イタリア好きの皆さんこんにちは!
数ヶ月前まで世界がこのような状態になるとは想像もできず、ウェブページもなんだか書くことができずにおりました。
人間が戸惑う中、季節が進みイタリアは春真っ盛り。たくさんの花が咲き、そんな自然の不偏さが嬉しい今日この頃。そんな自然の恩恵を感じる養蜂の春の作業をご紹介します。
以前にも養蜂について記事を書きましたが、
↓ ↓ ↓現在我が家には現在西洋ミツバチの巣箱が8箱あり、無事冬を越すことができました。
ミツバチにとって冬はとても過酷です。越冬の条件は春までのミツバチの貯蔵があること、女王蜂が若くて健康であること、そして群の蜂が健康で病気を持っていない事が大事です。冬の間女王蜂を囲んで働き蜂たちは羽を動かして暖をとっており、どんなに気温が下がっても巣箱の中は37度に保たれています。なので冬の間、巣箱の温度が下がってしまうのを防ぐため、無闇に開ける事はできません。3月気温が高くなってきた頃巣箱の検査を始めます。
今年は3月20日から内見を始めました。
まず注意しなくてはいけない事は,女王蜂や働き蜂の健康状態。卵を産み始めていて、群の数が順調に増えていっているか。ダニなどの寄生虫がないだろうか。病気にはなっていないか。蜂蜜と花粉のある巣板は何枚あるか、分峰の兆候である王椀や王台があるかどうかそういったことをチェックしていきます。暖かくなるとたくさんの花が咲くのでいろいろな蜜を集めてきてくれます。
我が家の採蜜は年に一度だけなので、特定した花の蜜は採取せず、日本で言う百花蜜になります。イタリア語ではミッレフィオーリと言って、千の花の蜜と言う意味の名前がついています。
どんな花の蜜を集めているのでしょう?
私が春先から今まで確認しただけでも、オオイヌノフグリ、タンポポ、桃、梅、プラム、桜、りんご、ラベンダー、キンポウゲ、プリモナリア、ヒイラギメギ、ローズマリー、ラベンダーと忙しく飛び回っているのが見えました。
夏までどんどん花が咲きますので、本当にたくさんの花の蜜が集積されることになります。
養蜂はやりたいと思えば、誰でも始められますが、条件があります。
ー工場の排煙やや農薬で汚染された場所でないこと
ー巣箱近くを人が通らないこと 巣箱の前6mは攻撃位置になるので絶対に前を横切ってはいけません。もちろん囲いも必要です。
ー朝日が必ず巣箱の前に当たる場所で、比較的日当たりが良い場所
であること
ー水場が近くにあること 水がなくては蜂は死んでしまいます。
この条件をクリアして、養蜂を始めたら、イタリアでは必ず市町村に届けることが義務付けられており、世話ができなくなった場合など放置することは許されておらず、巣箱を焼却処分することが義務付けられています。そのほかにも、蜂の疫病、寄生虫
発生した場合など報告の義務があります。
春から夏にかけては巣箱を毎週一回から10日ごとにチェックして記録をつけていきます。
昆虫や虫は好きではない、刺されないのか?怖い。と言ったイメージが一般的ではないでしょうか?
ではどのように蜂と接するべきでしょうか?
-大きな音を立てたり巣を揺すったり脅かさない。敵が襲撃しに来たと思われる。
-蜂をむやみに手で払って潰したりしない 潰すとその香りで他の蜂が攻撃態勢に入る
-パニックにならない。アドレナリンが出るので、それを察して大群で攻撃されるので、心穏やかにいることが大事です。
ー走って逃げない 走ると追いかけてきます。もし、蜂が攻撃態勢に入り大群で押し寄せてきても、走って逃げたりせず、巣箱を閉じて、ゆっくりとその場を歩いて離れる必要があります。
注:これは養蜂家の心得ですが、ハイキングなど中など間違えて巣に近づいてしまった場合などにも応用できるのではないかと思います。
しっかりお世話をしてあげれば、一箱の養蜂箱から30kg以上の蜜が採れるのです。
採れた蜜の味はイタリアの太陽の味。
古代ローマ時代のはるか昔から天然甘味料として珍重され、神々へのの捧げものでもあり時には通貨の役割も果たしたと言われています。
糖や微量のビタミン、ミネラルを含む蜂蜜はミツバチが集めてくれる花蜜の種類によって蜂蜜の色、粘度、香り、風味は様々。同じ百花蜜でも毎年気候条件が違うので、当然毎年味が違います。
当然、我が家では使い切れないので、今年は売上金を今新型コロナウイルスの終息に全力で取り組んでいるイタリアの赤十字に寄付したいなと考えているところです。
こんな時期だから、イタリアの良いところを見直そう!世界にアピールしようと頑張っている方がたくさんいます。
私も微力ながらバルサミコ酢の醸造室の様子や、モデナの郷土料理のビデオを作りました。もちろん、今回の養蜂の様子も動画にしましたのでよろしかったら覗いてみてください。
動画リンクはこちらから
↓ ↓ ↓
https://www.youtube.com/channel/UCaL8SHTuzQLOpX-woBWxTtg
質問やコメントなど動画にコメントを頂けたら嬉しいです。
終息したらイタリアで皆さんにお会いできる事を願って!



その後イタリア統一でモデナ公国が無くなるまで、バルサミコ酢の醸造室として使用されていました。その樽の数は36樽ほどだったと言いますが、現在のバルサミコ酢を醸造する樽から比べると随分サイズの大きいものが保管されていたようです。
公と同じぐらいバルサミコ酢が重要であったという証のように思えます。
こんなに分厚い壁
今回の醸造室の見学はバルサミコ酢愛好者協会のための特別公開とのことで、建物の中に入るのも事前のIDカードの届け、当日の入館チェック、各グループに専属の士官がつくなど物々しい警備でした。
現在ドゥカーレ宮は軍学校の施設となっているため、土日の決まった時間帯のガイド付きツアーの事前申し込みが必要です。
さて、11月19日から22日までミラノ、ローフィエラで行われたSIMEI(Salone Internazionale Macchine per Enologia e Imbottigliamentoの略)醸造機器と瓶詰め機器の国際展示会を見てきました。
ミラノサローネでなどでは全てのブースが使われ、ものすごい人出。そのイメージで出かけると、9,11のブースでの展示会とのことで案外外は閑散としていました。
まずは私が個人的に気になっているぶどうの除梗機。
お次は圧搾機。主流は圧搾機の中の風船が膨らんで圧搾するものと昔からの圧搾機のように上から圧力がかかるもの。木製かステンレス製か。ぶどうの絞りかすの処理が楽なものはどれでしょう?
お次はタンク。最新技術は温度だけでなく圧力や、ぶどう液の対流、コンピューター制御パネルが装備。もちろんステンレス製だけではなく、セメントタンク、木製の大樽などなど
木製の熟成樽バリックはイタリアより、フランスが多いよう。オーストリアの会社も。
ボトリングの機械や、コルクなどのキャップ類も多く展示されていました。
大きな機器の洗浄装置や、洗浄実演ちょっとテレビショッピングの実演販売的。
もちろん葡萄畑の中で使用する機器も
多分作っていなければ目がいかないものばかりなんですが、マニアックな世界は楽しい。皆さんも一度いかがですか?

パルミジャーノレッジャーノチーズは朝晩2回絞った牛乳で作ります。前日絞った牛乳はすぐに18度以下に冷却し、次の朝まで置くと、上部に脂肪分(生クリーム)がたまります。生クリームを取り除いた牛乳に、その日の朝に絞った牛乳を混ぜ合わせ、1000L入る銅なべにいれます。
36度まで温度を上げた後、前日にチーズを作った残りのホエー(乳清とも呼ばれ牛乳の脂肪分とカゼインを取り除いた残りの黄色味がかった液体)をバケツ一杯、レンネット(凝乳酵素)を入れ50度まで加熱し、4分間経つとプディング状に固まります。それを10分後にスピーノと呼ばれる道具で細かく壊し、約一時間後ホエーと、チーズに分けます。鍋の底の固形分を麻布に入れて引き上げ、スパッと二つに分け二つのパルミジャーノレッジャーノチーズの大元が出来上がります。これをまた麻布に入れて、木の大ベラに引っ掛けて、水分を切ります。
それをファッシエーラと呼ばれる型に入れ、夕方まで上下をひっくり返すこと3回、木の重石を置きながらしっかり水切りをした後、パルミジャーノレッジャーノチーズの刻印の元になる帯を巻いて一晩置くとしっかりパルミジャーノレッジャーノチーズの文字がチーズに刻印されます。これを上下を返しながら乾かす事3日間、次は塩水プールへ
パルミジャーノレッジャーノチーズの唯一の保存料は塩のみ。2/3が塩、1/3が水のこのプールで20日間しっかりと塩を染み込ませます。表面を洗浄し、いよいよ熟成庫へこの時点でのチーズの重量は50kg。
気温17度、湿度75%の熟成庫で裏表を返しながら、週に一回表面に浮いた脂肪分をブラシで擦って綺麗に保ちます。一年経った時点で、パルミジャーノレッジャーノ協会の監査員が専門の金槌で、一つづつ丹念にチェックをし、検査が通ったものについては、パルミジャーノレッジャーノチーズの刻印が押されます。通らなかったものはすぐにパルミジャーノレッジャーノの刻印が削り取られます。どんなに熟練のチーズ職人が作っても最低5%は検査に通らないと言われています。
その後また熟成させること一年あまり。この時点の重量は40kg
待った無しの生き物相手に365日間、休みなく毎日チーズを作り続け、牛の飼料となる干し草ももちろんBio農法で作った牧草から作り、抗生物質などの薬や、保存添加物一切なし、また、牛舎で出たし尿、チーズ造りで出るホエーや、チーズの表面の削りカスを利用して、ビオガスから発電をしており、工場で必要な全ての電力をまかない、ビオガスを取った残りのカスは畑へ肥料として使う完全循環型の環境に優しい。そんなこだわりのチーズ工場。
この度イタリアはベルガモで行われたチーズ品評会Word cheese awards 2019年で、全世界3500種類以上のチーズが出品された中、レッジャーニさんの18〜22ヶ月熟成のパルミジャーノレッジャーノチーズが11位にランクインしました!
今年は5月の長雨にせっかく咲いた花の蜜が流れてしまい、蜂蜜が採れないどころか、ミツバチの食料となるミツも不足で沢山の群れが死んでしまったり、分峰していなくなってしまったりという被害がエミリアロマーニャ州を始めイタリア全国で報告されていました。
その反面たまたま、急な雨が降った時に写真の分蜂の群れを見つけて、うちの子に加わった群もいるのです。
ミツバチは貯蔵した巣穴が蜜が一杯になると蜜蝋で蓋をします。これをナイフで削り取り、ドラム缶に均等になるように差し込み、手回しの遠心分離機にかけてハチミツを取り出します。
黄金色のハチミツが流れ出てくる様子は圧巻!でもこれだけでは、ハチミツに混じった蜜蝋などが混じって、食感が悪いので、最低10日間寝かせます。すると蜜蝋が上にたまり、ハチミツと分かれるので、綺麗なハチミツが採取できるのです。
3月の上旬から咲く、果樹の花桃、プラム、桜、を始め、アカシア、シナノキ、我が家の周りはパルミジャーノの牧草を栽培しているので、エルバメディカと呼ばれる牧草のお花などなどイタリア語でMiele di mille fiori 千の花の蜜。(和名ならば百花蜜)味も香りも濃厚。同じ牧草を食べて育った牛の乳から作るパルミジャーノレッジャーノチーズとの相性も抜群です。
その土地でできたものはその土地のものとよくあう!
バルサミコ酢醸造室の見学、試飲講習会、郷土料理のお食事会、料理教室のお問い合わせは
通常トマト栽培は支柱を立てて、そこにトマトが絡みつくように育てますが、加工用のトマトは無支柱栽培。ゴロゴロと赤い実が畑に転がっています。なかなかその風景は圧巻!
こちらはIbridi prismaticiという品種で、先が丸くてそこまで大きなものではありませんでしたが、食用に販売されてものに比べて、皮が硬いのですが、甘みは十分。
刈り採り作業が行われているようで、この時期半日でこんなに沢山の量が採れるそうですが、近所の人が家庭用に50kg、100kg単位でどんどん買いに来るので、あっという間になくなってしまうのです。
我が家ではこの時期家族総出で、トマトソースを作ります。
先ずはトマトをよく洗い、半分に切ります。
電動裏漉し機にかけて、種と皮を取り除きます。トマトの実と果汁は鍋で温めたあと、煮沸した瓶に詰めてしっかりと蓋をし、最後にぬるま湯をはった鍋に瓶を並べて加熱殺菌、そのまま自然に冷まして出来上がり。
我が家では約140kgのトマトを使い、120本のトマトソースが出来上がります。これを一年間でほぼ消費してしまいます。和食の頻度も多い我が家ですから、一般のイタリア家庭の消費量は確実にそれを上回る事でしょう。私より先のお客さんがトラックで1000kg買っていったのもさもありなん。きっとお友達や親戚を集めて一緒に作るのでしょう。
夏の味がしっかり入った自家製のトマトソースの味を知ってしまったら、なかなかスーパーでトマトソースが買えなくなる事必須。
中でも23日の日曜日の夜は第53回目になる伝統的製法で作られたバルサミコ酢のパリオ(品評会)の入賞者の発表が行われます。主催者はスピランベルト市に本部のある伝統的バルサミコ酢愛好者協会。私たち鑑定士が4月から毎晩鑑定会を行い、2000から応募されるバルサミコ酢を鑑定し、勝者を決めるのです。
伝統的なバルサミコ酢と、市場に出回るバルサミコ酢では決定的な違いがあり、品評会に応募される殆どが一般家庭で大事に作られてきたもので、市場に流れることはほとんどないのが現状です。
この上の写真沢山のバルサミコ酢が並べられていますが、この中のひと瓶も伝統的な製法で作られたものはありません。
鑑定士の中では、市販品が鑑定サンプルとして鑑定の中に入ると香りを嗅いだ瞬間、テーブルについた鑑定士全員が鑑定する価値もないとサンプルをテーブルに投げ出すくらいです。(実際最後まで鑑定しますが点数は惨憺たるものです)
本当に気の遠くなるような年月と手間を必要とする伝統的なバルサミコ酢ですが、年間に生産できる量は1セットの樽例えば50、40、40、20、15Lの種類の違う木材の樽がセットになったとして最終の樽から年間1〜2Lと本当に少しで、昔は、貴族か、裕福な家庭の趣味として発祥したというのがうなずけます。バルサミコ酢を作っているほとんどのモデナ人は金儲けのために作っているわけではなく、バルサミコ酢を愛し、モデナの歴史や文化を愛する人たち。そして今なおバルサミコ酢の醸造室を持つということはステータスシンボルであり、家庭の中で消費するか、特別な贈答品として扱う場合がほとんどで、特別な存在であることに間違いありません。
そんな希少な伝統的製法のバルサミコ酢、今年はどなたが賞を受賞されるのか楽しみです。

レンタサイクルに電話をし、タイアの修理をお願いすると、1時間はかかるとのこと。
その後はお待ちかねの焼き鰻。しっかり焼いて、外はカリッとして、余分な脂が落ちていて美味しい!レモンを絞って、頭もガリガリ。イタリア人はこれやりません。
建物の下には長さ7、5m、70本ほどの栗の木が地底に4mほど打ち込まれてその上に建ててあり、栗の木は外側の樹皮をそのまま使用してあり、波で木が削られていくのを防いでくれるようになっていると説明してくれました。
















