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ヴェネトの冬!トレヴィーゾ産ラディッキオ タルディーヴォ種 IGP

「ラディッキオ ロッソ・ディ・トレヴィーゾ・タルディーヴォ」

出荷前の見た目にも美しいラディッキオ・タルディーヴォ種


ヴェネトの冬の食卓を語るのに、この食材無しにはあり得ない。どの独特の形状とその風味、そして食感。野菜としては美しすぎ、そして個性的すぎる。他のどんなものにも代用は不可なのではないだろうか。

ラディッキオとは、チコリの仲間の野菜である。イタリア国内でも、ヴェネト州のトレヴィーゾ県を中心に、ヴェネツィア県、パドヴァ県の認証地域で栽培される。地区ごとに、その地域性にあった品種が存在し、生産及び出荷期間も冬季限定とはいえ、微妙に異なる。

そのなかでも、特に同素材を他地域にての生産を真似されることなく、この地域ならではの生産物としての誇りとその存在を保っているのが、トレヴィーゾ産赤ラディッキオ、タルディーヴォ種(ラディッキオ ロッソ・ディ・トレヴィーゾ・タルディーヴォ=Radicchio Rosso di Treviso Tardivo)。「タルディーヴォ」とは、「晩生」という意味を持ち、それは、生産・出荷時期がラディッキオの他種に比べて時期が遅めなことからくる。

それに対して早生種である「プレコーチェ」種というのもある。こちらはタルディーヴォ種に比べると、生産方法も単純で、産地呼称であるIGPにこだわらなければ、気候さえ適合すれば、比較的、生産実現が可能とされている。

生産・出荷時期の違いは、IGP認定マークが許可されるのにも目安となるが、毎年平均してプレコーチェ種は9月末、タルディーヴォ種は11月中旬以降となる。

さて、このタルディーヴォ種、なかなかの偏屈もので、生産までの工程には非常に手間がかかる。

その特異な生産工程とは?

植苗は7月後半から8月にかけて行われる。IGP認証を取得するには、苗間の間隔にも規定があるる。夏場の太陽の力をかりて2ヶ月以上畑で生育した苗は、その後冬の訪れがくるとともに寒さから自らを守るかのごとく、外葉が内葉をやや覆うような形になる。生産者は、季節の変わり具合、気候の変化を、畑の変化を感じながら時をじっと待つ。

暑ーい夏期に生産作業は開始します


11〜12月にかけてのラディッキオの畑


寒さが厳しくなってくると、畑でも葉の色が変化してきます


ヴェネトの冬は寒い。
ラディッキオにとっては、この寒さが不可欠なのだ。葉は成長するが、成長しずぎてもいけない。寒さにじっと耐えるためには適度さが必要。そしてその寒さが深くなるにつれ、畑に並ぶラディッキオの葉は、赤く色付き始める。
11月ともなると、冷え込む朝は氷点下まで気温が下がり、畑のラディッキオには一面に真っ白な霜がおりる。キンと冷える薄暗い朝、夜明けとともにキラキラと朝焼けに光る畑は非常に美しい。そして、この霜がおりることによって、産地呼称のIGPが認証され、畑からの収穫が許される。
近年は、気候の変化が顕著であり、今シーズンのIGP認証は、11月の中旬をとうに過ぎた後半期であった。生産物の出来が遅くなることは、現実的には生産農家にとっても非常に痛手でもある。

さて、畑から収穫した株は、これで出荷準備に入るわけではない。この後は、一株ずつを小さなカセットに縦詰めにし、それらを地下水の流れる貯水池にて株の根を浸水させる。水は必ず流水でなくてはならず、この地の地下水でなければならないのも規定として定められている。

地下水の流れるプールに一定期間静置する


同地区は、地下から自然に湧き出る清澄な水が豊富な地域。イタリアを旅行した方ならば必ず一度は手にしたことがあろう、「サン・ベネデット」というイタリア国内最大級の飲料水メーカーのある場所でもあることからも、清澄な水に恵まれている地域であることがお解りいただけると思う。

この水がこのラディッキオを育てる必須要素なのだ。この自然水プールは、日光を遮断され、いわゆる株を軟白させる工程にもあたる。同工程では、収穫により切り落とされた株の根から新根が生え、そこから水を吸い上げることで、株のごく中心部に向けて水から得られるミネラル分を吸収させ独特の甘みを与え、クロッカンテな食感を生み出すのに役立つ。

さらには、暗所に静置することで、葉の持つクロロフィルが後退し、ラディキオ特有の純白な茎と、アントシアニンから発する紫がかった鮮やかな赤色を生み出す。そして、寒さなどの条件を満たすことにより葉が内側に向けてかたく、密に閉じてくる。

約2週間ほどの軟白工程を得た株は、作業場に運ばれ、外葉を大胆に除かれる。真っ黒に腐ったような大きな株は、驚くほど鮮やかで、しかも小ぶりなその美しい姿を露わにする。
とにかく一株一株を人の手によりいくつもの工程を経る必要のある、手間のかかる野菜なのだ。

出荷作業の終盤。掃除し流水で洗ってから箱詰めされる


美味しくラディッキオ料理を食べたい!

実際に手にしたら、どんな料理に合うのか…というと。それがどんな調理法にもオールマイティなのだ。

生でサラダに、縦割りにしてグリルに、衣にくぐらせ油で揚げてフリットに、肉やパンチェッタを巻いてフライパンで焼き付ける、等。サルシッチャと合わせてパスタにしたり、リゾットなどは、冬の定番メニュー。

ラディッキオ料理といえば定番!ラディッキオのリゾット。


ボルレッティ種やラモン種のインゲン豆を柔らかく煮てから漉して作るヴェネト風の「パスタ・エ・ファジョーリ」には、このラディッキオの葉先を乗せ、少し赤ビネガーをたらして食べるのが、地元風だ。

 

 

揚げ物大好き&自家製はちみつたっぷりな、カラブリア州コゼンツァ市のクリスマス郷土菓子。

去年もご紹介した()カラブリア州北部・コゼンツァ県コゼンツァ市のクリスマス郷土菓子。
私が住むコゼンツァ市(Cosenza)では、はちみつたっぷりな伝統菓子を大量に作り、クリスマス期間中にゆっくり消費します。

今年は昨年から始めた養蜂の成果・自家製ハチミツで作るクリスマス菓子とあって気合も変に入っておりまして、そんな南伊の片隅のクリスマス菓子事情などを鼻息荒く、字数相当オーバーな勢いでお伝えします。結果、2600字超になっちゃっております。スイマセン・・


まずは購入する物からご紹介しましょう。
北イタリアの郷土菓子的存在、パネットーネとパンドーロは大量に購入します。あ、日本でも大人気のシチリアのメーカーさんのも見えますね。

クリスマス用、大みそか用、××さん達を招待した日用、××さん家にお邪魔するときお土産用などと用途ごとに購入していくんですが、お会計の際にひっくり返るような額になるのも毎年のことです(笑


さらに、カラブリア州南部・レッジョカラブリア県のクリスマス郷土菓子であるトローネも忘れず購入します。

ローストしたアーモンドを使ったよくあるトローネは自家製するんですが、レッジョカラブリアのトローネは海峡を挟んでお隣のシチリアの影響を強く受けていて、カラブリア州内でも異質の存在。すっごくアラブな雰囲気で素敵に美味なんです(笑

カラメルで閉じ込めたアーモンドをさらにチョコレートコーティングしたり、スパイスで包み込んだリッチバージョンが我が家のお気に入りです。


今年は乾燥いちじくも購入しました。こちら、コゼンツァ県のDOP食材・ドッタート種です。

こちらも本来は自家製する物なのですが。。。夏から秋にかけて忙しくて作っていられなかったんですよね。。。大失敗。。

乾燥イチジクはクリスマス時期に常に食卓に出して置くもの、というのが義母の教え。
クリスマスの挨拶にいらっしゃる方やお茶の時間におススメする定番アイテムで、相当地味な食材なんですが、これが無いとクリスマスの雰囲気が出ないこの時期ならではの重要食材だったりします。

それでは、ここからどこかで見たことがあるような気もするかもしれない、自家製するお菓子たち~
こちら、Ciccitieddri(チチティェッドゥリ)。ひよこ豆大の大きさの簡単な生地を揚げてハチミツを絡めるお菓子です、ナポリのStruffoli(ストゥルッフォリ)由来のお菓子で、一粒食べ始めると永久に食べ続けちゃう危険な仔。

ちなみにこのお菓子にこの名前を使うのは、コゼンツァ県コゼンツァ市とその周辺だけですのでご注意ください。
他地域だとチチェラータの方が通じやすいんですが、The・方言の呼び方ってなんだか愛着が150%増しになって好きです♡


一見良くわからない形状をしているこちらがScalilli(スカリッリ)。アニス入りの生地を揚げて、こちらは贅沢に砂糖たっぷりのアイシングです。

野生のアニスは黄金よりも単価が高い超高級スパイス。コゼンツァ市の裏山・シラ国立公園内に自生している場所があって、アニスハンターによって収穫されています。
アニスを手に入れることが出来、高価だった砂糖を使うことが出来た、リッチ階級の家庭に伝わる伝統菓子で、こちらも州内で場所が変わると名前が同じながらも形状が変わるお菓子です。
コゼンツァ市のはサクサク生地なんだけれど、一般的なのはパン生地を揚げたもの、かな。

アニスハンター。名前がダサいけど、本当にお仕事にされている方たちがいるんですよ。。。


こちらはモスカートを入れた生地をニョッキ状に成型し揚げてハチミツ掛けするTrudiddri(トゥルディッドゥリ)。イタリア語だとTrudilli(トゥルディッリ)ですね。

本来は栗のハチミツを使うのでかなーり黒い仕上がりになります。日本のかりんとうみたいなお菓子で、モスカートとハチミツの質が出来上がりを左右します。

 

この他、ナッツたっぷりのカカオ&チョコクリームを半月状の生地で閉じ込めたChinuliddri(キヌリッドゥリ)も作ります。Chinuliddri(キヌリッドゥリ)については、去年の記事()をどうぞ。

そして・・コゼンツァ市民に絶対欠かせないのがこちら!

 


Pitta ‘mpigliata(ピッタンピリャータ)です。
たいへん日持ちがするので、大きさや形状を変えてたくさん作ります。
シラ国立公園内のサンジョバンニフィオーレ村が元祖で、シラ国立公園域一帯で色々な形状で作られていますが、
  • はちみつたっぷり
  • ナッツ類たっぷり
  • スパイスたっぷり
というのは不変のルール。くれぐれもカラブリア州カタンツァーロ県のピッタンキューザ(Pitta nchiusa)と混同しないでね♡

ってこれ、去年も言ってる(笑

さらにさらに、


デコレーションが楽しいMostacciolli(モスタチョッリ)。
コゼンツァ県内の山間部に行くと、未婚の女性にデコレーション方法を伝授するお教室やデコレーションの美しさを競う会なども開催されている伝統菓子です。

豊かになった現代では色々なキラキラデコレーションが可能ですが、つい最近までは生地だけを使っていかに美しく装飾を施すか、が腕の見せ所だったお菓子。
生地を作るのも実は大変なんですが、教会への奉納菓子に使う村もあるお菓子です。

ま、このあたりを数日かけてだだーっと作りまして。
ついでに番外編で、


揚げドーナツのようなこちらのcuddrurieddru(カタカナ表記は難しいんですが、強いて言うならクッドルゥルリェデドゥ。書いている本人もはやナゾ)も作ります。

コゼンツァ県内ではCrustoli(クルストゥリ)って言えばまず間違いなく通じます。イタリア語ではCiambella calabrese(チャンベッラカラブレーゼ)。
マンマのレシピvol115()でもご紹介したこちらの揚げドーナツは、いわゆる「イブ=大切な祭日の前日」に食べるものです。

さんざんクリスマス用のお菓子作っているのに、大切な日の前日には絶対作り、仕事場に持って行ったり、振る舞い菓子にも使うし、砂糖バージョン・シンプルバージョン両方作るべき日っていうのもあります。
コゼンツァ人、揚げ物好きすぎでしょ。。
この時期は露店もいっぱい出て、旅行者でも気軽に楽しめますよ♪

さて。今年もいよいよクリスマスシーズン到来。
皆さま、素敵なクリスマスシーズンをお迎えください。

 

ヴェネツィアの美味しい季節もの「マザネーテ」

 

「Chi non conosce “le masanete” potete stare certi che no è venexiano」
「”マザネーテ”を知らない奴は、ヴェネツィア人の資格なし」

と言われる食材が、この「マザネーテ(mazanete)」。上記も然り、表記にはよく「maSanete」とSが使われるが、ヴェネツィアでは、このSを濁らせて発音する。

「マザネーテ」って何?

春先や秋口に珍重される、脱皮直後のカニ「モエーケ」が、その後数週間経ち、殻が硬くなったものを指す。ヴェネツィア人には非常に愛着のある食材で、この時期、オンブラ(グラスワイン)のお供として食べる庶民の味だ。この時期、魚屋の店先には、大きなバケツが置かれている。中を覗くと、ガサゴソと生きた小さなカニ、マザネーテがたくさんいる!

魚屋の店先に売られるマザネーテ


ヴェネツィア風「マザネーテ」の食べ方

生きたままを購入し、たっぷりの湯を沸かした鍋に、生きたままのそれらを一気に投入。死んでしまったものは、生臭くなるので、必ず生きたものを使う。火が通ったら取り出し、粗熱をとる。

生き茹でするのが基本


茹で上がり!約15分ほど


まずは足を取り除き、背側の甲羅を一気にはがす。殻の内側に身が残ってしまったら、それも残さずにかきだす。腹側の比較的柔らかめの甲羅は、そのままに。

一つ一つ丁寧に掃除する


掃除を終えたら、調味開始。ニンニクとプレッツェーモロを刻み、オイルを加え、塩、コショウでととのえる。このソースは「ペステジーン=pestesin」と呼ばれる。その意味するところは、小さく(=sin)つぶした(=peste)というもの。ヴェネツィア訛りだ。

これらを全体によーく混ぜ合わせ、味をなじませるためにしばらく置く。食べる直前につくるよりも、作り置きしておくほうがオススメ。

見るだけでワインが進みそうだ


季節のヴェネツィア前菜盛り合わせ!


テーブルに着席して食事するレストランでのメニューでは決してない。立ち飲みしながら、もしくは家庭内またはオステリアのテーブルの端にて、というシチュエーションが必須。

気の使わない仲間や知人とワイワイと喋りながら手も口もソースで汚しながら、バリバリと食べるが旨い。

ヴェネツィア下町の味。

カラブリア州でチーズ工房見学するなら、やっぱり「カラブリア州らしい」チーズ工房がお勧め。お勧めの理由と工房の様子

州内の約7割が山岳地帯のカラブリア州では体の大きな牛の飼育が難しく、伝統的に牛の飼育をしていた地域はごく限られています。
そんな限られた地域の一つ、コセンツァ県内のシラ国立公園。古代種・ポドリカ牛*の飼育でも有名な地域です。


シラ国立公園域のチーズといったら、DOP食材でもあるシラのカッチョカバッロ(Caciocavallo Silano)。ポドリカ牛のお乳100%の物も生産されていて、チーズ工房もあちこちにあります。
そんな中でおススメのチーズ工房は、
近代化って何? なThe・家内工業っぷりが素晴らしい小さな小さな工房。
ちなみに、ただ今凝固の様子を目視で見極めている所。これ、間違えると本日の生乳をすべて廃棄することになる大変重要な作業なんですが・・。見ている方がドキドキする(笑
機械に頼らず経験がすべての世界です。

カラブリア州内にはもちろんこんな近代的な工房(工場?)もあるし、どちらかと言うとこのような規模の近代的な施設が増えているけれど、せっかくカラブリア州を訪問されるなら、なんというか。。。「カラブリアらしい」「まだ残ってる」的な工房をお勧めしたいなーと思います。

実は、地元では家内工業的に作られたチーズの方が(若干高価ですが)評価が高いです。
なぜなら、カラブリア州ではまだ「人の手で作られたもの」が評価されるから。
シーズンや気象条件によって生乳の品質も若干異なるのでチーズの味も一定にならず、この味の「揺れ」も評価されます。
一年を通して一定な味は自然じゃない。そんな感覚で生活できるって逆に贅沢だなーと私は思います。

そして、あちこちゆるーく生活しているこんなカラブリアの姿を見て頂きたいな、と思うわけです。
この辺りでは、チーズ作りは女性の仕事。この工房でも伝統通りに女性たちが工房内を取り仕切っています。
搾りたての生乳を温めて、凝固剤(自然の物です)を入れて。チーズ作りは力仕事。
工房見学に行くと、生乳を温めるところからすべての行程を見学できます。
そして・・

あ。モッツアレラ作ってくれてる♡

工房見学では、モッツアレラ、リコッタなど出来立てチーズの試食もさせてもらえます。出来立てで熱々のリコッタチーズはココでないと食べることが出来ない贅沢品ですよ。

条件が整っている日なら、放牧中の牛さんの様子も見学できます。
シラ国立公園内では放牧が基本。乳牛は夜に牛舎に戻るし、寒さに弱いので冬期は完全に牛舎に入りますが、強靭な古代種・ポドリカ牛は基本的に完全放牧です。(お産を控えているなど管理が必要な牛は、冬期だけ牛舎へ。)
そんな牛さんたちの生育の状況も見ることが出来ると「チーズができる工程をいただく」よりも、もっと食材に対して愛着がわくと言うか理解が深まると言うか。

ポドリカ牛100%のカッチョカバッロは春~初夏までがシーズン。この時期なら一般的な乳牛のカッチョカバッロと食べ比べもできるかも!?


※ポドリカ牛:中央アジア原産と言われる古代種。古代ローマ時代にはすでにカラブリア州~アブルッツォ州辺りで飼育されていた。
四角く灰色の大きな体に角があり、人間に慣れず、狭いところも苦手なフリーダムを愛する性格。
肉牛でもあり乳牛でもあるオールマイティーさん。年中外を歩いているため、赤身がちのお肉は地元で大変珍重されている。
コセンツァで極上牛肉と言ったらポドリカ>>神戸です。

 

 

 

マグロ料理とシチリアワインのアッビナメントの会


6月のトラーパニと言えばマグロの季節!
この時期にはトラーパニ沖に黒マグロが回遊してくるので、トラーパニの魚市場は毎日がマグロの解体ショー。
ドン!とマグロ1匹が、色々な部位に切り分けられて並んでいます。

今年は豊漁の黒マグロ。
先日、黒マグロを使った料理と、シチリアワインのアッビナメントの会がトラーパニ食文化推奨の会NUARA(ヌアラ)で行われたので参加してみました。



料理を提案してくれるのはトスカーナからやって来たLuca Cai氏。
フィレンツェでTorippaioというトラットリアのシェフを務めています。
そしてワインはパレルモ近郊カンポレアーレのPorta del VentoのオーナーのMarco Sferlazzo氏。


なんでトスカーナからシェフが来たのかな~、、、と思っていたら、今回のマグロ料理はマグロの内臓を使った料理だったから。
そう、彼はTorippa料理の名人!(だそうです)


まずは前菜。
マグロの心臓、白子、からすみ(卵巣)をつかった料理3品。
これに合わせたのは白の発泡酒。
この白ワイン、まずはベースのワインを造り瓶に詰め、そこにブドウ果汁を加えて瓶内醗酵させたというもの。
フィルターがかかっていないので、まるで濁り酒のような感じ。
爽やかなブドウの風味が内蔵とベストマッチ!
かなり止まらなくなる組み合わせでした。



そしてパスタはマグロのカマの色々な部分をじっくりと煮込んだソース。
説明がかなり面白くて、

「頬肉と、目の周りと、頭の右側の部分と、、、、」

マグロは海の豚と言われ、捨てるところがないと言われていますが、カマの細かい部分まで全部使い果たしたそうで。
それに合わせるのはトラーパニと言えば!のクルクルパスタ ブジアーテ。
(よく”ブッシャ―テ”と呼ばれるこのパスタ、正確には”Busiate=ブジアーテ”です。)
これに合わせたのは、スキンコンタクトをしながらアルコール発酵をさせたというしっかり目の白ワイン。
パスタが美味しい事も然ることながら、このワインが私はとっても気に入りました♪


続いて出てきたのが、マグロの胃を使ったカポナータ。
マグロの胃はトラーパニではトマトソースで煮込んで食べられますが、、、、
さすがトリッパ名人、このカポナータ、絶品!
シチリア人が作るカポナータとは違い、味わい軽やかで新鮮な感じで。
これに合わせたのはペリコーネで作ったロゼ。
ペリコーネとは思えないほど軽やかなロゼで、面白いワイン。


そして最後を締めくくったのは、、、マグロのヴェントレスカ、、、そうトロ!!
ご存知の方も多いかと思いますが、イタリア人、脂が多いトロは敬遠しがち。
もう内臓扱いってことでしょうか(笑)
これをしっかりと焼き上げ、ペリコーネに合わせる。
これは文句なしのアッビナメント。
タンニンが口の中の脂をすっきりと掃除してくれる、、、と良くワイナリーで説明を受けますが、まさにその代表アッビナメント、という感じでした。

今の時期、マグロは良く食べるものの、こうして1本1本のワインと料理を合わせるのは自分では難しいもの。
この企画、違うシェフとワイナリーで毎年やってほしい!と思うのでありました!

火山島パンテッレリーアが生んだ名産品、カッペリとオレガノ


トラーパニから南下すること約170キロ。
アフリカにほど近いところにあるパンテッレリーア島は、島全体が岩も真っ黒な火山島。
そこで育つカッペリとオレガノは、他の産地では出す事ができない独自の風味を生み出します。


年中、強風が吹くパンテッレリーア島はほとんどの植物が高く育たず、膝丈くらい。
オレガノもカッペリも例に漏れず低木のため、収穫は腰を曲げての重労働となります。
更にカッペリもオレガノも収穫時期はギラギラとした陽射しが照り付ける6月~7月にかけて。
本当に大変な作業なのです。

でも、その風味は格別!
カッペリの味はどこのものよりも強く、オレガノはどこのものよりも香り高く、、、
それは土壌、太陽、そして風がもたらす自然からの贈り物。
そして丁寧に育てて、収穫して、加工してくれる生産者の方々の努力に心より感謝!




今回、紹介する生産者、ジャンカルロとクリスチャンは元々は料理人。
海外で活躍していましたが、代々続く畑を守るためにパンテッレリーア島に戻ってきました。
ある日、彼らの畑を訪問した際に、

「今日はうちでランチしていく?」

と嬉しいお誘い。
カッペリとオレガノの畑を見学させていただいた後に、畑の近くにある彼らのおうちへお邪魔させていただきました。


カッペリ畑の横には自分達用の家庭菜園。
そこでトマト、ズッキーニ、ハーブを収穫。
材料を小さく切ってフライパンで炒め、、、軽く流水で塩抜きしてみじん切りにしたカッペリを投入!
そして最後にオレガノを揉みながら入れる、、、なんといい香り!

手際の良さはさすが元料理人。
あっ!という間に美味しいパスタの出来上がり!

カッペリとオレガノは本当に便利なシチリア食材。
トマトソースに入れて、サラダに入れて、お肉料理にお魚料理に、、、レシピは無限大!

「僕達は何にでもカッペリやオレガノを使うよ。
料理を美味しくしてくれる魔法の食材だからね!」

この2つの食材があるだけで食卓にシチリアの爽やかな風が吹き抜けます♪

今回ご紹介するのは、若き兄弟が作るカッペリとオレガノ。
いずれも2018年の出来立てホヤホヤ!
日本ではなかなか入手できない貴重な出来立て。
香りや風味がとても強いので、日本にいながらにしてシチリアを感じて頂けること間違いなし♪



シチリアではサボテンの実を食す!


まだまだ暑さが続くシチリアで感じるちょっとした秋の気配。
それがサボテンの実。

今の時期、田舎を車でドライブするとあちらこちらにみかける大きな葉のサボテン。
葉がうちわのような形をしているので日本語では「ウチワサボテン」と呼ばれます。

9月になると市場や八百屋さんの店頭にも並びます。


イタリア語では「Fichi d’India=フィーキ ディ インディア」、インドのイチジクという名のこのフルーツ、サボテンの実だけあって周りには棘が沢山ついています。
最近では既に洗われて大きな棘は取り除かれたものが店頭に並びますが、決して素手では触らないように!
繊毛のような棘がまだまだたくさんついていて、刺さってしまうとチクチク痛いけれど姿が見えず、、、。
数日間、痛みを我慢しなければなりません。

では一体どうやって食べたらいいのでしょう?
フィーキ ディ インディアはお皿の上で、ナイフとフォークを使って剥きます。

こんな感じ↓


上と下の部分を切り落とし、皮の部分に横に切れ目を入れます。
そしてナイフとフォークを使って切り目を広げたら、後はクルクルクル!と実と皮を離していきます。
向いている最中のお皿には小さな棘が沢山あるので、剥いた実はお皿に触れないように他のお皿に盛りましょう。


 

Buonappetito!!(ボナペティ―ト!)