ヴァッレ・ダオスタ  ズッパ・アッラ・ヴァルペリネンツェ

ヴァレ・ダオスタでいちばん気に入った料理。

それは、Zuppa alla valpellinentze(ズッパ・アッラ・ヴァルペリネンツェ) だ。

本誌p32でも少し紹介している。

チリメンキャベツをくたくたに煮てから、硬くなったパン、フォンティーナを重ねて、

ブロードを入れ、オーブンで約25分。

分かりやすく言えば、オニオングラタンスープのキャベツ版。

そして、食べる直前にアツアツの溶かしバターをかける。

ジュワと音がして、食欲をそそる香りがひろがる。

そのアツアツをフーフーしながら食べると、キャベツの甘みと、

濃厚なフォンティーナの味が見事に絡み合い、思わずにっこりする。





取材中は同じようなズッパをよく食べた。

寒い冬には体を温めてくれるひと品として、ここに住む人の日常食となっているのだろう。

本当に美味しかった。

ただ、ひとつ付け加えれば、大変高カロリーであることは言わずもがなである。

胃袋と内臓脂肪などが気になる方は、少々控えめにしたほうがいいかもしれない。

ちょっと危険な誘惑の味である。

 

Hiroaki Matsumoto