大西奈々 のすべての投稿

ジェノヴァのクリスマスマーケット

今年もデ・フェッラーリ広場のクリスマスマーケットはとても盛り上がっていました!

開催中に大雨警報が出たりして、出店者の方々はご苦労されたようですが、クリスマス前最後の週末は良いお天気に恵まれてたくさんの人たちで大賑わいでした。

奥様方に毎年大人気の植物コーナーは、赤と緑のクリスマスカラーの鉢が並び、華やか!


このクリスマスマーケットはリグーリア州の特産物などが揃っているのが特徴!

他の町のマーケットではない、面白いお菓子なども並んでいます。(お手頃なお値段のお菓子セットもあって満足です!)


クリスマス菓子も、普段はない珍しい味のものがあったり。。お値段が分かりやすくて、買い物しやすいのも良いです。


リグーリア州のカラフルな建物の陶器のミニチュアが飾ってありました。とってもかわいくて、全部揃えたくなってしまいます。


この後フエーゴと呼ばれる行事があったため、どんどん人がやってきました。


カンポリグレという街の銀細工(フィリグラーナ)の職人、ダヴィデさんとお母さま。全て手作りの繊細なアクセサリー。

私は長年彼らのファンで、いつも素敵なイヤリングやペンダントを作って頂いています。


クリスマスツリーの飾り。天使がお祈りしています。

職人さんと直にお話しできることも、マーケットの楽しみのひとつです。


他にも地ビールが飲めるブースや、小さな田舎町にある個人店の手作りシロップやジャムなども!

お世話になった人へのプレゼントはもちろん、自分へのご褒美という名目で、いっぱい買い物をしてしまいました!

 

明日はいよいよクリスマス本番!

食レポする予定ですので、どうぞお楽しみに♪

Buon Natale!

 

 

赤の宮殿の最新情報!修復工事のため1年間休館

お久しぶりです!しばらく日本に帰国していました。

こちらへ戻ってきたらジェノヴァは毎日毎日、大雨と暴風。特に洗濯物が乾かず困りました… ※こちらは秋は雨季

そして大雨警報が発令された翌日、電話と家のWi-Fiが使用不可能に!ずっと圏外で、ネットが使えず陸の孤島に……。

不安になり、契約している携帯電話の支店へ行くと、店の前にはたくさんの人が集まっていました。

リーグリア州のvodafoneの電波塔が大雨でやられてしまったらしく、6時間ほど電話とネットが使えない状態になりました。

大雨が丸々1ヶ月続いたため、地盤が弱くなっていてあちこちで地滑りが発生していました。恐ろしい…

そんなこんなで、秋は日本で穏やかに過ごしたいなあ〜と、ひしひしと感じました。

ようやく憂鬱な秋は終焉を迎え、冬の到来です。


街はすっかり賑やかなクリスマスムードですが、ひとつ悲しいお知らせが……。

世界遺産に登録されたストラーダ・ヌオーヴァにある、貴族のお屋敷「赤の宮殿」が本日で1年間の休館します。


主に電気系統の修理と、建物の修復を行うためだそうです。

ジェノヴァの観光の有名スポットのひとつなので、しばらく寂しくなります。

美術館の関係者たちから休館の噂は半年くらい前から聞いていましたが、いつからなのか、その期間については未定〜で、とりあえず年内は開いているだろうと皆さん話していました。

しかし今週金曜日に突然市が休館を発表し、3日後の今日で最終日となりました!(急すぎでびっくりしました)

最終日なので、最後に訪問して参りました!人でいっぱいかと思いきや、空いていました。多分みんな休館のことを知らないのだと思います……

今回は私の大好きな二階部分(日本で言う三階)の紹介します。次回、他の階をまとめて紹介したいと思います。


↑ゴージャスな寝室


↑大広間

(第二次世界大戦で被害を受けたため、残念ながら天井のフレスコ画はダメになってしまいましたが、シャンデリアは外して別の場所へ移動していたため無事でした。美しいデザインの床もオリジナル)


↑赤の宮殿から見える、白の宮殿とお庭(お庭が地上階ではなく、二階、三階にあるのが特徴)


↑四季がテーマの四部屋があり、こちらは春の間の天井のフレスコ画。愛の神ヴィーナスと戦いの神マルスが恋に落ちる瞬間が描かれています。

写真ではわかり難いのですが、四方にいる天使たちの脚や腕が飛び出していて(浮き彫りになっている)、目の錯覚を使用した、奥行きと立体感のある天井です。


↑有名なヴァン・ダイクの作品。赤の宮殿の建築をオーダーしたブリンニョレ・サーレ家の主人(左)とその奥様(右)。愛のない政略結婚が多かった時代に珍しく、相思相愛のラブラブ夫婦だったそうです。お

屋敷が完成する前に、奥様は残念ながら早くに亡くなってしまい、旦那様はショックで出家します。2人がこの赤の宮殿に住む事はありませんでした。


↑秋の間の天井。金色のぶどうがたくさん実っています。真ん中下に座る杖を持つ太った人物は、酒の神バッカス。袋から垂らされたワインをごくごくと飲んでいます。


↑冬の間。この部屋は他の部屋と違って、パチンと手を叩くと反響がとても良いのがわかります。(ぜひ試してみて下さいね)

音楽を楽しむために使われていたお部屋だったそうですよ♪


↑崩壊がテーマの廊下。神話の登場人物たちが描かれています。

現在は雨風を凌ぐ為ガラス張りになっていますが、当時は吹きさらしでした。この廊下から、ジェノヴァの旧市街地が間近によく見えます。

●これからの情報

赤の宮殿の開館の情報が入りましたら、いち早く皆さまに報告しますね!

なお、白の宮殿とトゥルシ館は変わらず開館しています!

赤の宮殿のいくつかの重要な作品たちは、白の宮殿に移動して展示される予定です。

白の宮殿の4階部分(今まで公開されていなかった)などのスペースを利用するそうです。乞うご期待!

 

●追記

この度ミラーレスカメラを購入しました!今まで携帯電話のカメラで撮影していたのですが、より美しい写真で、美しいジェノヴァの風景と皆さんに見ていただけるよう、頑張ってカメラの腕を上げていきたいと思います!

更新の頻度も増やして行く予定です!!

これからもよろしくお願いします♪

Nana

旧市街地にある子授けスポット

旧市街地の中にある教会、Basilica di Santa Maria delle Vigne (バジリカ ディ サンタ マリア デッレ ヴィニェ)についてご紹介したいと思います!

とっても古い教会で、10世紀に建てられました。(その後改築され現在の姿に)

Vigneとは葡萄畑のことで、昔は、この辺りに葡萄畑があったそうです。

今は建物(それでも14、15世紀ごろからある)が立ち並んでそんな面影は一切ありませんが…!

この教会に入って右手すぐにある一角に、子宝スポットがあるのです。

一本の柱の周りに大量のよだれかけ!


左側は男の子の名前、右側は女の子の名前が刺繍されたよだれかけが飾られています。


これは恐らく古代ローマ人が作った古い柱と伝えられていて、この教会を建てる時(10世紀)に使用されたもの。

その後14〜15世紀にマリア様がイエスに授乳する様子が描かれました。

18世紀に後期バロック風の金色の装飾のケースで囲われる今の姿になりました。(この教会がバロック風の装飾なのでそれに合わせて)

 

それにしても数え切れないほどのよだれかけ…ご利益があるのでしょうね。

日本でも子宝神社や安産祈願などがありますので、イタリア人もこんな風に神さまにお祈りするんだなぁと接点を感じました^ ^

皆さんに幸あれ〜ということで私もお賽銭を入れてロウソクを立てました。

すると若い女性がお祈りに来ました。2人目を授かりたいみたいでしたよ!

本人だけでなく、友人や家族も祈祷に来るみたいです。

ちなみに、この左隣の祭壇、一見普通の祭壇ですが少し変わっています。 

「郵便配達人たちの協会の祭壇」(現在の郵便、電信、電話局員)とプラカードに書いてありました。

教会内の小さな祭壇は、ほとんどが「○○家」と貴族の名字が連なっているのですが、こちらは通信関連の仕事の団体の寄付金によって作られたもののようです。珍しい!

 

さてさて、先日までジェノヴァで毎年開催されるヨット、ボートの大きな展示会がありました。毎年街の中が少し盛り上がるのですが、今年はGENOVAという名前の香水が街中に置かれました!


この展示会のために作られた香りだそうです。

さてその香りとは……!

バジルがベースになった、うーん……悪くはないけど、どうなんだろうか…まあ、感想に難しい微妙な香りでした。(私の個人の意見です笑)

バジルが結構前に出ているので、どうしてもジェノヴェーゼソースのことを思い出してしまい、香りに酔うというより、お腹が空くという香り…かな。笑

中心地の至る所(時に個人経営のお店の前など)に展示されていますので、ぜひ興味のある方は是非ジェノヴァをイメージして作られた香水を嗅いでみてくださいね!

マンマの手作りストッカフィッソ・アッコモダート

お久しぶりです。しばらく日本に帰国していて更新が遅くなりました。みなさんお元気ですか?

久しぶりに家族が大集合して、テラスでの夕食会がありました。

今回はストッカフィッソ(Stoccafisso)というタラの干物がテーマの夕べと聞いていました。

マンマは大量にストッカフィッソを買ってきて、今回は2種類のおかずを作ってくれました。

軽く前菜があった後、プリモはなく、いきなりセコンド、Stoccafisso accomodatoというリグーリア料理が大きなお鍋に入って運ばれてきました。


旦那のマンマの作るストッカフィッソ・アッコモダートはトラットリアやレストランで食べるよりも遥かに美味しいです…。みんなお代わりをしたので、あっという間に大きなお鍋は空っぽに。

そのあと、また別のストッカフィッソのおかずが登場。

お話が盛り上がってしまったこともあって、写真をうっかり撮り忘れてしまいましたが、(ごめんなさい!)

ストッカフィッソとゴロゴロに湯がいた大きめのジャガイモをアンチョビ、オリガノ、オリーブオイル、レモンで和えた冷製サラダ、insalata di stoccafisso alla ligure(リグーリア風ストッカフィッソのサラダ)です。

ケイパーとオリーブの実が入ることもあります。

レモンの酸味が効いて、夏の暑い日食欲のない日でも食べたくなる大好きなお料理です。

みんな、「もうお腹いっぱいだよ〜」と言いながらも、しっかりおかわりしてこちらも完食。

マンマ…いつも美味しいお食事を作ってくれてありがとう…。

 

さてさて、最近よく足を運ぶ、メルカート オリエンターレの中にできたMOGというフードコートとドリンクバーのある場所があります。

そこで飲むことができる、バジルのリキュールを使った、ジェノヴァをイメージしたカクテルがとっても美味しい!

(カンパリのグラスに入っていますが、カンパリは入っていません)

すっきりしていて飲みやすいので、オススメです!

本場レッコで食す!街で一番美味しいと評判の「フォカッチャ ディ レッコ」

イタリアにはいろんな種類のフォカッチャがあります。

私の住んでいるジェノヴァではフォカッチャ ジェノヴェーゼという、薄くてサクサク&モチモチのものが有名です。

そして、リグーリア州にはもう一つ有名なフォカッチャがあります。

ジェノヴァから電車で約30分の港街、レッコ。


この街の名物といえば…「フォカッチャ ディ レッコ」! (レッコのフォカッチャ、の意味)。

恐らくみなさんが想像する「フォカッチャ」とは全く異なる食べ物です。私達はフォカッチャというとパンをイメージしますが、パンではありません。

薄くてサクサクの二重の生地の中に、白いフレッシュチーズが入っていて、オーブンで香ばしく焼き上げられた食べ物です。


ジェノヴァや、その他の街では、「フォカッチャ アル フォルマッジョ」(チーズ入りフォカッチャ) という名前で知られています。しかしそれらは、正式にはフォカッチャ ディ レッコではなく、「レッコ風のチーズ入りフォカッチャ」です。

「レッコ風」、というのが重要!

「フォカッチャ ディ レッコ」は、ヨーロッパで定められているご当地品保護ルール、IGP(決められた場所で決められた工程で作られた物だけをその名前で呼ぶことができる)により守られています。

よその街で作ったものや、似たような材料で作った似たようなものを、フォカッチャ ディ レッコと呼ぶことはできません。そのため、レッコ風のフォカッチャは、フォカッチャ アル フォルマッジョ等の名前で販売されています。

本物のフォカッチャ ディ レッコを食べたいなら、レッコへ行来ましょう!

私はこの有名なフォカッチャ ディ レッコを何年も前にレッコでイタリア人の友人に連れられて食べた事があるのですが、

それはそれは、想像以上に美味しかった!!

ちなみにPizzeria Del Ponte Recco というレストランです。お勧めです。

地元に人手ごった返していました。こちらはフォカッチャだけではなく、ピッツァやおかずも提供してくれました。

その当時はこれがレッコでしか食べられない名物料理とは知らず、もっと有り難く頂けばよかった…、と後悔していました。

急に、またレッコのフォカッチャが食べたいな〜と思い、弾丸でフォカッチャだけを食べにレッコへ行ってきました!


何も計画せず思い立って乗った電車だったため、レッコに着いた時間が悪く、どこのパン屋さんもあいにくお昼休憩で閉まっていました。汗

天気が良かったので、海を見ながら開店を待ちます…

あともう少ししたら海水浴ができそうです。

(お店によりますが13:00くらいから16:30くらいまで閉まっているので、皆さんも気をつけてくださいね。)


ずっと行きたかった、Moltedoというフォカッチャ屋さんへ到着!

美味しいフォカッチャ ディ レッコが食べられるお店トップ5などのランキング記事で、第1位を獲得し続けている老舗のパン屋さんです。レッコに住む友人にも以前からお勧めされていました。


今回は、レストランで座ってゆっくり食べる〜というより、少量をパッと食べて、電車に乗ってパッパッと家へ帰りたかったので、駅からも近いこのパン屋さんの存在は有り難い!


念願の本場のフォカッチャ ディ レッコ!ありました!

いい匂い、いい焼き色…。期待は膨らみます。

お店の人に、一切れをお願いしました。

先にお会計かな、と思っていると、

「座って食べるかい?お代わりするかも知れないだろうから、お会計は後でいいよ!」と言われました。

お代わり…?

フォカッチャ屋さんで、「お代わり」というワードは珍しいなあので印象に残りました。

レッコの方たちはよくお代わりするのかしら、と思いながら、

店内にカウンター席があったので、座って食べることにしました。

 

さてさて。そのお味はというと…

期待以上の美味しさでした!!!

ジェノヴァで食べるレッコ風フォカッチャとは比べものにならないくらい、チーズが濃厚でした!

そして、生地自体が美味しい。特にボルドと呼ばれる生地の端は、香ばしくパリパリに焼きあがっています。

すぐにペロリと食べてしまい、

あ…そういえばお代わりできるんだったっけ。と思い出しました。笑

お店の人に、「お代わりします。」というと、同じお皿にまた入れてくれました。

たしかに。お代わりしてしまう美味しさで、納得でした。

小さなプラスティックのお皿に乗せられる量がどうしても決まっているので、たくさん食べたい方は何度もお代わりをするのでしょう。

私もあともう一回くらいお代わりしたくなってしまいましたが、晩御飯が待っているのでグッと我慢。


私がお店を出たあと、カッペリやトマトソース入りのピッツァータというフォカッチャも出てきて、あ〜これも味見したかった〜!と思いながら電車の時間があるので断念しました。


驚いたのはお値段です!めちゃくちゃ安い!

私たちは2人でフォカッチャ4切れとコカコーラ一本を頼み、5ユーロでお釣りが出ました……。

ジェノヴァ市内でレッコ風フォカッチャを食べたら、もっともっと値段は高いです。

レッコまで、本物のフォカッチャ ディ レッコを食べに来る価値は大有りです!この味はレッコでしか味わえません。

 

駅チカ!海が一望できる!レトロなトロッコで山の上へ。

Genova Piazza Principe駅から徒歩すぐ、山の上へ続くロープウェイ乗り場があります。

大型クルーズ船の停船する船着き場 Stazione Marittima の目と鼻の先の距離。


ロープウェイというより、トロッコのような乗り物。

バスや地下鉄と同じチケットで乗ることができます。(乗車前に刻印を忘れずに!)

1901年に開通。

中心地と山頂のGranarolo地区を繋ぐために作られた路線です。

途中に停車駅があり、全部で9駅です。

地元の人たちがバスのような感覚で日常的に使用している乗り物です。


レトロな木製の車内。こちらは1929年製。

西暦の横の VII はファシスト時代7年目という事。


この乗り物は斜めに坂を登るので、席に座っているとお尻が滑ってしまいます。横のおばさんの方へ体が斜めに下がっていき、ごめんなさい!と謝りましたが、気にしないで〜と言われました。


細い坂道をどんどん登って、だんだん高台へ…!

初めは住宅街の中を進んでいきます。

色んな人のバスコニーや洗濯物などがすぐそばに見え、不思議な風景です。

見て良いのやら…と思いながらもチラチラ見えるので見てしまいます。(白は白、黒は黒だけで洗っていて、関心。)

 

時々駅の壁の上で猫が気持ちよさそうにお昼寝をしています。

この日は4匹も目撃しました。猫好きにはたまりません。

次第に見晴らしが良くなっていきます。

 


頂上の駅に到着!

空気が澄んでいてとても気持ちいい〜!

トロッコに乗る前は車のクラクションや電車の音など騒がしかったのですが、こちらでは鳥のさえずりや木々の葉の音しか聞こえません。

駅の上からジェノヴァの街が見下ろす事が出来ます。

 

山頂のGranaroloは小さなボルゴ(古い地区)があり、

昔の街並みが今でも丁寧に残されています。

残念ながらこちらにレストランやバールがあるわけではないので、ここで何かをして楽しむ…ということは出来ませんが、古い田舎の景色やかわいい住宅が続くので、少し歩いて回ってみると楽しいです。

この日、二駅分だけ小さな小道を下ってみました。

時々坂道を登っていくお年寄りの方たちとすれ違いました。

みなさん、足腰が丈夫です。


このような乗り物がいくつもあるのがジェノヴァの特徴!

乗り物好きの方や高台のパノラマがお好きな方はぜひ挑戦してみてくださいね。

本数が少ないので、時刻表をチェックすることをお勧めします。

深夜まで動いているので、一度夜景を見に訪れたいと思います。

オフシーズンに訪れるカモッリとサン・フルットゥオーゾの魅力

みなさんこんにちは。

3月になりましたね。今年のジェノヴァの冬は不思議です。

珍しく大雪が降ったかと思えば、

2月の後半は小春日和の暖かい日が続きました。

ダウンでの外出は暑すぎるため、革ジャンなどの軽装で街を歩く人をたくさん見かけます。(ただし朝晩は冷えるので要注意!)

私もマフラーを着用せず外出するようになりました。通年、2月はとても寒いのですが、今年は寒さはそれほど感じません。

2月中旬ごろに、カモッリへ行きました!

カモッリはジェノヴァから電車で30分ほどの小さな観光地。

カラフルな建物が海沿いに並び、とても綺麗です。


春から夏にかけてヨーロッパからの観光客で大変賑わうのですが、2月はオフシーズン。朝のカモッリはとても静かで、のんびり歩くのに最適でした。

いつも来たら立ち寄るお気に入りのフォカッチャ屋さんへ行きましたが、シャッターに長期休暇中の張り紙が・・・。他にもいくつか休暇中のお店を見ました。

カモッリは春から秋に観光客数がたくさん訪れるので、その期間はお店を開け、観光客が少なくなる冬季にお店を閉めてバカンスに行っているのかもしれませんね。

そうは言っても大半のお店は通常営業していましたよ!

裏通りを歩いていたらどこからか良い匂いがしたので

その匂いにつられて甘いものを買いにお菓子屋さんへ。


カモリエーゼという地元のお菓子を見つけました。

カカオ味の生地にラム酒、カフェ、ジャンドゥーヤ、アマレットなどのクリームが入っているもの。(写真のショーケース下段)

また、アーモンド生地バージョンもあり(写真のショーケース上段)、オレンジ味、アーモンド味、アマレット味・・・と種類も豊富。

ジェノヴァでは見たことのないお菓子のため、興味深くショーケースを覗いていると、

気さくなお店の主人が

「ひとつ味見してみるかい?!」

とラム酒味のカモリエーゼを半分に切って渡してくださいました。

とてもやわらかく、口当たりがまろやか。

口の中でとろけて、ラム酒がふわっと広がって大人のお菓子・・・!という印象です。

大粒のチョコレート・トリュフと言いましょうか・・・

とにかく、カモッリに来たらぜひ味見をしていただきたいお菓子!

お店の主人によると、これまでに日本で開催されたイタリア料理のイベントに呼ばれたことがあり、東京などでカモリエーゼを日本の皆さんに紹介、販売したことがあるそうです。

イタリア情報雑誌などでも複数回取り上げられたりと、実は有名なお店だったことが発覚。

特にラム酒味のものが一番人気で定番の味なのだそうです。

カモッリに寄ったら、Pasticceria Revelloへ!

その後、天気が良いため、カモッリからすぐ近くのサン・フルットゥオーゾという小さな入江へ、船で向かいました。


観光シーズンになると、この船はお客さんでいっぱいに溢れかえるのですが、今回は両手で数えられるほどの人しか乗っていませんでした。

(しかも乗客のイタリア人に話を聞いていると、半分以上のかたが仕事で乗っている人たちでした。)

今回は残念ながらいませんでしたが、運が良いと船の上からイルカが泳いでいるのが見えますよ。


さて、15分ほどの船の旅で、あっという間にサン・フルットゥオーゾへ到着!

ここへは何度も足を運んでいますが、ビーチに人が1人もいない風景は初めてみました・・・。

夏にはここにパラソルが立ち並び、足場がないほど海水浴をする人で溢れかえるのですが、今回この風景に感動しました。

こちらにある白い建物は、元は修道院で、内部に修道士たちやジェノヴァの有名な貴族、ドーリア家の人々のお墓があります。

俗世間から離れ、ひっそりと永い眠りにつくのに素晴らしい場所だったのです。

観光シーズンとはまた違う、本来のこの土地の美しさに出会えて、幸せなひと時でした。

お天気にもよりますが、冬のカモッリ、サン・フルットゥオーゾへの観光もなかなか素敵ですよ!


船は、オフシーズン中は1日1、2本しか運行していませんので、サン・フルットゥオーゾへお越しの際はご注意くださいね。(天気が良くても風が強いと運行しない場合があります。)

 

リグーリア版のモノポリー!寒い季節にぴったりのボードゲーム「パランケ」

夏は暑過ぎず、冬は寒過ぎず・・・で知られるジェノヴァですが、ついに寒波がやってきました。

先週、珍しく雪が降り、数時間で町中が真っ白になりました!「雪が積もるなんて何年ぶりかしらね〜」と近所の奥様たちが話をしていました。

そして今日も雪の注意報が出ましたが、街中は雪は降らず、山の上だけが真っ白になっていました。

しかし寒い!!!

もちろんこの国にはもっと寒い地域がもちろんあるのでしょうが、寒さに慣れていないジェノヴァでの寒冬は厳しいのです・・・。

まず住宅が寒さに対応していません。

窓ガラスは二重ではありませんし、我が家のセントラルヒーティングは零時を境に止まるため、靴下を履かなければ寒くてとても眠れません。

そんな寒い季節は、出来る限り家から出たくありません!

でも家の中にずっといるのも退屈です。

今回は、この街でじわじわとブームになりつつある卓上ゲームがあるので、ぜひご紹介したいと思います。

家の中で家族で集り、退屈しのぎにぴったりのゲームです。

このゲームは数年前に販売が開始され、現在は巷で有名になってきています。

ジェノヴァの街を歩いているとショーウィンドウによく飾っているのを見ますし、なにより口コミで「おもしろい」と伝わり、所有率がどんどん増えているそうです。


その名は「パランケ」!

我が家にも遂にやってきました。(クリスマスプレゼントで貰った)

ルールはいたってシンプルで、土地を買い、お金を稼ぎ、さらに所有する敷地内に建物を建てる、というもの。(8歳以上〜)

ゲームの名前である「パランケ」はジェノヴァの言葉で「お金」という意味。

ユーロのかわりに、パランケをお金の単位にし、

10パランケ、50パランケ、100パランケ、500パランケのお札を使います。


モノポリーで遊んだことがある人には簡単に楽しめるゲームです!モノポリーをもっと簡素化したものです。

さて、なぜにこのゲームはジェノヴァの人たちの心を掴んだのでしょうか!?

要点をまとめてご紹介いたしたいと思います!

①土地や道、建物の名前が実際に存在するもの


ジェノヴァを訪れことがある人、住んでいる人が知っている通りや建物の名前が使用されています。親近感が湧くため、ゲームは大盛り上がりです!

高級住宅地などは、土地代も良いお値段。そこに家を建てるとなればさらにお金が必要・・・!

②ジェノヴァ特有の地形が生きたゲーム


海と山が近い地形のため、たくさんの階段や坂道があることがジェノヴァの街の特徴のひとつ。

高台に住んでいる人たちの生活手段となっている乗り物、エレベーター(山の中を通り、高台までひとっ飛び)も発見!

10パランケを支払うと地上の道へワープできるようになっています。

他にも海沿いを走る高速道路もワープとして採用されています。

③地元の方言がたくさん使われている


地元の言葉がカードに書かれていておもしろい!書かれている内容もおもしろいです。

私や小学生の孫たちは「これってどういう意味?どうやって発音するの?」と聞いて、遊びながらジェノヴァ語の学習にもなります。

④紙幣の有名人のチョイスが洒落ている


ジェノヴァの有名人4名がお札になっています。

日本で有名なのは100パランケ札のコロンブスくらいでしょうか。

世界史が好きな方は500パランケ札のアンドレア・ドーリアをご存知のはず。

50パランケ札はイタリアで超有名なシンガーソングライター、ファブリツィオ・デ・アンドレ。

10パランケ札は歴史的に有名なコメディアン、ゴーヴィ。

 

さて、いかがでしたでしょうか。

ジェノヴァを訪れた方なら、絶対に楽しめるゲームなので、お土産やさんでの売れ行きもとっても良いのだそう。

遊びながらジェノヴァについて学べるゲームなので、今年のクリスマスにはプレゼント用にたくさん売り上げたそうです。

先日、パランケが遊べるゲーム屋さんを見ました。(知らない人同士で対戦するためのお店)

冬の寒さも忘れるほど熱中する人続々です!

ゲーム嫌いの私もハマってしまいました・・・。

サヴォーナで愛される老舗のパニッサ屋さんへ。

ジェノヴァからフランス方面へ行く電車で約45分の街、サヴォーナへ足を運びました。

歴史のある大変古い港街なのですが、これまで観光地として特別有名というわけではありませんでした。しかし最近は週末になると大きな観光クルーズが港に停泊しヨーロッパの観光客が増えて以前よりも賑わっています。

システィーナ礼拝堂、要塞、陶器の美術館(隣町アルビソーラのセラミックがたくさん展示されている)など、見所もある面白い街です。

用事を済ませ旧市街地をブラブラしていたところ、狭くてどこか趣のある小道を見つけ、「もしかしたら大通りへの近道かな!?」と思い歩いてみることに。

すると、なにやら一軒の小さなお店の前で(イタリアでは珍しく)行列ができていました。

「一体何が売っているのかな…?」と店内を覗いてみるも、幅2メートルほどの細い道にたくさんの人たちが固まっており、お店の中の様子がなかなか見えません。

 


聞こえてくるジェノヴァ弁(リグーリア州の方言)の様子から、地元の人が通うお店のなのだろうと推測!とりあえず列に並んでみることにしました。

すると香ばしい香りとともにパニーノを手にしてニコニコ顔でお店を出てくるお客さんたち…。

そのパニーノの中身がどうも変わっている…。

お肉ではないし、野菜でもない。

なんだろう!?と思い、お店の看板を見てみると…

「Casa della Panizza」
(パニッサの家の意)

どうやらパニッサ屋さんのようです。


パニッサはリグーリア州で食べられる家庭料理のひとつで、ひよこ豆の粉、オリーブオイル、塩と水でできたシンプルなもの。(ファリナータと同じ材料で寒い季節に食べられます)

フライにしたり、オーブンでカリッと焼き上げたり、また、作りたては生のままレモンとオリーブオイルを、もしくはツナ缶とオリガノを合わせてサラダのようにして食べます。

しかし、パンのなかに挟んでパニーノとして食べられているのはジェノヴァでは一度も見たことがなく、興味津々!


窮屈な店内は順番を待つ人でいっぱいです。

家庭的な雰囲気で、知り合いの家のキッチンにお邪魔した時のようなほっこりする気持ちになります。

そして壁には大量のパニッサ(生)が並べられています。
常連さんたちはそれらを複数買い、お持ち帰りしていきます。
今晩家でサラダにしたりフライにして食べるのかな〜!?と横目でお客さんたちを追う私。

そうこうしている間に順番が回ってきました。

パニッサのパニーノにはいくつか種類があります。

シンプルにフライにしたスライス状のパニッサをパンに挟んだもの、

マヨネーズ入り、ケチャップ入りの三種類があります。

どれにするか少し悩みましたが、今回はパニッサそのものの味を楽しみたかったので、一番シンプルなパニーノを注文することに。

お店のおばあさんに「パニッサに塩を振りかけてもいいかい?」と聞かれたので、「お願いします」と伝えます。


 

さて、できたてのパニーノを一口頬張り…

「ん〜〜!これはたまらない!!」

パニッサとパン、初めて食べる組み合わせでしたが、この2つが想像以上に相性が良いのです!シンプルイズベストとはまさにこのこと。

パニッサは大変薄くスライスされており、サクサクした食感。これが柔らかくてあっさりした白パンとよく合うのです!
そしておばあちゃんのかけてくれた塩加減がちょうど良いのです…

家の近くにないのが残念!

しかもひとつ2ユーロ。日本円で約260円ほどというお財布にも優しい価格なのです。(これでも近年値上がりしたのだそうです)

小学生くらいの子供から年配の方たちまで、お客さんの年齢層も幅広く、サヴォーナの人々のファストフードとして長年愛されているわけにも納得です。


入り口付近でパニッサを揚げ続けるおじさん。

常に揚げたてを提供してくれるもの嬉しいですね。

現在の店主、マリア・ナディア・ポッツィさんのひいおばあさんの代からお店の歴史が始まったのだそう。

のちにジェノヴァの友人に聞きましたが、やはりサヴォーナで大変有名なお店なのだそうです!たまたま見つけられてラッキーでした。

もしサヴォーナを訪れることがあれば是非足を運んでみてくださいね。ちょっとわかりにくい場所にありますが、港から徒歩すぐです。Via Piaを歩いていると足元にPanissaと書かれた手書きの看板が置いてあります。

 

○お店の情報○

Casa della Panizza

Vico Crema, 17100 Savona

(以下、店内に営業時間はなどの情報がなかったのでインターネットで調べた結果です。変更などあるかもしれませんがご了承ください。)

日曜日以外は基本的に毎日開いていて、営業時間はだいたい8時〜14時、15時半〜20時。(via Piaに看板が出ていたら開いているサインなのだそうです)

6月半ば〜9月の間は閉まっているそうです。(パニッサは寒い季節の食べ物なので♪)

ジェノヴァ、海と山に囲まれた暮らし。

読者の皆さま、初めまして。
これからリグーリア州の旬な情報を少しずつお届けいたします、大西奈々です。
どうぞよろしくお願い致します。


私が初めてジェノヴァを訪れたのは2011年6月。
学生時代にアルバイトでコツコツと貯めていた貯金で、ひとりで1週間、北イタリアの音楽にまつわる街を周りました。
滞在中、「蝶々夫人」の公演がジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場であることを知り、予定していませんでしたが思い付きでふらっと訪れることに。


コロンブスが生まれた町、というくらいしか知識がないまま訪れたジェノヴァ。

そこには海があり、山があり、海陸風があり、坂道がたくさんあり、港があり、その港には高架高速道路があり・・・。


なぜかこの街に郷愁を感じました。
それはおそらく、私のふるさと、神戸の街と共通点がたくさんあったからでしょう。
「なんだか初めて来た気がしないなあ・・・」と感じた事を覚えています。
一人旅で緊張の毎日が続いていましたが、ジェノヴァではなぜか肩の力が抜けました。

5か月間の留学を決め、2011年11月からジェノヴァに移住。
ただし順風満帆な留学生活がすぐに待っていたわけではありませんでした。
私が日本からジェノヴァに移住するちょうど2日前に、記録的な大雨で街の中心地が水没する、大きな災害が起こりました。

6月に訪れたときはキラキラしていた風景が、一転。
泥にまみれた家や道路、濁流に押し流されて転倒した車や瓦礫の山、悲観にくれた表情の人々・・・。

希望に満ち溢れて日本を旅立った私の目に最初に映った景色は、想像していたものとはかけ離れていました。

さらに、こちらに到着してちょうど7日目。
疲労が続いたのか、お風呂場で気絶し転倒してしまい、打ち所が悪く、救急車で病院へ運ばれて顔(頬)を5針縫う大けがをしてしまいました。

イタリア語が日常会話で精いっぱいだった当時。滞在許可証の手続きに加え、医療関連の手続きや診察に右往左往。また、顔に残った深い傷を毎日鏡で見ては、どんどん自信を失くしていき、もう日本へ帰った方がいいかもしれない・・・と、奈落の底に落ちてしまったような心境の日々が続きました。


しかし、ジェノヴァで出会ったたくさんの人々に何度も何度も助けられ、支えられ、勇気をもらい、だんだんと色んなことをポジティブに考えられるようになりました。

その頃には洪水の被害から街が復旧し、私にも友人ができ、歌の師匠と出会い、受験したい学校がみつかったりと、ジェノヴァを吹き巡る海陸風のように、私の人生の風向きにも目まぐるしい変化が訪れました。

そして私を救急車で運んでくれた命の恩人でもある男性と結婚し、現在は白猫と一緒に仲良くのんびり暮らしています。

夫はジェノヴァ生まれ、ジェノヴァ育ち。ジェノヴァ色の強いその家族(全員近くに住んでいるので家族パーティーが頻繁!)と賑やか(時には賑やかすぎて困っているのですが・・・)な日々を送っています。

とにかく皆、何かと理由をつけては親族で集合し、大きなテーブルを囲んでご飯を食べることが大好き!(中高年の方たちはテンションが上がるとジェノヴァ弁になり、私にはほぼわかりませんが・・・。)


料理が得意な姑から習った郷土料理の数々をこちらで紹介出来たらいいな、と考えています!


山の上に住みスローライフを楽しむ叔父と叔母は、大きな庭を持っていて、そこに生えているオリーブの木から実を摘んでオイルを作ったり、もぎりたてイチジクの実でジャムを作ったりする際に私もお手伝いしに行ったりもします。その様子も今後紹介したいです。

リグーリア州の旬な情報、まだまだミステリアスなこの街の表の顔も裏の顔も含め、日本のみなさまへお伝えしていきたいと思っています。
大好きなこの街のことをたくさんの人たちにしってもらえたら嬉しいです。

どうぞお楽しみに・・・!