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16世紀頃から食べ続けられる野菜パイ「トルタ・パスクワリーナ」とは?!


ジェノヴァの有名な食べ物といえば、ペスト(ジェノヴェーゼーソース)、フォカッチャ、ファリナータなどが思い浮かぶのではないでしょうか。ジェノヴァの人に聞くと、さらにたくさんの料理名をあげてくれますが、そのなかには必ず「トルタ・パスクワリーナ」という答えが返ってくるはずです。こちらは日本ではほとんど知られておらず、よっぽど料理通の方しか耳にしたことがないかもしれません。

トルタ・パスクワリーナとは、ビエートラ(不断草)、プレシンスーア(リグーリア州の代表的な酸味のあるフレッシュチーズ。ヨーグルトとリコッタチーズの中間のような食感)、復活祭のシンボルの卵を丸ごと入れて、オーブンでじっくりと焼き上げたパイのこと。

キッシュとは違い上部もパイ生地で覆われているため、切り分けるまでどこに卵が入っているか分かりません。「マンマミーア!私の分には卵が入っていない!」ということがときどき起こるため、どの切り身にも卵がまんべんなく入るように、大量の卵をパイの中に忍ばせるマンマもいます。

パスクワリーナの名のごとく、パスクワ(復活祭)の時期になるとリグーリア州の食卓に欠かせない食べ物です。復活祭翌日のパスクエッタと呼ばれる祝日には、前日の残りのトルタ・パスクワリーナを持って友人たちとピクニックをし、山の上で食べるのがリグーリア州では定番の様子。数年前に現地の友達とパスクエッタを過ごしたとき、見事に皆トルタ・パスクワリーナを持参していました。友人同士で交換し「君の家はこんな味なんだ〜」などと言いながら食べていましたよ。
冷めてもおいしい食べ物ということもあり、作り置きができて何かと便利。復活祭の時期のみならず、年中通してマンマが腕を振るってくれます。

リグーリア州以外の町でも復活祭の時期に食べられるようですが、どれもプレシンスーアの代わりにリコッタチーズが代用されています。なぜならば、プレシンスーアはリグーリア州以外では手に入れることが難しい、ちょっと珍しいチーズだからです。見た目は似ていても風味が全然違いますので、ぜひ一度、本場のトルタ・パスクワリーナをご賞味いただきたいです!


実は、ものすごく古い歴史のある食べ物

歴史は古く、16世紀にさかのぼります。当時はガッタフーラ(Gattafura)と呼ばれていました。1570年に教皇ピオ5世の料理人、バルトロメオ・スカッピによって書かれた料理書『Opera』の中に「ガッタフーラ・アラ・ジェノベーゼ(Gattafure alla Genovese)」 の名前で、ビエートレとタマネギの2種類の野菜パイが紹介されています。この本でレシピが紹介される以前から、当時の美食家たちの間ではすでに「おいしい」と有名な食べ物だったのだそう。他にも手記や小説、詩などでガッタフーラとそのおいしさについて書かれたものが数多くも残されています。階級を問わず庶民から貴族、また聖職者たちの食卓で愛された食べ物なのでした。

さて、ではなぜ「ガッタフーラ」と呼ばれていたのでしょうか。その由来にはいくつか仮説があります。書いて字の如く、「Gatta(=猫)fura(=盗む)」つまり、「猫が盗む」ほどおいしい食べ物、というのが語源という説がまず一つ。また、料理界の共通語であるフランス語の「ガトーフレ(Gâteau fourré)=中身の詰まったケーキの意」の発音を似せてガッタフーラと呼ぶようになったのでは?という、少し興味深い仮説もあります。


呼び名が変わり、バリエーション豊かに進化を遂げる

ビエートレとタマネギが具材だったガッタフーラは、18世紀になるとバリエーションが増えます。1765年に書かれたジェノヴァの貴族、ドーリア・ディ・モンタルデオ家の料理書に、(1)お米と卵(2)アーティチョークとプレシンスーア(3)タマネギとプレシンスーア(4)茸とプレシンスーア の組み合わせのレシピが紹介されています。これらは今でもジェノヴェーゼたちに愛される、定番中の定番の組み合わせです。

その後、復活祭の時期に食べられることが習慣となり、トルタ・パスクワリーナと呼ばれることが定着し、今に至ります。どんどん進化と変化を遂げるこの食べ物に、1860年代にかけて「トルタ・パスクワリーナとは何ぞや」ということを定義する料理書が2冊発行されました。そこには、トルタ・パスクワリーナは厳密に2種類に分類されると記されています。材料は同じなのですが、生地の中身として下層がビエートレ、上層がプレシンスーアの2層になっているものをパスクワリーナ。ビエートレとプレシンスーアが混ぜ合わせられているものを「カップッチーナ」又は「カップッチャ」と呼び、区別されました。現在はどちらも一般的にトルタ・パスクワリーナとひとまとめに呼ばれます。ぜひジェノヴァで食べる際には、断面を一度チェックしてみてくださいね!


現地で野菜パイを食べてみたい!

トルタ・パスクワリーナは丸ごと卵が入ったものですが、卵なしは「トルタ・ディ・ビエートレ」と呼ばれ、他の野菜のパイ同様に年中手に入ります。レストランでは前菜に野菜のトルタの盛り合わせとして提供されることもありますが、もっと気軽に味見してみたい!という方にオススメなのが、ジェノヴァ語で「シャマッダ」と呼ばれる、テイクアウト店へ足を運ぶことです。シャマッダとは「燃え上がる炎」の意味。こじんまりした店内に大きな窯がある、ジェノヴァの昔ながらのお持ち帰り料理専門のお店のことです。

ファリナータやカスタニャッチョなどの窯焼き料理と共に、種類豊富な野菜のトルタが並べられ切り売りされています。イタリア旅行中、ついつい胃に重たいものを食べ過ぎてしまい野菜不足に……ということがあると思いますが、そんなときに野菜のパイはオススメです。

ジェノヴァの旧市街地にいくつか老舗のシャマッダがあります。小さくて狭い店内のため、入店するのに勇気がいりますが、(ジェノヴァのお店にしては珍しく!)気さくな店員さんが多いように感じます。「ヴォッレイ ウンポ ディ クエスタ (=Vorrei un po’ di questa. これをちょっとだけ欲しいです)」と指差しながら注文すれば、大丈夫! シャマッダでお買い物をして、ジェノヴェーゼ気分になってみてくださいね。ちなみに私のオススメは、定番のビエートレとタマネギ。秋頃には、カボチャがたっぷり入ったパイもあります。甘くておいしいので、ぜひお試しください。



おすすめのシャマッダ・データ

●名称:Sciamadda Torte Farinata Friggitoria(シャマッダ・トルタ・ファリナータ 揚げ物屋)
●住所:Via Ravecca 19/R, (GE) (ポルタソプラーナ、コロンブスの生家の近く)
●営:月〜土曜日 11:00〜夕方(商品がなくなるまで)
●休:日曜日・イタリアの祝日
https://www.facebook.com/sciamadde/?locale=it_IT

【リグーリア州】カルメル会修道会の修道士たちが運営するサンタンナ薬局


ジェノヴァ中心地からサンタンナ行きのケーブルカーに乗り、高台の住宅地の一角にひっそりと建つ、サンタンナ広場へ。ここにサンタンナ教会と修道院に並んで現在も修道士たちによって運営される珍しい古い薬局、「アンティーカ・サンタンナ薬局(1650年創業)」があります。

こちらでは、伝統的な生薬や薬草を使ったハーブティー、スキンケア商品などが取り扱われています。

ビジネスで成功後、修道士になったジェノヴァの名家の御曹司
祭壇上には母アンナと子供の姿のマリアの像がある
ジェノヴァ共和国の名家ドーリア家出身のニコロ・ドーリアは、スペイン王国への大きな融資などを行い、金融業界で活躍しました。あるとき仕事でヨーロッパを船旅で移動するニコロは、大きな海難事故に遭遇。奇跡的に助かった彼は、スペインでアビラの聖テレサに出会ったことをきっかけに、修道士になることを決意し出家。1584年、ジェノヴァで家族の援助を受け、サンタンナ教会と修道院を建てました。

教会の名前になっているサンタンナ(=サンタ・アンナ)は聖母マリアの母親で、祭壇上に母アンナと子供の姿のマリアの像があることがこの教会の特徴です。祭壇の後方にある大きな絵である、母アンナに手を引かれイエスを身ごもりお腹が大きくなった聖母マリアが描かれた作品(16世紀)があります。

受胎告知の絵は数多くありますが、お腹の大きな聖母マリアの絵は、大変珍しいのだそう。反宗教革命の時代に妊娠中の姿絵が禁止されたため、この時代の作品で現存するものはイタリアでは数点のみだそうです。

また、教会に隣接されている修道院には、修道士を志す若い見習いから高齢のベテランの修道士までが、共同で生活をしています。気分転換をするためのレモンの木が茂る美しい回廊や、家族が訪問する際の面会室や宿泊部屋があり、皆の生活風景が垣間見られます。

300年以上前から変わらぬレシピで作られるリグーリア州名産のバラのシロップ

教会と修道院が建てられた後の1650年に、貧しい人々を精神と身体の病から救済することを目的として、修道院に隣接して薬局が作られました。次第に彼らの作る薬が評判となり、北イタリアを中心に需要が広がりました。

敷地内には庭があり、バラを栽培しシロップなどの商品を作っています。リグーリア州は食用バラの名産地で、バラの花弁を使ったシロップは有名。冷水に薄めて飲んだり、ヨーグルトにかけたり、お菓子の香りづけに使ったり……と、用途はさまざま。一昔前までは、リグーリア州の家庭に必ずといっていいほど常備されていたものでしたが、一度下火になりました。

しかし最近再び注目され始め、女性へのプレゼントや観光客のお土産として人気です。サンタンナ薬局では、なんと1700年からある古いレシピを使用し、薬局内の小さな工房にて全て手作業でシロップが作られています。甘さ控えめで非常に上品な風味です。咳止めなど呼吸を助ける効果があるそうです。250mlの小さな瓶から販売されています。

余談ですが、イタリアで最初にジャガイモが栽培された場所は、実はこの庭なのです。ジャガイモは元々ヨーロッパにはなかった植物。ニコロ・ドーリアが、アメリカからスペインに持ち運ばれたジャガイモを、この修道院に持ち込みました。ちなみに最初は食用ではなく、花の観賞用に栽培されていたそうですよ!

アンティーカ・サンタンナ薬局
どれにしようか迷ってしまう豊富なラインナップ
薬局長の修道士エツィオさんは、いつもにこやかで町の人々に愛されています。もとは化学者だった彼は、後に薬理学を学び、薬剤師になりました。化学が発達していなかった時代からある伝統的な民間療法やハーブなどについて、現代化学の知識をもと、安全で効果的な使い方を素人の私たちに分かりやすく説明してくださいます。

エンツォさんは修道士としての多忙な生活の合間を縫って、個人面談や遠くに住んでいる方に向けての電話での健康相談を行っています。日々の健康の悩みに真摯に相談に乗ってくださり、出会った人々はお話をするだけで不思議と癒されていきます。

薬局内の木製の飾り棚にはたくさんの製品が展示されています。食用品(食後酒、蜂蜜、のど飴など)、健康改善が期待される自然薬(ハーブティー、シロップ、錠剤など)、美容品(シャンプー、基礎化粧品、香水や歯磨き粉など)の3つのカテゴリーに分かれています。

多忙の薬局長エツィオさんには予約でしか面会できませんが、薬局には薬剤師の方が常時待機しています。不眠やイライラ、女性特有の悩みで悩んでいるなど相談するとおすすめや使用方法を教えていただけます。美容関連品をお求めの場合はテーブルの上に試供品がいくつか置いてありますので、匂いや肌触りを試すことができます。

サンタンナの名前の付いた香水は、とてもよい香りでおすすめです。
ジェノヴァへお越しの際は、足をぜひ運んでみてください。


カルメル会跣足派修道会修道士たちのアンティーカ・サンタンナ薬局 (Antica Farmacia Sant’Anna dei Frati Carmelitani Scalzi)

住所:Piazza Sant’Anna 8, 16125, (GE)
TEL:010-25-13-285
HP:https://www.erboristeriadeifrati.it/
営:月〜金8:30〜12:30、15:45〜19:00 土8:30〜12:30
休:土曜の午後、日曜、6月24日、8月、12月25日〜1月6日、イタリアの祝日


(2019年4月)

旧市街地の小さなヴィンテージアクセサリーショップ

ヨーロッパのヴィンテージショップが大好きな方!

ジェノヴァにも素敵なお店が何軒もあるんですよ〜

今回は、赤の宮殿や白の宮殿がある観光メインストリート、ストラーダ・ヌオーヴァから徒歩すぐの距離にある、小さなかわいいアクセサリーショップをご紹介したいと思います。


実はずっと前から気になって、いつもショーウィンドウを真剣に眺めるだけだったのですが、小さな小さなお店ということもあり、なかなか入店する勇気がなくてやっと数年前に初めて足を踏み入れました。


店主のマダムはとっても親切!

私の好みのものを一緒に探してくれたり、珍しいアクセサリーを見せてくれたり。

なんでもっと早くドアを開けなかったんだ〜!と後悔しました。

どれも彼女が仕入れた一点もので、年代やマテリアルなどについても説明してくれます。(とにかく感じのいいマダムです)


そして小さな店内は美術館のようです!ため息しかでません…。

ヨーロッパのものはもちろん、アメリカやトルコなどのものも。


こちらのアンティークな木棚の中には個性的なネックレスがたくさん!

店内のショーケースにないものもたくさんあって、引き出しから出てきます。

私は50〜60年台のイギリスのブレスレットチャームを数点買って、ネックレスにするのが好きです。どれにしようと悩んでいる時間が幸せ…。パーツ買いをしてピアスにするのもいいですね。

大振りのイヤリングや存在感のあるブレスレットもいつか欲しいなあと目論んでいます。

マダムがおっしゃるには、特にフランスやアメリカからのお客さんが多いそうです。中国の方もちらほら。日本人は私を含めて今までに2人くらいしか来たことないわ〜とおっしゃっておられました。


アクセサリー好きな方や、一点物の思い出のお土産を探す方はぜひ立ち寄ってみてください。とりあえず、定期的に変わる店の外のショーウィンドウを覗くだけでも楽しいです。

綺麗にパッケージ包装もして頂けますよ〜

有名なジェラテリア、Profumoの近くにあります。ショッピングのあとはこちらのジェラートをぜひ!

久々に3家族でごはん

ジェノヴァはすっかり暑くなりました…!

ビーチは日焼けしたり泳いだりする人でいっぱいのようです。

友だちたちの肌がこんがり小麦色になってきました。

 

さて、久しぶりに3家族そろって夕飯パーティーを何回かしましたよ!

マンマ提案で、この日は海の幸がテーマの食事会になりました。

まず、マンマお手製の前菜。アンチョビとパプリカのオイル漬け。(これ、大好き!)


プリモはカゼルタ出身の義理姉の、ルチアーナ風タコのパスタという地方調理。

シンプルな味ですがタコが柔らかくて美味しい!子供たちもモグモグ食べていました。


彼女が叔母から教わったというレシピも教えてもらいました。

この時点でお腹いっぱいで倒れそうだったのですが、この日のメインディッシュが運ばれてきました…

マンマ手作りのジェノヴァ風ストカフィッソ!

大鍋で登場。マンマは「みんなごめん、量が少なかった!次は2倍作るわね」と言っていたが、量が少なかったなんて事はない。食べきれない…。


マンマのストカフィッソはめちゃくちゃ美味しい。

ジェノヴァにあるオステリアやトラットリアよりも美味しい。

大量のストカフィッソは市街地にある卸市場へ行って手にいてるらしい。そこは大量購入者へしか販売していないらしく、なのでマンマがストカフィッソが食べたくなったら、必ずこうして大家族パーティーが開催されるのです。

私はリコッタチーズのチョコレートケーキを作って持って行きましたが、さすがにみんなお腹いっぱいになりコーヒーだけで終わってしまいました。笑

そろそろ、ムール貝の季節なので、ムール貝パーティーがひらかれるのではないかと密かに期待しています。

カーニバルのお菓子とミモザと蚤の市と。

先週半ばに、カーニバル(カルネヴァーレ)の行事が終わりました。

今年はマスクをきちんとした子供たちが、海賊やディズニープリンセスの仮装をして街を歩いていました。

マスクにはスパンコールがついていたり、刺繍がされていたり…衣装に合わせてゴージャスに!イタリアのママたちのコーディネート力はさすが!と感心しました。

私はカーニバルの時期に食べられる、「キアッキエレ」(お喋りの意)という名前のお菓子が大好きです!

素朴な味なんですが、一度食べ始めると、

やめられない♪止まらない〜♪


(↑パン屋さんで)

ちなみにリグーリア州では「ブジーエ」(嘘の意)と呼ばれています。イタリア各地によって名前が色々、でも同じお菓子です。

スーパーでも売っていますが、手作りが絶対美味しい!パン屋さんやお菓子屋さんで計り売りされているものがオススメ。


(↑チョコレート屋さんでも)

家でも作れるのですが、意外と難しそうです。冷めてもカリカリで香ばしくするためには、温度調整が肝心のようです。大量に作ってもし失敗したら嫌なので、まだ一度も試したことがありません。(いつか作ってみたい!)

チョコレート屋さんでは、マスケラの形をしたチョコレートやカーニバルにちなんだカラフルなお菓子が飾られて華やかでした。


カーニバルは去り、次のイベントは3月8日のFesta delle donne(女性感謝デー)です。

男性が女性にミモザを渡して「いつもありがとう」と感謝してくれる日。

最近急に暖かくなり、ミモザもすでにこの様子。フサフサです!


雨が降ったら散ってしまいそう。しばらく良いお天気が続きます様に。

ちなみに、ちょっと早いですがミモザケーキがもう売り出していました!


実はまだ一度も食べたことがない。ミモザのお花よりこっちのケーキをプレゼントして欲しいなあ〜と毎年期待しています…。

この日は骨董市が開かれていました。


夫はレトロ玩具を発見し、「欲しいなあ…どうしようかなあ…」とずっと迷っていました。「欲しいなら買ったほうがいいよ」というとすぐに諦めていました。

なぜか私が反対するともっと欲しくなるようなので、逆に背中を押すようにするとすぐに諦めてくれることが最近になり分かりました。笑

しめしめ…。

ちなみにあるブースの店番は、ワンコでした。お店の人は何処(笑)

オレンジゾーンで迎えるバレンタイン2021

2月に入ってからリグーリア州は、コロナ感染防止対策の3段階(レッド・オレンジ・イエロー)のオレンジからイエローにレベルダウンしました。

何が変わったかと言えば、バール、レストラン(18時まで)がオープン、州を越えた移動が可能に、そして、美術館が再オープン!になりました。

私の夫は美術館で仕事をしているので、去年の11月の閉館から久々の出勤!!(毎日3食作らなくて良いので助かる〜笑)

(白の宮殿のテラスからの風景。手前に見えるのは赤の宮殿)


ガイド付きミニグループや子供向けのカルチャーイベントなども盛況。相乗効果で美術館近くのバールやレストラン、ショップ経営者の人々もお客さんが増えて喜んでいました。


まだ毎日ではなく、木、金曜日のみの開館になりましたが、地味な生活に変化があり喜んでいた矢先・・・

リグーリア州は2月14日(日)から再びオレンジゾーンへ…の通達!(ガーン)

悲しいかな、よりによってバレンタインの日から…。

レストランはランチの予約が既に入っていてダメージがかなり大きいようです。本当にかわいそうです。せめてバレンタインが終わった月曜日から制限開始にしてほしかったですね。バレンタインで食事をする客のほとんどはカップルでしょうから、大人数でガヤガヤ騒ぐわけでもないのに…とみなさん呟いています。

私もロマンチックなランチがしたかったな〜!(来年へ持ち越しです)


さて!日本のイタリア好きのみなさんへ、ジェノヴァのみなさんからのお願いを承りました。

イタリアのジャム(マルメッラータ)で有名な大企業(Rigoni di Asiago)が文化財の修復基金をジェノヴァ、又はベルガモに寄付する…ということで、どちらの都市にするか、一般投票で決めるということで盛り上がっています!

ぜひ日本のみなさんかあもジェノヴァに一票を!お願いします!と熱く頼まれました。

投票は簡単♪

下のサイト(伊語)から少〜し下にスクロールすると出てくる
VOTA GENOVA
(ジェノヴァに投票という意味)

と赤枠に囲まれて赤字でかかれた所をクリックするだけです。

https://restauro.rigonidiasiago.it/

↑こちらから♪

もちろん、、、ベルガモへ1票でもオッケーですよ!ぜひぜひ皆さんも参加してくださいね!

ジェノヴェーゼ達よりメッセージ↓

「観光客が減り、資金繰りが大変な中ですので皆さんの1票をお待ちしています〜!そしてコロナが落ち着いたら遊びにきてね〜」

 

 

さて今年のバレンタインは、お家で。

美術館や世界遺産に登録された宮殿が立ち並ぶストラーダ・ヌオーヴァという通りにあるプロフーモ(高級洋菓子店)のチョコレートを頂きました!

(プロフーモの店内)


(季節ごとに代わるお洒落なショーウィンドウ)




↑私はこの下段に並ぶハートのチョコを貰いました。(顔くらいの大きさです。大きい!)

割ると中にたくさんのハート型ダークチョコレートが!



ここで買うお菓子はどれもこれも唸るほど美味しい。

あっという間になくなりました笑

 

去年の2月14日はそういえばパリに滞在していたなあ〜………と思い出す。

帰ってきてから数日後、コロナ騒動が始まり、

あれよあれよという間にパンデミックになりました。あれが最後にした海外旅行だったなあ・・・。

また気楽に旅行に行ける日になりますように!

 

期間限定ハロウィンスイーツ&おすすめ伊ホラー映画!

今年もいよいよハロウィンです!

私の毎年の楽しみは、ハロウィンスイーツ!

カボチャや栗が大好きなので、この時期に販売される期間限定スイーツに毎年夢中になります。

今年もショーケースのデコレーションを偵察に行ってきました〜!(チョコレート工房Buffa Cioccolato のショーケース)


↑どこか和菓子のような…カボチャスイーツ。柔らかくて美味しかったです!


↑ミイラやガイコツ、フランケンシュタインなども。(私はガイコツを食べました!)


↑こちらは珍しい?!

この季節の伝統的なお菓子、La fave dei morti (死者の空豆)です。

これはハロウィンではなく、イタリアの11月1日(Ognissanti/万聖節)のためのお菓子です。


空豆の形をした、マジパンのお菓子です。チョコレート味を味見しました!どれもこれも可愛くて美味しい……

期間限定という事もあって、購買意欲にすぐ負けてしまいます。

 

さて、今年のハロウィンはどこもかしこもステイホーム・ムードです。

お家で食後酒でも飲みながら、ちょっぴり怖〜いイタリアン・ホラー映画はいかがでしょう?

(しかもジェノヴァが舞台で、ジェノヴァで製作されたホラー映画…なんていかがですか?!)

先日、Amazonプライムで公開されたばかりの「Stuck」という作品です。(日本語字幕付)

↓こちら (すでにプライム会員の方はぜひ!)

https://www.amazon.co.jp/-/en/dp/B08M15FPQ6


戦後忘れ去られていた地下壕に、研究のため調査隊が送られますが、なんと全員が消息不明に!実は地下には得体の知れない生物が……!

しかしそんな事も知らず、救助チームが送られるが…………さて、どうなる!!!!!

 

といった内容です。

私はホラー映画が大の苦手なのですが、そんな私も大丈夫でした。

時々、目を両手で隠しつつ(笑)・・・最後まで楽しく鑑賞しました!!

(最後の展開にハラハラ&ドキドキさせられます)


ジェノヴァには実際、たくさんの地下道や旧軍の基地があります。大昔に作られた水路などが、長い間放置され、忘れ去られてしまったものも数多くあます。

映画内に出てくるような地下道が、町の中心部の地下を通っていたりします。

一度、土管の中に入る地下探検ツアーに参加しましたが、「え!普段通っている大通りの地下に、こんな世界が?!」と驚きました。

日本のように大きな地震も無いので、今も残っているのでしょうが、

まだまだ謎が多いジェノヴァ。ミステリーな街です・・・


(ほとんどのシーンが地下ですが、時々ジェノヴァの風景が登場します)

ハロウィンの季節に、

こちらのモンスター映画……おすすめですよ〜!

https://www.amazon.co.jp/-/en/dp/B08M15FPQ6

Amazonプライム、「STUCK 漆黒の闇に蠢く影」で検索!


あらすじ・・・

「洞窟調査チームは第二次世界大戦後、忘れ去られていた地下壕へ調査に向かう。しかし地下に人知れず生息する謎の生体に襲撃されてしまった。連絡が取れないチームを探すため、新たに救助隊が派遣されるのだった。一方、生存者たちは出口を探すが、そこには驚愕の真実が待っていた・・・。」

フォカッチャを求めてレッコへ

みなさん、ご無沙汰しています。

どこの家庭もそうでしょうが、家でご飯を食べることが増えました。

久々に少し遠出をして、

家では作れないものが食べたいなと思い、フォカッチャで有名なレッコへ足を運びました!ちなみに私の家からは電車で30〜40分くらいです。


この日は気温が低めだと天気予報で聞いたので、風邪をひかぬようジャケットを羽織って出かけましたが、

午後から太陽燦々の夏日になりました…。失敗。

港の方は海水浴客がたくさん。レッコの小さな入り江には小さなヨットが行ったり来たり。ほのぼのします。

(港の方はサボテンが🌵たくさんあります)


目的のフォカッチャを食べよう…!と御目当てのお店(有名店)へ向かいましたが、「10月中頃まで休業」と張り紙が!!

ガーン……

気持ちを切り替え、近くにある別のお店へ向かいました。しかし、

「もう売り切れたよ。今から店閉めるところだから。次の販売は15時からだよ」

と!!!ガーン…

私そんなに遅い時間に来てしまったのかな、と思い時計を見るもまだ12時50分だった。

 

「…ああ、そうだ、忘れていた。

こっちのパン屋さん、1時には閉まるのだった……。」

いつもお昼休憩に全然間に合わない…なぜせめて2時くらいまで営業してくれないんだ…と日頃から思っていたのだが、全然外出しなかったため記憶から飛んでいました。

すると、道の先に行列が出来ていたのでそちらへ向かうと、フォカッチャ屋さんではないか!

Tossiniという、こちらも正式なフォカッチャ・ディ・レッコを販売するお店!


根気よく15人ほど順番を待ち、ようやくフォカッチャ、ゲット。

定番のものとペスト味を2種類買いました。(写真はペスト味。とても美味しかった!)

これは逆立ちしても家では作れません。ここまで来て良かった!!

海の近くのお店で、フォカッチャの他にもテイクアウトができるお惣菜やパスタが量り売りされていたので、海へ行くついでに立ち寄るのにオススメですよ〜。

 

 

追伸

…本当は、ちょっと足を伸ばして行ける距離の所に、たこ焼き屋さんや回転焼きのお店なんかあったら最高なのですが…時々夢に現れては消えるのです…(関西人なもので)

いつなるか分かりませんが次回帰国する際は、重いけどたこ焼きの天板を買ってイタリアまで担いでこようと思います。

ジェノヴァの山側にある温泉地アクアサンタ

ジェノヴァから約30分(車でも電車でも)で到着する、アクアサンタという小さな町。

こちらに前から行ってみたかったスパがあります。

クリスマスプレゼントに頂いた入館チケットを使用しに行ってきました!


ギリギリ、ジェノヴァ市の中に入っているので市バス(AMT)のバス券を使用して行けるのも嬉しい!

アクア(水)サンタ(神聖な)という名前の町です。昔からある温泉地です。

どれくらい昔からかというと、なんと古代ローマ時代からです!

硫黄が含まれる水が湧く水源があり、その岩の上に小さな神殿が作られたそうです。その後、洪水で壊れてしまいますが、時代が変わって、キリスト教の小さな礼拝堂が造られました。


この礼拝堂の中には美しいマリア様の像があります。


この階段は聖なる階段(Scala Santa)と呼ばれていて、一段上がるたびに、お祈りのフレーズをいうと9年間の贖宥がされますよ〜と書いてありました。


昔は医療の一環で、病気などを治すためにアクアサンタでの治癒が勧められていました。


遠目から見るとこんな感じ。(私の地元近くにある有馬温泉をおもいだしました。どこかしら似ている…)

右側の建物がスパです。近年リニューアルされて、館内は新しく清潔感がありましたよ。


昔使われていた大理石のバスタブがあちこちにありました。

これらが植木鉢として使われて、館外にたくさん並んでいました!

スパの水温は日本人の私からするとちょっと低めかな、という感じ。外風呂、内風呂、サウナ、スチーム風呂、冷水の打ち水…などがありました。追加料金で様々なマッサージも。

日本の温泉やスパと比べると敵いませんが、こちらに住んでいると、肩までお湯に浸かる…ということがなかなか出来ないので、やっぱり嬉しくなりました!

 

さ、て!

そして待ちに待ったランチの時間。このスパのすぐそばに巷で有名な家族経営のオステリアがあるのです。

Osteria Da Dria

店内は昔ながらの食堂スタイル。平日でしたが地元の人たちで賑わっていて、ジェノヴァ弁もたくさん聴こえてきました。

この店の人気メニュー、「フォカッチャ・アル・フォルマッジョ」。たまたま釜戸の近くの席だったので、運良く作る様子を間近に見ることができました!



ま〜あ、美味しいこと。

これはレッコという街の食べ物なのですが、レッコまで足を伸ばさなくてもこのクオリティのものが食べられるなんて…!と感動!

もう一枚頼もうかなと思っていたところ、他の料理もなんでも美味しいよと、隣に座っていたご夫婦が教えてくれたので、

Ravioli all‘anticaとPunta di Vitello al Baroloを追加。



どれも美味しい。しかもお財布に優しいお値段!お店の人たちもとっても良い人たちでした。

間違いなく、近々またスパ&オステリアコースをリピートする予定です!

 

 

なぜブーツ型?エピファニアのチョコレート

本日はエピファニアの祭日でした。

毎年、家族でわいわいと過ごすのですが、今年は義兄一家はアオスタにヴァカンスへ、私の主人は仕事…ということで、静かに過ごすことになりました。(ホッ…)

朝起きると、サプライズが!


食卓の上に、お菓子の包みがあるではないか!

La Iacona (ラ・イアコナ)というジェノヴァの老舗のお菓子屋さんの包み紙です。

ジェノヴァ大学の近くにあるので、よく教授や大学関係者さんたちを見かけます。

エピファニアのお菓子をもらいました。ミニサイズでかわいい!

小さなブーツ型のダークチョコレートの中に、飴やジャンドゥイヤなどが入っています。

この時期、お菓子屋さんのショーウィンドウは木靴やブーツの形をしたチョコレートでいっぱいです。

なぜこの形?なのかというと…。

昔リグーリア州では、臭いを取るために、靴は家の外(ドアや窓の外)に置いて空気に触れさせていたそうです。(ブーツは長時間履いていると蒸れて臭くなりますものね!)

エピファニアの日に、親は子どもたちにサプライズをするため、

子どもたちの靴の中にこっそりお菓子やドライフルーツ、木の実などを詰めていた事が起源だそうです。

他の街や国では、一般的に靴下の中にお菓子が入っていますよね。

リグーリア州と一部の他の街々では、この風習がお菓子屋さんなどで残っていて、ブーツ型や靴の形をしたチョコレートが作られているそうですよ!

 

さて今晩は、リグーリア州の料理「パニッサ」を作って食べました。


パニッサは、ひよこ豆の粉を水、オリーブオイル、塩で混ぜて作ったもの。

フライにしたり、生でツナ缶などと一緒にサラダにしたり、ゴルゴンゾーラなどをのせてオーブンで焼いたり…と色んな食べ方があります。

 

今日でクリスマスから続く祭日のオンパレードは終了!!

正直ホッとしています…。家族行事は賑やかで楽しいですが、長時間で連日では疲れます。あとは、胃もたれが………。

次はイースター祭…。

それまでしばらく暴飲暴食は休息したいと思います(笑)

今年のクリスマスに食べたマンマの手作り料理

今年は実家で8人だけの小規模なクリスマスということ。

(いつも叔父さんの家で何家族も集まり、15〜20人くらいで盛大に行います)


23日に主人のマンマと一緒にクリスマス料理の買い出しへ行きました

今回私はチーマというジェノヴァの料理のお手伝いをさせてもらい、

当日の朝に各料理の仕上げと、テーブルセッティングを手伝いました。


前菜の盛り合わせは写真を撮り忘れてしまいましたが、数種類のサラミやハム、オリーブの実、オイル漬けのきのこ、お野菜の酢漬け、インサラータ・ルッサ、フォカッチャなどでした。

ここでお腹いっぱいになってしまう危険があるので、私はいつも、前菜は食べているふりをしながら実はほぼ食べない…、という演技をしています(笑)

そうでもしないと、セコンドまで辿り着けません。

案の定、8歳の甥っ子は前菜のあと、「もうお腹いっぱい…」と漏らしていました。笑

さて、今回マンマは猪肉のパスタソースを作ると決め、お肉屋さんで骨つきの猪肉の大きな塊を買ってきていました。

そして猪肉の臭みを取るため、スパイスなどが揃うドロゲリアで、シナモン、クローブなどを店主に相談しながら選び、欲しい分量だけを購入。

前日からテラコッタのお鍋で煮込み…


肉の臭みが全くない、美味しいソースを作ってくれました!

これをパスタに絡めて完成です。レストランで食べるように美味しかったですよ!

4歳の姪っ子ちゃんも、お鍋の下の方に残った猪肉をもぐもぐ。何度もおかわりしていました。


セコンドは、チーマ!

ジェノヴァの伝統料理です。マンマはこれをほとんど毎年作ってくれます。


この料理はとっても手が混んでいて、誰でも作れるようなしなではありません。

マンマも、自分のお母さんは作れなかったため、お母さんの料理が得意なお友達に教えてもらったそうです。

手作りのものが食べられるのは恵まれた事だなあと、有り難くいただきました!

コントルノ(付け合わせ)には小さなじゃがいものオーブン焼きと、ミニサイズの玉ねぎをキャラメル色に甘く煮て焼いたもの。(こちらは写真撮り忘れ!)


そして大量のチーーーーズがやって来ました……が、胃はもはや限界を迎えていました。

ゴルゴンゾーラが大好きな私のために、いつもゴルゴンゾーラを用意してくれているので、それだけ感謝しながら頂きました。が、服越しに胃の形がわかるほど、食べ過ぎて苦しさ100%の状態に…。

ここでプレゼント交換を挟みながら、一旦休憩。

その後、フルーツ、木の実などがやってきて、ドルチェの時間となりました。


私は家で焼いたパンドルチェ・バッソを持参。

(ちょっと数分焼きすぎてしまいました)


主人の兄夫婦はタイヤフィーコという有名なお菓子屋さんのパンドルチェ・アルトを持参!

パンドルチェには2種類、バッソ(背が低い)とアルト(背が高い)があり、違いはというと、二次発酵をしているかどうか。

アルトのほうが、パンのように柔らかく、バッソはクッキー生地のようにサクサクしています。

ジェノヴァの人たちはそれぞれ好みがあって、バッソ派とアルト派に分かれます。私はどちらも好き!

 

この後コーヒー、食後種…。

そしてまたチョコレートが出てきて………と延々と何かを口に入れます。

そのあと、年配の人たちはお昼寝タイム…子供はサンタさんからのおもちゃに夢中で、大人たちは世間話をし…。

 

そして、消化のために〜!と、炭酸飲料がたくさん出てきて、

皆で集まってテーブルゲームなどが開始されます。

そのあと、お昼のお料理の残りとトルテッリーニを夕飯にして食べましょう〜と、皆さんが話していたのですが、

私は午後7時ごろ、胃に限界が訪れ途中棄権(汗)をしました。もはや何も口に入れられない…。

毎年、クリスマスは胃腸の限界との戦いです。

みなさんはどんなクリスマスを過ごされましたか?!