
お料理説明・背景
春から初夏にかけて、カラブリア州では野草をたくさん消費します。少し苦味を感じる野草を食べるのは、クリスマスから続く「ちょっと食べすぎ」な状態の体をリセットすることと、夏野菜の収穫が始まる6月までの野菜空白期間の「繋ぎ」も兼ねた昔ながらの知恵。 野生のアスパラ・クロッカスに似た植物の球根・そしてこのチーマディラーペは、この時期の食卓に欠かせない大切な野草です。
コンツェッタさんが住むロィアーノ村は、プレシラと呼ばれるシラ国立公園の入り口部分。古代ローマ時代からコゼンツァ市の入り口・交通の要衝として栄え、現在はコゼンツァ市とのアクセスのよさから、5,000人強の人口を抱える自然豊かな小さなベッドタウンとなりました。
シラ国立公園の大森林域を背に、海抜800~1,000mと少し標高の高い場所に山肌を削るように作られ、クラーティ川が流れる谷底から山へ吹きあがる風が一年を通じて強いこの村は、カラブリア州の他の地域に比べ春がゆっくりと訪れます。
ロィアーノ村に爛漫の春が訪れるのは4月ごろから。春の訪れと同時に、村のあちこちに摘みたての野草を売る小さな売店が出現します。
そんな売店から摘みたての春の味覚を手に入れられるようになると、コンツェッタさんがまず購入してくるのがチーマディラーペ。そしてまず作るのが今回ご紹介するサルシッチャとチーマディラーぺです。コンツェッタさん曰く、「冬の間の『豚仕事』で作る自家製のサルシッチャが熟成し、食べ頃を迎えるのもちょうどこの時期。新鮮なチーマディラーペと自家製サルシッチャのでき具合を一緒に試食したくなるのが食いしん坊ってものでしょう?」
古くからロィアーノ村を含むプレシラと呼ばれる一帯では、冬期に豚を潰して解体し、サラミなど保存食を作る「豚仕事」の文化があります。 一族総出の大変な作業である「豚仕事」で作られるのがサラミの類。サルシッチャもこの時に自家製されます。 ロィアーノ村を象徴する谷から吹きあがる強風は、サルシッチャをはじめとするサラミの熟成に適した気候帯を作りだしますが、熟練のマンマでも今年のサラミのできは気になるところ。
この豚仕事の集大成であるサルシッチャの熟成が終わるのが3月下旬頃。豚脂のうま味たっぷりなサルシッチャに、苦味の利いた春の味覚・チーマディラーペを合わせるこのうまい物の複合技的な一品は、冬期の一大作業である「豚仕事」の成果と待ちわびた春を一度に楽しむ贅沢なコンツェッタさんの郷土の味です。
カラブリア州コゼンツァ市在住のコーディネーター・通訳・翻訳。スキーと食べ物を愛するAB型。一応ソムリエ。カラブリア州の毎日の生活は「カラブリア.com」にて紹介中。
作り方
下ごしらえ
- チーマディラーペは茎から葉をこそげ取り、よく洗っておく。(写真a 参照)
作り方
- フライパンにオリーヴオイルをひいてニンニクをいためる。ニンニクの香りが出たらよく洗って水けをきったチーマディラーペの葉の部分を加え、ざっと火が通ったら花の部分を加える。軽く塩をしていためる。(写真b 参照)
- 水分が必要だったらその都度少量ずつ水を足し、しっかりと火を通す。いため終わったらフライパンに入れたまま休ませておく。
- 天板にオーブンシートを敷き、サルシッチャを180℃~200℃で焼く。時間はサルシッチャの大きさにもよるが30分程度。(写真c 参照)
- 焼きあがったサルシッチャを適当な大きさに切る。(写真d 参照)
- チーマディラーペを温めなおす。ここに4のサルシッチャを加え、ざっくりと和える。
- サーブ用のお皿に盛り、温かいうちにサーブする。



















