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ストリートフードの祭典!STRAGUSTO(ストラグスト)@トラーパニ


7月最終週にトラーパニで毎年行われるストリートフードの祭典「Stragusto(ストラグスト)」。
今年で10年目を迎えるストラグストはますますパワーアップしていました。

「ストリートフード」とは、歩きながらササっと食べる事ができる軽食の事。
かつては庶民のおやつ的な感覚だったものですが、一度は高級グルメブームに伴い下火になり。
それがここ数年、「庶民の伝統食」ということで、また注目を浴び始め。

ストラグストはシチリア内はもちろんのこと、イタリア、そしてイタリア以外の国からも集まります。


トスカーナからはトリッパとランプレドットとモツ系。
チュニジアやルーマニアも参戦!
写真下段の真ん中はマダガスカルの「MOFO GASY」という、米粉を使ったお菓子。
マダガスカルのお菓子の収益はマダガスカルの子供達のために寄付されるそうです。


そしてシチリアのストリートフードの代表格と言えばパレルモの「パーネ カ メウサ」!
脾臓を茹でて薄く切ったものをラードで煮込み、パンに挟んだシチリアの「臓物バーガー」。
そして、ひよこ豆ペーストを薄く切って揚げたパネッレをパンに挟んだ「パネッレバーガー」。
本場パレルモからの参戦です。


そして懐かしのこれ!
2005年、私が初めてシチリアで住んだ町モディカに伝わるご当地パニーニ「スカッチャ」。
パンを切って具材を挟むのではなく、薄く延ばしたパン生地全体に具材を乗せてクルクルと巻いてから焼くという、ちょっと変わった作り方。

モディカに住んでいたころは毎日のように食べていたスカッチャ。
シチリアでは「ご当地」なグルメが多いので、トラーパニでは食べる事が出来ず久しぶりに味わいました。


プーリアからは黒豚の炭火焼。
黒豚はプーリアに限らず、シチリアにもいますが、やっぱり炭火焼で食べます。


食後のデザートはトラーパニから「冬メロン」。
この冬メロンはイタリア語では「Melone d’inverno」というのですが、冬に収穫するから、、、ではなく、夏に収穫して冬まで持つから冬メロン。
黄色いラグビーボールのような形をしたこのメロンは、皮がとっても厚くて固いので、軒先でゴロゴロ転がしておけばクリスマスの頃まで保存が可能。
なので「冬メロン」と呼ばれているのです。


食へのこだわりが強いシチリア人達。
地元のおっちゃんもカターニャからやってきたストリートフードに興味津々で、列に並んでいる間、色々と質問をしていました。

バカンスシーズン真っ盛り!に行われるストラグストは、バカンスで来ている人も、地元の人も入り混じってストリートフードを楽しむお祭り。
毎年、7月の最終週に開催されているので、この時期を目指してトラーパニにやってくるのも楽しいかも?

●Stragusto公式サイト
https://www.stragusto.it/it/programma/

パドヴァ名物茹でタコ屋台 「ラ・フォルペリア (La Folperia)」

私の住むパドヴァの旧市街地には、ラジョーネ宮という1200年代に建築された、もと裁判所の建物がある。それを中心に南北をエルベ広場、フルッタ広場、そしてその西側にシニョーリ広場、という3つの大きな広場が位置し、街の最も活気のある中心地として存在する。

日没の遅くなる春先から秋の終わりまでは、この広場周辺のバールが広場にテーブルを出し、アペリティーヴォを楽しむパドヴァーニで賑わう場所。

この広場のひとつ、フルッタ広場の一角に、夕方になると毎日名物屋台が登場する。パドヴァの人ならば、知らない人のいない、夕暮れ時のパドヴァの風景の一部となっている。


この屋台の名物は、「茹でタコ」。店名も「タコ屋(フォルペリア)」という。イタリア語でタコは「ポルポ (polpo)」というが、ここヴェネトでは、訛りで「フォルポ (folpo)」と呼ばれているから、この屋台の目玉はタコ、ということは一目瞭然。

 


夕方になると、赤いひさしの屋台を載せ登場するのは店主のマッシミリアーノ(通称マックス)さん。非常に気さくで実は細かいところによーく気のつく、皆の人気者。

昨今のストリート・フードブームにあやかり、それ関連のガイド本などにも掲載されるようにもなぅた。そんなこともあり、最近ではパドヴァの人だけでなく、観光客なども多く訪れる。


注文は、カウンターの前に並んで自分の順番がくると、マックスが鍋の中からタコを取り出して大きさを見せてくれるので、適当な大きさのものをチョイス。


お互いの同意のもとにて、そのタコをブツブツと一口大に切る。軽く塩をし、特製サルサ・ヴェルデ(パセリとオイル、レモン、少しのニンニクを混ぜたもの)をさっとかけ、さらにレモンをギュッと絞る。


店の周囲のカウンターの空いているスペースを陣取り、お隣さんにもスペースを空けてあげる配慮をしながら、楊枝でつっついて立ち食い、というのがスタンダードなスタイル。

柔らかくて潮味のタコ、最高に美味いアペリティーヴォのお供となる。


飲み物は、隣のバールで調達。店の人たちも事情を承知のうえなので、グラスを持って店を移動しても全く問題なし。

座って食べたい場合には、このお隣のバールのテーブルにタコの皿を運んで、飲み物をオーダーし、落ち着いて食べてもよし。


とにもかくにも、この皿に会うのは間違いなく、冷たく冷えたプロセッコだ。

茹でタコ専門とはいえ、他にもいくつかの魚介の惣菜も用意している。バッカラ・マンテカート、エビのグリル、魚介のフリット・ミスト、他、マックスのアイデア次第で店頭に並ぶものも変わる。

そして、春先から出てくるのは、この「ボヴォレッティ (bovoletti)」。小さなカタツムリ。これは生きたままのものを茹で、タコと同様、サルサ・ヴェルデで和えたもの。楊枝でひとつひとつを中身をすくい出すようにし、手も口のまわりも汚しながら食べる。


広場のこの赤いひさし、夕暮れのパドヴァの街に欠かせない風物詩のひとつ。私の大好きな場所のひとつ。

La Folperia

https://m.facebook.com/la.folperia/?locale2=it_IT