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Sagra degli Agrumi -柑橘祭-


お祭り好きのサルデーニャ人、1年中週末ともなれば、大なり小なりどこかでお祭りが開催されています。折に触れ、そのお祭りたちをご紹介したいと思います。今回は毎年4月の上旬に島の南東、州都カリアリから70Kmほど離れた海岸沿いにある町ムラベーラで行われる柑橘祭のお話です。


始まりは町の観光協会会長のアイディア
あちらこちらに飾られている柑橘類
1961年、当時のムラベーラの観光協会会長が町をもっとアピールして町の素晴らしさを知ってもらい、多くの人々が訪ねて来てくれるように、と昔からのこの地方の特産物である柑橘類をタイトルにしたイベントを企画したのがこのお祭りの始まりです。

柑橘類をメインに、しかしそれだけではなく周辺の職人の技やその製品、郷土の産物なども取り上げて紹介するというこの素晴らしい案はムラベーラの柑橘類農家だけでなく、周辺の職人や住民からも多くの賛同を得ました。それから半世紀を経て今日ではこのムラベーラの文化祭はサルデーニャを代表するお祭りのひとつとなり、毎年多くの人々が島内外から見物にやって来ます。


クライマックスは民族衣装を着けた人たちのパレード
お祭りは4月上旬の金曜から日曜の3日間、いろんなイベントがありますが、何と言ってもクライマックスは日曜に行われる華やかなパレード!
先頭の牛車
飾り付けされて荷台を引いたトラクター

まずパトカーに先導され、姿を現すのは花や柑橘類で飾られた牛車。残念なことに去年(2019年)はパレードが始まってすぐ辺りが真っ暗になり、大粒の雨が……それでも傘をさしたりカッパを着て果敢に挑んだものの、かなりの大雨になり30分ほど中断。その後、小降りになり飾りを施したトラクターに昔の生活様式を再現した舞台になった荷台がやって来て再開。
続いて、ムラベーラだけでなく島中から集まった人々がそれぞれの町の民族衣装を身に着け練り歩きます。その合間合間にもトラクターや牛車に牽引された荷台が現れ、舞台上の人たちがオレンジやお菓子を見物客に振る舞う姿が見受けられます。


パレードの途中には踊りや民族楽器の演奏もあり
パレードにはカーニバルの時の衣装を着けたグループやところどころ立ち止まっては見物客にフォークロアダンスを披露するグループ、ラウネッダと呼ばれる3本の異なる長さの葦笛で独特な音楽を奏でるグループなどが順々に現れ、次はどんなグループなんだろうと一時も目が離せません。
牛頭?のカーニバル衣装を着けた人
ラウネッダを吹くグループ
(2020年3月)

2024年開催の情報
開催日:4月24日~28日まで
https://www.comunedimuravera.it/servizi/canali/1030
https://www.facebook.com/comunedimuravera/

※カリアリからムラベーラへの公共交通機関を使った移動は月~土は少数ながら乗り換えなしで行けるバスがあります。ただ日曜はほぼないので、パレードに行かれるのであれば、日曜までに移動して下さい。
またバス以外の公共交通機関はありません、タクシーまたはレンタカーで移動になります。

【サルデーニャ州】サルデーニャの美しいビーチを守るために


夏には、美しいビーチを求めて、主にヨーロッパからの旅行客が押し寄せるサルデーニャ島。

別名、タヒチとも呼ばれる遠浅のカーラ・ブランディンキ

旅の目的のほとんどは、海の自然を享受すること。
1960年代にアガ・カーン4世がコスタ・ズメラルダを開発する前まではまさに手付かずの自然が残されていた海でしたが、多くの人が利用するようになった現在では、サルデーニャの珠玉のビーチ保護のために、さまざまな規制がなされています。
カーラ・ブランディンキとは駐車場を挟んで歩いていくことができるル・インポストゥ


例えば、ここ数年、いくつかの有名ビーチが夏の間のみ有料で入場規制をしており、ビーチへ入るためには事前の申し込みが必要となっています。
ラ・ペローザは予約が必要かつ、少しでも砂をビーチ外に持ち出さないためゴザを敷く必要がある

また、ラ・マッダレーナ諸島のカプレーラ島にあるカーラ・コティッチョへ陸地から行くためには小路を1時間ほど歩く必要があるにもかかわらず、夏には人があふれかえっていたため、数年前から、ラ・マッダレーナ諸島専門のトレッキングガイドと一緒でないと、ビーチへ行くことができなくなりました。
花崗岩の岩々に囲まれた小さなカーラ・コティッチョに夏は多くの人が押し寄せる

カーラ・コティッチョ
砂や石、貝殻を持ち帰ることは厳禁。空港などで見つかると、多額の罰金を支払わされるのでご注意ください。

サン・テオドーロのカーラ・ブランディンキとル・インポストゥビーチ予約サイト
https://santeodorospiagge.it/prenotazione/

ラ・ペローザ・ビーチの予約サイト
https://spiaggialapelosa.it/

【サルデーニャ州】トゥリズモ・レリジョーゾ いつもとは違う静謐な体験

トゥリズモ・レリジョーゾという言葉を聞いたことはありますか?


レリジョーゾとは“宗教の”を意味し、聖地や教会、修道院などを訪れながら、その地の文化や芸術、自然を体験する巡礼にも似た旅行の形態で、いくつかの修道院が一般にも扉を開けています。

サルデーニャ州には、北部メイローグ地方にある小さな村ボルッタ郊外に一カ所だけ宿泊を受け入れているサン・ピエトロ・ディ・ソーレス修道院があります。
サン・ピエトロ・ディ・ソーレス教会とと右奥がベネディクト会の修道院

12世紀から13世紀にかけて建てられたピサ・ロマネスク様式の教会内部

部屋は質素で必要最低限ですが、修道士のミサに参加し、修道士の生活を垣間見ることで日々の喧騒から離れ、数日間を静謐と黙想と共に過ごすことができます。
修道院の宿泊部屋
修道士たちのタイムスケジュール

また修道院には売店があり、化粧品やハーブティー、リキュールのほかに、修道院の名が付いたクラフトビールまでもが売られています。レジは修道士が担当しているので、売店に立ち寄るだけでも修道院の雰囲気を感じることができますよ。
香り高くおいしいクラフトビール

さらに毎年8月には、この地で起きた中世の戦いの様子を再現する祭りが行われ、大勢の人でにぎわいます。
教会に隣接した広大な敷地で行われる祭り

Monastero di San Pietro di Sorres
●HP:https://www.sorres.it