「ボーラの力強さに、僕はエネルギーを感じるから、好きだ」ヴォドビヴェッチ(p12)のパオロさんは言った。 トリエステの冬、北東から吹く暴風ボーラ。 トリエステの人は誰もがボーラの事を口にする。風速30メートル以上の冷たく […]
フリーマガジン
vol.14 バジリカ−タ州特集
「カン、カン、カン」大きな音と共に、リズミカルにクープを入れる。3本のクープがパーネ・ディ・マテーラ(マテーラのパン)の特徴だ。そして、サッシの洞窟住居を思わせる、大きなげんこつのようなゴッツイ形もまたこのパンならでは。 […]
vol.13 シチリア特集
キリット晴れた雲ひとつない青空。 強い風は、波を防波堤に打ち寄せ、 海からの風を小路に流していく。 冷たい空気と潮の香り。 8年ぶりに訪れた、シラクーサ・オルティージャ島。 記憶を辿って、早朝の散歩に出かけた。 蘇る記憶 […]
vol.12 ラツィオ特集
ローマは知っていても、ローマがどの州にあるか知らない人も少なくないかも?(そんな“イタリア好き”はいないか)ラツィオ州はローマを州都だ。古くエトルリア人の遺跡も多く残るところや、今回取材の中心となったアンツィオ付近は、 […]
vol.11 アブルッツォ特集
取材最終日の朝、僕はマイエッラ国立公園内の山歩きに出た。出発までの限られた時間だったが、最後にどうしてもアブルッツォの自然の中にもう一度身を置きたかった。 東側をアドリア海に面し、アペニン山脈の中でも、最高峰のグランサッ […]
vol.10 カンパーニア特集
「こんなに山ばかりを撮っていたのか」取材から帰国して、事務所で自分の撮影した写真の整理をして、ちょっとビックリした。それほどチレントの山の景色に魅了されていたのだろう。 6月のイタリアはいちばんいい季節だろう。まだヴァカ […]
vol.9 ヴァッレ・ダオスタ特集
四方を山に囲まれ、昔からアルプス越えの要所として重要視されてきたアオスタの谷、“ヴァッレ・ダオスタ”。谷のあちらこちらに、大小さまざまな城塞がいくつも残り、当時を思わせる。そんな地理的な特徴を抱えたこの地の人は、口ぐちに […]
vol.8 マルケ特集
「この海のことは、自分のポケットの中のように知っているよ」ポルトノーヴォで出会った72歳の漁師は得意げにこういった。強い陽射しと潮風に鍛えられた彼の笑顔を見ていると、ポケットからホラッと魚をつまみ出してくれそうな気さえし […]
vol.7 ピエモンテ特集
ミラノから電車で約2時間半。ビエッラ駅に着いた。大きな駅を想像していたら、何もない小さな駅。そこに迎えに来てくれていたのは、この取材でお世話になる、クラウディオさんと幹子さん夫婦。クラウディオさんから手渡された名刺には” […]
vol.6 エミリア・ロマーニャ特集
小高い丘の上を上がると、ベルティノーロのチェントロだ。 今日はここで、ロマーニャワインと地方料理の祭典がある。 最初の案内人のイタリア人ジャーナリストのロイは、少しせっかちにこれから始まるこの祭典の説明をしてくれた。 広 […]
vol.5 カラブリア特集
空港から1時間と少し、チェトラーロに着いたのはもう午前0時近かった。 イタリア本土の最南端、もう3月だというのに寒さが身にしみる。 そんな夜中の到着で迎えてくれたアニータが出してくれたのは、カリフラワーとジャガイモの温か […]