話題のイタリア料理人を訪ねて 3 Trattoria Gatto Nero 稲田哲也さん presents by 亀屋食品株式会社

イタリア料理業界で活躍する話題の料理人の半生と、思い入れの深い一皿にまつわるストーリーをご紹介します。今回は東京都文京区にあるTrattoria Gatto Neroのオーナーシェフ稲田哲也さん(48)にお話を伺いました。

シチリアに魅せられて

「シチリアに着いた瞬間、自分の求めていたイタリアがここにあると感じたんです」
ピエモンテで料理修業をしていた稲田さんは、隣町の日本人仲間に誘われて、休みを使って初めてシチリアを訪れた。カラッとした空気、底抜けに明るい人々、そして料理のおいしさ。そのすべてに衝撃を受けた。
▲稲田さんは日本でさまざまな業態のイタリア料理店で働いた後、28歳でイタリアへ。ピエモンテ州ノヴァラ、ウンブリア州ペルージャ、シチリア州各地で修業を重ねてきた。店名をGatto Nero(=黒猫)としたのは、猫をこよなく愛しているから。
このとき出会ったのが、稲田さんが「イタリアのパパ」と慕う料理人ベッペ・フォンタナ(愛称ベッぺさん)だ。地元の食材を生かし、メインの素材をどれだけおいしくできるかを追求したベッぺさんの料理に感動し、シチリア料理をやろうと決意。本土での修業を終え、再びシチリアにやって来てからは、ことあるごとにベッぺさんを訪ね、さまざまな料理を教えてもらった。今回の料理もそのうちの一つだ。
約4年間のシチリア滞在中には珍しい経験もたくさんした。奉仕活動をしながら教会に住み込んだり、和食店で寿司を握るのを条件にシチリア料理を教えてもらったりしたこともあった。
「言葉が分からず苦労もしましたが、毎日新しいことを学んで自分が更新されていくのがとにかくおもしろかったです」
パレルモ、リカータで働き、最後はシラクーサの店でシェフを務めるまでになった。
▲店の壁には住み込みをしたパレルモのサン・ジュゼッペ教会など思い出の地の写真が飾られている。
帰国後は、シチリア料理を軸にこれまでの経験を100%生かすため、WSAイタリアワインソムリエを習得するなど準備を重ね、2023年ついに自分の店をオープンした。
「シチリアが大好きでどっぷりだったから、自分の好きなシチリア料理の世界でやりたくて。それに付き合ってくれるお客さんがいることが、本当にありがたいです」
店には近隣住民、シチリア好きの人、来日したシチリアの人々が日々集う。
▲人気メニュー「ブジアーテ 赤海老のトラパニソース」。赤海老の濃厚な風味が衝撃的な、豪勢な一皿。
「将来的には店舗展開もしてみたいです。シチリア料理って、すごくおいしいんだ!ってことを、これからもたくさんの人に伝えていきたいですね」目指すは〝シチリアの食の親善大使〟だ。

〈レシピ〉

ピスタチオをつけた豚のアルフォルノ モディカチョコのソース
ピスタチオの彩りと食感、贅沢に香るチョコソースのコク、豚肉のしっとりジューシーな肉感が唯一無二の味わいを生み出している。ネーロ・ダーヴォラとフラッパートの樽熟ワインと共に堪能したい。

材料
〈肉とピスタチオ&付け合わせ 1人分〉
豚肩ロース 200g
ピスタチオ 40g
ジャガイモ 1個
卵 1個
小麦粉 適量
塩 少々
自家製マリネ塩(刻んだケッパー、クローブ、ジュニパーなどと、塩、グラニュー糖を混ぜたもの) 適量

〈チョコソース 4人分〉
モディカチョコ 100g
フォンドヴォー 250g
ハチミツ 15g
アンチョビ 少々
バター 適量

豚方ロースの下ごしらえ(3〜5日ほど前)
1)豚肩ロースに、秘伝の自家製マリネ塩をたっぷりまぶす。
2)ラップをせず冷蔵庫内の風に当てて3〜5日間寝かせる。
3)3〜5日間寝かせた後、水洗いをして低温調理(真空してから湯煎)する。
4)使用するまで冷蔵庫で保存しておく。
※真空調理後5日間以内に使用すること。

チョコレートソース
1)アンチョビを骨ごとフードプロセッサーで回してペースト状にする。
2)1とバター以外の材料を鍋に入れて焦げ付かないよう注意しながら火にかけて混ぜ合わせる。

付け合わせの下ごしらえ
ジャガイモを丸ごと下茹でしておく。

作り方
1)ピスタチオをハンドチョッパーで細かく砕く。
2)真空パックから取り出した豚肩ロースに、小麦粉、溶いた卵を付け、さらに1をまぶす。
3)2をオーブンで180度で7分ほどグリルする。
4)その間に、付け合わせのジャガイモを食べやすい大きさにカットし、素揚げする。
5)2が焼き上がったらオーブンから取り出し、両端を切り落として約2cm幅にカットする。
6)チョコレートソースを再度温め、薄く切ったバターを入れて風味付けする。
7)皿に豚肩ロース、ジャガイモを載せ、その上からチョコレートソース、エキストラ・ヴァージン・オリーヴオイル(分量外)を回し掛けて完成!
ポイント
豚肩ロースは低温調理をしておくことで、しっとりとしたジューシーな肉感に。温かいうちにチョコレートソースの豊かな香りを楽しみながら召し上がれ!

Trattoria Gatto Nero
東京都文京区千石4-25-2 蔵とまきの郷
https://www.instagram.com/trattoria_gattonero_/
閑静な住宅街にある隠れ家のようなシチリア料理店。シチリア産食材をふんだんに使った料理と、常時100本をそろえるシチリアワインを楽しめる。イタリア本国と同様のサービスと料理を提供するMOI認定店*にも選ばれている。
*Marchio di Ospitalità Italiana(イタリアホスピタリティー国際認証マーク)

文:宮丸明香 写真:遠藤素子

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