【エミリア・ロマーニャ州】森の香りがする一皿
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イタリア好き、郷土料理を楽しもう! リグーリア州
ご覧いただきありがとうございます。
定員に達しましたので、参加申し込みを締め切らせていただきます。
\イタリア郷土料理を巡る食事会 第4回/
11月1日発行vol.35リグーリア特集の制作がほぼ終了し、あとは印刷があがり発行を待つのみ。
そのリグーリアをテーマにした食事会を開催します。
今回は奥横浜(そういう呼び方があるかどうか)の中山にある「トラットリア・ダ・テレーザ」で開催です。
篠田シェフとの最初の出会いは、創刊号のリグーリア特集ができあがり、友人と打ち合わせと食事のために入った店(馬車道にあった)でした。そこの店のシェフが篠田さんでした。『イタリア好き』の紹介をしてリグーリア特集を見せたら、リグーリアで修行していたと言うので、意気投合し話が盛りあがりました。
その後、篠田さんは独立し、中山に修業先のマンマの名前を冠にした「トラットリア・ダ・テレーザ」をオープンして篠田さんの世界観を出して人気店となっています。
写真は店名にもなっている、ジョルジョとテレーサと篠田シェフが2002年に16年ぶりの再会をしたときの一枚。地域での人気絶大なジェノヴァ リストランテ サンジョルジョにて
何度か『イタリア好き』のイベントにも参加してくれて、リグーリア愛に満ちた料理を提供してくれました。その篠田さんと単独でやるイベントは初めてですが、打ち合わせから熱が入っている。「リグーリアのワインを全部試飲してきましたよ」「僕が習ったペストはズッパなんですよ、これが……」など語り出したら止まりません。今から当日が楽しみです。
■日時: 11月23日(金・祝) 12:00~(11:45受付開始)
■会場: トラットリア・ダ・テレーザ
神奈川県 横浜市緑区中山町110-7
https://teresa-it.com/
■会費: <会員> 11,000円(税別)/<非会員> 13,000円(税別)
*ドリンクなどすべて込み!
(イタリアズッキーニクラブ・ズッキーニパートナーズ会員+1名まで有効)
■形式: 着席式
■定員: 20名
3連休の初日ですが、わざわざ中山まで足を運んでくる価値のある会になること間違いなし!
お料理写真はイメージとなりますが、ご期待くださいね!
皆さんの参加をお待ちしています。
■8月に開催したカラブリア食事会のレポートはこちらから
https://italiazuki.com/?p=30424
《お申込み方法》
以下の「カートに入れる」ボタンをクリックしてお進みください。
*参加条件はイタリアズッキーニクラブ・ズッキーニパートナーズ会員様とそのお連れ様1名のみとさせていただきます。
※ズッキーニクラブ、ズッキーニパートナーズ会員の方は、ログインすると会員価格でご購入いただけます(未ログインでは、非会員価格でカートに価格が表示されます)。
定員に達しましたので、参加申し込みを締め切らせていただきます。
\イタリア郷土料理を巡る食事会 第4回/
11月1日発行vol.35リグーリア特集の制作がほぼ終了し、あとは印刷があがり発行を待つのみ。
そのリグーリアをテーマにした食事会を開催します。
今回は奥横浜(そういう呼び方があるかどうか)の中山にある「トラットリア・ダ・テレーザ」で開催です。
篠田シェフとの最初の出会いは、創刊号のリグーリア特集ができあがり、友人と打ち合わせと食事のために入った店(馬車道にあった)でした。そこの店のシェフが篠田さんでした。『イタリア好き』の紹介をしてリグーリア特集を見せたら、リグーリアで修行していたと言うので、意気投合し話が盛りあがりました。
その後、篠田さんは独立し、中山に修業先のマンマの名前を冠にした「トラットリア・ダ・テレーザ」をオープンして篠田さんの世界観を出して人気店となっています。
写真は店名にもなっている、ジョルジョとテレーサと篠田シェフが2002年に16年ぶりの再会をしたときの一枚。地域での人気絶大なジェノヴァ リストランテ サンジョルジョにて
何度か『イタリア好き』のイベントにも参加してくれて、リグーリア愛に満ちた料理を提供してくれました。その篠田さんと単独でやるイベントは初めてですが、打ち合わせから熱が入っている。「リグーリアのワインを全部試飲してきましたよ」「僕が習ったペストはズッパなんですよ、これが……」など語り出したら止まりません。今から当日が楽しみです。
◆+◆+開催概要+◆+◆
神奈川県 横浜市緑区中山町110-7
https://teresa-it.com/
*ドリンクなどすべて込み!
(イタリアズッキーニクラブ・ズッキーニパートナーズ会員+1名まで有効)
3連休の初日ですが、わざわざ中山まで足を運んでくる価値のある会になること間違いなし!
お料理写真はイメージとなりますが、ご期待くださいね!
皆さんの参加をお待ちしています。
■8月に開催したカラブリア食事会のレポートはこちらから
https://italiazuki.com/?p=30424
*参加条件はイタリアズッキーニクラブ・ズッキーニパートナーズ会員様とそのお連れ様1名のみとさせていただきます。
※ズッキーニクラブ、ズッキーニパートナーズ会員の方は、ログインすると会員価格でご購入いただけます(未ログインでは、非会員価格でカートに価格が表示されます)。
“イタリア好き”郷土料理を楽しもう! カラブリア州@pinosalice レポート
vol.34カラブリア特集の発行に伴なって、渋谷のpinosalice(ピノサリーチェ)で開催したカラブリア食事会の報告。
いつもはシチリア料理をメインとしているpinosaliceで開くことになった理由はこちらへ↓
https://italiazuki.com/?p=28997
参加者の皆さん
《当日のメニューはこちら》
Piatto dalla Calabria
Pane del pellegrino,carciofo selvatico e bruschetta con n’duja / patate e pipi
突き出し カラブリア好き
巡礼者のパーネと野生のカルチョーフィ、ンドゥイヤのブルスケッタ、ジャガイモとパプリカのソテー
巡礼者のパーネ、ンドゥイヤ、野生のカルチョーフィは、取材先から持ち帰った現地の味。
野生のカルチョーフィは、鋭い棘の皮を剥くのが大変な作業。地元でもそれをやる人が減っている。
Antipasti 1
Carpaccio di pesce marinato al pomodoro e bergamotto
白身魚のカルパッチョ トマトとベルガモット風味
すみません写真ないですが、ベルガモット風味がカラブリア風。ベルガモットはレッジョ・ディ・カラブリアの特産品。
Antipasti 2
Crocchette di melanzane,melanzane marinato alla menta
ナスのコロッケと、ナスのミントマリネ
ナスの季節はナス料理責め。色々なレシピがある。
Primo
Fileja con peperoni e cruschi alla rosamarina
パプリカ、クルスキ、ローザマリーナの自家製フィレイヤ
カラブリアらしいパスタ! 生シラスの唐辛子漬けローザマリーナ。発酵具合がいい。
Second
Polpetta ripieni di n’duja al forno arrotolati con foglie di fico
イチジクの葉で包んだポルペッテのオーブン焼き ンドゥイヤ風味
イチジクの甘い風味と、ピリ辛のンドゥイヤのハーモニー。カラブリアにはイチジクの名産地がある。
Dolce
Tartufo di Pizzo
ピッツォのタルトゥーフォ
トリュフではありません。ピッツォ・カラブロという町の名物、タルトゥーフォの形をしたジェラート。地元では大人も夢中。
柳さんのカラブリア愛の溢れる料理に満腹、満足でした!
カラブリアに行かずとも、カラブリア気分満タン。
でも、行ったらもっといいんです。
柳さん、赤松さん、福田さん、そして参加者の皆さんありがとうございました。
いつもはシチリア料理をメインとしているpinosaliceで開くことになった理由はこちらへ↓
https://italiazuki.com/?p=28997
《当日のメニューはこちら》
Piatto dalla Calabria
Pane del pellegrino,carciofo selvatico e bruschetta con n’duja / patate e pipi
突き出し カラブリア好き
巡礼者のパーネと野生のカルチョーフィ、ンドゥイヤのブルスケッタ、ジャガイモとパプリカのソテー
巡礼者のパーネ、ンドゥイヤ、野生のカルチョーフィは、取材先から持ち帰った現地の味。
野生のカルチョーフィは、鋭い棘の皮を剥くのが大変な作業。地元でもそれをやる人が減っている。
Antipasti 1
Carpaccio di pesce marinato al pomodoro e bergamotto
白身魚のカルパッチョ トマトとベルガモット風味
すみません写真ないですが、ベルガモット風味がカラブリア風。ベルガモットはレッジョ・ディ・カラブリアの特産品。
Antipasti 2
Crocchette di melanzane,melanzane marinato alla menta
ナスのコロッケと、ナスのミントマリネ
ナスの季節はナス料理責め。色々なレシピがある。
Primo
Fileja con peperoni e cruschi alla rosamarina
パプリカ、クルスキ、ローザマリーナの自家製フィレイヤ
カラブリアらしいパスタ! 生シラスの唐辛子漬けローザマリーナ。発酵具合がいい。
Second
Polpetta ripieni di n’duja al forno arrotolati con foglie di fico
イチジクの葉で包んだポルペッテのオーブン焼き ンドゥイヤ風味
イチジクの甘い風味と、ピリ辛のンドゥイヤのハーモニー。カラブリアにはイチジクの名産地がある。
Dolce
Tartufo di Pizzo
ピッツォのタルトゥーフォ
トリュフではありません。ピッツォ・カラブロという町の名物、タルトゥーフォの形をしたジェラート。地元では大人も夢中。
柳さんのカラブリア愛の溢れる料理に満腹、満足でした!
カラブリアに行かずとも、カラブリア気分満タン。
でも、行ったらもっといいんです。
柳さん、赤松さん、福田さん、そして参加者の皆さんありがとうございました。
【vol.98|マンマのレシピ】パスタ・アル・サッコ
【マルケ州】袋に入ったという意味のパスタ
『シチリアの天然海塩“モティア”』 Presented by モンテ物産
まだまだ強い日差しが射す9月上旬のシチリア。イタリアでも有名な海の塩田を見るために、シチリア島西部のトラパニに向かった。ここはエガディ諸島などリゾート地としても有名な場所。世界から観光客が訪れ、ファヴィニャーナ島の海の透明度はイタリアでも随一だ。
風光明媚なこのエリアでは紀元前400年から伝統的な塩作りが今も変わらず行われている。
訪れたのはマルサラ酒で知られるマルサラとトラパニの間、目の前には小さな島“モティア”が見える塩田だ。所々に風車があり、見渡す限り島と海と塩田。北側には遠めに天空の町とよばれるエリチェの町も見える。
▲左からヴィタリアーノさんとロベルトさん。
出迎えてくれたのは、塩製造会社ソサルト社のお二人。リラックスした表情でソサルト社の塩田の話をしてくれた。
「素敵な場所だろう?この辺りの海は島に囲まれた潟になっていて、海の深さは1m~1m20cmの遠浅で、とても塩作りをしやすい環境なんだ。また、私たちはここに塩の博物館も持っているんだよ。」
風車が併設された博物館へ。ソサルト社の塩やシチリアの陶器を販売するショップがあり、風車小屋の中も見ることができる。
そもそもなぜ塩田に風車があるのか?
「1700年頃は、収穫した塩を細かくするための臼挽きとして風車を使用していたからさ。他にも、海水を塩田から塩田へと移動させるための動力としても使うなど、風車は塩造りに欠かせないものだったんだ。今ある風車は、当時使っていた風車を修復したものだよ。」
続けて、ソサルト社の塩造りのこだわりについてロベルトさんは次のように話す。
「ここの塩作りは、天然の海水を乾燥させるものだけ。海のミネラルをそのままたっぷりと含んだ甘みのある塩が出来上がる。塩作りの時期は太陽の日差しの強くなる7月下旬から9月。シチリアの太陽が海水の蒸発を早め、いくつもの区画に分かれた塩田を何度も移し変えながら塩分濃度3.5%の海水が段階的に24%まで濃縮され、最終的に塩の結晶が底に12~15cm溜まるんだ。
フランスやポルトガルにもこうした塩作りをしている地域があるけど、そこの塩は少し灰色ににごっている。これは塩の結晶の層の厚さが薄いので、塩を採掘する際に土が混じってしまうからなんだ。シチリアの太陽はとても強く、また常に風が吹くため海水の蒸発が早く塩の結晶化が進んで層が厚くなり、真っ白な海塩ができるというわけさ。早くと言っても、塩ができあがるには50~60日もかかるんだけどね!」
天日干しが終わった塩が積まれた、塩の山に案内してもらった。
そのまま手に取り、口に含むとまるで塩飴のような甘みと自然な塩味、そしてミネラル感が感じられる。
「“モティア”の天然海塩は、パルマの生ハムやシチリアのアンチョビ造りでも多く使われているんだ。素材そのものの品質にこだわる職人たちにも選ばれている証だと思っているよ。」
自然豊かなこの環境を求めて、夏は多くの観光客が訪れ、10月にはフラミンゴも飛来する。そんな、風光明媚な地と呼ぶにふさわしいこの塩田で造られているソサルト社 “モティア”の塩。
案内をしてくれたロベルトさんはこう話す。
「どうだい、わかっただろう?塩にも語るべきことがたくさんあるんだ。ぜひ今度、日本でも塩のセミナーをやってみたいね。」
例えば、パスタを茹でるときに使う塩を変えることが、パスタの味全体に与える影響は少なくない。そのくらい塩が料理の中で大きな役割を担っていることに、“モティア”は気づかせてくれる。
シェフたちからの信頼も厚く、その味に魅了され家庭でも愛用している人は多い。
もし“モティア”の塩を使う機会があれば、トラパニの塩田風景を思い浮かべながら、素材の旨味を存分に引きだすこの塩のポテンシャルをぜひとも感じてみていただきたい。
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼ソサルト社のページはこちらから↓↓▼
http://www.montebussan.co.jp/foods/sosalt.html
風光明媚なこのエリアでは紀元前400年から伝統的な塩作りが今も変わらず行われている。
訪れたのはマルサラ酒で知られるマルサラとトラパニの間、目の前には小さな島“モティア”が見える塩田だ。所々に風車があり、見渡す限り島と海と塩田。北側には遠めに天空の町とよばれるエリチェの町も見える。
出迎えてくれたのは、塩製造会社ソサルト社のお二人。リラックスした表情でソサルト社の塩田の話をしてくれた。
「素敵な場所だろう?この辺りの海は島に囲まれた潟になっていて、海の深さは1m~1m20cmの遠浅で、とても塩作りをしやすい環境なんだ。また、私たちはここに塩の博物館も持っているんだよ。」
そもそもなぜ塩田に風車があるのか?
「1700年頃は、収穫した塩を細かくするための臼挽きとして風車を使用していたからさ。他にも、海水を塩田から塩田へと移動させるための動力としても使うなど、風車は塩造りに欠かせないものだったんだ。今ある風車は、当時使っていた風車を修復したものだよ。」
「ここの塩作りは、天然の海水を乾燥させるものだけ。海のミネラルをそのままたっぷりと含んだ甘みのある塩が出来上がる。塩作りの時期は太陽の日差しの強くなる7月下旬から9月。シチリアの太陽が海水の蒸発を早め、いくつもの区画に分かれた塩田を何度も移し変えながら塩分濃度3.5%の海水が段階的に24%まで濃縮され、最終的に塩の結晶が底に12~15cm溜まるんだ。
フランスやポルトガルにもこうした塩作りをしている地域があるけど、そこの塩は少し灰色ににごっている。これは塩の結晶の層の厚さが薄いので、塩を採掘する際に土が混じってしまうからなんだ。シチリアの太陽はとても強く、また常に風が吹くため海水の蒸発が早く塩の結晶化が進んで層が厚くなり、真っ白な海塩ができるというわけさ。早くと言っても、塩ができあがるには50~60日もかかるんだけどね!」
天日干しが終わった塩が積まれた、塩の山に案内してもらった。
そのまま手に取り、口に含むとまるで塩飴のような甘みと自然な塩味、そしてミネラル感が感じられる。
「“モティア”の天然海塩は、パルマの生ハムやシチリアのアンチョビ造りでも多く使われているんだ。素材そのものの品質にこだわる職人たちにも選ばれている証だと思っているよ。」
自然豊かなこの環境を求めて、夏は多くの観光客が訪れ、10月にはフラミンゴも飛来する。そんな、風光明媚な地と呼ぶにふさわしいこの塩田で造られているソサルト社 “モティア”の塩。
案内をしてくれたロベルトさんはこう話す。
「どうだい、わかっただろう?塩にも語るべきことがたくさんあるんだ。ぜひ今度、日本でも塩のセミナーをやってみたいね。」
例えば、パスタを茹でるときに使う塩を変えることが、パスタの味全体に与える影響は少なくない。そのくらい塩が料理の中で大きな役割を担っていることに、“モティア”は気づかせてくれる。
シェフたちからの信頼も厚く、その味に魅了され家庭でも愛用している人は多い。
もし“モティア”の塩を使う機会があれば、トラパニの塩田風景を思い浮かべながら、素材の旨味を存分に引きだすこの塩のポテンシャルをぜひとも感じてみていただきたい。
http://www.montebussan.co.jp/
▼ソサルト社のページはこちらから↓↓▼
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【vol.97|マンマのレシピ】バッカラの煮込みヴィツェンツァ風
【ヴェネト州】郷土料理の食材として定着したバッカラ料理
【vol.96|マンマのレシピ】豚のミルク煮込み
【ヴェネト州】農家ならではの煮込み料理
『ミラネーゼはアペリティーヴォがお好き』 Presented by モンテ物産
イタリア独特の食生活の一つにアペリティーヴォ(食前酒)がある。特にここミラノではアペリティーヴォが盛んだ。イタリアの夕食は20時~21時スタートと遅めだが、その1~2時間前に集まり、みんなで軽く一杯、食前酒を飲みにいく。
「アペリティーヴォしようよ」
これがミラネーゼ達のお決まりの一言なのだ。
イタリア語のアペリティーヴォという単語は、実はただの“食前の一杯”という意味ではない。「アペリティーヴォする」と言うとお酒だけではなく、軽食を取ることも含まれるからだ。
たいていのお店ではドリンク一杯を頼むとちょっとしたおつまみがつく。最近ではおつまみだけではなく、ビュッフェ形式のお料理がついているところも多くあり、お金のない若者達が夕食代わりに利用して人気のお店も多い。事実最近のミラノでは、アペリティーヴォならぬアペリチェーナ(アペリティーヴォとチェーナ=夕食をくっつけた新しい造語)なんて言葉まで生まれている。
アペリティーヴォで最もよく飲まれている定番ドリンクの一つはスプリッツだ。オレンジ色が鮮やかな柑橘系のリキュール“アペロール”と白ワインorスパークリングワイン、ソーダなどを加えるのが一般的。
しかし、カクテルブーム最中のミラノでは、最近はアペロールではない別の柑橘系リキュール、”アペリティフ”を使って造るこだわりのお店が増えてきた。”アペリティフ”は、人工的な着色料や甘味料は一切使わず天然の原料のみを使用しており、食品や飲み物の安心・安全を求める声が高まる中でこういった需要は増えているようだ。
最近ミラネーゼ達の間では、このスプリッツに加えてもう一つのカクテルが流行になりつつある。
ジントニックだ。
おそらく流行りだしたのはヴェローナのほうが先だと思う。スプリッツというカクテルが生まれたのも一説ではヴェローナ。ヴェローナは近年イタリアでもカクテル文化が特に良く根付いている街のように思う。そしてそれを追いかけるように、流行に敏感なミラノではすでにクラフトジンを数多くそろえるバールが5軒ほど出来ていて、こだわりのクラフトジンで造るジントニックを飲みに、お洒落なミラネーゼ達が集まっている。
ジンは、ジュニパーベリーという植物の実が漬け込んであることが条件で、それ以外にどんなボタニカル(ハーブやスパイス、植物の実など)を加えるかは自由。イタリアにもこの5年ほどで多くのクラフトジン生産者が創業していて、それぞれの生産者の個性が詰まったクラフトジンが多い。
この日行ったミラノのジン専門カクテルバー“Gin012”でお勧めしてもらったこのサバティーニ・ジンもイタリアのクラフトジンのひとつ。バーテンダーのジョヴァンニさんは、「このクラフトジンはトスカーナ原産にこだわっています。ジュニパーベリー以外にもローズマリーをはじめとした複数のボタニカルを漬け込んでいますが、全てトスカーナ産です。とても爽やかで夏らしいジンですね。」と説明してくれた。
確かに飲んでみるとすっきりとした清涼感のある味わい。ジュニパーベリーの香りとともにローズマリー、セージ、ミントなどが上品に感じられ、トスカーナの新緑に囲まれたような爽やかな余韻があり、ミラネーゼ達にも人気のようだ。
アペリティーヴォはミラネーゼにとって欠かすことの出来ない生活のワンシーン。夕食のレストランに向かう前だけではなく、友達と楽しくおしゃべりしたい時、ビジネスマン同士の仕事後の一杯やカップルのお洒落なデートにも使われる。ミラネーゼは近年このアペリティーヴォを充実させるこだわりのカクテルに凝ってきているのだ。さあどうだろう。イタリア好きな読者の皆様も今日はミラネーゼたちの流行にならって、最初の一杯をこだわりのジントニックで始めてみては?
「アペリティーヴォしようよ」
これがミラネーゼ達のお決まりの一言なのだ。
たいていのお店ではドリンク一杯を頼むとちょっとしたおつまみがつく。最近ではおつまみだけではなく、ビュッフェ形式のお料理がついているところも多くあり、お金のない若者達が夕食代わりに利用して人気のお店も多い。事実最近のミラノでは、アペリティーヴォならぬアペリチェーナ(アペリティーヴォとチェーナ=夕食をくっつけた新しい造語)なんて言葉まで生まれている。
アペリティーヴォで最もよく飲まれている定番ドリンクの一つはスプリッツだ。オレンジ色が鮮やかな柑橘系のリキュール“アペロール”と白ワインorスパークリングワイン、ソーダなどを加えるのが一般的。
しかし、カクテルブーム最中のミラノでは、最近はアペロールではない別の柑橘系リキュール、”アペリティフ”を使って造るこだわりのお店が増えてきた。”アペリティフ”は、人工的な着色料や甘味料は一切使わず天然の原料のみを使用しており、食品や飲み物の安心・安全を求める声が高まる中でこういった需要は増えているようだ。
ジントニックだ。
おそらく流行りだしたのはヴェローナのほうが先だと思う。スプリッツというカクテルが生まれたのも一説ではヴェローナ。ヴェローナは近年イタリアでもカクテル文化が特に良く根付いている街のように思う。そしてそれを追いかけるように、流行に敏感なミラノではすでにクラフトジンを数多くそろえるバールが5軒ほど出来ていて、こだわりのクラフトジンで造るジントニックを飲みに、お洒落なミラネーゼ達が集まっている。
ジンは、ジュニパーベリーという植物の実が漬け込んであることが条件で、それ以外にどんなボタニカル(ハーブやスパイス、植物の実など)を加えるかは自由。イタリアにもこの5年ほどで多くのクラフトジン生産者が創業していて、それぞれの生産者の個性が詰まったクラフトジンが多い。
確かに飲んでみるとすっきりとした清涼感のある味わい。ジュニパーベリーの香りとともにローズマリー、セージ、ミントなどが上品に感じられ、トスカーナの新緑に囲まれたような爽やかな余韻があり、ミラネーゼ達にも人気のようだ。
【vol.95|マンマのレシピ】オルゾと豆のミネストラ
【フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州】シンプルな一皿だが奥が深い
【vol.94|マンマのレシピ】ガンベリ・アッラ・ブザラ
【ヴェネト州】仕上がるソースが皿を舐め回すほどうまい
幻の生ハム“クラテッロ・ディ・ズィベッロ”とは Presented by モンテ物産
イタリア料理の中で、食材の王様といえば何を思い浮かべるだろうか。トリュフ?ポルチーニ?
きっと中部イタリアの方たちに聞けば、多くの人がこう答えることだろう。
「“クラテッロ・ディ・ズィベッロ”だよ」と。
パルマとクレモナの間を流れるイタリア最長の川、ポー川の近くにズィベッロ村がある。パルマから北西に車で40分ほどの距離。言うまでもなく“クラテッロ・ディ・ズィベッロ(以下クラテッロ)”の生産中心地だ。この街には伝統製法を守ってクラテッロを生産するモントルシ社のズィベッロ工場がひっそりと佇んでいる。
「パルマというとパルマ産生ハム“プロッシュット・ディ・パルマ”が有名だろう。でもクラテッロは全くの別物だよ。」
モントルシ社のズィベッロ工場長、アントニオさんはこう切り出した。
▲ズィベッロ工場長のアントニオさん。
「クラテッロは、腿肉を丸ごと使うパルマ産生ハムやその他の一般的なプロシュット(生ハム)と違って、腿肉の中心部分にある特に柔らかい最上の部位を切り出し熟成させるのだが、その他にも産地とその環境の大きな違いもある。まず、パルマ産生ハムが特別な理由は、パルマ県の中でも南側のランギラーノの町周辺から西に広がる山間のエリアでしか作れないからだ。独特の気候で、山風が吹き湿度が低く保たれるから大きな腿肉を丸ごと乾燥・熟成させること5が出来る。一方で、僕らのいるズィベッロ村ではパルマ産生ハムは作れないんだ。山の谷あいに広がるランギラーノと違い、このあたりは平野で湿度も高い。もともとの歴史はパルマ産生ハムのほうが長いんだが、それにならって同じように腿肉を丸ごと乾燥・熟成させようとしても、湿度が高すぎて上手くいかないんだよ。」
「そんな環境のズィベッロ村だからこそ、腿肉の上質な中心部分だけを取り出すというクラテッロ作りが始まったのだろうね。腿肉丸ごとに比べれば小ぶりで、ズィベッロ村の熟成環境にはちょうどいい大きさだ。」
アントニオさんはそう言うが、モントルシ社工場内のクラテッロになる生肉を見せてもらうと、十分に大きい。これが腿肉の中心部分と考えると、豚の大きさは相当なものだろう。大きく育った豚の中でも最高の部位に塩コショウをし、数週間冷蔵で寝かせる。その後、豚の膀胱の袋にこの肉を詰めて縫い合わせ、更に外側に紐を網目状に締めて吊るして熟成させる。製造工程はシンプルだ。
「クラテッロが作られ始めたのがいつ頃かは定かではないけれど、昔からクラテッロは豚肉で作られるありとあらゆる加工品の中で最高級だった。実際、ズィベッロ村では各家庭で自家製のクラテッロを作っていて、出来上がったクラテッロ一本で仔豚が一頭買えるほどの価値があったんだ。僕の家もそうさ。おじいさんの代までは、家でクラテッロを作っては、クラテッロ一本と仔豚を交換してまた次のクラテッロを作る、そんな風に生活を営んできたんだよ。」
現在クラテッロ・ディ・ズィベッロが生産できるのはズィベッロ村を含む8つの村のみで、生産者も全部で22社しか存在しない。年間生産量はたったの6万本。貴重なパルマ産生ハムですら年間800万本以上生産されている。クラテッロが『幻の生ハム』と呼ばれる理由はここにある。
アントニオさんは熟成庫内のクラテッロも見せてくれた。
「熟成が終わると、こうやって木槌でクラテッロを叩いて、音で品質を確認するんだ。三つの筋肉が集まっている部分を切り出しているから、熟成中に筋肉同士が離れて中に空洞が出来てしまう不良品が発生することもある。そういう時は少し高く抜けたような音がするね。それを一つ一つ確認して良いものだけを出荷するんだよ。」
アントニオさんが「これは大きな空洞がある」と言って叩いたものは音が少し高くなったことに気がついたが、「これはとても小さな空洞がある」といって叩いた時には違いがわからなかった。何度も比べてみてようやく、言われてみれば違うかもしれない、という程度の差だ。クラテッロを作る職人は、このわずかな違いも聴き分ける能力も持っていなければならないだろう。
こうやって出来たクラテッロ。この日はズィベッロ村の名店『トラットリア・ラ・ブーカ』で味を見させてもらった。
イタリアの生ハム類は熟成中に生まれる甘みと口の中に残る余韻の長さが特徴的だが、クラテッロは特にこの肉の甘さに深みがあり、より長い余韻を楽しめる。しっとりとした口当たり、適度な塩味と熟成した生ハムの旨みが凝縮されていて、噛めば噛むほどこれらが口の中で何重にも重なって、その味わいはまさに“食材の王”と呼ぶにふさわしい。
ちなみにズィベッロでは写真の通り、バターを添えて食べるのが一般的。贅沢だがパンにバターとクラテッロをはさんで食べるのも絶品だ。
世界中で毎年たったの6万本しか生産されないクラテッロ。日本に入ってくるのは年間何本だろう。文字通り“幻の”生ハム、クラテッロ・ディ・ズィベッロ。もし見かける機会があったら、是非一度味わってみて頂きたい。最高級の味わいにやみつきになってしまうかもしれないが。
※有名なトラットリア・ラ・ブーカの名物おかみ、ミリアムおばあちゃんが今年6月2日に他界されました。レストランに来る皆に愛を持って接して下さる素敵な方でした。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
きっと中部イタリアの方たちに聞けば、多くの人がこう答えることだろう。
「“クラテッロ・ディ・ズィベッロ”だよ」と。
パルマとクレモナの間を流れるイタリア最長の川、ポー川の近くにズィベッロ村がある。パルマから北西に車で40分ほどの距離。言うまでもなく“クラテッロ・ディ・ズィベッロ(以下クラテッロ)”の生産中心地だ。この街には伝統製法を守ってクラテッロを生産するモントルシ社のズィベッロ工場がひっそりと佇んでいる。
「パルマというとパルマ産生ハム“プロッシュット・ディ・パルマ”が有名だろう。でもクラテッロは全くの別物だよ。」
モントルシ社のズィベッロ工場長、アントニオさんはこう切り出した。
「クラテッロは、腿肉を丸ごと使うパルマ産生ハムやその他の一般的なプロシュット(生ハム)と違って、腿肉の中心部分にある特に柔らかい最上の部位を切り出し熟成させるのだが、その他にも産地とその環境の大きな違いもある。まず、パルマ産生ハムが特別な理由は、パルマ県の中でも南側のランギラーノの町周辺から西に広がる山間のエリアでしか作れないからだ。独特の気候で、山風が吹き湿度が低く保たれるから大きな腿肉を丸ごと乾燥・熟成させること5が出来る。一方で、僕らのいるズィベッロ村ではパルマ産生ハムは作れないんだ。山の谷あいに広がるランギラーノと違い、このあたりは平野で湿度も高い。もともとの歴史はパルマ産生ハムのほうが長いんだが、それにならって同じように腿肉を丸ごと乾燥・熟成させようとしても、湿度が高すぎて上手くいかないんだよ。」
「そんな環境のズィベッロ村だからこそ、腿肉の上質な中心部分だけを取り出すというクラテッロ作りが始まったのだろうね。腿肉丸ごとに比べれば小ぶりで、ズィベッロ村の熟成環境にはちょうどいい大きさだ。」
アントニオさんはそう言うが、モントルシ社工場内のクラテッロになる生肉を見せてもらうと、十分に大きい。これが腿肉の中心部分と考えると、豚の大きさは相当なものだろう。大きく育った豚の中でも最高の部位に塩コショウをし、数週間冷蔵で寝かせる。その後、豚の膀胱の袋にこの肉を詰めて縫い合わせ、更に外側に紐を網目状に締めて吊るして熟成させる。製造工程はシンプルだ。
「クラテッロが作られ始めたのがいつ頃かは定かではないけれど、昔からクラテッロは豚肉で作られるありとあらゆる加工品の中で最高級だった。実際、ズィベッロ村では各家庭で自家製のクラテッロを作っていて、出来上がったクラテッロ一本で仔豚が一頭買えるほどの価値があったんだ。僕の家もそうさ。おじいさんの代までは、家でクラテッロを作っては、クラテッロ一本と仔豚を交換してまた次のクラテッロを作る、そんな風に生活を営んできたんだよ。」
現在クラテッロ・ディ・ズィベッロが生産できるのはズィベッロ村を含む8つの村のみで、生産者も全部で22社しか存在しない。年間生産量はたったの6万本。貴重なパルマ産生ハムですら年間800万本以上生産されている。クラテッロが『幻の生ハム』と呼ばれる理由はここにある。
アントニオさんは熟成庫内のクラテッロも見せてくれた。
アントニオさんが「これは大きな空洞がある」と言って叩いたものは音が少し高くなったことに気がついたが、「これはとても小さな空洞がある」といって叩いた時には違いがわからなかった。何度も比べてみてようやく、言われてみれば違うかもしれない、という程度の差だ。クラテッロを作る職人は、このわずかな違いも聴き分ける能力も持っていなければならないだろう。
こうやって出来たクラテッロ。この日はズィベッロ村の名店『トラットリア・ラ・ブーカ』で味を見させてもらった。
イタリアの生ハム類は熟成中に生まれる甘みと口の中に残る余韻の長さが特徴的だが、クラテッロは特にこの肉の甘さに深みがあり、より長い余韻を楽しめる。しっとりとした口当たり、適度な塩味と熟成した生ハムの旨みが凝縮されていて、噛めば噛むほどこれらが口の中で何重にも重なって、その味わいはまさに“食材の王”と呼ぶにふさわしい。
ちなみにズィベッロでは写真の通り、バターを添えて食べるのが一般的。贅沢だがパンにバターとクラテッロをはさんで食べるのも絶品だ。
世界中で毎年たったの6万本しか生産されないクラテッロ。日本に入ってくるのは年間何本だろう。文字通り“幻の”生ハム、クラテッロ・ディ・ズィベッロ。もし見かける機会があったら、是非一度味わってみて頂きたい。最高級の味わいにやみつきになってしまうかもしれないが。
※有名なトラットリア・ラ・ブーカの名物おかみ、ミリアムおばあちゃんが今年6月2日に他界されました。レストランに来る皆に愛を持って接して下さる素敵な方でした。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。