マンマのレシピ

マンマの紹介

  • コンチェッタ・パパロ(Concetta Paparo) さん
  • シチリア州ブロンテ村在住
  • 【得意料理】パンも焼くし、40人のパーティーだってやる料理好き。ピスタチオの料理レシピも多数。

お料理説明・背景

2020年2月、横浜港に停泊中の旅客船からのコロナウイルス騒ぎがあって、少し世の中がざわざわしていた頃、イタリアへ取材に渡った。コロナ禍前の最後の取材だった。 このときはシチリアの東側、カターニャのアーチレアーレという町で行われる祭りを中心に、東シチリアの特産、名産の取材と、ナポリ市街の取材だった。 アーチレアーレでは、まだコロナの影は微塵も無く、人々は大いにはしゃぎ、騒ぎ、祭り週間を楽しんでいた。もちろん僕らも楽しく取材を進めていた。

東側のシチリアには活火山で有名なエトナ山(標高3323m)がそびえ、その地形的な恩恵もあり、柑橘類、ナッツ類など味わいに特徴を持つ食品がある。ワインもおいしい。その中の一つブロンテ産のピスタチオは、イタリア好きにはたまらなく響く特産品だろう。 「ピスタチオに恋をしたんだ」と言うアロマさんは、カターニャ大学で農学を勉強し、ピスタチオをテーマに卒論を書いた。そして元々家族が持っていた土地をピスタチオ農家として立ち上げた。

ブロンテ産のピスタチオは、結実の多い年、少ない年と交互に繰り返すため、収穫は1年おきに行い、収穫しない年は花芽を落とし、木を休ませる。そして木は溶岩土壌の乾いた土地で水のあるところまで深く根を張り、昼夜の寒暖差も影響して収穫できるピスタチオの味は、濃厚で甘味が強い、質のよいピスタチオになる。

ピスタチオ今回は、アロマさんのマンマ、コンチェッタさんにアロマさんの会社で作っている、ピスタチオのペーストとフレークを使った絶対においしいピスタチオのペンネを作ってくれた。 生まれも育ちもブロンテのコンチェッタさんは、さすがイタリア(シチリア)マンマ、息子愛が強く、アロマさんの商品PRに余念が無かったが、それもおもしろいイタリアらしい光景として微笑ましかった。

レシピはいたってシンプルで、おいしいピスタチオのペーストがあれば間違いない。でもしっかりこだわりはある。「よく生クリームを使う人が多いけど、生クリームはピスタチオの香りを消してしまうから使わない」と言う。さすが生粋のブロンテっ子(笑)。 パスクアのときに作った料理写真を見せてくれたり、40人のパーティーで作った料理の話をしてくれたり、よく笑い、陽気にしゃべるコンチェッタさんだった。

ピスタチオさらにこの日はもう1品作ってくれた。パーネクンツァート(味付けしたパンという意味のシチリア方言)シチリア風パニーノ。大きなシチリアパンにプローボリチーズに、ドライトマトにオレガノとオリーヴオイルをたっぷりかけて挟んで、潰すようにしっかりパンに味を染み込ませるのがポイント。うまいよ。

文:イタリア好き編集長 マッシモ 写真:遠藤素子

ol.42東シチリア特集★『イタリア好き』本誌vol.42東シチリア特集

東シチリア、アーチレアーレのホスピタリティに包まれる
ヴェネチアと並ぶイタリア3大カーニバル開催地の一つ、カターニアのアーチレアーレを取材。さらにピスタチオ、アランチャ、レモン、アーモンド農家を訪ねる。食べずにいられない! 即興パニーノを作る名物おじさんも再訪も必読!
https://italiazuki.com/?p=40192

作り方

  1. しっかり塩を入れた湯(塩分1%程度)でペンネをゆでる。
  2. フライパンにオリーヴオイルをひいてみじん切りにしたタマネギをしんなり透明になる程度に炒める(茶色くしない)。
  3. 2に拍子切りにしたパンチェッタを入れ炒め、火が通ったらピスタチオペーストを加える。(写真a 参照)
  4. パンチェッタとピスタチオペーストがなじんだら、牛乳を加え混ぜる。(写真b,c 参照)
  5. 4にゆで上がったペンネを入れて和えたら、ピスタチオフレークも加え混ぜ合わせる。(写真d 参照)
  6. 皿に盛って仕上げにひと振り ピスタチオフレークをかけたら出来上がり。
  • a. パンチェッタを炒める
  • b. ピスタチオペーストを加えてなじませる
  • c. 牛乳を加える
  • d. ペンネを入れてあえる

お料理ポイント

ペーストには火を通し過ぎずないことと、牛乳を使うことで、ピスタチオの香りが失われないでおいしくできます。