画像

日本初上陸!自然派ワインのイベントRAW WINE TOKYOへ!

皆さん、こんにちは!

近年、日本でも盛り上がりを見せる自然派ワイン界隈。
先月、5月12日(日)、13日(月)には東京・天王洲で世界中の自然派ワインのイベント『RAW WINE ロウ・ワイン』が開催されました。

世界15ヵ国より120以上の自然派ワイナリーが日本へ集結。イタリアからは最も多い21ワイナリーが出展しました。

彼らの造る自然派ワインを試飲しつつ、色々とお話も聞けましたのでレポートしていきたいと思います!

 

記事の構成

1. RAW WINEとは?

2. 自然派ワインって何?

3. イタリア自然派ワインをテイスティング

4. まとめ&最後に

 

 

1.RAW WINEとは?

今回のイベントである『RAW WINE 』は、フランス人※マスター・オブ・ワインのイザベル・レジェロン(Isabelle Legeron)女史により起ち上げられた自然派ワインのコミュニティで、世界中でワインフェア(試飲イベント)を開催しています。ワイナリーやワインショップのメンバーは世界で1300社以上!

www.rawwine.com

@rawwine

※マスター・オブ・ワイン・・・英)世界最難関のワイン試験をパスしたプロフェッショナルに与えられる称号。世界で415人ほど(2022年)

Isabelle Legeron MW Raw Wineより


イザベル・レジェロンさんは、2009年にフランス人女性として初めてマスター・オブ・ワインとなり、10年以上に渡り、世界中で自然派ワインの啓蒙活動を行っています。その活躍ぶりに、2017年にはFortune誌に『飲食業界で最も革新的な女性』、Vanity Fair誌に『世界に最も影響力のあるフランス人50名』にそれぞれ選出されました。

※著書である『NATURAL WINE -an introduction to organic and biodynamic wines made naturally- 自然派ワイン入門』は日本でも翻訳され出版されています。写真も多めに入っていて読みやすいですよ!

世界中を巡る自然派ワインイベントRAW WINEフェア。次回は今週末にコペンハーゲンで開催!-RAW WINE HPより


賑わいを見せるRAW WINE TOKYOフェア会場内。業界関係者だけでなく、一般のワインラヴァーも参加できるイベントです!一般8000円、業界関係者7000円。PRを行ったサニーサイドアップ社によると、2日間でそれぞれ午前の部、午後の部400名ずつの入場。チケットは完売とのことでした!


 

2.自然派ワインって何?

そもそも、自然派ワインとは何なのでしょうか?私の立場から簡単にご説明しましょう。

“自然派”ワインとは人間の介入が少ない、より自然界に寄り添って作られるワインというような言い方ができるかと思います。

『自然のワイン』というものが存在するならば、木にそのまま瓶詰されたワインがなって収穫できるというようなことですから、自然のワインなどは存在し得ません。

ですが、なるべく自然に、人間ができる限り介入せずにワインを作ることは出来るでしょう。

畑にミミズなどの虫や微生物、あるいは鳥などの小動物が生き生きと生息し、なおかつ多様性のある植物と共存しているような自然のサイクルがある環境でブドウに目一杯育ってもらう。ブドウに付いている酵母やセラーに存在する天然の酵母にてブドウジュースを自然にアルコール醗酵。害虫や病気も自然由来のもので対処する。そんなイメージです。

つまるところ

・非効率化(非機械化)

・無農薬、無添加物(無もしくは低酸化防止剤)

・天然酵母(培養酵母でない)による自然発酵

・無濾過、無清澄など

欧州のオーガニックの認証基準よりもさらに厳格に、化学的な除草剤、農薬や添加物を使わずに、酸化防止剤(亜硫酸塩SO2)の使用なども無添加もしくは極力抑えたワインというものが多いです。

ワインは醗酵飲料であり、酸化する飲み物ですので、殺菌や酸化防止の目的から微量の亜硫酸塩の添加がワイン業界では一般的です。(微量の使用は人体の健康に影響はありません。)

※ワインの含まれる亜硫酸塩について詳しく知りたい方は、ワインショップチェーンENOTECAさんや輸入商社のFIRADISさんによる大変わかりやすい記事がありますのでご参考ください。

酸化防止剤(亜硫酸塩)がワインに与える効果と影響(Enoteca Online)

ワインの添加物について、ちゃんと知りたい①「亜硫酸塩(前編)」(Firadis Wine Column)

そのため亜硫酸塩の使用を控えるということは、外観、香りや味わいが安定しないワインになるリスクもあるため、ワイン造りは一筋縄ではいきません。実際、自然派ワインと呼ばれるものの中にはクセの強い香りのワインなど、バランスが不安定なものを目にすることもあるでしょう。

しかしながら、上手に出来あがった時の生酒のようなエキスたっぷりの自然なブドウ由来のワインは、良い意味で田舎的で、世界中のファンを虜にしています。

今回のイベントも、ただ単に酸化防止剤無添加、自然発酵で造ったワインが集まりました、という試飲会ではなく、まさに職人的技術で仕上げられたすっと収まる味わいで、雑味が無いワインの造り手も多く驚かされました!

 

3.イタリア自然派ワインをテイスティング!

それでは『イタリア好き』フォロワーの皆さんへ、お待ちかねのイタリアの自然派ワインを写真とともにご紹介しましょう!

ピエモンテ州


Marco Curto マルコ・クルト(輸入予定・株式会社ヴィーノフェリーチェ)

笑顔が素敵なオーナーのナディアさん。いきなりバローロです。(笑)

イタリアを代表する高級銘柄のバローロで低酸化防止剤というのは初めて体験したかもしれません。常識的に長期熟成するようなワインはそれだけ酸化のリスクも伴うように思いますが、添加の亜硫酸塩はごくわずか。それにも関わらずとても綺麗な造りで美味しくいただきました。BRAVA!

バローロを代表する村の一つであるラ・モッラ村より。ナディアさんは、バローロ・ボーイズの革新的生産者、エリオ・アルターレの姪だそうです。父や叔父に伝統的な製法や近代的な製法を学んだ上で、彼女は酸化防止剤を極力少なくワインを仕上げる技術と製法を取り入れました。

ブドウ品種 ネッビオーロ、バルベーラ、フレイザなど


Poderi Cellario ポデーリ・チェッラーリオ(輸入・株式会社クオーレクール)

来日のシモーネさん。曾祖父母の代からの家族経営、亜硫酸塩アレルギーのファミリーの方針で自然派ワイン造りへ転換。遊び心あるデザインのラベルですが、中身もジューシーでフレッシュ+程よい濁りがあり、飲み心地の良い※ペット・ナットワインが多かったです!パーティーやカジュアルに飲みたい時に気持ちが上がるようなセレクションでした!

※仏Pétillant Naturel(ペティアン・ナチュール)醗酵途中のワインを瓶詰して、瓶内で醗酵を完了させる。微発泡の泡が残るスパークリングワインで、酵母の澱もあり濁りがある。アンセストラル方式とも呼ぶ。伊Metodo Ancestraleメトード・アンチェストラーレ

ブドウ品種 ナシェッタ、グリニョリーノ、バルベーラ、ドルチェット、モスカート、マンツォーニなど

エミリア・ロマーニャ州


Podere Sottoilnoce ポデーレ・ソットイルノーチェ(日本未輸入)

モデナの丘陵地より微発泡のランブルスコワイン。

オーナーのマックスさん。こちらは一次醗酵後、瓶内にブドウ果汁を添加、再醗酵(二次醗酵)させて微発泡ワインに。澱抜き(デゴルジュマン)は行わないので澱が残ります。近代的なアウトクラーヴェ(密閉式のステンレスタンク)が導入される以前のランブルスコの製法だそうです。※およそ60年前くらい!?

通年の生産20000本はアメリカなどへの輸出もあり完売。現在30000本生産になり、日本への輸出分も視野に入れることができるようになった、とマックスさん。
今はまだ未輸入ですが近く日本へ入ってくる可能性アリです!ラベルも素敵ですね!

ブドウ品種 ウーヴァ・トスカ トレッビアーノ・ディ・スパーニャ ランブルスコ・グラスパロッサなど


Franchina e Giaroneフランキーナ・エ・ジャローネ(日本未輸入)

ポデーレ・ソットイルノーチェとご近所さんのモデナの生産者。

オーナーのルカさん。法律を勉強していたがその情熱からワイン農家に。2015年からプロジェクトを始め2020年に自分のラベルで販売開始。購入した樹齢35年の畑で地ブドウを使った自然派ワイン造り。微発泡の澱引きなしの瓶内二次発酵。素朴さとブドウのエキス、酸のバランスが心地よいワイン。手作りの味わい深さを感じました!試飲中の女性たちもルカのワインにご満悦な様子!

ブドウ品種 トレッビアーノ・ディ・スパーニャ、トレッビアーノ・ディ・モデナ、ランブルスコ・グラスパロッサなど

アブルッツォ州


Caprera カプレーラ(日本未輸入)

2013年に設立したアブルッツォ州の小さな生産者。5種類のラベルを生産。Gran Sassoグランサッソと呼ばれる山(ぜひ写真検索してみてください。独創的で美しい山です。)と海の狭間の自然環境。原産地呼称ワインのモンテプルチアーノ・ダブルッツォ(赤)、トレッビアーノ・ダブルッツォ(白)、チェラスオーロ・ダブルッツォ(ロゼ)などを生産。穏やかな酸で丸みのある柔らかい印象のワイン!

ブドウ品種 モンテプルチアーノ、トレッビアーノ、ペコリーノなど

プーリア州


L’Archetipo ラルケーティポ(日本未輸入)

プーリア州ジョイア・デル・コッレの南、バジリカータ州境にもほど近いエリアの生産者。南イタリアのプーリア州でありながら、残糖感も少ない低アルコールの優しい口当たりのワインを土着品種で生産。自然派の造り手としては、かなり大きい33haのブドウ畑を所有していますが、低酸化防止剤の水準やクオリティは抜かりの無い仕上がり。プーリアは平野部も多いですが、標高300m以上の丘陵、海から約45kmの距離、所謂南らしいしっかりしたボディのワインというよりは、涼しさのある、繊細で綺麗な味わいのワインという印象でした。飲み疲れしなさそうなワイン、日本に輸入されるといいですね!

ブドウ品種 プリミティーヴォ、ススマニエッロ、マレスコ、ヴェルデカ、アリアニコ、フィアーノ・ミヌートロなど

サルデーニャ州


Tenute Dettori テヌーテ・デットーリ(輸入・株式会社ヴィントナーズ)

現当主のアレッサンドロ・デットーリさん

Raw Wine立ち上げ当初からのメンバーのアレッサンドロさんは、まさに自然派イタリアワインの先駆者の一人。もともとのご家族で造っていたワインは従来の造り方でしたが、1998年頃に若くしてワイン生産に参画すると自然派ワイン造りを開始。その当時は健康で、熟した良いブドウを使ったワイン造りを実践したに過ぎなかったそうで、後々その造りがヴァンナチュール(ヴィーノナトゥラーレ)、いわゆる自然派ワイン製法ということを周りに聞かされ知ったとのこと。

Raw Wine2012年の第一回ロンドンフェアから参加しているようです。自分も今回テイスティングを楽しみにしていた生産者でもありました。

『日本で味わえる本物のSUSHI鮨と一緒、良いものほど素材が大事でしょ?魚にしろ米にしろ。ワインも同じで畑でどれだけ健康で良いブドウを原材料にできるかどうか』と茶目っ気ある様子で語ってくれました。

9ラベルのワインの生産をされているそうですが、白はなんと酸化防止剤無添加

まさに職人的味わいとクオリティ。癖のないブドウのゆるやかな優しい味わいを感じられるワインです。白は酸化防止剤無添加とは信じがたい出来。(要は添加せずに自生する亜硫酸塩でプロテクトされているようで安定性があります。)

※写真右。過去にトスカーナ州でワイナリー訪問をアテンドしたワインラヴァーのお客様と偶然再会!世界は狭いですね。一緒にデットーリのワインで乾杯!

ブドウ品種 カンノナウ、モニカ、ヴェルメンティーノ、モスカート、パスカーレなど

シチリア州


Cantina del Malandrino カンティーナ・デル・マランドリーノ(日本未輸入)

シチリア州のエトナ山の東側、海から10kmほどにあるワイナリー。約3.5haの畑から土着の品種で醸したワインを生産。

葉山のシチリア料理店『ピスカリア』オーナーシェフの出雲さんとご交流のある自然派ワイナリーということで、日本人の女性スタッフがお手伝いされていました。(出雲さんは2日目に来場されたようです。)飲食業の他、シチリアの自然派ワインの輸入業もされているそうで、今回のCantina del Malandrinoも輸入検討中と相まってサポートされていたようです。

まさにエキスたっぷりのワイン。火山性のエトナ山の恵み+地中海由来のミネラルを味わえます!ラベルもアーティスティックなシチリアワインでした!輸入が楽しみですね!

ブドウ品種 カッリカンテ、シャルドネ、ミンネッラ、ネレッロ・マスカレーゼ、ネレッロ・カップッチョ

※2015年にイタリア好きイベントが催された際の記事@ピスカリア

※2020年にイタリア好きイベントが催された際の記事@ピスカリア


Porta del Vento ポルタ・デル・ヴェント (輸入・株式会社小川正見&Co.)

シチリア州北西パレルモの生産者、ポルタ・デル・ヴェントです。Marco Sferlazzoマルコ・スフェルラッツォさんにより設立されたワイナリー。澱入りのペット・ナットワインの他、土着品種のスティルワイン(赤白ロゼ)を生産しています。

Terre Siciliane IGT Catarratto Saharay


こちらお気に入り!シチリアの土着品種カタラット100%、大樽熟成で造られる白ワイン。自然派だから、自然派でないから、という括りは置いておいて、シンプルに『上品で伸びのある果実味とミネラル感』。恐れ入りました。

ブドウ品種 カタラット、グリッロ、ペッリコーネ、ネロ・ダーヴォラなど

 

4.まとめ

日本初開催となったRAW WINEフェア、決して安価なチケットではありませんでしたが完売&大盛況!生産者とゲストとの交流、活気ある場内はまるでイタリアの試飲会のようでした!(※イタリアでは全州でワイン造りが行われているだけあって、一般参加のワイン試飲イベントが各地であります。)

今回、世界中から来日してくれた生産者の皆さんや出展の関係者の皆さんへ感謝を伝えたいですね!改めて自然派ワインの注目度の高さを窺い知ることができました。

熟練された職人の自然派ワインはとてもユニークで、素晴らしいポテンシャルを感じられます。添加する酸化防止剤が極少量だったり、無添加のものでも上品な仕上がりのワインが多数あり驚きました。

 

最後に

今回は午後の部(14:30-18:00)の参加でしたが、全く持って時間が足りず(笑)、他国どころかイタリアの生産者を全て回ることも出来ませんでしたので、次回是非リヴェンジしたいと思います!その時は日本や他国の自然派ワインも試してみたいですね!

また今回のように一般のワインラヴァーの皆さんも参加できる有料試飲イベントが日本でもっと増えるといいな、と率直に思いました!

この記事が皆さんにとって少しでも有益な情報であれば幸いです。良いワインライフを!ではでは!

 

・私、鈴木暢彦は日本未輸入イタリアワイン生産者の仲介業をしております。日本で輸入業をされている、もしくは輸入業をご検討されている方のサポートを承りますのでご希望の方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。今回のRaw Wineには来日しませんでしたが、Raw Wineのコミュニティに所属している日本未輸入の自然派ワイナリー2社(トスカーナ)のご紹介・サンプルお取り寄せ等も承ります。

info@agente-n.com

www.agente-n.com

次の旅行に連れてって!                 「ナポリとアマルフィ海岸周辺へ」発売


皆さまご無沙汰しております!お元気ですか?
この度
「魅惑の絶景と美食旅 ナポリとアマルフィ海岸周辺へ」をリリースさせて頂きました。

コロナ禍で世界が一変した2020年。「イタリア好き」のナポリ取材を2月末に完了してすぐ、ロックダウンが始まりました。そんな中、有り難くもこの本のお話を頂きました。
実は二度目のオファーでした。何と言っても総180ページというボリュームで、当時の私にはとてもとても腰が引けてしまったのですが、この状況はある意味、運命的なタイミングだと思いました。そして、初めてのロックダウンが終了した初夏から、少しずつ、少しずつ、取材に赴き撮りためた写真と取材情報。11月に日本に帰国し、日本でまとめて納本させて頂きました。

イタリア好きな読者の皆さまには周知の話が多いかもしれませんが、
ガイドブックではありますが、写真も大きく、文字も大きくゆったり。
細かい情報を集めるというより、その場所の雰囲気とか、ちょっとした旅のヒントなどを楽しんでいただけたらと思います。
そして、表紙は2022年イタリア文化都市に選ばれているプロチダ島ですね。

特に…私の好みで、イスキア島だけで贅沢にも16ぺージ使っています。
恐らく?イスキアでこのページを割いているガイドブックは今、日本にないんじゃないかな?
もともと海底火山なイスキア島。
肥沃な火山土壌で濃厚な味の野菜を作るカルメラさんや、日本人シェフも登場しますヨ。


そして…カンパニア州のお料理やお菓子などもたくさん紹介しています。
こんな海辺の特等席で、ボンゴレのパスタが食べたいですね~♪

現在日本に滞在しておりますが、真夏にイタリアへ戻る予定です。
イタリアはワクチン接種がかなりのスピードで進み、夏に向けバカンスの予約も順調だそうです。
日本からの渡航者も隔離期間なしで(条件付き)で受け入れ始めました。
少しづつですが、明るいニュースも出始めた2年目。
安心して渡航できる日が早く戻ることを祈りましょう。

モンブランの麓より

行ってきました! 夏のモンブラン・イタリア側。

泊まったのは、クールマイユールの下の村、エントレヴェス(Entreves)。


木をふんだんに使ったホテルは、お部屋のベランダからモンブランをながめることができるのです。もちろん、クロワッサンや地元のチーズ・フォンティーナを堪能できる朝食のレストランからもモンブランが見えます。それだけではないのですよ~。



なんと、なんと温水プールがあって、そこからもモンブランを一望できるって贅沢すぎませんか?

モンブランの標高3466メートルまで到着できるロープウェイ・スカイウェイの乗り場までも歩いていける便利さ。

2015年に完成したスカイウェイは360度回転しながら登っていくので、景色を堪能できます。運が良ければ、カモシカが見えたり。。。。

最高の天気に恵まれフランス側までゴンドラで行ってきました。フランス側の方が北斜面にあたるので、雪が多く、クレパスも間近に見え、その迫力に圧倒されるのは、イタリア好きの私にとっても否めません。


ディナーは、モンブランの標高2173メートルのところで、アオスタ渓谷の地元のブドウを使ってスパークリングワインに仕上げたCuvee des guidesをお供に。

 

翌日は、人気の高いフェレ渓谷のハイキング。エレナ・ヒュッテ(2062メートル)までの道は、ヨーロッパ三大北壁の一つとして知られる有名なグランドジョラスの北壁を眺めながら。もちろん、Chalet Val Ferretでのランチも楽しみの一つです。私のお勧めは、フォンティーナチーズとヴェルツァ(ちりめんキャベツ)とパンの入ったボリュームいっぱいのズッパです。


翌日はヴェニー渓谷のハイキング。2195メートルのところにあるエリザベッタ・ヒュッテまで、小さな湖に移る山の景色に見とれながら歩けば、疲れも忘れてしまいます。


下界の暑さを忘れ、心身ともに生き返った日々。。。

ぜひ一度、イタリアの山に避暑に出かけてみませんか?

イタリアアルプスで高山植物に出逢う

関東地方は、まだ梅雨が開けないとのこと。。。ジメジメした季節、辛いですね。

北イタリアのアルプスでは、今、貴重な花が満開です。
ミラノから車で2時間ちょっとのブレーシア県のポンテ・ディ・レーニョでハイキング。

涼しくて絶好のハイキング日和。
アルプス三大名花として知られるエーデルワインに遭遇!


スイスに行かなくては見れない、、、と思い込んでいませんでしたか?
アルペンローザも盛りは過ぎましたけど、まだまだきれいです。


 

こちらは、高山でしか出会えない撫子の一種。


そして、黄色いリンドウ。


でも、イタリア好きの読者の皆さんが気になるのは、やっぱりハーブとか、口にできるものかなぁ~(笑)

はい、こちら!
これは、山にしか生えない野生のタイム。


この紫色の花が目印。
葉っぱをこのままハーブとして使ってもいいし、この花を乾燥させて、ポークのローストに使っても。なんと言っても彩りがきれいですよね?

こちらはクミンの花。


クミンなんて、ドイツのイメージかもしれませんが、イタリアの標高1500m辺りでは、よく見かけます。秋になると見慣れたクミンの実がなります。

そして、こちらはブルーベリーの花。


栽培されているブルーベリーは、背が高いですが、野生のブルーベリーは、地べたにへばりつくように生えています。
雪が降っても、枝が折れないように、という植物自らの知恵なのでしょう。
9月には、この白い花が実になります。

せめて写真でアルプスのさわやかな空気に触れていただければ、との願いを込めて。。。。

私は明日から仕事でアオスタに行ってきます。

 

コマッキオサイクリング 後半

イタリア好きの皆さんこんにちは!

前回イタリア最大の河川、ポー川のデルタ地帯の一部にある、フェラーラ県のコマッキオ市リードデリエステンセという町からから湿地帯の中を通り、コマッキオ市街をめぐる、全行程20kmのサイクリングの前半をご紹介しました。今回はその後半を

急に友人のスピードが落ちました。タイヤのパンク。自転車屋がありそうなコマッキオ市街まではまだ4kmほど。

だましだまし進んでいくと、ビランチョーネ:

水上家屋、網元のこと。張り出した鉄パイプにj網が吊り下げられており、その昔からの漁方で海水と、河川の混じり合う独特な環境下で育つ魚介類を、引き上げるため天秤ばかりのような形からビランチョーネ(大きな秤の意味)と呼ばれる

の一つに

Ingresso libero入場無料、Anguille ai Ferri 焼き鰻」

の怪しげな手書きの看板。

中に入っていくと、60平米の空間に、ソファー、テーブルが3つ、ピザの皿が紙ナフキンの上に伏せてあり、奥にはキッチンが見て取れます。オーナーが無愛想に

「見てったら?食事がしたけりゃ125ユーロ。子供はその半分でいい。鰻は料金ちょい増しだけどな。」というのです。

かなり怪しげな上に、お世辞にも綺麗な身なりとは言えないオーナーですが、その指先は爪がきちんと切りそろえられており、年季は入っているけれど、磨き込まれた鍋類が壁にかかっています。

レンタサイクルに電話をし、タイアの修理をお願いすると、1時間はかかるとのこと。

待ち時間もある事だし、こうなったら試してみようじゃないか!とテーブルに着くと、オーナーなかなかの手際で調理を始めました。
まずは朝採れたムール貝のマリナーラ。大きく切ったにんにくとオリーブオイル、イタリアンパセリを仕上げにかけたシンプルだけど絶品。

船の中のようなビランチョーネですから、水道はなく、タンクの汲み置きの水を大鍋に入れて、パスタ用に沸かし、今ムール貝に使った鍋に食べ終わった貝殻を入れさせると、ゴミ箱に捨て、その鍋を使って、パスタソースを作り始めました。子供達の1人が

「お皿換えないの?」と聞くと

「皿は使い回しだ!それが嫌なら、コマッキオのゴマンとあるレストランに行ってくれ!」

大人はヒヤリ。なかなか味のあるオーナーで、

私たちが座った後も観光客が「ここはアサリはないわけ?」「魚のグリルはないの」と入ってくると、

「そんなものはない、コマッキオのレストランに行けば良いだろ」と追い返す始末。「ああいう面倒な客はとらないんだ。」とニヤリ。

続いて出てきたのが、魚介類のミネストラ。小さなカニ、エビ、ムール貝、アサリがたっぷり入ったマカロニのパスタで、カニのお腹を吸いながら食べていると、この辺の名物の小魚のフリットを揚げる良い香り。

 
アクアデッレ(トウゴロウイワシ)、タラチーネ(ヒラメのような形の小さな魚)、小エビ、が山ほど出てきました。
その後はお待ちかねの焼き鰻。しっかり焼いて、外はカリッとして、余分な脂が落ちていて美味しい!レモンを絞って、頭もガリガリ。イタリア人はこれやりません。
見ていたエンリコ(食べ終わる頃やっと名前を明かした
「あんた、わかってるね。みんな残すんだけど、たまに俺は頭だけもらってきて、ゆっくり焼いて酒のつまみに食べるんだ」と他にもお魚の調理の方法を色々教えてくれました。

すっかり打ち解けた頃、ビランチョーネについて色々説明してくれました。

作るには許可がいらないけれど、年間1200ユーロほど、市に支払いをすること。住むことは認められず(住所は与えられないという法律上の問題。エンリコさんは通いだそうです)電気や水道を引くこともできないので自家発電機と、キャンプのように水をタンクに入れて持ってこなくてはいけないこと。トイレは簡易トイレの回収業者が4軒ほどのビランチョーネごとにいること

建物の下には長さ7、5m、70本ほどの栗の木が地底に4mほど打ち込まれてその上に建ててあり、栗の木は外側の樹皮をそのまま使用してあり、波で木が削られていくのを防いでくれるようになっていると説明してくれました。

友人の自転車のパンクも直り、エンリコに挨拶をして再出発。

残念ながら天気は下り坂、午後になると急に風が吹き出し、灰色の雲が。コマッキオの市街へ。

小さなベネチアと言われるようにベネチアを思わせるような水路の街で、トレポンティと呼ばれる1638年に作られた橋があり、二つの塔に、五つの階段なかなか大きな橋で、観光客がたくさん写真を撮っていました。

ここからスタート地点まで残すところあと8km。国道の横のサイクリングロードをひた走り、リードデリエステンシの街に帰って来ることができました。

地図の説明では全行程1時間18分との事でしたが、ノンストップでも、もう少しかかりそうだなあというのが実感。

とはいえ、高低差はないので、後半向かい風で大変だったものの、自転車に乗り慣れていれば、小学生でも全く問題のないコースだと思います。

レンタサイクルはリードデリエステンシ、コマッキオ市内と5箇所ほど、皆さんも試してみてはいかがですか?

コマッキオサイクリング、散策についてのインフォメーションは

こちらから

https://www.ferraraterraeacqua.it/it/parco-del-delta-del-po

 

リミニ ウリッセフェス


イタリア好きの皆さん、いかがお過ごしでしょうか?イタリアはついに小学校が夏休みに入ってしまいました。新学期が始まるのは、9月15日!日本の小学生の倍の長〜い夏休み。どこの親も子供たちに海に山にどうやってこの長い夏休みを過ごさせるか、悩みの種なのです。今回の記事はちょっと嗜好を変えて、私がイタリアで関わった日本の紹介のお話です。


イタリア屈指のリゾート地である、エミリアロマーニャ州のリミニにて、旅行ガイドブックのシェア世界一のロンリープラネットが、旅行フェスタ ウリッセフェスというイベントを6月の8、9、10日に開催しました。テーマは「海の向こう」。


リミニの海岸沿いを始め、リミニの街のあちこちにも色々なスタンドが準備されていました。


全世界から参加があり、今回のテーマ国の1つは日本。日本政府観光局の方から、私が10年顧問をしているトリノの日本料理レストランJaps!を通じ、8日のオフィシャルオープニングパーティー「ガーラディナー」にて、日本紹介のビュッフェをお願いされました。場所はリミニ5つ星ホテル Grand Hotel


ロンリープラネットの創業者、トニー ウィーラー夫妻はもちろん、リミニの市長、報道関係者、ブローガー、スポンサー各社などなど150人が参加。

グランドホテルクラウディオ ディ ベルナルド エクゼクティブシェフ   はマスカルポーネのトルテッリを(カラフルなソースで仕上げてます。

ラ ブカリストランテ のステファノ バルトリーニシェフはハマチのカルパッチョ

スペインはカタルーニャのルイス フェルナンデス プンセトシェフはタコのカタルーニャ風を

私は鰹節と出汁ということで、お好み焼き風卵焼きと冷やしたぬきそばをお出ししました。日本人が普段食べているものを星付きレストランのシェフのお料理に混ぜても遜色がないのは、日本のお料理の底力だと本当に思いました。


冷やしたぬきそば、各国関係者にかなり人気で、トッピングもこれはなんですか?と質問ぜめ。シェフの皆さんも後で味見させてね。と興味津々。本当に日本への興味の高さを感じた1日でした。海外にいると、日本に興味を持っていただけるのは日本人として、とても嬉しいこと。またこういう機会があったらいいなぁと思った次第です。

ウリッセフェスオフィシャルページ

http://www.ulissefest.it/

トリノ日本料理レストラン Japs!

http://www.japs.it/

JNTO 日本政府観光局

https://www.jnto.go.jp/

 

聖ゾピートの牛祭り

ワインやオリーブオイルの産地として知られるロレート・アプルティーノ。

この町の守護聖人である聖ゾピートの牛祭り(Festa di Bue di SanZopito)へ。毎年復活祭の50日後の日曜日とその次の月曜日に行われる宗教行事です。

1711年、当時まだ町の守護聖人がなかったロレート・アプルティーノの人たちが聖ゾピートを聖人として迎えようと、隣町ペンネから聖ゾピートの聖遺物を運ぶ行列を再現。町を行列が練り歩きます。

ザンポーニャという羊の皮と葦でつくられた楽器を演奏する人たちに誘導されて飾り付けられた白い牛が登場。この白い牛に乗るのは天使に扮した町の男の子で清純のシンボルである白い傘を差しています。



白い牛と天使に続いて聖ゾピート像とロバや馬に乗った当時の村人に扮した町の人たちが続きます。



更にその後ろを大勢の見物者が続きます。


そして、この祭りの最大の見せ場は、この白い牛が教会の前に来て跪く瞬間。

これは、当時聖人が運ばれてくる行列に特に興味のなかった農夫の横で、それを見ていた農夫の牛が聖人に向かって跪いたという伝説に基づくもの。その様子を見た農夫が聖人の存在を信じ行列に加わったと言います。

行列はまず町の入り口にある聖アントニオ教会に向かい、その前で牛が跪きます。成功すると見学者からは大きな拍手が湧きます。


さらに行列は町を練り歩き、聖ゾピートの聖遺物のある聖ピエトロ教会へと向かいます。


この祭りの最高の瞬間を見届けようと、先回りして聖ピエトロ教会へ。


町の最も高いところに建つ教会からは美しい景色が広がります。


町をゆっくりと回ってきた行列がいよいよ聖ピエトロ教会に到着。見物者の数もどんどん増え、小さな町が人で溢れかえります。


遂に司祭(写真左端手前)の前まで辿り着いた白い牛と天使。

最高の瞬間を見届けようとシャッターを構える人たちに混ざって私もなんとか様子が見える場所をキープできました。


そして、見事に跪きに成功した瞬間。大きな拍手が起こります。


大役を果たした天使君も安堵の瞬間?

ちなみに、以前は教会の中でこの跪く儀式が行われており、教会内に牛が残した糞の大きさでその年の農作物の収穫量を占っていたそうです。衛生面等の理由からか現在は教会の中ではなく教会の前で行われています。

行列はさらにいくつかのポイントを巡りながらゆっくりと町を回り、大きな広場まで戻ってきます。

無事、跪く瞬間を見届けることができた私たちは先に広場に戻り、広場の前にある小さな食材屋さんでアブルッツォ名物Fiadoniをつまんで小腹を満たして帰路へ。


削ったペコリーノチーズが入ったお菓子。ふんわりチーズの風味が口の中に広がります。

 

本物のバルサミコ酢とは?

伝統的製法のバルサミコ酢


やっと春らしくなったと思ったら、また週末から気温が下がりそうな、エミリア・ロマーニャ州ですが、皆さんいかがお過ごしですか?
今日は伝統的製法で作られるモデナのバルサミコ酢(ABTM Aceto Balsamico Tradizionale di Modena)のお話をしたいと思います。

伝統的製法で作られた本物のバルサミコ酢を口にした事がありますか?


この写真の棚の中には1つも伝統的製法で作られたバルサミコ酢がありません。日本の方で、伝統的製法で作られた本物のバルサミコ酢を口にした事がある方はいったい何人いらっしゃるでしょうか?イタリア人でもほんの一握りの方しか口にした事がないと思います。
「バルサミコ酢」という名前のついたお酢は世界中に流通していますが、伝統的な製法で作られているバルサミコ酢は、現在流通しているバルサミコ酢の0.01%です。これだけ名前が知られているのに本物を口にした事がないという食品も珍しいと思います。

伝統的製法で作られているバルサミコ酢に見分け方


見分け方は、実はいたって簡単。
原料と価格をみてください。
原料モストコット(ぶどうの絞り汁を直火で煮て濃縮したもの 写真)、樽での熟成期間が12年以上である事。価格はイタリアモデナで100mlの瓶が、12年もので40ユーロ前後、25年もので90ユーロ前後。勿論日本に入ればこの3倍近くの値が付くことは必須です。

フィアットかフェラーリか?


例えていうならば、フィアット社の赤い車、フェラーリ社の赤い車。同じ四つのタイヤの道路を走る赤い車ですが、かたや世界中の工場で大量生産された大衆車、もう一方は全てモデナの工場にて一台づつ手作りされた超高級車。バルサミコ酢も同じ事工場で大量生産されたものか、原料を吟味し、手作業で何年もかけて熟成されたものでは自ずと価格にも跳ね上がってくる。同じことです。

バルサミコ酢の試飲鑑定士(バルサミコ酢のソムリエ)


日本にはあまり知られていないのですが、伝統的なバルサミコ酢にはモデナ県スピランベルト市にある「バルサミコ酢博物館」を併設する愛好者協会公認の試飲鑑定士の資格が存在し、私はそのマエストロ試飲鑑定士資格を取るために試飲鑑定会に参加し、勉強をしているところです。試飲鑑定士の資格はまず、年に一回行われる10回の理論講習会の受講、年間40種の試飲を4年間続けたあと試験を通りAクラスへ、その後年間80種の試飲鑑定をコンスタントに続けた後、試験を通り晴れてマエストロ鑑定士に昇格するというバルサミコ酢醸造年数並みの時間がかかる資格です。9月から3月下旬までモデナ県にある各支部で鑑定会が催されています。4月からは6月下旬の協会が行う品評会に向けて教会に持ち込まれたサンプルの鑑定会が毎日行われ、鑑定士はボランティアで2000種ものサンプルを鑑定し品評会の勝者を選びます。私は年間80から100種のサンプルを鑑定するように心がけています。

バルサミコ酢の鑑定


バルサミコ酢の鑑定はテーブルに5-6名の試飲鑑定士がかけ、理化学分析され基準値を通ったサンプルを先ずは蝋燭の炎にフラスコをかざし、先ず視覚検査の色、濃淡、粘度を、次にフラスコを回しながら香りを4指標に点数化、そしてさらに味の奥行き、広がり、糖度酸味、バランスなど5指標を点数にして400点満点で採点します。その後各テーブルの話し合いと平均値を出し1サンプル20-30分の時間をかけて鑑定します。
鑑定対象は伝統的製法で作られるバルサミコ酢。原料はモストコット(葡萄の絞り汁を直火で煮詰めたもの)のみですので、酢の市場に出回っているほとんどのバルサミコ酢が試飲鑑定の対象にもならないというのが現実です。

バルサミコ酢の醸造伝統と継承


鑑定会に参加している方は生粋のモデナ人が多く、皆さんバルサミコ酢の醸造室をお持ちで、ほとんどの方が自家用なのです。
日本で酒や酢を作るという事は、原料が穀物でがあるために複雑な作業工程を経なければなりませんが、ヨーロッパにおいて葡萄を原料にして作るお酢やワインは家で作るものという歴史があり、その昔からモデナの貴族や土地の有力者など余裕のある階級では、バルサミコ酢は各家で作られるものでした。
それは今でも変わらず、モデナ人の間で、アチェタイア(バルサミコ酢の醸造室)を持つこと、バルサミコ酢の樽を所有することはステータスシンボルでもあり、代々続いたアチェタイアを並々ならぬ情熱を持って継承しているのです。

 

 

バルサミコ酢愛好者協会会長と


昨日はカステルフランコ市支部の最後の鑑定会の日でしたので、グランマエストロ(バスサミコ酢愛好者協会 会長)のマウリッツイオ フィーニ氏とお話ができました。
Akane以下A:試飲鑑定会いつもながら盛況ですね。ボランティアで無償で鑑定会を企画してくださる方たちにはいつも頭が下がります。(私が今回参加した試飲会は全5回 80名ほどの参加でした)
Fini氏以下F:そうだね。貴方も含めて、協会の会員みんな熱心に参加してくれるからね。
A:日本を含めて外国にはなかなか伝統的製法で作られる、バルサミコ酢の事、モデナの家庭で守られて来たバルサミコ酢が知られていないことは、すごく残念で歯がゆいのですが…
F:バルサミコ酢という名前で生産されているうち、伝統的な製法のバルサミコ酢は0.01%。DOP商標をつけて出したモデナの全アチェタイア(バスサミコ酢の醸造所)の合計ボトルが去年は20万本。東京の人口は?
A:約1400万人です。なるほど、数字にすると希少さが明白です。しかもこの数全世界に向けての数な訳ですから、本当に一握りの人しか味わった事がないわけですね。私は愛好者協会の一員ですし、婚家に継承されているバルサミコ酢の樽があるのでこういう伝統を日本に紹介しなくちゃならないという使命感に駆られているんです。愛好者協会の会長としては、どう思われます?
F:もうどんどん紹介して下さい。スピランベルト市のバルサミコ酢博物館、ホームページも含めぜひ日本の方にも見に来て頂きたいね。
A:ぜひ紹介させてください。お時間頂きましてありがとうございました。

フィーニ氏は今年で会長就任2年目ですが、もう何十年もバルサミコ愛好協会の評議委員としてボランティアをされており、バルサミコ酢を愛してらっしゃる方。細やかな気遣いで、会員の信頼もとても厚いのです。


スピランベルト市にあるバルサミコ酢博物館はこちら

http://www.museodelbalsamicotradizionale.org/ita/index.htm
バルサミコ酢の試飲テスト(要予約)も可能です。

 

バルサミコ酢醸造の話を紹介している私のFacebookページはこちら

https://ja-jp.facebook.com/balsamicland/

 

小さいけど大きな世界  Il presepe napoletano


あっという間に12月。スパッカナポリが一番多くの観光客でにぎわう季節がまたやってきました。
ナポリはイタリア有数の港町で、夏の間豪華客船に乗った世界中からのツーリストが毎日やってきますが、そんな夏の喧噪を忘れたころ、また沢山の人でにぎわう12月。何故なら、プレセーペを見にヨーロッパ各国から沢山の観光客が訪れます。意外かもしれませんが、スパッカナポリは夏のバカンス期でなく、12月が一年で一番賑わう季節なのです。

ナポリには西暦1000年代既に、プレセピオらしきものが存在していたようですが、黄金の時代と言えるのは、ブルボン王朝支配下の1700年代。教会などに置かれてた宗教的なキリスト生誕のシーンから、芸術作品として王宮内へ置くようになってから、貴族や富裕層を虜にさせていったからです。当時の王家や、貴族のコレクションの芸術的なプレセペは今でもサンマルティーノ博物館や、カゼルタ王宮内で見学することができる。現代社会の21世紀の一般家庭では、プレセーペも変化し、一般家庭におけるコンパクトサイズに変わり、パストーレと呼ばれる人形たちも、テラコッタ(粘土)でできたものが一般的。スパッカナポリ内では、Via San Gregorio Armenoが有名で50Mほどの細い路地には、プレセピーペの屋台がひしめき合い、観光客がクリスマス時期に訪れたら必ず行くマストな場所!


でもね、イタリア好き、ナポリ好きの皆さんならご存知のように、Via San Gregorio Armenoのプレセーペは一年中見ることができます。なので今回は、ナターレの時期限定のAssociazione Pesepio Napoletana(ナポリプレセーペ・アソシエーション)特別展示ご紹介します。この時期旧市街地のあちこちで特別展示が行われますが、現代マエストロたちの力作が、小礼拝堂内で無料で見学できますョ。



こちらは、スパッカナポリの入口にある、サンタキアーラ教会のすぐ近くに位置するChiesa di San Marta。住所:Via S. Sebastiano, 41,で行われています。クリスマス期間中は10:00-19:30ノンストップで見学できます。NPO団体の方々の運営なのようので、できれば、毎年行えるように、50セント~1ユーロ程度心付けを残してあげるようにしましょう。

その他、
冬のナポリの情報は【ナポリのテラスから】
ナポリ市内の交通や観光ツアー情報は【Piazza Italia】サイトをご覧ください。

では、Buon Natale 🌠