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古代ローマ皇帝たちを虜にしたワインとは?明らかになったもう一つの秘密 Presented by モンテ物産

オーナー、サルヴァトーレ・アヴァッローネさんは研究を重ね、この土地で育つブドウ品種に秘められた、今まで誰にも知られることのなかった特殊性を解き明かした。

サルヴァトーレさん「10年間にも及ぶナポリ大学農学部との共同研究の結果、フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)による壊滅的な被害を免れたわずかなファランギーナ、アリアニコ、ピエディロッソの木の中に、古代ローマ時代からこのファレルノの土地のみで育つ特別な系統(バイオタイプ)を発見したんだ。その後、ファレルノエリアの中でも特にブドウ栽培に向いた土地を見つけては、地道に増やしたファレルノ・バイオタイプの3品種を植樹し続け、素晴らしいワインが造れるようになった。偉大な古の銘壤地を復活させたんだよ。すごくロマンがあると思わないかい?かつて古代ローマ皇帝たちに愛されたワインを、2000年も経った今こうして味わうことができるんだ。ではヴィッラ・マティルデ社の代表的なワインをご紹介しよう。」


FDMビアンコFalerno del Massico Bianco DOC (ファレルノ・デル・マッシコ・ビアンコDOC)
畑のほとんどが今は死火山であるロッカモンフィーナ山の中腹に位置し、日当たりも非常に良い。火山性石灰質土壌に含まれるミネラル分をたっぷりと吸収しながら完熟した健康なブドウから造られる。
パイナップルやバナナ、黄桃、洋ナシなどの果実の香りが感じられ、心地よい酸味を伴った爽やかなアタックから一気にミネラルを含んだ複雑な味わいへと変化していく。通常はシンプルな味になりやすいファランギーナだが、このワインは飲んだ後の余韻もゆっくり楽しめるような深みがある。
〇品種:ファランギーナ(ファレルノ・バイオタイプ)100%
〇カンパーニアの郷土料理とあわせるなら…リコッタチーズを詰めたズッキーニの花のフリット、マグロとミントのリングイネ、ムール貝のスパゲッティ、魚(ヒメジなど)のフリット


FDMロッソFalerno del Massico Rosso DOC (ファレルノ・デル・マッシコ・ロッソDOC)
畑の位置や条件はファレルノ・デル・マッシコ・ビアンコとほぼ同じで、一房一房しっかりと完熟しているか確認して手摘みされる。
バリック熟成(全体の半分。残りはステンレスタンク)に由来するバニラ香に加え、スミレや黒い果実、チェリー、桑の実、ラズベリーなどの複雑な香りがあり、口に含むと完熟ブドウの果実味とともになめらかなタンニンが広がっていく。アリアニコとピエディロッソが互いの長所を活かして絶妙なハーモニーを生み出している。
〇品種:アリアニコ80%、ピエディロッソ20%(いずれもファレルノ・バイオタイプ)
〇カンパーニアの郷土料理とあわせるなら…ラグー、仔羊の網焼き、黒豚のオーブン焼き、水牛のストラコットのシャラティエッリ(水牛の肉の煮込みソースで食べる短めな平打ちパスタ)


カラッチ“Caracci” Falerno del Massico Bianco DOC (“カラッチ”ファレルノ・デル・マッシコ・ビアンコDOC)
ファレルノ・デル・マッシコ・ビアンコの畑が広がっているエリアの一角にある単一畑(クリュ)“カラッチ”で採れたブドウを使用しており、納得がいくレベルのブドウができた年にしか造らない。長年に渡る土壌と気候の研究の成果とも言える、ファレルノ白ワインの最高峰。
白ワインのトップに位置づけているが、一口目のインパクトやボリューム重視の造りではなく、熟した桃やパイナップルなどの凝縮した果実味の中にも良質な酸とミネラルが感じられる。軽めの肉料理にも合わせられ、前菜からメインまで幅広く楽しめる。
〇品種:ファランギーナ(ファレルノ・バイオタイプ)100%
〇カンパーニアの郷土料理とあわせるなら…ムール貝のオーブン焼き、スズキの塩焼き、アクア・パッツァ


カマラート“Camarato” Falerno del Massico Rosso DOC (“カマラート”ファレルノ・デル・マッシコ・ロッソDOC)
ファレルノ研究の集大成であり、様々な賞を受賞し続けるファレルノ赤ワインの“極み”と呼ぶにふさわしいワイン。最も樹齢の高い単一畑(クリュ)“カマラート”から採れる最高のブドウのみを使用し、“カラッチ”と同じくブドウの出来に少しでも満足できない年は造らない。
森の果実、コショウ、チョコレート、コーヒー、リコリス(甘草)、バニラの凝縮した香りが長く続く。口に含んだ瞬間、濃厚な果実味と旨みが口内に広がる。少し遅れて、力強いがしなやかできめの細かいタンニンがゆっくりと存在感を増していく。重みはあるがベタつく重さとは違い、どっしりとした骨格の中心には軸となる酸があり、エレガントさを感じさせてくれる。
〇品種:アリアニコ80%、ピエディロッソ20%(いずれもファレルノ・バイオタイプ)
〇あわせるなら…肉の煮込み料理、熟成したチーズ、ビターチョコレート


ローマ人ラテン文学の最高傑作と名高い『アエネイス』の著者、詩人ヴェルギリウス(紀元前70年-前19年)はファレルノのワインの素晴らしさを褒めたたえ、更にこう記した。
“Nec cellis ideo contende Falernis”(故に、ファレルノと競うことなかれ)
その他にもホラティウス、プリニウスなど、数多くの著名な人物がその良さを書き残している。
ローマ皇帝を始め2000年前の偉人たちをそれほどまでに魅了したワインとは一体どんな味だったんだろうか。
壮大な歴史に思いをはせつつ、アヴァッローネ一族が追求し表現する“vinum falernum”(ファレルノのワイン)を飲んでみれば、そこに彼らのたどり着いた答えが見つかるに違いない。

★ヴィッラ・マティルデ社のワインがつくられるファレルノの土壌についてはこちら
『古代ローマ時代の銘譲地ファレルノのワインを復活させたヴィッラ・マティルデ』

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市場に出回っていないワイン等楽しいことがいっぱいあります。
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ヴェネツィア料理を楽しむ会 開催報告

4月18日(土)、大門にあるOsteria La Cantinettaにて
ヴェネツィア料理を楽しむ会を開催しました!

開始早々からお越しいただいたたくさんのお客様で店内はいっぱいです。


お料理を作っていただいた小清水良彦シェフには、
カウンター越しに
お料理やヴェネツィアについてたくさんお話をしてくださいました。

このライブ感に、ワクワク!

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本場のこだわりを伝えるヴェネツィア料理の数々!

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手前から
・Capesante gratinati(ホタテパンコ焼き)
・Trippa alla Veneziana(ヴェネツィア風トリッパ煮込み)
・Polenta con schie(ポレンタと小エビ)
・Sarde in saor(鰯のサオール)
・Panini del giorno(パニーニ デル ジョルノ)
・Crostini con crescenza(クレツェンツァのクロスティーニ)

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・Bigoli in salsa(ビゴリ イン サルサ)
このBigoli作りは、参加者の方にも体験いただきました♪

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・Fegato alla Veneziana(牛レバーソテー ヴェネツィア風)

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・Meringata con salsa fragole(メリンガータ サルサフラーゴレ)


ほかにもたくさんいただきました!



そしてスペシャルゲストのフォトジャーナリスト篠利幸さん。
次から次へと飛び出すヴェネツィアの様々なエピソードに、
ヴェネツィアの情景が目に浮かびました。

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参加者の皆さんも、隣り合わせた方同士で、
自然とおしゃべりが弾んでいました。

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終始にぎやかで楽しく、
ヴェネツィアにいうような気分になれた時間でした!



小清水シェフはじめ、Osteria La Cantinettaの皆さん、
篠さん
お越しいただいた皆さん
どうもありがとうございました!

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Grazie!

【お知らせ】お世話になったマンマの訃報

先日一通のメールが届きました。

Vi devo purtroppo comunicare che il 10/04/2015 è venuta a mancare la Signora
Glori Gontier dell’Agriturismo Les Ecureuils
Ballauri Piero

一昨年、葉山で開催した「イタリアマンマの料理フェスタ」この時に来日してくれた、
ヴァッレダ・アオスタのマンマ、グローリ・ゴンティエーさんが亡くなられました。

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取材した時に、とても優しく包んでくれるような人柄に惹かれて、
イベントへの参加をお願いしました。
その時は少し足を痛めていたにも関わらず、
ご主人のジョゼッペ・モニオットさんと来日してくれました。

成田に到着した時には車イスで出国ロビーに出てこられてビックリしたのですが、
その後はとても元気に、精力的に料理をつくり、
参加者の皆さんにアオスタの食事を楽しんでいただこうと、がんばってくれていました。

▼マンマの料理フェスタ2013 葉山 ヴァレダ・アオスタ州マンマの食事会の模様はこちら
https://italiazuki.com/?p=5759


取材の時も、来日の時もいつもそっとそばに寄り添って支え合っていた、
ご主人のペペさんの悲しむ姿も目に浮かびます。
町の生活から、山のアグリツーリズモへの生活に転換してから、
大変な時もずっとふたりで歩んできたと聞きました。

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この出会いと、素敵な思い出に感謝して、
心からご冥福をお祈りします。

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ありがとう。

Vol.21ローマ取材 1

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ローマは快晴。気温は低く、冬のような冷たい風が吹いています。
昨日はマンマのレシピの撮影にローマの郊外のお宅で取材。
パスクエッタということもあり、親戚たちが大集合の賑やかな雰囲気での撮影でした。
写真はもうそろそろ旬が終わろうとしているカルチョーフィの下ごしらえをするジネちゃん(もうすぐ10歳)とマッシモ編集長(もうすぐ。。歳)。取材は始まったばかりです。/萬田康文

古代ローマ時代の銘譲地ファレルノのワインを復活させたヴィッラ・マティルデ Presented by モンテ物産

ナポリから海岸線に沿って北へ1時間ほど車を走らせると、ブドウ畑に囲まれたヴィッラ・マティルデ社に到着する。大体ローマとナポリの中間にあたる場所だ。

サルヴァトーレ・アヴァッローネさん 「このあたりで造られているファレルノ・デル・マッシコDOCは、今我々がいる“ファレルノ”という土地の名前に由来しているんだ。古代ローマ帝国の時代から“Ager Falernus(アジェル・ファレルヌス=ファレルノの大地)”という名前で知られていて、オリーブオイルや野菜、そしてなんと言っても高品質ワインの産地として有名だったんだよ。」
そう語ってくれたのはオーナーのサルヴァトーレ・アヴァッローネさんだ。自ら「カンパーニャ州出身だというのを自分でも疑う時があるよ。」と冗談めかして言うほど物静かで、穏やかな話し方が印象的だ。
「かつては野外劇場がある大きな町や、各地に輸出するための非常に栄えた港もあった。古代ローマ帝国の歴代皇帝たちはカプリ島やソレント半島に別荘を持っていたが、ローマからそこに向かう中継地点としてこのファレルノの土地で美味しいワインを飲み、調達して旅を続けたんだ。その後いつしか大きな町や港も影を潜め、ファレルノという銘壤地も過去の栄光になってしまった。こういった文献を読んだ私の父はこの土地のポテンシャルを信じ、2000年前の高品質ワインを復活させようと一念発起してブドウ栽培を始めたんだ。」
昔話を語り聞かせるように優しくゆっくりと話しているが、父親の話となると口調に熱がこもる。

「色々と調べてみると面白いことがわかった。ファレルノの土地は西側が海に面しており周りを3つの山に囲まれているんだが、北の一部分だけ山が途切れている。その隙間から吹き込む涼しい風と海から吹き込む暖かい風がぶつかり、上昇気流ができる。そのためファレルノの上空には雲ができにくくなり、豊富な日照量に恵まれ、雨に悩まされることも少なくて済んでいるんだ。」
ワイン畑
▲奥左の山並みがモンティ・アウルンチ、右側に見えるのがロッカ・モンフィーナ。
涼しい風は山に挟まれた隙間から海に向かって吹いてくる。


ワイン畑
▲地形がもたらす恩恵により、雨に悩ませられることが少ない。

「さらに乾いた土地だからこそブドウの木は水分を求めて地下深くまで根を伸ばし、地表には少ないリンやカリウムなどのミネラルを吸収することができる。このミネラルは、北東のロッカモンフィーナ山が大昔の火山活動により生み出した火山性石灰質土壌からもたらされる。これらの事実はこの土地が特殊で、ブドウ栽培にとって恵まれた環境だということを示している。やはり昔から良いブドウができるのには理由があったんだ。父の目に狂いはなかったということだね!」
ワイン作りに適した土壌
▲大昔の火山活動に由来する火山性石灰質土壌。
乾いた土壌で、ブドウは水分を求めて地下深くまで根を伸ばし、リンやカリウムなどのミネラルを吸収する。


父親を尊敬する子供の眼差しで、誇らしげに説明をしてくれたサルヴァトーレさん。ファレルノの土地とワインへの情熱が受け継がれているのは疑いようがないだろう。

こうしたヴィッラ・マティルデ社の努力と功績が認められ、1989年にファレルノ・デル・マッシコDOCが誕生した。なんと同DOCワインの85%をヴィッラ・マティルデ社が生産しているとのことで、まさに彼らのために認められたDOCと言っても過言ではないだろう。
同じ土地でできたワインを飲んでいた古代ローマ人に思いを巡らせながら、ヴィッラ・マティルデ社の情熱と努力の結晶、ファレルノのワインを味わってみてはいかがだろうか。

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市場に出回っていないワイン等楽しいことがいっぱいあります。
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