エミリア・ロマーニャ州(堂内 あかね)

5代続く製粉所の誇り ガスパリ製粉所 後半

今日は38日、国際女性デーの日としてミモザの花を女性に贈る日。

なのですが、モデナは34日から行動制限が出てしまい、残念ながらお花屋さんもお休み。

何もしないのはつまらない。庭に咲く花を摘んで、ミモザを模したミモザケーキを作りました。

もちろん小麦粉は

先日ご紹介したガスパリ製粉所のもの

石臼挽きの粉は混ぜるときにふんわりと良い香り。

さて先日の5代続くガルパリ製粉所の記事の続きです。

小麦粉は白くない?!

小麦粉の色は?と聞いたら白に決まっているよ。と言いたくなりますが実はあの白い粉は精製過程で表皮と胚芽を取り除いたものなのです。

製粉過程でまず、ゴミや不純物を取り除き、小さく粉砕したあとににふるいにかけられ、比重ごとに分けて行きます。



選別機を通る小麦

通常大きな工場では何百キロと言う小麦を数分で挽くそうで、粉砕時にかなりの熱を持つそうです。その後16ほどの工程を経て選別ふるい分けをされます。

小麦のビタミンミネラル分は精製過程で表皮と胚芽が取り除かれるだけでなく、製粉工程の熱により、残っていた微量のビタミン、ミネラルもほぼ消失してしまうそうです。



石臼で挽かれたばかりの小麦の色はベージュで、ほんのり温かく、とてもいい匂いがする

石臼で挽かれた小麦は37度ほんのり暖かくとてもいい匂い、舐めてみると甘い!色も黄色みがかった薄いベージュ。1時間に挽ける小麦の量は最大500kgとのことでした。


 

小麦粉の添加物、保存料不使用は当たり前のことではない?!

スーパーの棚に陳列されている小麦粉の原材料を見ても保存料の記載は見当たらず、わざわざ製粉所の謳い文句にする必要があるのか?と聞いてみました。

EUの規定では小麦粉にグルテン、酵素を添加することは、元々小麦に含まれる成分ゆえ、食品表示に記載しなくても良いと言う規定があるのだとか。

調べると、日本でも加工時に用いられ、食べる際にはもう効果を持たない添加物は「加工助剤」と呼ばれ、パッケージに原材料として表示する必要がないと言う添加物に入っているようです。したがって、消費者が小麦粉のパッケージを見ても、グルテン、酵素の使用の有無はわかりません。


一体何故、グルテンや酵素を添加させる必要があるのでしょう?

小麦は農産物ですから、毎年出来が違います。そのため、できる小麦粉も質が違ってくる。昔はパン屋さんを始め、消費者はそういった、新粉の癖を毎年調整して使っていたそうです。でも今はクレームが来る。一定の膨らみ具合。少ない粉でふわふわの柔らかなパンを短時間で作りたい。そこでグルテンと酵素の登場。どちらも短時間で膨らみをよくする働きがあり、科学的に抽出したものを添加することで解消されてしまうわけです。

このグルテンの添加、近年イタリアを始め欧米諸国で激増している小麦アレルギーに一役買っていることは間違いない。ちょっと怖い話です。

こちらのフェルナンダさんはお姉さんと共に、ひどい化学物質アレルギーがあり、自分たちが食べられないものは作らない、作ってはいけないと確信し、お祖父さん達の製粉技術を継承し、すべての製品に一際添加物、保存料を使用しないと言う方針に決めたそうです。



選別機の調整をする息子さん

ある程度一定品質の小麦粉を作るために、毎年45種類の性質や成分の異なる小麦をブレンドして調整し、挽いているとの事でした。


エミリアロマーニャ州の軟質小麦粉

エミリアロマーニャ州のパスタと言えば、タリアテッレに、トルテッリーニ、ラザニア、など。これは軟質小麦粉のなせる技。卵をつなぎに使い薄ーく薄く伸ばして卵色のパスタを打ちます。ツルッとした食感。同じ軟質小麦でパンも郷土菓子も作られてきました。

南イタリアのセモリナ粉と呼ばれる小麦粉は硬質小麦から作られ、全く手触りも食感も異なります。砂のような粒子状。粒の大きさにより名前が変わります。大変給水率が高いことから、モチモチとした歯触りの色々な形のパスタを作り出すことができます。もちろんパンにもお菓子にも使います。

どちらも美味しいし、適材適所によって使い分ける必要がある。軟質小麦は灰分の量によって名前が異なります。

スペルト小麦や色々な古代小麦もいい。かと言って、現代の小麦が悪いわけではなく、製粉の工程で良し悪しが変わるのだとフェルナンダさん。

石臼で挽いた粉はパンを作る時、倍以上の発酵時間がかかりますが香りが高くて、噛めば噛むほど味があり、砂糖を入れなくても優しい甘み。なによりも腹持ちが良いそうです。時間をとるのか、便宜性をとるのか?

何千年も前、人類が粉を弾き始めた頃と変わらない石臼に、現代のコンピュータ制御新旧の融合された機械に、5代続く製粉場の揺るぎない誇りと良いものを作りたいと言う決意を見せていただきました。



Akane in balsamicland の動画より ガスパリ製粉所4代目のフェルナンダさん

取材をさせていただいたガスパリ製粉所の動画(You Tobe チャンネル Akane in balsamicland ) を撮ってきましたので、ぜひ合わせてご覧ください。

ガスパリ製粉所

MOLINO GASPARI SRL

定休日 日曜日

住所 : VIA MUZZA 2095

41017 RAVARINO FRAZ.STUFFIONE MO

サイトはこちらからhttps://www.molinogaspari.it/

 

私たち夫婦が作っているバルサミコ酢を14年目にして、初めて日本に売り出すことにいたしました。伊勢丹 新宿店 da Roma店頭での販売とオンラインショップでの販売がございます。ぜひ覗いてみてください。https://daromashop.thebase.in/

バルサミコ酢造りのサイトはこちらから

伝統的製法で作る魅惑のバルサミコ酢の世界をご紹介します。

 

 

 

食の宝庫より、悠久の昔から今へ続く食と文化をバルサミコ酢にかける情熱と共にお届けします!

堂内 あかね(Akane Douchi) 日本で企業の管理栄養士として5年間勤務後、2005年渡伊。2007年、モデナ屈指の旧家に嫁ぎ、一族に継承されていたバルサミコ酢の樽の管理を夫と共に引き継ぐ。2009年よりスピランベルト市にある「伝統的なバルサミコ酢 愛好者協会」(Consorteria dell’aceto balsamico tradizionale di Modena)に所属し、バルサミコ酢マエストロ試飲鑑定士資格を目指し、研鑽を重ねている。バルサミコ酢の醸造の傍ら、イタリア人向け日本家庭料理教室の講座を北イタリア各所に持つ。また、自宅にて醸造室の試飲見学会、バルサミコ酢を使った食事会、料理教室を主宰。バルサミコ酢醸造のエピソード、見学会などは Facebook Akane in balsamiclandにて紹介中。

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    佐藤 礼子(Reiko Sato) 2005年よりイタリアの南の島、シチリア島在住。力強い大地の恵みと美しい大自然にすっかり魅せられ、ここシチリアに残ることを心に決める。現在、シチリア食文化を研究しつつ、トラーパニでシチリア料理教室を開催。また、シチリア美食の旅をコーディネートする「ラ ターボラ シチリアーナ」の代表&コーディネーターとしてトラーパニで活動中。 年に2回の東京での料理教室を始め、全国各地で料理イベントを開催、また企業とのコラボでシチリアの食文化を発信するなど、日本でも精力的に活動を行っている。 シチリアの美味しい情報はブログ「La Tavola Siciliana〜美味しい&幸せなシチリアの食卓〜」から。
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    保坂 優子(Yuko Hosaka) 地域ブランディングを主とした都市計画コンサルタント。2002年、イタリアの暮らしにどっぷり浸りたいとアブルッツォ州に1年間留学。以降、大阪とアブルッツォを行き来する生活を続けている。2009年のラクイラ地震を機にアブルッツォ州紹介サイト「Abruzzo piu’」 を立ち上げる。2016年4月からはフリーペーパー「アブルッツォ通信」の共同発行者として、トークショーへの登壇や独自イベントの企画・開催、PRツールの作成、コラムの寄稿などプロモーションにも携わっている。
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    竹澤 由美(Yumi Takezawa) アマルフィ海岸でのウェディングと観光コーディネート会社Yumi Takezawa & C S.A.S.代表。B&B A casa dei nonni オーナー。 2013年よりアマルフィ市の日本との文化交流コーディネーター。 ロンドンで知り合ったアマルフィ海岸ラヴェッロにのホテルルフォロ四代目との結婚を機に2004年渡伊。 二児の母親業を通じ、濃い南イタリアマンマ文化の興味深さを肌で感じている。 Instagramブログ
  • 美しいトスカーナからワインやワイナリー巡りの魅力をご紹介!
    山川真理(Mari Yamakawa) トスカーナ州フィレンツェ在住20年。
小中学校とアメリカはシカゴ育ち。大学卒業後、レコード会社勤務時に趣味で習っていたイタリア語がきっかけで退社後イタリアへ。イタリア人と結婚し中学生の娘とフィレンツェの郊外で生活。 
留学&撮影コーディネーターを仕事とする一方、ワイナリー巡りにはまり、イタリア政府公認ソムリエ協会FISARにてソムリエの資格を取得しイタリアワインの世界へ。現在はその魅力をオンライン講座でお届け中。https://firenzeweb.net/sommeliermari/
    インスタグラム(@sommeliermari)も発信中
  • トスカーナ州シエナ在のソムリエです!ワインやシエナの情報をお届けします!
    鈴木暢彦(Nobuhiko Suzuki) トスカーナ州シエナ在住。2009年渡伊。シエナの国立ワイン文化機関『エノテカ・イタリアーナ』のワインバー・ワインショップにて5年間ソムリエとして勤務。2015年~2018年までシエナ中心街にてイタリア人と共同でワインショップを経営。現地ワイナリーツアーも企画し、一般からプロの方までのアテンドで100軒以上のワイナリーへ訪問。また、日本へのイタリアワイン輸出入のサポート業務も行い、イタリアワインの日本マーケットの構築に貢献している。イタリアの著名醸造家ヴィットーリオ・フィオーレ氏、パオロ・カチョルニャ氏が手がけるワインも日本へ紹介。資格・・・AISソムリエプロフェッショニスタ。 シエナ観光・ワイン情報サイト『トッカ・ア・シエナ』
  • 壮大な南アルプスの麓から山の暮らしや食文化、登山の魅力をご紹介!
    新宅 裕子(Yuko Shintaku) 週末や休暇を利用してアルト・アディジェ地方へ赴き、アルプスの麓町ヴィピテーノを拠点に、山登りやキャンプ、キノコ狩りなどのアウトドアを楽しむかたわら、フリーライターや日本語教師としても活動する。 東京のテレビ局で報道記者を務めていた2011年、オペラにはまって渡伊。カンパーニア州に1年留学の間、イタリア中を旅してその大自然や地域ごとに異なる文化、心豊かな暮らしに魅了される。数年後、イタリア人との結婚を機にヴェローナへと移住。 ガイドブックには載っていないような小さな町を巡り、ローカルな生活に浸るのが好き。インスタグラム(@yukino.it)で「旅と山の記録」を発信中。
  • 山と海に囲まれたリグーリア州の今一番旬な情報をお届けします!
    大西 奈々(Nana Onishi) 2011年よりジェノヴァ在住。音楽院を卒業後、演奏活動の傍らフリーライター、旅行コーディネート、通訳などを務める。演奏会などでリグーリア州各地を周り、それぞれの街の文化や風景に魅了される。ジェノヴァ近郊の街を散策したり、骨董市巡りが休日の楽しみ。 山と海に囲まれたリグーリア州の四季折々の情報をご紹介いたします。
  • 心はいつも旅人!
    赤沼 恵(Megumi Akanuma) コロンブスを始め沢山の旅人を生み出した街、ジェノヴァ。そのジェノヴァを中心としたリグーリア州で起こるホットなニュースをお届けします。音楽家、翻訳家、日本語教師、2018年3月ジェノヴァ市長より「世界のジェノヴァ大使」任命、アソシエーション「DEAI」代表。
  • ミラノの食と暮らしの旬をお届けいたします!
    小林 もりみ(Morimi Kobayashi) 手間と時間を惜しまず丁寧につくる品々、Craft Foodsを輸入する「カーサ・モリミ」代表、生産者を訪ねながら、イタリアの自然の恵みを日本へ届けている。2008年 イタリア・オリーブオイル・テイスター協会『O.N.A.O.O』(Organizzazione Nazionale Assaggiatori Olio di Oliva)イタリア・インペリアの本校にてオリーブオイル・テイスターの資格取得。2009年スローフード運営の食科学大学( Universita degli Studi di Scienze Gastronomiche)にて『イタリアン・ガストロノミー&ツーリズム』修士課程修了。
    2014年よりピエモンテ州ポレンツォ食科学大学・修士課程非常勤講師(Master in Gastronomy in the World 日本の食文化:日本酒・茶道)。福島の子どもたちのイタリア保養「NPOオルト・デイ・ソーニ」代表。
    Instagram https://www.instagram.com/morimicucinetta/
    Instagram Casa Morimi https://www.instagram.com/casamorimi/
    カーサ・モリミ株式会社  http://www.casamorimi.co.jp/
    NPOオルト・デイ・ソーニ http://www.ortodeisogni.org
  • イタリアのチーズとワインのエキスパート、そしてイタリアの山のことならお任せ。
    池田 美幸(Miyuki Ikeda)1986年よりイタリア在住。ミラノに住んでいるが、週末になるとイタリアで一番大きいステルヴィオ国立公園内にある山小屋へ逃避。日本で農学部を卒業。イタリアで手にしたチーズティスター・マエストロ、公認ワインティスターの資格を活かし、通訳、コーディネーターとして活躍中。
  • ヴェネトの美味しいとっておき情報をお届けします。
    ヴェネトおよびフリウリを中心に、通訳、翻訳、地元マンマの料理レッスン及び生産者訪問コーディネイト、そして野菜を中心とする農産品の輸出業などの活動を行う。各種生産者との繋がりをとても大切に、ヴェネト州の驚くほど豊かな食文化を知ってもらうべく、ブログ『パドヴァのとっておき』では料理や季節のおいしい情報を中心に発信するなど活動中。