(11/7追記)第38回東京国際映画祭にて、本作の監督アレッシオ・リゴ・デ・リーギさん、マッテオ・ゾッピスさんが最優秀監督賞を受賞されました!
2025年10月27日(月)~11月5日(水)、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催されている「第38回東京国際映画祭」にて、イタリア映画『裏か表か?』(原題:Testa o croce?/監督:アレッシオ・リゴ・デ・リーギ、マッテオ・ゾッピス)が上映されます!今年5月のカンヌ映画祭にて初上映、イタリアでは10月2日に劇場公開されたばかりの作品です。

©Ring Film, Cinema Inutile, Andromeda Film, Cinemaundic
©Ring Film, Cinema Inutile, Andromeda Film, Cinemaundic

©Alessandro Zoppis 監督:アレッシオ・リゴ・デ・リーギ、マッテオ・ゾッピス
短編ドキュメンタリー“Belva Nera”(13)と、映画賞を受賞したドキュメンタリー“Il Solengo”(15)から共同監督としてタッグを組んでいる。初の長編フィクション“The Tale of King Crab”は2021年のカンヌ映画祭監督週間で初上映された。農村に伝わる民話や伝説、不完全な口承伝承に焦点を当てた作品で知られる。
“イタリア好き”的には、途中映し出される農村の昔ながらの暮らしの様子が興味深かったです。国家統一の裏にもあったであろう争いも描かれており、なかなか考えさせられました。
正義とは?孤独や死に対する心の拠りどころとは?真の自由とは?そんな問いも浮かんでくるような、見応えある作品でした!

マッテオ・ゾッピスさん(左)とアレッシオ・リゴ・デ・リーギさん(右)Ⓒ2025 TIFF
──イタリアを舞台に西部劇のテイストをミックスさせる発想は、どこから生まれたのですか?
■マッテオさん:私は幼い頃から、カウボーイの話や、アメリカ西部開拓時代のレジェンドであるバッファロービルが実際にローマに公演に来た話をよく聞いていました。以前西部劇に近い作品を作ったこともあって。今回はどうすれば現代に通じる話になるかを考えた時、まずは伝承をバラバラにした上で、イタリアを舞台にしたらどうなるか?といった発想からスタートしました。
■アレッシオさん:今回は20世紀のイタリアという過去を舞台にすることで、いろんなテーマを自由に描けると思ったんです。例えば当時の社会情勢や、歴史的なこと、それからいわゆるアメリカンドリームはイタリアにいたら叶えられるのか?といった当時多くの人たちが強く思っていたであろうことを、描いてみたいと思ったんです。
──製作にあたってこだわった点やインスピレーションを受けたものは?
■アレッシオさん:ストーリーとキャラクターをどれだけ深掘りできるか。そしてイメージや音、衣装、歴史的なリサーチはかなりします。でも言い伝えの要素もあるので、自分たちの解釈も若干入ってもいいのかなと思いながら作っています。
逆に質問したいのですが、あなたはこの映画のどんなところが印象に残りましたか?
──私は主人公の二人が、惹かれ合いながらも時には反発しあって、それでもやっぱり離れられないというところに人間味を感じました。お互いの存在をよりどころにしていたのだろうなと思いました。
■アレッシオさん:なるほど、ありがとうございます。
■マッテオさん:日本に来てから初めて言うのですが、私たちは日本のマンガや映画が大好きなんです。特に60年代の巨匠たち、例えば勅使河原宏監督*の作品などについて、今でもよく話すんです。(華道家・映画監督。『砂の女』でアカデミー賞にもノミネートされた。型破りな映像美と緊張感ある構図で、人間の欲望や自然とのせめぎ合いを詩的に描いた異才)だから日本の影響をとても受けています。
──今回初めて日本に来てみていかがですか?
■マッテオさん:想像以上に、“日本らしさ”を感じます。
■アレッシオさん:私にとっては日本とイタリアの文化は全然違うものです。例えば秩序とか。イタリア人はそんなことないですよね。あ、でも食後にカプチーノは絶対飲んじゃいけないとか、魚にパルミジャーノをかけちゃいけないとか変なルールはありますね(笑)違いはあるけれど、日本にもイタリアの文化の匂いを感じて、惹かれるものがありました。
──この作品を通じて、どのようなことを観る人に伝えたいですか?
■アレッシオさん:私たちの映画は答えを出している映画ではないと思っていて、観た方によって捉え方が違う。テーマが種であれば、作品の中にある多くのテーマを、皆さんがどう育ててくれるかな?と思いながら皆さんの反応を見ています。
■マッテオさん:先日の上映挨拶で、お客さんから「馬とカエルは変化の象徴ですか?」と聞いてくれて、日本の方には主人公たちが変わっていく姿を感じ取ってもらえたのかなと思いました。
──確かに、主人公たちが色々な出来ごとを経て意識が変わってゆく姿に、自分自身を重ねながら魅入ってしまいました。20世紀のイタリア、西部劇、そしてファンタジーも……あらゆる要素が絡み合いながらも、自分ごとに思えるような展開で、惹き込まれる作品でした。どうもありがとうございました!
日本でも配給が決まったら、ぜひぜひ皆さんに観ていただきたいです!
(試写レヴュー&監督インタヴュー:編集部 宮丸明香)
出演:ナディア・テレスキウィッツ、アレッサンドロ・ボルギ、ジョン・C・ライリー
本作の上映日時
■10/29(水)10:00- @TOHOシネマズ シャンテ スクリーン1
登壇ゲスト(予定):Q&A:アレッシオ・リゴ・デ・リーギ(監督/脚本)、マッテオ・ゾッピス(監督/脚本)
■10/31(金)18:55- @ヒューリックホール東京
登壇ゲスト(予定):Q&A:アレッシオ・リゴ・デ・リーギ(監督/脚本)、マッテオ・ゾッピス(監督/脚本)
■11/03(月)20:20- @ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター1
▶︎作品の詳細、チケットのご購入はこちら
https://2025.tiff-jp.net/ja/lineup/film/38002CMP05
第38回東京国際映画祭
開催期間:2025年10月27日(月)~11月5日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:https://2025.tiff-jp.net/ja/
コピーライト:©2025 TIFF
2025年10月27日(月)~11月5日(水)、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催されている「第38回東京国際映画祭」にて、イタリア映画『裏か表か?』(原題:Testa o croce?/監督:アレッシオ・リゴ・デ・リーギ、マッテオ・ゾッピス)が上映されます!今年5月のカンヌ映画祭にて初上映、イタリアでは10月2日に劇場公開されたばかりの作品です。

■作品紹介
20世紀初頭の北イタリアの農村地帯。アメリカから来た、バッファロー・ビル率いる「ワイルド・ウエスト・ショー」の一座が多くの観客を集めている。暴力的な地主の夫ルイジの抑圧に耐えていたローザは、ショーの会場で牧童のサンティーノに出会い、魅了される。その後、酒場で起こったいざこざのなかでサンティーノはルイジを撃ち殺す。賞金首となったサンティーノとともに、ローザは山岳地帯に逃亡する…。アメリカ西部の英雄譚がヨーロッパ人を魅了していた時代を背景に、自由を求める女性のラブロマンスがガン・アクションの中で描かれる、西部劇へのオマージュにあふれた作品。実在の興行師バッファロー・ビルをジョン・C・ライリーが演じている。![]() |
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短編ドキュメンタリー“Belva Nera”(13)と、映画賞を受賞したドキュメンタリー“Il Solengo”(15)から共同監督としてタッグを組んでいる。初の長編フィクション“The Tale of King Crab”は2021年のカンヌ映画祭監督週間で初上映された。農村に伝わる民話や伝説、不完全な口承伝承に焦点を当てた作品で知られる。
■試写レヴュー
孤高のカウボーイが貫く正義の精神……惹かれ合う男女が未開の荒野を駆け抜けていくラブロマンス……だけじゃない。ハラハラドキドキの劇的な展開の中には、「自由になりたい」「何者かになりたい」そんな気持ちが招いた選択によって、抗えない運命に追われていくという、なんとも言えぬ人間臭さと雑味がありました。“イタリア好き”的には、途中映し出される農村の昔ながらの暮らしの様子が興味深かったです。国家統一の裏にもあったであろう争いも描かれており、なかなか考えさせられました。
正義とは?孤独や死に対する心の拠りどころとは?真の自由とは?そんな問いも浮かんでくるような、見応えある作品でした!
■監督インタヴュー
監督・脚本を手がけたアレッシオ・リゴ・デ・リーギさんとマッテオ・ゾッピスさんに、オンラインでインタヴューを行いました!
■アレッシオさん:今回は20世紀のイタリアという過去を舞台にすることで、いろんなテーマを自由に描けると思ったんです。例えば当時の社会情勢や、歴史的なこと、それからいわゆるアメリカンドリームはイタリアにいたら叶えられるのか?といった当時多くの人たちが強く思っていたであろうことを、描いてみたいと思ったんです。
逆に質問したいのですが、あなたはこの映画のどんなところが印象に残りましたか?
■マッテオさん:日本に来てから初めて言うのですが、私たちは日本のマンガや映画が大好きなんです。特に60年代の巨匠たち、例えば勅使河原宏監督*の作品などについて、今でもよく話すんです。(華道家・映画監督。『砂の女』でアカデミー賞にもノミネートされた。型破りな映像美と緊張感ある構図で、人間の欲望や自然とのせめぎ合いを詩的に描いた異才)だから日本の影響をとても受けています。
■アレッシオさん:私にとっては日本とイタリアの文化は全然違うものです。例えば秩序とか。イタリア人はそんなことないですよね。あ、でも食後にカプチーノは絶対飲んじゃいけないとか、魚にパルミジャーノをかけちゃいけないとか変なルールはありますね(笑)違いはあるけれど、日本にもイタリアの文化の匂いを感じて、惹かれるものがありました。
■マッテオさん:先日の上映挨拶で、お客さんから「馬とカエルは変化の象徴ですか?」と聞いてくれて、日本の方には主人公たちが変わっていく姿を感じ取ってもらえたのかなと思いました。
日本でも配給が決まったら、ぜひぜひ皆さんに観ていただきたいです!
(試写レヴュー&監督インタヴュー:編集部 宮丸明香)
『裏か表か?』
監督・脚本:アレッシオ・リゴ・デ・リーギ、マッテオ・ゾッピス出演:ナディア・テレスキウィッツ、アレッサンドロ・ボルギ、ジョン・C・ライリー
本作の上映日時
■10/29(水)10:00- @TOHOシネマズ シャンテ スクリーン1
登壇ゲスト(予定):Q&A:アレッシオ・リゴ・デ・リーギ(監督/脚本)、マッテオ・ゾッピス(監督/脚本)
■10/31(金)18:55- @ヒューリックホール東京
登壇ゲスト(予定):Q&A:アレッシオ・リゴ・デ・リーギ(監督/脚本)、マッテオ・ゾッピス(監督/脚本)
■11/03(月)20:20- @ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター1
▶︎作品の詳細、チケットのご購入はこちら
https://2025.tiff-jp.net/ja/lineup/film/38002CMP05
第38回東京国際映画祭
開催期間:2025年10月27日(月)~11月5日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:https://2025.tiff-jp.net/ja/
コピーライト:©2025 TIFF








































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