イタリア映画から元気をもらおう!「イタリア映画祭2011」開幕

毎年1万人を越える映画ファンが訪れているゴールデンウィーク恒例のイベント、

「イタリア映画祭2011」が今年も4月29日から開催された。

2001年の「日本におけるイタリア年」をきっかけに始まった同映画祭だが、

今年は東日本大震災の影響を受け、

開催11年目にして初めて来日ゲストが誰も参加しないという事態になった。

例年のような華やかさには少々欠けるものの、

最新のイタリア映画を一気に見られる貴重な機会とあって前売券完売作品も多く、

会場には1日に2本、3本と見ていくような熱心な映画ファンや、

イタリア語に触れたい、イタリアの風景が見たいというイタリア好きたちで賑わっていた。

「開会式」で挨拶に立ったイタリア文化会館館長のウンベルト・ドナーティ氏は、

予定されていた来日ゲストによる「座談会」の代替プログラムとして、

2006年に同映画祭で上映されたエルマンノ・オルミ監督の「ポー川のひかり」のチャリティー上映を行うと発表。

この上映は入場無料で、東日本大震災救済募金への協力を求めるもの。

続いて舞台挨拶を行ったチネチッタ・ルーチェ株式会社フィルミタリア部門プロモーション部長のカルラ・カッターニさんは、

「イタリア映画の歴史は古いが、この映画祭はまだ11年目。

今後も皆さんの力で育んでいってほしい」と挨拶。

「今年のラインナップは人生、情熱、キスといった言葉がタイトルにつく映画が多いのが特徴。

こういったモチーフの作品が皆さんに好意的に受け入れていただければ嬉しい」と語っていた。

「イタリア映画祭2001」は東京会場4月29日~5月4日、大阪会場5月7日~8日で開催。

エリオ・ジェルマーノがカンヌ国際映画祭の主演男優賞を受賞した「ぼくたちの人生」

米アカデミー賞のイタリア代表作品「はじめての大切なもの」

ヴェネチア映画祭のコンペティション部門で上映された「われわれは信じていた」「ラ・パッショーネ」

フェルザン・オズペテク監督のハートフルコメディー「アルデンテな男たち」

ガブリエレ・ムッチーノ監督がステファノ・アッコルシらスターを起用して描いたヒット作「最後のキス」と、

その10年ぶりの続編となる「もう一度キスを」など計12作品が上映される。

今回はコメディーなど明るい作品が多いのも特徴。

何かと気持ちが暗くなりがちな昨今、

前向きなイタリア式の人生の楽しみ方を映画から味わってみてはいかがだろう。

公式サイト http://www.asahi.com/italia/2011/

TEXT 渡辺いさ子