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カンデリエーリ(ろうそく祭り)

お祭り大好きなサルデーニャ人。いろーんなお祭りがありますが、少し風変わりなお祭りを紹介します。
 
毎年8月14日にサッサリで行われるカンデリエーリ(ろうそく祭り)。
起源は13世紀後半、サッサリがピサの支配下にあった当時の8月15日の聖母被昇天の前夜にピサから燭台を貸し出すように申し出があったことに遡ります。と共にその後16~17世紀頃にペストの流行により多くの犠牲者が出たときにペストがなくなるようにと願かけとして1580年8月14日、8つのグループが聖母ベツレヘム教会まで燭台を持ち込んだところペストが終息、それに感謝して毎年行われるようになった、とのふた説あります。どちらにしてもサッサリ人の精神と伝統を引き継いた盛大なお祭りとなったわけです。

年によって参加する燭台の数は増えたり減ったりすることもありますが10前後のグループが参加し、基となる300Kgもあるかと思われる巨大な木製の燭台に思い思いに飾り付けをしてまずは出発点となるカステッロ広場まで6人ぐらいで担ぎ込みます。その周りには先導する者や正装した仲間も連なり、音楽に合わせてステップを踏みながら運ぶので出発点にたどり着くまでも大変!
 
以下は去年(’17)の様子です。
お祭りの始まり時間は書いてあっても時間通りに始まることはまずないサルデーニャ 笑
なのに!出発時間の18時前には今年の参加グループの燭台11台がちゃんと勢揃い、時間になったら楽団の音楽に続いてグループが順番に前に進んでそれぞれに踊ったりパフォーマンスを披露、もちろん燭台を担いで、ですよ! 担いでる筋骨隆々の逞しい男性たちは汗だくもいいとこ、めちゃくちゃかっこいい。
 
  
また、燭台を担いだ男性たちの前を歩くのはそれぞれのグループの代表者たち、もちろん?
男性だけ。。。衣装がなんか可愛い。 
    
 
全てのグループがカステッロ広場を出発したのは19時半頃、その後も燭台を担いで踊りながら町を練り歩き、聖母ベツレヘム教会に辿り着くと24時近くになるそう。そーですよね、担ぐだけでも大変なのにパフォーマンスもするんじゃあなかなか前に進まないのは当たり前。
ちなみに私たちを含む多くの見物者は出発地点のパフォーマンスを見たら帰っちゃいます 笑
最初は止めてあったテープを途中で解放、仲間に引っ張ってもらって燭台に巻きつけるグループも
  
      
’17の参加グループはFabbri(鍛冶屋), Piccapietre(石屋), Viandanti(行商人), Contadini(農夫),Falegnami(建具屋),Ortolani(青物商), Calzolai(靴屋),Sarti(仕立て屋), Muratori(左官屋), Massai(農園主), Macellai(肉屋)。
現在のグループは創設者を受け継いだ人たちでつくられています。
 
このカンデリエーリ、2013年にユネスコの無形文化財となっています。
燭台をお神輿に見立てたら日本のどこかのお祭りに似ているかも知れませんね。
今年はどのグループが参加するのか……見物に来られませんかー?
 

Monumenti Aperti- 見どころ公開イベント

毎年5月(年によっては6月初旬まで)に行われるMonumenti Aperti。
サルデーニャのいろんな市町村が行う毎土日順番に普段は入れないところ、例えば昔の刑務所だとか鐘楼
などを公開したり、博物館が入場料なしで入れるイベント。

1997年にカリアリで文化、観光を広めようと行われたのが始まりでその盛況ぶりを州が高く評価し、
カリアリ以外の市町村でも参加を呼びかけ、今では一度以上参加した市町村は100以上にも登ります。
(毎年参加するところばかりではない、ちなみに今年参加したのは62市町村)

興味深いのは見学するときにガイドしてくれるのが中高生というところ。自分が担当する建造物について
勉強、覚えたことを一生懸命に説明してくれるのがなんとも微笑ましい。覚えたことを説明したい子ども
たちは見学者に声をかけたり、中には母親や先生が心配して付き添っていることも 笑

             写真を撮るよーと言ったら集まって来た子供たち

      
      普段はなかなか見られないオリスターノのドゥモ横にある図書館屋上からの眺め

                  オリスターノの刑務所跡


      アルゲーロの公立劇場、右は要人の休憩室または主要な出演者の控え室に使われる

                アルゲーロの大聖堂の鐘楼の最上部から
          
       左は途中の覗き窓から覗いた大聖堂、右は最上部で説明中の生徒、英語でも!

この時期にサルデーニャに来られる機会があれば、このイベントを開催している市町村をお探しあれ、
子供たちのガイドで楽しめますよー!

サルデーニャ人の風土病、ファビズム

 ソラマメの季節になりました。
 摘みたてのものは生のまま食べられることもあるし、サッと湯がいてサラダにしたり、
 野生のフィノッキオと一緒に煮込んだり、、、といろんな食べ方で楽しめ私も大好きです。

フレッシュなソラマメ

ソラマメはシンプルな味付け

ソラマメのパナーダ成型中

ソラマメのパナーダ完成!

 
 
 でもこのソラマメ、実はサルデーニャ人の中には食べられない人がたくさんいるんです。
 最初聞いたときはソラマメアレルギー?そばアレルギーみたいなもの?と思ったんですが
 いわゆるアレルギーとはちょっと違っているようで。。。
 
 ちょっと調べてみたところ、ファビズムというのはソラマメを摂取することによりグルコース
 6リン酸脱水素酵素欠損症(G6PD欠損症)ーX染色体上にコードされている酵素の欠損により
 起こる遺伝子疾患の1つーという病、、、と書いててもよくわからないんですが 汗 要するに
 血液中の赤血球が脆くなって急性溶血性貧血を引き起こす病だそうです。ときによっては
 急速な貧血により生命の危機に至る可能性もあるという重い病だということでびっくり!
 
 地中海地方〜アフリカの風土病だと言われているファビズム、G6PD欠損症は一方、マラリア
 原虫に抵抗性があるんだそう。サルデーニャに限って言えば、20世紀初頭マラリアは戦争より
 多くの犠牲者を出した、と言われるほど流行。それに対抗するために突然変異的に遺伝子に
 働いたのではないか?との説があります。
 
 ちなみにこの遺伝子は母から子へと受け継がれるとのこと。ただ全ての子供に対して、という
 わけではないらしく、兄弟でもファビズムの子もいればファビズムではない子もいるそう。
 また少しぐらい食べても大丈夫な人もいれば、食べなくてもソラマメを触っただけでも気分が
 悪くなる人もいるそうです。
 
 好きなのに、食べたいのに食べられないものがあるというのはすごく悲しいですよね。
 食べられない友達の分まで美味しくいただきまーす!
 

サルデーニャのトッローネ

 
トッローネというヌガー菓子はクリスマス時期になるとイタリア中で売り出され、食べられるお菓子です。
でもサルデーニャでは年中、それこそ夏でも食べられる伝統的なお菓子。
実はピエモンテに住んでいるときも何度かトッローネを食べる機会があったものの、こんな硬くって
甘ーーーいお菓子好きじゃないな、と思っていました。
しかし!しかしですよ、サルデーニャで食べたトッローネはガチッガチに硬くなく、甘さも控えめ、
優しい、後を引く味じゃないですか!

どうしてだろう? とちょっと調べてみたらピエモンテで食べたトッローネにはハチミツだけでなく、
砂糖が入っていたからめちゃくちゃ甘くて硬かったんですよねー。それにひきかえ、サルデーニャの
トッローネはハチミツのみで作られているので硬さも甘さもほどほどだったというわけです。
もちろん好みはあるのでピエモンテのトッローネの方が好き、という人もいるでしょうけど、私は断然
サルデーニャのトッローネの方が好き!です。

トッローネの材料、作り方はいたってシンプル。ハチミツを溶かしたところに固めるためや柔らかさを
調節するために泡だてた卵白を入れてゆっくりゆっくり長時間かき混ぜ、ナッツを入れる……と
まぁ書く(聞く)のは簡単、しかしその長時間かき混ぜる、と言うのが職人技。気温や湿度によって
卵白の量や時間が微妙に異なり、様子を見ながらかき混ぜること7〜8時間……!

私もトッローネ作りに何度か挑戦したことがあるんですが、長時間と言ってもせいぜい4時間ぐらいしか
かき混ぜてなかったからか砂糖をまったく入れないと固まってくれませんでした。やっぱり根気と職人の勘と
いうのが必要なんでしょうね。

サルデーニャでトッローネというと有名なのは内陸のトナーラという町。お祭りの屋台やスーパーで
売っているトッローネにはほぼトナーラのトッローネ、と書いてあります。トッローネ=トナーラで、毎年
パスクア(イースター)のあくる日のパスクエッタにはトッローネ祭りが行われるほど。
また何年か前には世界一長いトッローネを作ってギネスに挑戦!というイベントも行われ、見事ギネスに
のりました。

私も何度かトナーラにトッローネ祭りを見に行ったり、ギネスに挑戦したイベントにも行き、出来立ての
トロットロのトッローネをオスティア(コーンスターチと水、オリーブオイルから作られた白い紙のような
オブラート)に包んでもらってその場で食べたことがあります。出来立てのトッローネを食べられる機会と
いうのはなかなかないですが、ほんとに美味しいですよー。
ところが2年ほど前の秋祭りに訪れたデーズロというこれまた内陸の山奥の町でも出来立てのトッローネを
食べられる屋台が出ていたので食べたところ、、、うわっ、ト、トナーラのトッローネより美味しいかも!
と衝撃の味。何よりハチミツの味が美味しく後を引く、引く!

何とも忘れられない味ではあったけど、私の住むオリスターノからデーズロまでは距離は100Kmもない
もののクネクネとカーブ連続の山道を走っていかなければ行けません。トナーラも同様に山奥の町なん
だけど、トナーラのトッローネならオリスターノのスーパーでも簡単に手に入るし、それなりに
美味しいし、と自分に言い訳しつつ、行きそびれていました。
   
それがひょんなことから(と言うか、イタリア好きからの依頼で!)デーズロに、それもトッローネ屋
さんを訪ねて行くことなり、、、そう、あのお祭りで屋台を出していたあのお店だったんです!
出来立てを食べることは出来なかったけれど、やっぱりハチミツの味、歯ごたえが最高に美味しい。
それもそのはず、ハチミツ屋さんの作るトッローネだったんですよねー。

最近はハチミツと卵白の生地自体がレモンやミルト(銀梅花の実、ちょっと渋みがある)風味だったり、
トッローネがチョココーティングされていたり、とバラエティに富んだもの(トッローネ好きからすれば
邪道)もあるけど、ここで作られているのは昔ながらのトッローネ。中に入るナッツのみが3種類あり、
伝統的なアーモンド、デーズロ特産のヘーゼルナッツ、他ふたつのナッツより柔らかい食感のクルミ。
大きさも3種類あり、大、小にカットされたものと一口大にカットされてキャンディのように個包装
されて1パックになったもの。自分でカットするのは大変なので個包装されたものの方が食べやすく、
食後のエスプレッソのお供にも最適。
   
   
あとからデーズロ出身の友達に聞いたところ、昔はおばさんがひとりで作っていて地元では知る人ぞ
知るお店だったそう。美味しいでしょーと誇らしげに話してました。現在は後を継いだ甥兄弟が
おばさまの監修の下、昔っからの方法でトッローネを作っています。

それ以後、やっぱり彼らの作るトッローネを食べたら他のトッローネでは物足りない、と言うことで冬は
天気予報とにらめっこし、雪が降らない日を選んでは行って多めに買って来るようになりました。
そして冷凍庫で保存、、、と言うより冷凍庫に入れた方がカリカリッとして一段と美味しいんです。
冷蔵庫じゃなく、冷凍庫、ですよー。

ちなみに一口大にカットされた小さいものはトロンチーノと言います。サルデーニャでもなかなか手に
入らないデーズロのトッローネ、トッロンチーノ、ぜひ味わって欲しい味です。

 
  

パスクア

パスクア(イースター、復活祭)の季節になりました。今年は例年よりちょっと早く4月1日です。

パスクア当日は世界各地でいろんなお祝い方があります。またパスクア前の1週間もいろんな
行事が行われ、3日前の金曜日(キリストが処刑された日)からパスクア当日までは断食をする
教徒もいるそうで、その反動(笑)からか、パスクア当日の昼食はご馳走三昧。メインの子羊や
ハトの形をしたコロンバというお菓子を食べ、子供達はプレゼントされた卵型のチョコの数を
競う、というのはよく知られていますよね。

イタリアでは主にアブルッツォ州と南イタリア、島で復活したキリストとキリストの復活を
信じられない聖母マリアが対面するインコントロという行事があります。

ここサルデーニャでもいろんなところでインコントロが行われますが、その中でもオリエナの
インコントロは特殊というか、、、町中に銃声が鳴り響くんです。



午前10時頃から町の中心地の建物の上に民族衣装を着け銃を構えた男性が集まり、次から次と
休む間も無く銃声を轟かせます。耳がおかしくなるほどの音で何も聞こえない中、これまた
オリエナの伝統的な衣装を着けた男女が並んでキリストと聖母マリアの像を迎えます。
オリエナのパスクア インコントロ1
オリエナのパスクア インコントロ2
めでたく、キリストと聖母マリアの像が対面すれば彼らと共に教会へと向かいます。
教会でのミサが終わった後にそれぞれの家に戻り、豪華な昼食の始まりとなるわけです。

オリエナのパスクア インコントロ

サルデーニャのカーニバル

 サルデーニャでのカーニバルの始まりは1月17日の伝統行事、聖アントニオアバーテ祭からと
 なっています。最高潮となるのはカーニバルの最終日の灰の水曜日(復活祭46日前の水曜日で
 司祭が額に改悛のしるしとして灰をつける日)の前日の火曜日までの1週間。この時期、最も
 サルデーニャらしさを感じられるイベントが島中の町村で行われます。


 もともとカーニバルの語源となったのは恐らくふたつのラテン語の言い回しだと言われています。
 ひとつは古代ローマで2月に行われていたディオニュソス(酒の神、バッコス)のための特別な
 聖杯清めの儀式に奉献された舟形の山車を意味する”carrus navalis”、もうひとつは四旬節
 (復活祭の前の40日間)の肉断ちの始まりを示すカーニバル最後の饗宴”carnem levare”から
 引用されたという説。大昔から同様に悪霊祓いとして仮装した祭りが行われていたのでそれから
 由来したものだとも一説には言われています。

 ともあれカーニバルは主にキリスト教圏の至るところで行われる節期で、一時的に我を忘れ、
 社会一般の常識から外れて仮の姿(仮装)で行われ、最後にはその己の愚かさを藁人形に転嫁し、
 火あぶりにして終結する祝祭というのが最も原始的な形でした。

 島中の各町村でそれぞれ伝統的なカーニバル行事が行われますが、大きく3つのタイプに分ける
 ことが出来ます。

 1.伝統的なサルデーニャのお祭りとはあまり繋がりがなく、イタリア中や他国で同時に行われる
  カーニバルのイベントに近く、風刺を凝らした山車や架空の人物を率いて行進する行事。

 2.動物を擬人化したようなミステリアスな仮面、衣装を着けて町中を練り歩く行事。飢餓や悪い
  ことから遠ざかるようにとの願いが込められているそうです。
  写真は木彫りのマスクに羊毛を用いた衣装をつけたオッターナ(左)、1グループ12人の
  マムトンネス(黒い羊毛の衣装にカウベルをつけている)がふたり一組でリズミカルな動きをし、
  8人の捕虜(マムトンネス)を捕らえるイグサで出来た縄を持った赤服のイッソアドゥレスが
  有名なマモイアダ(右)

 3.より昔からのサルデーニャのカーニバルの伝統行事として行われている馬上競技。
  流鏑馬のように馬上から的を目指して槍を突く競技や馬上でアクロバット競技を行う行事。
  写真はオリスターノのラ サルティリア。中でもラ コスサアッラ ステッラは最も重要な
  競技で中世の衣装と仮面をつけた 騎手が全速力で駆け抜け、道の真ん中に吊るされた星型の
  中心の輪にヤリを突き刺し、星を手に入れるという馬上競技。星の数によりその年の農作物の
  収穫量を占います。

 ほとんどのところで主行事はカーニバルの最終日曜と火曜、真ん中の月曜は子供達による同じような
 行事が行われます。2018年はかなり早く2月の11日〜13日です。毎年どこからこんなに人が!と
 驚くほどの人が見物に訪れます、機会があればぜひお越し下さいませ!
 

サルデーニャのハチミツたち

以前、イタリア好きのメルマガにもちょっとコラムを載せていただいたんですが、ハチミツと卵白、
ナッツから作られるトローネ。特にクリスマス時期には欠かせないお菓子。サルデーニャのものは
一切砂糖が入っておらず、ハチミツのみなので甘々ではなく、ついついもうちょっと、と次々に手が
出る後を引く美味しさです。今回はそのトローネではなく、トローネになくてはならないハチミツ。

一般的にトローネに使われるハチミツはその時期に採れたフレッシュなものを使われるそうですが、
最近聞いた話ではハチミツによってトローネの固まり具合が変わるそう←な〜るほど、家で作っても
うまく固まらなかったのはそれも原因か!と目からウロコ。ちなみに私が好きなトローネ屋さんが
使っているハチミツはユーカリが主だそう。

サルデーニャのハチミツを少しご紹介すると。。。
*アスフォデロ(ツルボラン-南ヨーロッパ産のユリ科植物)
 サルデーニャに多い植物で花が咲く春はちょっと鼻をつくような独特の香りが周辺に広がる。
 ハチミツは黄金色で繊細、やわらかな甘さで万人に好まれる味。
*アグルーミ(柑橘類)
 レモン、オレンジ、マンダリンをミックスしたハチミツ。色は薄く、柑橘類の爽やかな香りと
 甘さを感じる。
*スッラ(マメ科の植物)
 地中海でよく見られる小さな花びらが縦に並んだサルビアに似た花。ハチミツの色は黄金色で
 かすかに枯れ草の香り、デリケートな味。
*チスト(シノニム-南ヨーロッパに多く見られるアオイ科の花)
 ハチミツは濃い赤褐色ではっきりとした強い味は後々まで口の中に残る味わい。

などなど、まだたくさんの種類のハチミツがあるんですが、代表的なサルデーニャのハチミツと言えば
やっぱりこれ、苦ハチミツとして知られているコルベッツェロ。西洋ヤマモモから採れるハチミツで
濃い琥珀色、濃度が他のハチミツに比べると半端ないぐらい濃いキャラメル状。かすかにコーヒーの
ような香りがし、甘いけど苦い、非常に個性的なはちみつ。
サルデーニャの伝統菓子、セアダスやちょっとローストしたチーズにかけても良し、エスプレッソに
砂糖の代わりに入れても良しの大人なハチミツ 笑。西洋ヤマモモの名の通り、実は山吹色〜オレンジ色
ちょうど今頃に実がなり、実自体は甘くてジャムなどにすると美味しい。なのにその蜜は甘苦い。

日本ではなかなか手に入らないけど、もしサルデーニャに来られることがあればぜひお試しあれ。
日本に持ち帰ることもたまにあるので欲しい!という方は取りあえずこちらへご連絡下さいませ〜。

サルデーニャに恋して。。。

サルデーニャに恋して住み着いてしまった私が”食”をテーマにサルデーニャをコーディネート。
いろんな顔を持つサルデーニャを様々な切り口からご紹介していきます。

第一回めはこの時期サルデーニャでは一大イベントとなった”Autunno in Barbagia”(バルバジアの秋)
祭りについて。

毎年9月からクリスマス前までの週末に内陸のバルバジア地方の町村で行われる文化祭。
もとは”Cortes Apertas-サルド語で直訳すると中庭を開放”と呼ばれ、今では使われなくなった(中には
まだ人が住んでいることもあり)古い伝統的なお家を開放しその村独特の伝統的な”食”や”工芸”、その製造
過程を披露するお祭りとしてオリエナが始め、その後いくつかの町村で独自に行われていました。

それをバルバジァ地方の県庁であるヌオーロの商業会議所がそれ以外の町村にも呼びかけ、約20年ほど前
からこの時期にいろんな町村で行われるようになり、その参加町村数は年によって多少変化するものの27
にも上ります。しかし”Cortes Apertas”というのは最初にこの名称を使ったオリエナでしか使えないと
いうことになり、それぞれの町村が各自に名称をつけ、総称して”Autuuno in Barbagia”と呼ばれる
ようになったそうです。

多い時には3つの町村が同日に行うのでハシゴをすることも多々あり。。。(笑)
島各地からだけでなく、本土やイタリア以外の国からの観光客も年々増えて観光バスで訪れる団体も少なく
ありません。伝統的なものを残していくということと町村に人を呼ぶ、という村おこしの一環として今では
島の欠かせないお祭りとなっています。最近ではこの文化祭の成功を見て、島のその他の地方でも春の~、
とか同じようなお祭りを真似するところも(笑)

今年の”Autuuno in Barbagia”はまだまだ開催中ですが、すでに終わったオリエナとオルゴゾロの様子、
ちらっとご覧下さい。

オリエナ-サルデーニャを代表するパン、パーネカラザウの発祥地として知られる町、オリエナは雄々しい
スーペル山脈の裾野に位置します。オリエナ人のホスピタリティ溢れることは島の中でも有名でそのおもて
なし精神は”Cortes Apertas”でも発揮されます。
パーネカラザウ作りのデモ

カラフル、豪華な刺繍も有名

子供たちも一役買って大活躍


オルゴゾロ-オリエナから車で約15分、山の上にある壁画で有名な町。1960年頃から羊飼いの苦悩、政治的
悪徳行為に反する詩や反戦争などの画が描かれ始め、現在も増え続けており、町中壁画で溢れています。
その壁画を見学に来る観光客も年々増えています。
カラフルなオルゴゾロの伝統衣装

町中で見られる壁画

蚕から絹糸を作る工房もあり


知れば知るほど興味が尽きないサルデーニャの魅力をうまく伝えていければ良いな、と思っています。
どうぞよろしくお願いします。