堂内あかね のすべての投稿

マラテスタの要塞とリミニの海

残暑お見舞い申し上げます。

イタリア好きの皆さんいかがお過ごしですか?

夏のイタリアは遊ぶ季節!長い短いに関わらず、イタリア人は真剣に遊ぶそんな夏の話を紹介したいと思います。

夏の日のある土曜日、日帰りで、エミリアロマーニャ州はリミニに実家がある友達を訪ねに来ました。リミニはアドリア海に面しており、遠浅の海、何キロメートルにもわたる砂浜に延々と色とりどりのビーチパラソルが並んでいます。

 各海の家によってビーチパラソルの色やデザインが違い海の家の作りもテーマが違います。

大体バールが併設されていて、朝から晩まで海に入るというより、快適なビーチシートに横になりゆっくり過ごすのですが、一般的。

コロナ渦ではこのビーチシートも予約制にと言うニュースが流れているイタリア。

前日友人に連絡をとると、

「予約制でも特に週末は海沿いはびっくりするような人出だから、人が少ない丘の上の街に昼を食べに行って、午後遅くに海に行こう。」と言うことになりました。

訪れたのは、中世以前からリミニをはじめこの地域を広く治めた要塞のある街ヴェルッキオ(Vercchio)。ちょうどサンマリノ(写真)の向かいの丘で、360度周りが一望できる丘の上にある街です。

マラテスタの要塞(Rocca Malatestiana)

受付に行くと、アクリルパネルが設置されて、受付の方もマスク。見学時、同じ部屋に違うグループがいたら、退出してから入室する様にと注意を受け、アルコール消毒をしてからいざ中へ。

お城のイメージで中へ入ると、拍子抜けするほど質素な作り。

王様の執務室と寝室ですら、これと言った調度品もなく、木製ベッド、顔を洗う桶が狭いスペースに簡単な間仕切りをして置かれているくらい。

それもそのはず、眺望が効く立地を最新鋭の兵器を有していた活かした戦いのための要塞で、城壁内には兵士が長く籠城できるような設備も備えた難攻不落の要塞だったそうです。

もちろん地下には拷問室など、限られたスペースに機能性を考えて作られているのが伺えます。

急で細い階段を上がりきった最上階の見晴台からは、

周りの丘陵にはオリーブの木、葡萄の木、小麦栽培などがみてとれ、その下の平地には太陽パネルが設置された工業地帯が海沿いまで続く、まさにエミリア ロマーニャ州の経済を支えている産業を象徴するような景色が広がっていました。

兵士の士気を高めたであろうテラスの横には、大窯で煮炊きをしたであろう台所も。


支配者が代わると同時に攻撃機能も弱体化され、要塞としての機能を果たさなくなったようですが、戦う城を見たい方にはお勧めのスポットです。

街をぐるっと歩いてから、友人のご両親が若い頃からあると言うピアディーネリーアへ車で移動。バール イルデBar Ilde

ピアディーネリーアとはピアディーナを専門店のこと。

ピアディーナとは、小麦粉、ラードもしくはオリーブオイル、塩、水、重曹で作った円形の薄い生地を鉄板で焼いたトルティーヤのような食べ物で、中にハム、チーズなど色々なものを挟んで食べるロマーニャ地方のソウルフードとも言える食べ物です。方言では「ピアーダ」とも呼ばれています。

生ハム、squacqueroneスクワックエローネ、生ソーセージのグリル、ポルケッタ(豚のローストの一種)、野菜のグリル、サラダなどなど色々なコンビネーションを選ぶことができます。

夏野菜のパン粉焼きを副菜に頼んで、思い思いの具材が挟まったパリパリ熱々のピアディーナを食べ始めると、お喋りなイタリア人もしばし食べることに没頭。

夏の暑い日はワインよりビールが進みます。

もちろんこちらも、店内で飲食する場合は要予約。体温を計測されて、アルコール消毒して、マスクは案内された席まで着用が義務付けられていました。

夕方16時ごろ浜辺に行ってみると、

散歩をしている人たち、カードゲームに興じている熟年夫婦のグループ、ビーチバレーやビーチサッカーを楽しむ若者、思い思いに楽しむ人たちの姿が。海の家で働く若者の腕に、使い捨てのマスクが腕輪のようにハマっていること以外は、いつもと変わらない夏の姿。

友達と夕暮れの海でアペリティーボを楽しみながら、こんな普通のことが、幸せなんだよなと飛んでいくカモメを眺めながらしみじみ感じたのでした。


今回ご紹介した場所のリンク

マラテスタの要塞https://castelliemiliaromagna.it/it/s/verucchio/6056-rocca_malatestiana

ピアディーネリーア Bar Ilde

https://www.barilde.it/

 

エミリアロマーニャ州をYouToube動画でご紹介しています。醸造しているバルサミコ酢のこと、養蜂のこと、お料理のことなどなどモデナでのスローどころか、サバイバルライフの様子を紹介してますので、是非覗いてみてくださいませ。

YouTobe チャンネル Akane in balsamicland

https://www.youtube.com/channel/UCaL8SHTuzQLOpX-woBWxTtg

モデナ人とノチーノ


本格的な暑さが始まったイタリア。

皆さんいかがお過ごしですか?

624日はサンジョバンニ(洗礼者ヨハネ)の聖人の日です。毎年モデナのスピランベルト市の守護聖人であるため、例年であれば、前後の週末にスピランベルトでは市を挙げてお祭りがあり、バルサミコ酢の品評会が行われるのですが、今年は残念ながら中止。来年に期待がかかります。

さてこのサンジョバンニの日を境に仕込む、青いクルミを使ったリキュールの話をしたいと思います。

ノチーノくるみ酒という意味で、

サンジョバンニバッティスタ(洗礼者ヨハネ)の聖人の日624日からサン・ピエトロ(聖ペテロ)の日629日の間に収穫する、青いくるみはまだ包丁で切れる位の柔らさのものを使います。

あの硬いくるみを想像すると青い実部分を使うのかと驚かれる方もいるかもしれませんがとてもいい香りなのです。

モデナの郷土料理レストランに行くと必ずと言っていいほど、食後にノチーノはいかがですか自家製のものがありますよ。と勧めてくださいます。グラッパやリモンチェッロなんかもお盆に乗ってくることはありますが、モデナに来たらやっぱりノチーノを選ぶのがツウではないでしょうか?

地元の人ならば、飲んだ後あーやっぱり家のノチーノ方がおいしいなぁなんて一言。そこですかさずレシピを聞いて回って集まったレシピまあこんなにバリエーションがあるのかとびっくり。

私の個人調査結果では、

1Lのアルコールに対して7個から35個のくるみの開きがあり、入れるスパイスもまあ色々。何も入れないという人、シナモンとクローブが王道ですが、レモン、オレンジの皮を入れる人、はたまたコーヒー豆、リクイリツイア(甘草)を入れるなどなど

切り方も半分、1/4に切る、半量は半分残りの半分は1/4にして混ぜるはたまた丸のままなど

アルコールとくるみスパイスを漬け込む、すぐに砂糖も投入する、砂糖は後から入れる、冷暗所に保管、ガラス瓶を夏の太陽に当てるまあいろんなレシピが出てくる出てくる。

寝かせる期間も半年から数年。人によっては木樽で寝かせる。樽の木の種類もバルサミコ酢の樽のお膝元だけに、くるみか、西洋オーク、はたまた他の材質かそこまで考えるとレシピは無限です。

バルサミコ酢の鑑定仲間の中にはモデナノチーノ協会の人もおり、ずいぶんとお誘い頂いたのですが、会場から車で帰れなくなること必須なので、丁重にお断りしております。

写真はモデナ ノチーノ協会のHPより(過去の写真です。)
興味半分聞いてみると、

「ノチーノ鑑定会は楽しいよお。大体3番目のサンプルくらいからみんなすごーく陽気になるからさあ。バルサミコ酢みたいに真面目な顔でやれないよワッハッハー」


スピランベルト市長も参加(モデナノチーノ協会 HPより)

楽しそうです。さすがアルコール度数30-40度。

少量では消化を助け、健胃作用があると言われていますが、地元のお爺さんが「ノチーノはどんな病気よりもモデナ人を殺したという格言があるくらいだから」と教えてくれました。確かに口当たりが良くて女性も好みなお味。ついつい飲み過ぎてしまう危険なリキュール。イタリア全土で作られているようですが、モデナの人に他の地域でも作られていますよね。と口を滑らそうものなら、モデナのものが一番に決まっているさ!と説教されること間違いなし。それだけモデナ人が愛してやまないリキュールです。

我が家でもクルミの数を変え、作り方を変え試しに試し出来上がった、我が家のレシピをYouTobe動画にてご紹介します。

YouTobe 動画 Akane in balsamicland

↓ ↓ ↓

https://www.youtube.com/channel/UCaL8SHTuzQLOpX-woBWxTtg?view_as=subscriber

皆さんも青いくるみが手に入ったら作ってみては?

そして、お好みのものができたら、うちのものは最高だよ。と食後にお客さんに勧めてみて下さい。

春の養蜂作業

イタリア好きの皆さんこんにちは!

数ヶ月前まで世界がこのような状態になるとは想像もできず、ウェブページもなんだか書くことができずにおりました。

人間が戸惑う中、季節が進みイタリアは春真っ盛り。たくさんの花が咲き、そんな自然の不偏さが嬉しい今日この頃。そんな自然の恩恵を感じる養蜂の春の作業をご紹介します。

以前にも養蜂について記事を書きましたが、

↓  ↓  ↓

https://italiazuki.com/2019/09/17/%e9%a4%8a%e8%9c%82%e3%81%a8%e3%81%b6%e3%81%a9%e3%81%86%e3%81%a8%e8%9c%82%e8%9c%9c%e3%81%a8/

現在我が家には現在西洋ミツバチの巣箱が8箱あり、無事冬を越すことができました。


 

ミツバチにとって冬はとても過酷です。越冬の条件は春までのミツバチの貯蔵があること、女王蜂が若くて健康であること、そして群の蜂が健康で病気を持っていない事が大事です。冬の間女王蜂を囲んで働き蜂たちは羽を動かして暖をとっており、どんなに気温が下がっても巣箱の中は37度に保たれています。なので冬の間、巣箱の温度が下がってしまうのを防ぐため、無闇に開ける事はできません。3月気温が高くなってきた頃巣箱の検査を始めます。

今年は320日から内見を始めました。

まず注意しなくてはいけない事は,女王蜂や働き蜂の健康状態。卵を産み始めていて、群の数が順調に増えていっているか。ダニなどの寄生虫がないだろうか。病気にはなっていないか。蜂蜜と花粉のある巣板は何枚あるか、分峰の兆候である王椀や王台があるかどうかそういったことをチェックしていきます。暖かくなるとたくさんの花が咲くのでいろいろな蜜を集めてきてくれます

我が家の採蜜は年に一度だけなので、特定した花の蜜は採取せず、日本で言う百花蜜になります。イタリア語ではミッレフィオーリと言って、千の花の蜜と言う意味の名前がついています。

どんな花の蜜を集めているのでしょう?

 

私が春先から今まで確認しただけでも、オオイヌノフグリ、タンポポ、桃、梅、プラム、桜、りんご、ラベンダー、キンポウゲ、プリモナリア、ヒイラギメギ、ローズマリー、ラベンダーと忙しく飛び回っているのが見えました。

夏までどんどん花が咲きますので、本当にたくさんの花の蜜が集積されることになります。

養蜂はやりたいと思えば、誰でも始められますが、条件があります。

ー工場の排煙やや農薬で汚染された場所でないこと

ー巣箱近くを人が通らないこと 巣箱の前6mは攻撃位置になるので絶対に前を横切ってはいけません。もちろん囲いも必要です。

ー朝日が必ず巣箱の前に当たる場所で、比較的日当たりが良い場所

であること 

ー水場が近くにあること 水がなくては蜂は死んでしまいます。

この条件をクリアして、養蜂を始めたら、イタリアでは必ず市町村に届けることが義務付けられており、世話ができなくなった場合など放置することは許されておらず、巣箱を焼却処分することが義務付けられています。そのほかにも、蜂の疫病、寄生虫





発生した場合など報告の義務があります。

春から夏にかけては巣箱を毎週一回から10日ごとにチェックして記録をつけていきます。

昆虫や虫は好きではない、刺されないのか?怖い。と言ったイメージが一般的ではないでしょうか?

ではどのように蜂と接するべきでしょうか?

-大きな音を立てたり巣を揺すったり脅かさない。敵が襲撃しに来たと思われる。

-蜂をむやみに手で払って潰したりしない 潰すとその香りで他の蜂が攻撃態勢に入る

-パニックにならない。アドレナリンが出るので、それを察して大群で攻撃されるので、心穏やかにいることが大事です。

ー走って逃げない 走ると追いかけてきます。もし、蜂が攻撃態勢に入り大群で押し寄せてきても、走って逃げたりせず、巣箱を閉じて、ゆっくりとその場を歩いて離れる必要があります。

:これは養蜂家の心得ですが、ハイキングなど中など間違えて巣に近づいてしまった場合などにも応用できるのではないかと思います。

しっかりお世話をしてあげれば、一箱の養蜂箱から30kg以上の蜜が採れるのです。

採れた蜜の味はイタリアの太陽の味。

古代ローマ時代のはるか昔から天然甘味料として珍重され、神々へのの捧げものでもあり時には通貨の役割も果たしたと言われています。

糖や微量のビタミン、ミネラルを含む蜂蜜はミツバチが集めてくれる花蜜の種類によって蜂蜜の色、粘度、香り、風味は様々。同じ百花蜜でも毎年気候条件が違うので、当然毎年味が違います。

当然、我が家では使い切れないので、今年は売上金を今新型コロナウイルスの終息に全力で取り組んでいるイタリアの赤十字に寄付したいなと考えているところです。 

こんな時期だから、イタリアの良いところを見直そう!世界にアピールしようと頑張っている方がたくさんいます。

私も微力ながらバルサミコ酢の醸造室の様子や、モデナの郷土料理のビデオを作りました。もちろん、今回の養蜂の様子も動画にしましたのでよろしかったら覗いてみてください。


動画リンクはこちらから

↓   ↓   ↓

https://www.youtube.com/channel/UCaL8SHTuzQLOpX-woBWxTtg

質問やコメントなど動画にコメントを頂けたら嬉しいです。

終息したらイタリアで皆さんにお会いできる事を願って!

ファエンツアの陶器産業を覗き見る

エミリア ロマーニャ州、エミリア街道沿いにあるラベンナ県ファエンツア市。中世以来陶器の街として栄え、イタリア最大の国際陶磁器博物館(イタリア:Museo Internazionale delle Ceramiche Faenza MIC)は、世界で最も重要な陶器博物館の1つで、町の中にも沢山の工房があり、そぞろ歩きも楽しい街です。


今回はそんなファエンツアの街中ではなく、陶器産業を支える郊外の工業地帯にお邪魔しました。

ボローニャ方面からファエンツア方面に車を走らせると高速道路の脇には大手の陶器の製造工場、ストック、運送会社など大きな建物からどんどん大きなトラックが出入りしているのがみえます。

バルサミコ酢の入れ物を作りたくて相談していたのが、イタリア好き通信でもお馴染みマルケ州に住む陶芸家の林由紀子さん。一つ一つ手作りで、ろくろ氏さんにひいてもらったタラーニョに色味は見てもらった方がいいからとまずは釉薬や顔料を選ぶところから。

容器は、食品を入れるもので、お酢だけに酸度があるため、鉛の入った顔料はもちろん使うことができない。マヨリカ焼きの焼成温度は日本の陶器よりも低く、1000度以上で溶ける顔料は使えないなど。ちなみに日本の土でマヨリカ焼きを作るとか、その反対にイタリアの土で日本の陶器を作ろうとしてもできないんだそうです。

全く知らない分野だけに、あり得ない質問をどんどんしてしまう私。

この透明感素敵!これはガラスの粉を置いて焼いた物だから平たいものでないと無理よ。

こんな感じでボカした感じうーんこの釉薬では無理。

このガサガサした感じをツルツルにかけるのは?それは全部ツルツルになっちゃうよ。

などなど根気よく頓珍漢な質問に答えてくれる林さん。

顔料はKg単位で売ってくれて、水で溶かして一晩置いてからの方が気泡が入ってしまったりしないとか、ピカッとして色の発色が良いものはほとんど鉛などの重金属が入っているらしい、陶器と磁器の釉薬は違うとか絵付けなのか、シールみたいなものを貼って作る場合もあるとか、素地の色が赤か白かによって出る色が違うなどなど奥が深い。狭い店内で、たくさんある色見本から焼成後に出る色を想像して色選びできるというのは、職人技だと感心しながら、次は素焼の陶器選びへ。

どう見ても倉庫にしか見えない、看板も出ていない鉄の重い扉を開けると、薄暗い埃っぽい室内に所狭しと大きさ違いのお皿、カップに小鉢、クリスマスオーナメント、壺、水差しが迷路のように鉄のラックが組まれ置いてある間にいくつもの焼成窯がいくつも奥に入っていくとオーナーらしきおじいさんが、黙々と作業をしていました。

こちらではシリコンなどの型を使い型取りをした陶器を焼いて売っているのだそう。陶芸というと、土をこねて形を作るところから絵付けをして完成するまでをいうのかと思い込んでいたのですが、イタリアでは一般的に使われる食器は、素焼き師、ろくろ師という職業の人がいて、絵付け師がいてと分業するそうなのです。おそらく、西洋の食器は大きさが決まっているからできることなのかもしれません。もちろんアート性が高いものは、一から土をこねて作るそうです。

絵付けしてもらいたいお皿や小鉢がいっぱい。蓋物も欲しい!それではろくろ師の方がいいからと2軒目。

こちらのろくろ師さんは今年60才。現在でも一番年少者だそうで、後継者不足が深刻なんだそうです。 2人のお子さんは別の道を選び、それでもしょうがないよ、自分で事業を起こさなかったら、ここまでやって来たかどうかわからないしなぁ。後は俺たちが居なくなったら、誰かが必要に駆られてやるんじゃないのか?とそうは言っても8時から20時まで毎日働いていらっしゃるそう。やはり情熱がないと務まらないのでしょう。型抜きの素焼きのものと比べると、繊細なデザインの物も多く技量の高さが伺えます。

作って頂いたタラーニョもあまりに容量が100mlと小さいため受けてくれるろくろ師が居らず、こちらにお願いをした経緯がありました。林さんに絵付けをしてもらい専用の木箱を作って日本に送った写真を見せると、本当に嬉しそうにしていらっしゃったのが印象的でした。

タラーニョにつける釉薬を選びに行くのがメインだったのですが、衝動買い的に買ってしまった素焼き。絵付けをお願いするには、まず自分のつけて欲しい柄を考えて、林さんの時間の余裕のある時に絵付け頂くという長期プロジェクト。お皿に乗せるお料理を想像して、付けて欲しい柄を考えるという贅沢な時間を過ごせるなと、まだ見ぬ特別なお皿を想像してはにんまり。

e13年目のバルサミコ酢デビューに林さん作の限定20個のタラーニョを我が家の醸造室を見にきて頂いた方だけに販売いたします。初お披露目は54日にいたしますので、お楽しみに。

13年物蔵出しバルサミコ酢お披露目会のお問い合わせはこちらから

https://www.facebook.com/events/176606216942784/

バルサミコ酢醸造室の見学試飲講習会、お食事会などは随時受け付けております。気軽にお問い合わせ下さい。

https://www.facebook.com/balsamicland/

 

特別なバルサミコ酢 その2

前回特別なバルサミコ酢のお話の続きです。

写真はマゼット屋敷17 世紀中盤に建てられたもの。向かって左側の3階の円窓のところに醸造室がありました。

我が家に受け継がれる樽は1700年代中盤のものですから、かれこれ250年以上手入れを繰り返しながら、大事に使い続けており、最終製品を取り出す樽の容量は 約30Lですが、酢酸菌や他の微生物のバランスが変わらないように年間、23Lしか樽から取り出すことができません。そのため通常、フォルニ家の特別な食事や、特別な贈答品として使われ来ました。

現在では醸造室を見学に来てくださる方だけに特別にお出ししているだけで、一切販売はしてきませんでした。

ところが去年の秋、懇意にさせて戴いている、厳選したイタリア食材を扱うEeT株式会社の山田さんから特別な販売会のお話があり心が動いたのでした。

http://eet.co.jp/

デパートが主催する外商顧客で招待状をお持ちの方のみご入場いただける特別な販売会との事。

逸品会という特別な販売に市場には出回らない、ワイン、生鮮品以外のイタリア食材を探し出して、出品しなければならないのだけれど、どう考えてもバルサミコ酢しか思い浮かばないのですが、どうでしょうか?とその本数は100ml7つ。

条件はある金額以上の価値がある物、そしてストーリー性、オリジナル性、限定品である事。

今まで贈答用のものであっても、市販の容器に入れていたのですが、これはもう容器も一点ものの手作りにしたい。思い浮かぶ方はこの方しかいない。

イタリアで活躍する、陶芸家 林由紀子さん。

イタリア好きVol33マルケ州特集のコーディネイト、Web通信でもおなじみであり、大切なお友達でもある彼女に是非担当してもらいたい!とお願いしたのです。

林さんの記事はこちらから

https://italiazuki.com/category/tsushin/marche_h/


(写真は個人所有の博物館で見つけたタラーニョで3L以上入りそうな大きなものも)

容器の形はTragnoタラーニョ。モデナでは伝統的に液体を搬送するために使っていました。通常はもっと大きな容器で、横についた取手は紐を通して運搬するためのもので、馬車の荷台に乗せた時に振動で割れたり壊れたりを防ぐため上から吊り下げて、まっすぐに保てるという機能性を備えています。

一つづつろくろ引きして作ったタラーニョ100mlと小さなものに我が家の紋章を一つ一つ手描きで絵付けしていただき、裏にはBalsamico 2019と由紀子さんのサイン入り。

手書きですからまさに一点もの。

箱にもこだわって、バルサミコ酢の樽を彷彿とさせるような濃い目の茶色に、金の留め金中にはなめし皮風のクッション色も作品に合いそうなものを彼女に選んでもらいました。

正面には夫と立ち上げたバルサミコ酢のコミュニティーサイトal vasèlのロゴバルサミコ酢の樽を模したものを入れ、並べると醸造室を思い浮かべることができるという寸法です。

https://www.alvasel.com/

2月の上旬と中旬の2回に分けて販売されるとのこと。価値がわかる方のところへお嫁に行って欲しいと願うばかりです。


イベントのお知らせです

モデナの我が家マゼット屋敷にて5月4日にイベントを開催します。ゴールデンウイークにイタリア旅行を考えていらっしゃる方是非いらして下さい。

13年物蔵出しバルサミコ酢お披露目会と

イタリア好きVol.36で紹介された

Mirkoシェフの料理レッスン&ケータリング

 お陰さまで今年で夫Massimilianoと増やした樽が13年目を迎えます。伝統的製法のバルサミコ酢は最低でも12年の熟成を必要とし、納得いくものを待って、今年13年目皆様にお披露目いたします。その間葡萄の出来だけでなく、作り手にも子供が生まれたり、良いことも苦労も含め造り手にも変化がありました。バルサミコ酢の歴史は家族の歴史でもあります。

そんな要素が絡まって一年一年熟成した13年目のバルサミコ酢のお披露目をさせていただきたく、今回特別な会を開きます。

スケジュール

 ※おおよその時間です。多少前後することがありますので、ご了承ください。

イタリア好きVol.36に特集された

11:00  バルサミコ酢醸造室見学

11:30  バルサミコ酢試飲鑑定講習会

    日本人初A級バルサミコ酢鑑定士 堂内あかねが

    どんなものを基準にバルサミコ酢選びを

    すべきかを伝授。

12:00  郷土料理講習会 

    地元でモデナで高級ケータリング会社を営むこだわりの

    出張料理人ミルコ ピンナシェフをお呼びして

13:00 モデナの郷土料理と地元食材を使ったお食事会

    モダンと伝統が共存した素晴らしいお料理の数々。

    ミルコシェフが腕を振るいます

    メニュー内容

    アペリティーボ 10種類の前菜と地元ワインで

    プリモピアット

    セコンドピアット

    付け合わせ各種

    ドルチェ各種

    ワイン、リキュール、コーヒー

15:30  販売会、解散

すべて日本語での説明、もしくは通訳をいたします。

グループでなくても個人でもお申し込みが可能ですので、是非お申し込みください。

参加費用 250ユーロ/1

最小催行人数5名 最大12名 (先着順)

申し込み方法

426日までに当FacebookページAkane in balsamiclandよりメッセージ、またはコメントも合わせてご参加申し込みください。双方確認後メッセンジャーにて会場アクセスなど詳細をお送りいたします。

https://www.facebook.com/events/176606216942784/

:Facebookのイベント参加表明だけではお申し込み完了になりませんのでお気をつけ下さい。

 

特別なバルサミコ酢 その1

早いもので、1月も終わりに近づいていますが、いかがお過ごしですか?

私事ですが、昨年11月に日本人初めてとなる、バルサミコ酢A級鑑定士の試験に合格いたしました。足掛け10年を要しましたが、これからもマスター級を目指して精進したいと思っております。また今年はいろいろな意味で、日本の皆様にバルサミコ酢造りを広くお知らせしていけたら幸いです。

幾度かこちらのコラムでバルサミコ酢の話を書いておりますが、イタリア、エミリアロマーニャ州、モデナの旧家には先祖代々受け継がれている伝統的なバルサミコ酢が存在する事をご存知でしょうか?通常バルサミコ酢という名前が付いて販売されている商品とは似ていて全く非なるものです。


写真はモデナドゥカーレ宮エステ公爵家の肖像画

その昔、モデナにおいてバルサミコ酢の醸造室を有することは王侯、貴族など特権階級だけが許される最上級の贅沢でした。あくまで貴族の趣味として始まったバルサミコ酢作りであり、貴族間で催される品評会や、特別な贈答品として用いられ、ヨーロッパ諸国の王族がこぞってこの芳香(イタリア語でバルサモ)の酢を欲しがったと言われています。

また薬効もあると言われ、薬局で販売されていたようで、ある文献には死人も起き上がる効能があったという記述もあったほど。


18世期のノナントラ市の地図。現在マゼット屋敷と呼ばれる我が家も載っています。

私が嫁いだフォルニ家は現在のモデナ、フェラーラ、レッジョエミリアを統治した エステ公爵家の右腕として外務大臣を勤めていました。モデナ屈指の1100年代から続く旧家で、エステ公爵と共にサボイア家によるイタリア統一後、オーストリアに亡命を余儀なくされました。体制が落ち着いた後、フォルニ家はモデナに戻りますが、すぐに世界大戦が勃発しました。モデナ県においても爆撃された建物が非常に多かったそうです。

モデナ市の郊外の屋敷であったため略奪や破損を受けることもなく、バルサミコ酢の樽は当主不在が長かった時期もありますが、屋敷と領地を守る管理人に恵まれ屋敷と共に奇跡的に残りました。舅の叔父の代まではバルサミコ酢造りは任せきりだったようですが、時代は変わり舅が管理をし、そして2007年からは主人のマッシミリアーノと私が継承し、唯一の原料であるモストコット造りからバルサミコ酢造りをするようになりました。

伝統的製法で作られるバルサミコ酢は、モストコットと呼ばれるぶどうの絞り汁を煮詰めたものを唯一の原料とします。9月に採れる完熟の白ぶどうトレビアーノ種を絞り、直火でゆっくりと丸一日煮込んで煮詰めた後、春までゆっくりとアルコール発酵させます。

その後材質の違う大小7つの樽に移し替え、年に一度移し替え作業を行いながらゆっくり酢酸発酵と熟成を行います。ワインとは大きく異なるのは、酸素が必要な酢酸発酵が行われるため、樽の上部が空いており、液体が一年間に10%前後蒸発していきます。冬になると、一番小さい樽から最終製品を樽の10%(年によりますが、23L前後)取り出し、その取り出した分と、蒸発した液体分を少し大きい隣の樽から移し替えます。二番目に小さい樽は三番目の樽からと順繰りに移し替え作業を行いない、やっと一番大きい樽に去年作ったモストコットが入ります。

この移し替え作業を毎年する事により、材質の違う樽のタンニン、香り、収穫年の違うぶどうの煮詰めた汁が混ざり合い独特のハーモニーが生まれます。100kgのぶどうを毎年25年間、毎年移し替え作業を行い熟成させると最終的に約2Lのバルサミコ酢にしかなりません。熟成期間は最低でも12年、25年以上の物、さらに100年、200年このように気の遠くなるような手間と熟成期間を必要とする特別な物。貴族の楽しみとして生まれたというのも頷けます。

そのため、今なおモデナ人の最高のステータスシンボルは、アチェタイア(バルサミコ酢の醸造室)を持つことなのです。

我が家の樽は1700年代中盤のものですから、かれこれ250年近くこの作業を繰り返している事になります。この樽からは年間、23Lしか樽から取り出しません。そのため通常、フォルニ家の特別な食事や、特別な贈答品として使われて来ました。現在では醸造室を見学に来てくださる方だけに特別にお出ししています

今年は、主人と結婚した時に、結婚祝いとして友人親戚一堂に結婚祝いとして資金援助をしてもらい増やした樽が13年目を迎えます。ようやく納得がいく味になってきましたので、少しづつ蔵出しをする事を決めました。


5月4日、ゴールデンウイークの最中にイベントをいたしますので、もしその期間にイタリアにいらっしゃる方は遊びにいらっしゃいませんか?

13年物蔵出しバルサミコ酢お披露目会

イタリア好きVol.36で紹介されたMirkoシェフの料理レッスン&ケータリングにバルサミコ酢試飲鑑定講習会などなど盛り沢山の内容です。もちろん蔵出ししたバルサミコ酢の販売もございますし、家宝のバルサミコ酢もお料理と合わせます。


我が家にいらした方にしか購入できない限定容器なども作る予定ですので、お楽しみに。お申し込みは私のFacebookページ Akane in balsamicland イベントより

https://www.facebook.com/events/176606216942784/

 

 

 

 

モデナドゥカーレ宮 秘密の醸造室

クリスマスも間近に迫ったモデナ、どの街角にもイルミネーションが点灯し、気忙しい師走の気分が少し和らぐようです。

写真はドゥカーレ宮前の広場より

そんな中、伝統的バルサミコ酢愛好者協会モデナ支部の最後の鑑定会がドゥカーレ宮で行われ、バルサミコ酢醸造室を見学する機会を得たので、ご紹介します。

モデナのpalazzzo ducaleドゥカーレ宮殿は、1634年に建築され、その後2世紀にわたりモデナ、フェラーラ、レッジョエミリアを治めていたエステ家の宮廷として使用されました。

その西側のプラート塔は(写真左側)1747年に公爵のバルサミコ酢の樽が移され、ここで歴史の公文書で初めてバルサミコの名が使用されました。
その後イタリア統一でモデナ公国が無くなるまで、バルサミコ酢の醸造室として使用されていました。その樽の数は36樽ほどだったと言いますが、現在のバルサミコ酢を醸造する樽から比べると随分サイズの大きいものが保管されていたようです。

残念ながら、バルサミコ酢の樽は1796年にナポレオンが軍資金集めのために競売にかけたり、イタリア統一の際、勝者であるサボイア家に奪われ、トリノのモンカリエーリに運ばれて行ったものもあるようですが、運搬中の破損、気候の違いなどで、全くバルサミコ酢とはお呼びのつかないようなものになってしまったりと雲散霧消。公爵の衰退と共に、バルサミコ酢も歴史の波にのまれたのでした。


現在展示されている樽は1990年代に新しく寄付された物で、残念ながらエステ公爵家の樽は何一つ残っていませんが、当時の醸造室に想いを馳せることができます。


このプラート塔、地上30m、天井が6m以上の高さとのこと、大きな貯蔵室で、壁の厚さも厚く、内側から二つの鉄の閂がかかるようになっており、敵の襲撃など緊急時に公爵が隠れるスペースとしても用いられていたそうです。
公と同じぐらいバルサミコ酢が重要であったという証のように思えます。
こんなに分厚い壁

贅を極め、バルサミコ酢という至極の酢を作りはじめたエステ家。その一族はもうモデナに在住しなくなりましたが、バルサミコ酢を作る伝統はひっそりと息づいているのです。王侯貴族の趣味として始まった伝統的製法のバルサミコ酢のルーツである公爵家の醸造室は
今なおバルサミコ酢の醸造室を持つことがモデナ人の誇りであるという事をおっしゃっていたバルサミコ酢愛好者協会会長の言葉が誇張でない事を目の当たりにしたように思いました。
今回の醸造室の見学はバルサミコ酢愛好者協会のための特別公開とのことで、建物の中に入るのも事前のIDカードの届け、当日の入館チェック、各グループに専属の士官がつくなど物々しい警備でした。
現在ドゥカーレ宮は軍学校の施設となっているため、土日の決まった時間帯のガイド付きツアーの事前申し込みが必要です。
イタリア語ガイドが主ですが、20名を超える場合は英語通訳の要請も可能です。
バルサミコ酢の醸造室の一般公開は建物の安全性の面などから残念ながらされていませんので悪しからず。
ドゥカーレ宮ツアーお申し込みはこちらから

https://www.visitmodena.it/it/informazioni-turistiche/scopri-il-territorio/arte-e-cultura/ville-dimore-teatri-storici/palazzo-ducale-accademia-militare

我が家のバルサミコ酢醸造室を見にいらっしゃいませんか?
見学試飲や、郷土料理のお食事会、お料理教室などご相談に応じます。グループでいらっしゃる方にはイタリア好きVol .36で紹介されたMirkoシェフを呼んでのお食事会などもオーガナイズいたします。

お問い合わせご予約はこちらまで
https://m.facebook.com/balsamicland/

それでは皆さん良いクリスマスと良いお年をお迎えください。

 

 

 

醸造機具国際展示会SIMEI

イタリア好きの皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

例年より、やや気温が高めのイタリア。ベネツィアを始め各地で、大雨や大雪で災害が起こったり、これも温暖化の影響なのでしょうか?エミリアロマーニャ州モデナも例外ではなく、浸水被害が出たところも多く、1日も早い復旧を願うばかりです。

さて、11月19日から22日までミラノ、ローフィエラで行われたSIMEI(Salone Internazionale Macchine per Enologia e Imbottigliamentoの略)醸造機器と瓶詰め機器の国際展示会を見てきました。
ワインをはじめ、ビール、ウイスキーお酢などの醸造に欠かせない道具最新の醸造の機器を見ることができます。

ミラノのローフィエラは2008年にアンジェロマンジャロティの設計で作られた施設で、205,000㎡。東京ドームの建築面積の約7個分、ビックサイトの総展示面積の約2.1倍。とにかく大きい国際展示会場です。

ミラノサローネでなどでは全てのブースが使われ、ものすごい人出。そのイメージで出かけると、9,11のブースでの展示会とのことで案外外は閑散としていました。
とはいえ中に入れば、イタリアを始めヨーロッパ圏はもちろんアジア系、中等系、アングロサクソン系と色々な方がたくさん。
まずは私が個人的に気になっているぶどうの除梗機。
巨大なものから大きなものから、ほとんど手動の小さなもの、スクリューがゴム製になっていて。ぶどうを潰さず、葡萄の実をとることができるものなどなど。
お次は圧搾機。主流は圧搾機の中の風船が膨らんで圧搾するものと昔からの圧搾機のように上から圧力がかかるもの。木製かステンレス製か。ぶどうの絞りかすの処理が楽なものはどれでしょう?
お次はタンク。最新技術は温度だけでなく圧力や、ぶどう液の対流、コンピューター制御パネルが装備。もちろんステンレス製だけではなく、セメントタンク、木製の大樽などなど

これぞイタリアデザインの国!を思わせるデザインと最新鋭の技術を集結したタンクも各種。
木製の熟成樽バリックはイタリアより、フランスが多いよう。オーストリアの会社も。
ボトリングの機械や、コルクなどのキャップ類も多く展示されていました。
大きな機器の洗浄装置や、洗浄実演ちょっとテレビショッピングの実演販売的。
高圧洗浄器は大掛かりなタンクの洗浄にいいなあ
実際ぶどうの作業をする身はこういうものが気になるんです。
もちろん葡萄畑の中で使用する機器も
例えば、葡萄畑の支柱や、ワイヤー。
ぶどうを入れるカゴ
多分作っていなければ目がいかないものばかりなんですが、マニアックな世界は楽しい。皆さんも一度いかがですか?
最新鋭の道具を知ると、ワイナリー見学もまた違ったものになりますよ。
SIMEIの公式ホームページはこちらから

https://www.simei.it/

バルサミコ酢の醸造室見学、バルサミコ酢を使ったモデナの郷土料理お食事会、料理教室、モデナもシェフを呼んでスペシャルな一日を過ごしたい、などお問い合わせはこちらまで。同行通訳をいたします。

https://m.facebook.com/balsamicland/


写真はイタリア好きマッシモツアーより
それでは皆様、モデナでお待ちしております。

モデナのパルミジャーノレッジャーノチーズ

すっかり晩秋のエミリアロマーニャ州はモデナ。ずいぶんと気温が下がり、今朝は遠くに見えるアッペンニン山脈の頂が真っ白になっていました。庭の木々も随分と紅葉して、花材も色とりどりの葉っぱや実がたくさん。

食欲の秋にふさわしいチーズの王様パルミジャーノレッジャーノチーズの工場をご紹介します。

その歴史は古く、1250年にジェノバ共和国の公文書においてcaso parmesi(パルマのチーズの意)の購入記録などが発見されており、ずいぶん古くから存在していたようです。

日本ではパルマ県というイメージが強いと思いますが、パルミジャーノチーズはポー川の南西に位置するパルマ県、レッジョエミリア県、モデナ県、ボローニャ県、マントバ県の5県にわたって作られており、現在パルミジャーノレッジャーノチーズを作る工場は330軒、そのうち61軒はモデナ県にあります。うちのご近所にもBio製法で作られているパルミジャーノレッジャーノチーズ農場があり、冬のために刈られた沢山の干し草のロールを積み上げた倉庫があるレッジャーニさんのチーズ工場へお邪魔しました。

こちらは37年前、たった5頭の牛から始めた小さな酪農農家だったレッジャーニさんのチーズ工場。今では1200頭の牛から毎日牛乳を絞り、パルミジャーノレッジャーノチーズを作っています。奥さんマリアテレーザ(通称テリー)さん、が案内して下さいました。

パルミジャーノレッジャーノチーズは朝晩2回絞った牛乳で作ります。前日絞った牛乳はすぐに18度以下に冷却し、次の朝まで置くと、上部に脂肪分(生クリーム)がたまります。生クリームを取り除いた牛乳に、その日の朝に絞った牛乳を混ぜ合わせ、1000L入る銅なべにいれます。
36度まで温度を上げた後、前日にチーズを作った残りのホエー(乳清とも呼ばれ牛乳の脂肪分とカゼインを取り除いた残りの黄色味がかった液体)をバケツ一杯、レンネット(凝乳酵素)を入れ50度まで加熱し、4分間経つとプディング状に固まります。それを10分後にスピーノと呼ばれる道具で細かく壊し、約一時間後ホエーと、チーズに分けます。鍋の底の固形分を麻布に入れて引き上げ、スパッと二つに分け二つのパルミジャーノレッジャーノチーズの大元が出来上がります。これをまた麻布に入れて、木の大ベラに引っ掛けて、水分を切ります。
それをファッシエーラと呼ばれる型に入れ、夕方まで上下をひっくり返すこと3回、木の重石を置きながらしっかり水切りをした後、パルミジャーノレッジャーノチーズの刻印の元になる帯を巻いて一晩置くとしっかりパルミジャーノレッジャーノチーズの文字がチーズに刻印されます。これを上下を返しながら乾かす事3日間、次は塩水プールへ
パルミジャーノレッジャーノチーズの唯一の保存料は塩のみ。2/3が塩、1/3が水のこのプールで20日間しっかりと塩を染み込ませます。表面を洗浄し、いよいよ熟成庫へこの時点でのチーズの重量は50kg。
気温17度、湿度75%の熟成庫で裏表を返しながら、週に一回表面に浮いた脂肪分をブラシで擦って綺麗に保ちます。一年経った時点で、パルミジャーノレッジャーノ協会の監査員が専門の金槌で、一つづつ丹念にチェックをし、検査が通ったものについては、パルミジャーノレッジャーノチーズの刻印が押されます。通らなかったものはすぐにパルミジャーノレッジャーノの刻印が削り取られます。どんなに熟練のチーズ職人が作っても最低5%は検査に通らないと言われています。
その後また熟成させること一年あまり。この時点の重量は40kg
チーズがこの部屋にあるだけで、こんなに痩せるんだから、私だって痩せるはず!と思ったけど、この部屋でいくら作業しても痩せないのよねーと笑うテリーさん。
待った無しの生き物相手に365日間、休みなく毎日チーズを作り続け、牛の飼料となる干し草ももちろんBio農法で作った牧草から作り、抗生物質などの薬や、保存添加物一切なし、また、牛舎で出たし尿、チーズ造りで出るホエーや、チーズの表面の削りカスを利用して、ビオガスから発電をしており、工場で必要な全ての電力をまかない、ビオガスを取った残りのカスは畑へ肥料として使う完全循環型の環境に優しい。そんなこだわりのチーズ工場。
この度イタリアはベルガモで行われたチーズ品評会Word cheese awards 2019年で、全世界3500種類以上のチーズが出品された中、レッジャーニさんの18〜22ヶ月熟成のパルミジャーノレッジャーノチーズが11位にランクインしました!
出品されたパルミジャーノレッジャーノチーズの中で最高位!
本当におめでとうございます!

レッジャーニさんのパルミジャーノレッジャーノ工場
見学は事前に要予約(イタリア語のみ)

https://www.bioreggiani.com/


パルミジャーノレッジャーノチーズ工場の見学、バルサミコ酢の醸造室見学、バルサミコ酢を使ったモデナの郷土料理お食事会、料理教室、モデナもシェフを呼んでスペシャルな一日を過ごしたい、などお問い合わせはこちらまで。同行通訳をいたします。

https://m.facebook.com/balsamicland/

皆さんも一度、モデナに足を運んでみませんか?

 

 

養蜂とぶどうと蜂蜜と

すっかり秋風が吹き始めたモデナです。みなさんいかがお過ごしですか?

そんな中ぶどうの収穫をいつにするか、そんな話が出てくるのも今の時期。

今回はエミリアロマーニャ州からミツバチのお話をしたいと思います。

ミツバチは全世界で減少傾向にあると言われ、世界の果物や野菜の受粉の70%はミツバチたちがになっていると言われており、全滅すれば、食糧危機となる事は必須との事。

コルディレッティ(Coldiretti : Confederazione Nazionale coltivatori Diretti)イタリア全国直接栽培者連合の調べではイタリアの蜂蜜年間生産量は2万トン。うち、一位ロンバルディア州、二位ピエモンテ州、三位エミリアロマーニャ州の順になっています。日本は年間生産量2、8トン。

どうりて、日本の果物栽培の受粉の様子が筆を使っての人工受粉についてイタリア人から驚きを持って質問される訳です。これだけの数のミツバチがいるわけだからイタリアでは人工受粉をする必要がないわけなのに納得。

さて、我が家はモデナ県の東に位置する、ランブルスコソルバーラ種DOCの生産地の中心。我が家の葡萄畑も規定に沿って、ランブルスコ、サラミーノ、トレビアーノ種と、3種類のぶどうの木が植えられています。もちろん、バルサミコ酢作りに使うぶどうもこの畑で栽培しています。

ぶどう自体は花をつけたら、花粉を自ら飛ばして受粉する「自家受粉」を行う植物と言われますが、ぶどうの花の間を仕切りに飛び交うミツバチたち確実に受粉のお手伝いしてくれています。

統計データでは養蜂箱を置いた後のぶどうの味が向上したという報告も多く、我が家のぶどうの実のつき方もとても良い事から、確実に我が家の葡萄畑に貢献してくれている大事な働き手。
庭の様々な果樹も毎年鈴なり。
何よりもミツバチは農薬や、大気汚染などに大変敏感でミツバチが住める環境であるということは、私たち人間にとっても安全が保証されたようなもの。

今年は5月の長雨にせっかく咲いた花の蜜が流れてしまい、蜂蜜が採れないどころか、ミツバチの食料となるミツも不足で沢山の群れが死んでしまったり、分峰していなくなってしまったりという被害がエミリアロマーニャ州を始めイタリア全国で報告されていました。
その反面たまたま、急な雨が降った時に写真の分蜂の群れを見つけて、うちの子に加わった群もいるのです。
6月、7月の好天が功を奏し、やっと8月に採蜜作業にこぎつけることができました!採れた蜂蜜は約120kg。
ミツバチは貯蔵した巣穴が蜜が一杯になると蜜蝋で蓋をします。これをナイフで削り取り、ドラム缶に均等になるように差し込み、手回しの遠心分離機にかけてハチミツを取り出します。

黄金色のハチミツが流れ出てくる様子は圧巻!でもこれだけでは、ハチミツに混じった蜜蝋などが混じって、食感が悪いので、最低10日間寝かせます。すると蜜蝋が上にたまり、ハチミツと分かれるので、綺麗なハチミツが採取できるのです。

3月の上旬から咲く、果樹の花桃、プラム、桜、を始め、アカシア、シナノキ、我が家の周りはパルミジャーノの牧草を栽培しているので、エルバメディカと呼ばれる牧草のお花などなどイタリア語でMiele di mille fiori 千の花の蜜。(和名ならば百花蜜)味も香りも濃厚。同じ牧草を食べて育った牛の乳から作るパルミジャーノレッジャーノチーズとの相性も抜群です。
その土地でできたものはその土地のものとよくあう!
蜂蜜だけでなくバルサミコ酢や、サボール(砂糖を使わず、秋のモデナのフルーツを凝縮させたコンフェトゥーラ)と贅沢に組み合わせながら楽しむことシンプルだけど、豊かなモデナの田舎暮らし。
一度遊びにいらっしゃいませんか?

バルサミコ酢醸造室の見学、試飲講習会、郷土料理のお食事会、料理教室のお問い合わせは

https://m.facebook.com/balsamicland/


以前イタリア好きShopping でご紹介させていただいたMirkoシェフの魅惑のコンフェトゥーラ、サボールをパルミジャーノもオススメの一品。まだ少し在庫があるようです。ご購入はお早めに

https://italiazuki.com/2019/07/15/《-会員向け-》-伝統的コンフェトゥーラ-savor(サヴォ/

さて、ミツバチたちがお手伝いしてくれた葡萄の収穫、そろそろはじめます。