話題のイタリア料理人を訪ねて 2 punteggiatura 曽田一誠さん presents by 亀屋食品株式会社

「新時代のシェフを訪ねて」からリニューアル!
イタリア料理業界で活躍する話題の料理人の半生と、思い入れの深い一皿にまつわるストーリーをご紹介します。今回は京都御所の近くにあるpunteggiatura(プンテッジャトゥーラ)のバールマンの曽田一誠さん(39)にお話を伺いました。

温もりの絶えない古都のバール

京都御所の南側にあるその店は、素通りしてしまいそうなほど控えめな外観だった。が、中に入ってみると、菓子の焼ける香りに包まれ、和やかな会話が聞こえてきた。まるでイタリアのどこかの街のバールのような雰囲気だ。
▲バールマンの曽田一誠さん(39)。常連さんに言われて印象的だったのは「もはやここはインフラ」という言葉。「やりがいでもあり、使命でもありますね」と朗らかに笑う。愛されている。

店主の曽田さんがエスプレッソマシンに初めて触れたのは23歳の頃。学生時代にお世話になった方のカフェの事業を手伝う中で、バリスタという職業に出合った。
その後キャリアアップを目指して、26歳でイタリアエスプレッソ協会(IEI)の認定試験を受けに、初めてイタリアを訪れたとき、立ち寄ったバールで、曽田さんの価値観がガラリと変わった。
「気づいてしまったんです。この人たちはおいしさだけを求めてカフェに来ているわけじゃない。この場に来ること自体が目的で、それが生活の一部なんだって」
知人とおしゃべりをしたり、仕事や散歩中に立ち寄ったり。人々の日常に溶け込んだイタリアのバールの在り方に、曽田さんは強く惹かれていった。
▲Caffè del Nonno(カッフェ・デル・ノンノ)ナポリの暑い夏に欠かせない、カップッチーノのフラッペ。日本人向けに甘さは控えめにさっぱりとした味わいに仕上げている。砕いたコーヒー豆の食感もいいアクセント。

日本にもイタリアのようなバールはあるが、小さな店が多く、働き口は見つからない。ならば自分でと独立を決めた。この場所を選んだのは、働く人、住む人、旅する人と、いろいろな立場の人が行き交う地域だから。
▲曽田さんの妻で菓子職人の悠季子さん。バンコには日替わりのお菓子が並び、カッフェと共に楽しまれていた。

仕事の合間に来たという常連さんは「ここは肩書きを外してひと息つける場所ですね」と話してくれた。ささやかな日々の支えになっているようだった。
曽田さんは、イタリアの〝Convivialità〟(食卓を通じて人と人がつながる喜び)を、ごく手軽に、毎日叶えられるのがバールだと信じている。
「お客さん同士が挨拶を交わしたり、他愛のない会話で盛り上がっていたりするとうれしくなります。こんな場所があるということを、日本の人にもっと知ってもらいたいですね」そう言い終わるやいなや、また次にやって来た客を曽田さんは明るく迎え入れた。

〈レシピ〉

Caffè Ciccanese カッフェ・チッカネーゼ
エスプレッソベースに、曽田さんの故郷・広島の名物である紅葉と、店の窓の外に見える公園の紅葉の木から想起した楓(メープル)のフレーバー、ナツメグのスパイス感が利いた粋な一杯。「実際にイタリアにありそうな味」にこだわり、名前は店のある「竹間(ちっかん)」に由来している。曽田さんの郷土感を込めたオリジナルドリンク。

材料
(1杯分)
ナツメグパウダー 0.5g
生クリーム 40g
砂糖 10g
メープルフレーバーシロップ 10g
エスプレッソ 1ショット(約20g)
お湯 50g

作り方
1)ピッチャーにナツメグパウダー、生クリームを入れておく。
2)別のピッチャーに砂糖、メープルフレーバーシロップを入れておく。
3)エスプレッソ1ショットを用意する。
4)2に3とお湯を注ぎ、砂糖をある程度溶かしたらエスプレッソマシンのスチーマーで軽くスチームする。
5)1をミルクフローサーでとろみが出るまで泡立て、滑らかなクレマ(クリーム)にする。
6)提供用のグラスに4を注ぎマドラーで軽く混ぜ、さらにその上に5をゆっくり注ぐ。
7)仕上げにナツメグパウダー(分量外)をクレマの上に散らして完成!

ポイント
クレマは泡立て過ぎて硬くならないよう注意。クレマの口当たりの滑らかさとコーヒーの香りや温度感を楽しめるよう、手際よく工程を進めることが大切です。

punteggiatura
京都府京都市中京区楠町616-2 竹間角
https://www.instagram.com/punteggiatura.jp
2020年オープン。地下鉄丸太町駅から徒歩数分の場所に佇む、小さくも本格的なイタリアンバール。エスプレッソなどの定番カッフェやワイン、日替わりのおつまみやドルチェを、朝7時から楽しめる店。

文:宮丸明香 写真:日高奈々子

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