IkedaMiyuki のすべての投稿

スプマンテって??

12月になると、スプマンテの消費量がぐっと伸びます。


食前酒として気軽に飲めるプロセッコ。

クリスマスのデザートとして親しまれるパネットーネに欠かせないモスカート・ディ・アスティ。

でも、食事に合わせるには、やはりドライなフランチャコルタやトレントDOCが一番! 要は、シャンパン方式とか、瓶内二次発酵と呼ばれる方法で作るスプマンテです。


この造り方、、、分かっていそうで、ややこしい。

と言うわけで、今回はわかりやすく、この方法を説明したいと思います。これを読んだあなたは、今年のクリスマスパーティーの主役になれるかも?? (笑)




スプマンテの魅力は、なんと言ってもそのきれいな酸味。ですから、ブドウは早めに収穫。8月半ばには収穫します。熟しすぎると、ブドウの酸度が下がってしまうので。


収穫したブドウは、即ワイナリーへ運び込み、房からブドウの実をはずし、軽くプレス。タンクに入れて、空気圧を使って手にした一番搾りに、酵母を加えてアルコール発酵し(ベースワインの完成)、タンクで低温で貯蔵。

通常、冬の終わりごろ、新たに酵母と砂糖を加えたベースワインを、瓶の中に入れ、王冠をします(この時点では、発泡性ではないが、この後炭酸ガスが生まれるので、王冠をする)。

瓶の中では、酵母が砂糖を食べ、アルコール度数が少し上がり、副産物として炭酸ガスが生まれます(王冠がしてあるので、炭酸ガスは外に逃げない)。(発泡性ワインの誕生)

砂糖を全部食べつくした酵母は滓となって残ります(早い話が酵母の死骸)が、これはとても魅力的な香を持っているので、何年もこの滓と一緒に寝かして置く。少しでもワインとこの滓が触れる量が多くなるように、瓶は寝かして、時々瓶を回します(今は機械でやる)。

飲んだ時、滓が口に入るのは嫌なので、これを取り除くために、瓶を回すだけではなく、日数をかけて徐々に真っ逆さまなポジションにし、滓を瓶の口の方へ集めます。


滓が集まった部分を一瞬、-20度以下の溶液に漬けて凍らし、王冠を開けると、ワインの気圧により(6気圧前後)滓を含んだ凍った部分が外に飛び出し、透明なワインだけが瓶内に残るのです。

でも、量が減ってしまった!そこに、同じワインを入れれば、ドライなスプマンテ。ちょっとシロップを加えたスプマンテを加えたら、残糖分のあるスプマンテの出来上がり~~!

今度はコルク栓をしますが、コルク栓の太さを圧縮して入れるので、開けた時にはキノコ型になります。コルク栓が飛びだす危険を防ぐために、針金をかぶせます。

ちなみにスプマンテと言う言葉はスプーマ(泡)と言う言葉から来ています。

イタリア好きの皆様、、、ぜひ今年のクリスマスは、シャンパーニュではなく、イタリアのドライなスプマンテと!


サルーテ!

 

イタリアのワイナリーを、覗きにいらっしゃいませんか?

ぜひご相談ください。お待ちしています。

 

チーズまみれ 

私、9月から10月にかけてチーズまみれになっていました。

訪問したチーズ工房は15軒以上。食べたチーズの種類は100種類以上。。。

世界には2000種類のチーズが存在すると言われています。日本で”チーズ”と言うと、まずフランス、そしてスイスが頭に浮かぶかと思いますが、どうして、どうして、、、イタリアにはフランスと同じくらい、約500種類のチーズがあるのです。

なんと言ってもイタリアの強みは、4種類の動物のミルクからチーズを造れること。牛、羊、ヤギ、そして水牛!

今日は、ミラノの近郊で造られるチーズであるタレッジョに焦点を当てたいと思います。

タレッジョはウオッシュタイプのオレンジ色の四角いチーズ。


ミラノのお隣のベルガモ県のタレッジョ渓谷で造られる牛のミルクのチーズです。とは言え、現在タレッジョ渓谷で造っているのは、1軒のみ。もはや平地で造るのが当たり前になってしまいました。

タレッジョ渓谷は、日の当たらない寒くて湿った地域。ここで生活するのは楽ではありません。

この地で生まれ、学校でチーズの造り方を学び、タレッジョ造りをしているカザーロ(チーズ製造責任者)であるアルトゥーロさん。彼が働くチーズ工房は、標高800mのところにあります。

周辺の8か所の酪農家から運ばれてくるブルーナ牛のミルクしか使用しないというこだわり。牛は毎日ミルクを出すので、このチーズ工房も365日、休む日はありません。

大鍋にミルクを入れ、33度ぐらいに温め、そこに仔牛のレンネット(凝乳剤)と前日のチーズ造りで出たホエー(乳清)を乳酸発酵させたものを加えます。

20分ほど待っていると液体状だったミルクが固まり始めます。


それをヘーゼルナッツぐらいの大きさにカットして、穴のあいた四角い型の中に入れていきます。

その作業は、ちょっと大雑把な感じがするのですが、さすが経験豊富なアルトゥーロさん。ちゃんとうまく配分できているのです。


何度かひっくり返し、湿度の高いセラーで寝かし、塩がけをします。その後も塩水で濡らした布で表面をふき、独特なカビと酵素を増殖させるのです。
       
50日間かけて出来上がったタレッジョ。

そのまま食べても美味しいですが、洋ナシと一緒のリゾット、これはまさに秋の味覚です。タレッジョが手に入ったら、ぜひ試してくださいね。

 

やってきました~~、この季節!

6月、7月の異常なまでの暑さと干ばつで、正直心配していました。。。

森を歩いても歩いても、見つからない。。。

でも、やっぱり待てば出てくる~~!

そうです! ポルチーニ。🍄 <- あ、これは毒キノコ(笑)


あまり暑すぎると、虫にすぐ食べられてしまいます。松茸にもつく同じような小さな虫。

私が通う森では、7,8月は小さめのものが多いけど、8月も終わりになると、地元の人たちがVecchioと呼ぶ,手のひらサイズぐらいの大きいものが採れることも!



月が満ちていく時にたくさん出るそうです。

大きいものは、傘をオリーブオイルとニンニクでマリネして、フライパンでじっくり焼いて、最後にお醤油を垂らして食べるのが好き。


小さめの硬いのは、スライスして溶き卵とパン粉をつけてフリットに。甘みがあって、食べ始めたらやめられなくなってしまいます。

多すぎたら、乾燥ポルチーニに。ついに、昨年ポルチーニのために乾燥機まで買ってしまった私。。。。


イタリアで乾燥ポルチーニを買うときは気をつけてくださいね。安いものは中国産です。真っ白な部分が多いのがお勧め。値段も高いですけど。

イタリアの秋、、、、美味しい食材がいっぱい。

実は、、、、アルバの白トリュフ解禁初日(9月22日)に、白トリュフを堪能した私です。キャッ、贅沢~~~

モンブランの麓より

行ってきました! 夏のモンブラン・イタリア側。

泊まったのは、クールマイユールの下の村、エントレヴェス(Entreves)。


木をふんだんに使ったホテルは、お部屋のベランダからモンブランをながめることができるのです。もちろん、クロワッサンや地元のチーズ・フォンティーナを堪能できる朝食のレストランからもモンブランが見えます。それだけではないのですよ~。



なんと、なんと温水プールがあって、そこからもモンブランを一望できるって贅沢すぎませんか?

モンブランの標高3466メートルまで到着できるロープウェイ・スカイウェイの乗り場までも歩いていける便利さ。

2015年に完成したスカイウェイは360度回転しながら登っていくので、景色を堪能できます。運が良ければ、カモシカが見えたり。。。。

最高の天気に恵まれフランス側までゴンドラで行ってきました。フランス側の方が北斜面にあたるので、雪が多く、クレパスも間近に見え、その迫力に圧倒されるのは、イタリア好きの私にとっても否めません。


ディナーは、モンブランの標高2173メートルのところで、アオスタ渓谷の地元のブドウを使ってスパークリングワインに仕上げたCuvee des guidesをお供に。

 

翌日は、人気の高いフェレ渓谷のハイキング。エレナ・ヒュッテ(2062メートル)までの道は、ヨーロッパ三大北壁の一つとして知られる有名なグランドジョラスの北壁を眺めながら。もちろん、Chalet Val Ferretでのランチも楽しみの一つです。私のお勧めは、フォンティーナチーズとヴェルツァ(ちりめんキャベツ)とパンの入ったボリュームいっぱいのズッパです。


翌日はヴェニー渓谷のハイキング。2195メートルのところにあるエリザベッタ・ヒュッテまで、小さな湖に移る山の景色に見とれながら歩けば、疲れも忘れてしまいます。


下界の暑さを忘れ、心身ともに生き返った日々。。。

ぜひ一度、イタリアの山に避暑に出かけてみませんか?

イタリアアルプスで高山植物に出逢う

関東地方は、まだ梅雨が開けないとのこと。。。ジメジメした季節、辛いですね。

北イタリアのアルプスでは、今、貴重な花が満開です。
ミラノから車で2時間ちょっとのブレーシア県のポンテ・ディ・レーニョでハイキング。

涼しくて絶好のハイキング日和。
アルプス三大名花として知られるエーデルワインに遭遇!


スイスに行かなくては見れない、、、と思い込んでいませんでしたか?
アルペンローザも盛りは過ぎましたけど、まだまだきれいです。


 

こちらは、高山でしか出会えない撫子の一種。


そして、黄色いリンドウ。


でも、イタリア好きの読者の皆さんが気になるのは、やっぱりハーブとか、口にできるものかなぁ~(笑)

はい、こちら!
これは、山にしか生えない野生のタイム。


この紫色の花が目印。
葉っぱをこのままハーブとして使ってもいいし、この花を乾燥させて、ポークのローストに使っても。なんと言っても彩りがきれいですよね?

こちらはクミンの花。


クミンなんて、ドイツのイメージかもしれませんが、イタリアの標高1500m辺りでは、よく見かけます。秋になると見慣れたクミンの実がなります。

そして、こちらはブルーベリーの花。


栽培されているブルーベリーは、背が高いですが、野生のブルーベリーは、地べたにへばりつくように生えています。
雪が降っても、枝が折れないように、という植物自らの知恵なのでしょう。
9月には、この白い花が実になります。

せめて写真でアルプスのさわやかな空気に触れていただければ、との願いを込めて。。。。

私は明日から仕事でアオスタに行ってきます。

 

イタリアアルプスからこんにちは

  • はじめまして!
ミラノ在住の池田美幸です。

ファッショナブルな街・ミラノのイメージとはちょっと遠い私です。毎週末通い続けるイタリアアルプスの麓が私の心の拠り所。この写真をご覧ください!
 

5月下旬の、まだ除雪が終了していないガーヴィア峠の様子です。ヨーロッパアルプスの南斜面は、全てイタリア領なのです。

そして、こちらは4月のプレゼーナ氷河スキー場。


山ガールというわけでもありません。食べて飲んで動いて、が私のライフスタイル。イタリアソムリエ協会のソムリエの資格、そしてワインのオフィシャルティスターの資格、全国チーズティスターのマエストロの資格を活かして、地元ロンバルディア州のワインのガイドブックや、イタリア各地のチーズのコンクールの審査員を務めています。

毎年5月にミラノで開催される山羊のチーズのコンクールの様子です。200種類近くの山羊のチーズが勢揃い。

 

ご存知でしょうか? 世界には約2000種類のチーズが存在すると言われていますが、そのうちの500種類はイタリアで作られています。そして、イタリアの強みは、4種類の動物のミルクからチーズが作られていることです。

牛、山羊、羊、そしてモッツアレッラで知られる水牛。その多様性がご想像いただけると思います。

これからの長いお付き合い、どうぞよろしくお願いします。

皆様の期待を裏切らないように、魅力あふれる隠れたイタリアの情報をお伝えしたいと思います。