくれている多くの方に、広告主としてサポートしてくれている企業に、

そしてなんと言っても、応援してくれている多くの読者の方と、

設置してくれているお店の方へ、感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとうございます。

 

 



イタリア政府観光局の支局長リッカルド・ストラーノさんも喜んでくれました。

 



旅とはその土地の文化を知ることで、それらをお互いに共有することが、世界平和につながるという。

旅の大先輩、選考委員長の兼高かおるさんにも「おもしろい雑誌ね」と言っていただきました。

 

*ここまでの写真は、会場で知り合った、キャンペンハウスの後調さんからいただきました。

ありがとうございます。

 



これからもこれを励みに楽しいイタリアを発信していきます!

そして、もちろん20号以降もずっと、ずっと。

*広告ももっと増えればいいですけどねーー(^^)

そちらのほうもぜひ、よろしくお願いします。

 

イタリア好き委員会 代表

松本 浩明

 

 

 

LA ROSA DEL VIGNETO(ラ ローザ デル ヴィニェート)

今年から始まった、ダイナースクラブ イタリアン レストランウィーク。

初年度から多くのイタリアンレストランが参加していて、今後の展開に期待がもてそう。

さっそくその参加店のひとつでもある、

LA ROSA DEL VIGNETO(ラ ローザ デル ヴィニェート)に行ってきた。

広尾高校の近く、広尾3丁目信号の直ぐヨコにお店はある。

少し注意しなければ通り過ぎてしまいそうな、黒い入り口の扉を開けると、

白を基調として、落ち着いた店内が広がる。

中心には、いつも大きな花器に季節ごとのテーマの花や緑がいけられてる。

店内を流れる包まれるような空気と、シックでありながら、肩肘を張らない雰囲気は、

これから食事をする楽しみに誘ってくれる。

今回はダイナースクラブ イタリアン レストランウィークのコースをいただいた。

その一部を紹介。

アミューズは、スガワラガラスの器に、色とりどりきれいに並べられ、粋な演出に思わずほっこり。



カサゴを中はふんわり外はしっかりと焼き、

ほうれん草とジロール茸、黒米をアサリのスープで煮て、

タジャスカ種のオリーヴオイルでつくったバジルのソースをかける。

上から下まで、全ての食材をいっぺんに口に入れる。

口の中でオーケストラが奏でる演奏のように、それぞれの食材が自己主張しながらも、

決してしすぎない見事なアンサンブルを奏でる。おいしい。



生のポルチーニ茸のリゾットに北海道のタラ白子をのせ、秋トリュフをはらり。

愛し合うふたりが、別れを惜しみながら濃厚なキスをしている時のように、

何度も何度も押し寄せる気持ちの高ぶり。あーこのお皿がいつまでも続けばいいのに。。



最後は蝦夷シカ。

ハーブを巻いてマリネした鹿肉は、その存在以上のうま味を引き出し、

口に入れた瞬間に、複雑に広がる味と、噛み締めるごとに深くなる肉の味。

見事だ。

ソテーされたラディッキョの苦みは、鹿肉を引き立てる。

もう一度食べたい。



小柄で温和な顔立ちの後藤シェフのつくる料理は、繊細で、優しい味わい。

いつでも季節を意識して、その素材と向き合い、イメージを膨らませ展開していく。

丁寧に調理された料理は、どれも舌とここをを満たしてくれる。

ごちそうさまでした。

 

過去の『イタリア好き』でイベントの模様↓

La Festa del ITALIAZUKI ~ピエモンテの食彩~ 報告

マンマの料理フェスタ2013 葉山 カラブリア州マンマの食事会(2)

どんどんお腹が膨らんできますが、おいしいから止まりません。



いよいよメインです。

ここで少し新しい事実が明らかに!

メインはイノシシとイカでしたが、

カラブリアでは、魚介よりも先にお肉を食べるそうです。

これにはみなさんもビックリ。

僕も知りませんでした。

ということで、アニータさんが抱えた大きな鍋には、

猪とジャガイモの煮込みが。





この煮込み、最高でした。

アニータも大満足。

そしてイカの詰め物。

イタリアだったら、ひとり一ぱいですが、さすがにこれは多すぎます(><)



ゲソとニンニク、水に浸したパン粉を詰めて、炒め煮したもの。

イタリア版イカ飯ですね。



ドルチェは、オレンジジャムのボコノッティ。



おまけは、アニータ特製のレモンチェッロ。

こんなものまで隠し持ってきていたとは!ビックリ。



そして、この日もラゴスティーナのプレゼントじゃんけん抽選会もあり。





お二人ともとても嬉しそう!

 

マンマの料理フェスタ2013 葉山 カラブリア州マンマの食事会(1)

2013年10月6日 葉山町一色にある、サルデーニャ料理イル・リフージョ・ハヤマでは、 カラブリア州 のマンマ、アニータさんの食事会が開催されました。 前菜は、マンマ料理の盛り合せ。まさに家庭料理です。 上から時計周りに、ロザマリーナというカラブリア特産のシラスの唐辛子漬けのブルスケッタ。 イワシの塩漬けを小麦粉に練り込んで揚げたクレスペッレ。 シラスと野菜のフリッテッレ(葉山×イタリア風かき揚げ)。 ナスの揚げ団子(濃い茶色の揚げもの)と、ペコリーノチーズとブドウのジャム。 そしてカラブリア産の乾燥唐辛子の唐揚げと、カラブリア風たまご焼き。 たまご焼きを食べながら、唐辛子をかじる。または、このたまご焼きに、 唐辛子オイルをかけて食べる。 どれも飾らない素朴なものばかりですが、そこがカラブリアマニータマンマの料理の魅力なんです。 これが乾燥唐辛子。辛みは強くなく、ワインのつまに最高! パスタつくりは時間が勝負。真剣です。 来日後、アニータは手打ち麺を試みましたが、粉と水の感じが自宅とは違い、 思うようにできず、満足のいくできでないとお客さんに出すのは失礼だということで、 今回は乾麺でつくりました。 その気持ち嬉しいです。 リコッタチーズとンドゥイヤのカザレッチェ。 ンドゥイヤは、豚肉に背脂と唐辛子を練り込み、腸詰めにして熟成させたのも。 それをトマトソースに混ぜて、パスタに絡めます。
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ピリ辛の味は、リコッタでまろやかに。 カラブリア風のパスタ・エ・ファジョーリ(豆とパスタのスープ) この日はあたたかい陽差しに包まれ、気持ちの良い日でした。 アニータの娘、ロサーナと記念撮影。