マンマのレシピ

マンマの紹介

  • マリレーナ・インペーロ(Marilena Impero)さん
  • カンパーニア州ナポリ在住
  • 得意料理:豆や野菜を使ったプリモピアット

お料理説明・背景

急に夏が終わり、秋があっという間にすぎ、冬本番。気が付けば、メルカートに並ぶ野菜もがらりと変わり葉物野菜の季節がやってきた。
「楽しかった夏が終わって寂しいけど、冬には冬の楽しみがあるのよ!」そう、食卓の仕切りは常に前向きでなければ。

ふと八百屋の軒先を見ると、緑色の壁ができていた。ブロッコリーにカリフラワー、フリアリエッリにホウレンソウ、スカローラにキャベツなどの葉物野菜が山のように積み上げられた風景は、冬の朝の市場の風物詩だ。

ナポリの人はそれぞれお気に入りの「葉物野菜」と好きなタイプの「豆」があるはず。 葉物野菜の中でもフリアリエッリとスカローラは絶大な人気を誇る。どちらも少し苦めの大人の味。豆類に関していえば、パスタと食べるなら、ボルロッティと呼ばれる赤い豆が好きな人が多いし、スープにするならカンネリーニだ! とそれぞれの拘りがうるさすぎる。

そんな両者のハーモニーが取れた白インゲン豆とエンダイブのスープ風は、誰もが大好きな人気メニュー。エンダイブ(スカローラ)はフォカッチャの具材に、前菜の一品にと幅広い使い方があり、カンパーニア州の家庭料理ではさまざまな用途で使われる。リッチャータと呼ばれるチリチリの葉形をしたものと、レタスを大きくしたようなタイプの2種類が一般的。スカローラはなななんと、古代ローマ時代に既に存在していた野菜で、大プリニウスによって記述が明確にされている野菜だ。2000年前から続く野菜が現代の食卓でも現役で生き続けている。

レポート:祝 美也子(Iwai.Miyako)
カンパーニア州在住。イタリアの家庭料理に憧れ渡伊。1997年よりナポリ在住。日本での情報誌編集制作勤務経験を活かし、2005年スローフード協会公式ブック”Slow”日本版の現地取材コーディネーションを始め、様々なコーディネート、執筆を多々手がける。1995年より南イタリア情報サイトPiazzaItalia設立。ナポリにてマンマに習うナポリの家庭料理教室などを主宰。ブログ「ナポリのテラスから」で日々の生活をを綴る。

材料

白インゲン豆とエンダイブのスープ風(3~4人分)

・エンダイブ1蕪約400g
・白インゲン豆乾燥200g
・オリーヴオイル大さじ5
・ニンニク1片
・唐辛子お好み
・塩適量

作り方

    下ごしらえ

  1. 乾燥豆をあらかじめ戻し水煮する。乾燥豆は一晩ほど水につけたものを蓋をして弱火で約1時間半煮る。
    ※その際加塩はせず、真水で煮る。
    ※スーパーなどでは500g程度が1パック。豆を戻すのには時間がかかるので(圧力なべを使いこなす人は少ないので)一度にすべて戻して、小分けして冷凍するマンマが多い。(写真a 参照)

作り方

  1. スカローラは一葉一葉にし、よく洗う。
    ※大きい葉が多い場合、そうしても芯の部分が硬めなので、全体を茎の芯部分1/3程度、葉部分2/3程度の長さにカットしてもよし。葉が小さければその必要はなし。(写真b 参照)
  2. 鍋に塩大さじ1を入れて沸騰させる。沸騰したらよく洗ったスカローラを入れてゆでる。(写真c 参照)
  3. 約5分、数回混ぜながら全体をむらなくゆでる。(写真d 参照)
  4. ゆで上がったらザルにあげて、スカローラをほんの少し押しながら水気をよく切る。(写真e 参照)
  5. オリーヴオイルを注いだフライパンにつぶしたニンニク、(好みで唐辛子)をいれる。(写真f 参照)
  6. 鍋を中火にかけ、ニンニクがきつね色になったら取り除く。(写真g 参照)
  7. ゆでて水切りしたスカローラを入れて2~3分ほどいためる。(写真h 参照)
  8. 予め水煮して戻した白インゲン豆を加える。(写真i 参照)
  9. 約100ccの水を加え、小さじ1の塩を加え(味見して塩味を整える)、蓋をして5分ほど煮込み火を消す。(写真j 参照)
  10. 好みで硬くなったパンをトースターで少し焦げ目をつけ、スープの中に加え、汁気を吸わせて軟らかくして食べてもおいしい。(写真k 参照)
  • a. 乾燥豆は一晩ほど水につけておく
  • b. スカローラを一葉一葉にする
  • c. スカローラをゆでる
  • d. 5分ほどむらなくゆでる
  • e. 水気を切る
  • f. フライパンにオイルとニンニクを入れる
  • g. 中火できつね色になったら取り除く
  • h. スカローラをいためる
  • i. 白インゲン豆を加える
  • j. 水を加え蓋をして煮込む
  • k. 硬くなったパンをトーストして加える

お料理ポイント

スカローラのシャキシャキ感を残したければ、少し硬めにゆでる。また、白インゲン豆も煮込んでいる間に崩れて半分程度の豆がクリーム状になるので、あまりクリーム感が好きでない場合、半分程度の量を残し、最後に混ぜると豆の食感が楽しめる。