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Buon Natale!

イタリア好き通信の読者の皆さま、
すっかりご無沙汰しておりますが、Buon Natale~!!


今日クリスマス(25日)のお昼、我が家は義父と4人、
地元の「トラットリア」でクリスマスのひと時を過ごしました。


イタリアではクリスマスの日は「ノンナやマンマが腕によりをかけてクリスマス料理を作り、親戚一同が集まり家でワイワイガヤガヤと過ごす」そんなイメージがあるかと思いますが、実際にはそれぞれの家庭の事情から、自宅ではなくレストランやトラットリアでクリスマスを過ごす家族も多く、こちらのトラットリアも今日は溢れんばかりのファミリーで賑わっていました。

日本と同じくイタリアでも、クリスマスの日は多くのお店が「クリスマスメニュー」のみをサービスすることが殆ど。今日は12時30分過ぎには全ての家族が揃い、お店のサービスがスタート、クリスマスランチの幕が開けました。では、今日のこちらのクリスマスメニューを一挙公開です♪



先ずはアンティパストから、こちらのトラットリア定番の「Affettati Misti」(ハムの盛り合わせ)

次にプリモからは3品。


アスパラガスのリゾット


ラザニア


そしてこちらが、お店の看板料理で伝統料理の「Tortelliniトルテッリーニ」(小さな詰め物パスタ)。
実は私の暮らす町はマントヴァ県なのですが、すぐお隣がブレーシャ県で、夫も義父も娘もこのブレーシャの郷土料理のトルテッリー二が大好物!義母は他界しているので我が家の場合クリスマスランチは外でいただくことが通例なのですが、それでも「クリスマスにはマンマの料理を味わいたい!」と、この辺りで最高に美味しいトルテッリーニを食べさせてくれるお店を選んだという訳なのです。因みにトルテッリーニの中身は豚ひき肉、生ハム、モルタデッラ、卵、パルメザンチーズなど。こちらのお店のトルテッリー二、本当に一度食べたら必ずリピしたくなる美味しさなんです。


そしてセコンドからは、子ヤギと豚のロースト。
もうこの頃になると流石にお腹が一杯で、ちょっと味見をしただけですが(笑)、お肉がとても柔らかく煮込んであって、こちらもとっても美味しかったです。


Natale con i tuoi, Pasqua con chi vuoi
クリスマスは家族と、パスクア(復活祭)は好きな人達と一緒に

と言う言い回し通り、
家族と一緒に過ごすイタリアのクリスマス。
我が家も小さな小さな家族ではありますが、今年も家族みんなで一緒に過ごせて何よりでした。

今年も残すところあと6日。
どうぞ皆様、良い年末年始をお過ごしくださいませ。
そしてまた来年もどうぞよろしくお願いいたします!


唯一無二、Bremeの甘~い赤玉ねぎ!

本誌イタリア好き8月号の「イタリア好き通信」でもご紹介しました
ロンバルディア州の旬の味、Bremeブレメの赤玉ねぎ。

とっても美味しくとっても印象的な赤玉ねぎだったので、
こちらの方でもご紹介しちゃいますね!


Bremeの赤玉ねぎは、
ロンバルディア州の西の外れ、
ポー河の畔にある、人口たった700人の小さな村「Bremeブレメ」が栽培地。

ポー河に幾度も埋まったという、肥沃で独特な土壌が造るとっても甘い赤玉ねぎで、
近隣村で造ると別の赤玉ねぎになってしまうとのことで、
栽培はBreme村のみ。

700人の小さな村に17の生産者。
全て手作業で、収穫は年に1度のみとのこともあり、年間生産量は僅か20トンです!
(ちなみに、トロペア産の玉ねぎの年間生産量は25000トンです)


そんな限りある収穫量もあってか、
実は私は今まで見たことも聞いたこともなく(苦笑)、
近隣ミラノの市場ですらお目にかかることがない程珍しい赤玉ねぎなのですが、
6月に10日間続く村のSagra(お祭り)では生産者から直に購入が可能!

玉ねぎの購入はもちろん
玉ねぎづくしのお料理を味わいに近隣各地から毎年12000人の人が訪れ、
村中が沸き上がります!!

では、ちょっと前になりますが、
6月に訪れた時のお祭りの様子です♪


お祭り期間は村の住民がボランティアとして総動員。

右下のお料理は
私がとっても気に入った、「Cipolle in Agrodolce」(玉ねぎの甘酢和え)。
肉厚の食感が堪らなく止められない一品。

ジェラートは玉ねぎのジャムを添えて♪


お祭りの一押しメニューの赤玉ねぎのオムレツに(左上)、
甘~くてトロトロの赤玉ねぎのオニオンスープ(右下)♪

そしてお祭り会場の脇では、
こ~んな感じで17の生産者が代わる代わる自作の赤玉ねぎを販売!


先日市長とお話したところ、
今年の分の赤玉ねぎは早くも既に完売で、
既に市場からすっかり姿を消してしまったとのこと・・。

そんな幻?のBremeの赤玉ねぎ。
とにかく生産量が少ないので、
今のところ年に1回のSagra(お祭り)で味わうか購入するしか味わう手がない様ですが、
来年のお祭りも、旬が到来する6月初旬から10日間変わらず予定しているそうですよ♡


ブレメの赤玉ねぎの公式サイト
Sagra della Cipolla Rossa di Breme



地中海性気候の恩恵!ガルダ湖のマイルドなワイン



今年のロンバルディアは5月初旬頃から一気に暖かくなり、
我が家からほど近いガルダ湖の町「デゼンツァーノ」は既に遊覧船の本数が増え、
ミラノから週末を過ごしにやってくる人達で高速道路は渋滞し、
町には人が溢れ、すっかり「シーズン真っ只中!」といった今日この頃です。

まずガルダ湖ってどこ?
と言う方のために、ガルダ湖の場所の確認です。↓


ガルダ湖はロンバルディア州の東の端っこにあり、
ヴェネト州とトレンティーノ-アルト・アディジェ州とも隣接している湖で、
数あるイタリアの湖の中でも一番大きい湖です。

そして緯度的にはかなり北に位置しているのですが、
北からの冷たい風はプレアルプスで遮断されるため、
年間を通して温暖な気候に恵まれ、冬場も比較的暖かいことから
北イタリアの地中海と称されることもしばしばです。



さて、そんな温暖な気候を持つガルダ湖。
周辺ではオリーブの樹々が植えられ、晩秋~冬には柑橘類も姿を見せてくれるのですが、
今日ご紹介したいのはガルダ湖周辺で造られるワイン!

日本ではあまり馴染みのないワインも多いかもしれませんが、
赤、白、ロゼ問わず、ガルダ湖の地が造り出した、マイルドで上品なワイン達です♡


DOC Lugana(ルガーナ)・・・白ワイン



・生産地域・・・ガルダ湖南部、Lugana(ルガーナ)とその周辺

・ブドウ品種・・・Trebbiano di Lugana(トレッビアーノ ディ ルガーナ)


DOC Riviera del Garda Classico(リヴィエラ デル ガルダ クラッシコ)・・・白、ロゼ、赤ワイン



・生産地域・・・ブレーシャ県、ガルダ湖西側のほぼ全域

・ブドウ品種・・・Groppello(グロッペッロ)、その他


DOC San Martino della Battaglia(サン マルティーノ デッラ バッタリア)・・・白ワイン



生産地域・・・ガルダ湖南部、シルミーネ周辺

ブドウ品種・・・Tuchi (トゥキ)


DOC Custoza(クストーザ)・・・白ワイン



生産地域・・・ヴェローナ県、ガルダ湖南部

ブドウ品種・・・Garganega(ガルガネガ)、Trebbianello(トレッビアネッロ)他


DOC Bardolino(バルドリーノ)・・・ロゼ、赤ワイン



生産地域・・・ヴェローナ県、ガルダ湖東部のほぼ全域

ブドウ品種・・・Coevina Veronese(コルヴィナ ヴェロネーゼ)他


今回私はこのコラムを書くにあたり、
改めてこの5つのガルダ湖近郊のワイナリーを訪ねてみたのですが、
生産者が共通して口にしていたのが、ガルダ湖の恵まれたミクロクリマでした。
温暖で十分な太陽の恵みがありながらも、朝晩はしっかり涼しい。

それ故、どのワインにも共通して感じられる
やわらかな酸味と上品さ、そしてまろやかな味わい。



ガルダ湖とガルダ湖のワイン!これからの時期ちょっとお勧めデス♪


パスクア休暇に車でヨーロッパ巡り★

Natale con i tuoi, Pasqua con chi vuoi
クリスマスは家族と、パスクア(復活祭)は好きな人達と一緒に

という言い回しがある様に、
私の周りのイタリア人の中には復活祭を家族と共に過ごさない人も多く、
当の我が家も、義母は他界し義父は家族べったりの人でなく、夫は一人っ子と言うこともあり、
もう何年も前から復活祭の日は私達3人(私と夫と娘)か友人達と過ごし、
その前後の学校のパスクア休暇中(通常6日間)に旅行に出かけるのが通例となっています。

今年も既に年明けからの疲れが溜まっていた我が家。
「待ってました!」とばかりに、旅に出かけてきました。笑


「ヨーロッパ巡り」とおおげさに書きましたが、行先のメインはスイスのバーゼル。

北イタリアには国境が、
フランス、スイス、オーストリア、スロベニアと4か所あり、
その先に続く他のヨーロッパの国々もイタリア人は身分証明書のみ(日本人はパスポート)
で簡単に通過でき、基本的には車を止められての特別な検査もありません。

ただ、今回は我が家のトイプードル「レオ」も一緒に連れていくことになり、
調べたみたら、スイス入国には私達だけでなく犬用のパスポートと幾つかの予防注射が必要だと判明し、
彼が合法でスイスに入れるかが最後までヒヤヒヤものでした。笑

それでは、
今回の旅の途中のフランスとスイスで見た、いろいろな復活祭デコレーションの様子です☆







イタリアでは復活祭に卵のデコレーションはよくするけれど、
カラフルな卵やうさぎ達で家々をデコレーションする習慣はなく、
こういったデコレーションをイタリアで見るのはせいぜいお菓子屋さん(パスティッチェリア)のみ。

所変われば品変わるな~

とつくづく思った今回のパスクア休暇でした!


~オマケの1枚~

今回の旅行先の一つ、フランスのアルザス地方の「エギスハイム」。
コウノトリが舞うとっても可愛らしい村でした♬

※次回は思いっきりイタリア関連の話題をお伝えしますね~!笑



ゴンザーガ家が生んだ、マントヴァの必食伝統料理「Luccio in Salsa(ルッチョ イン サルサ)」


イタリア好きの皆さんの中には、
「もう食べたことあるよ~!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、
今日は、ここマントヴァの伝統魚料理Luccio in Salsa(ルッチョ・イン・サルサ)の話題です。


マントヴァは、ゴンザーガ家統治の500年以上も前の時代、
特にフランチェスコ2世の妻「イザベラ・デステ」がグルメであったことから、
「カボチャのトルテッリ」や「ズブリゾローナ」、「モスタルダ」などの多くのマントヴァ伝統料理(食品)がこの時期に誕生したと言われています。

そして、今日ご紹介するLuccio in Salsa(ルッチョ・イン・サルサ)もこの時代に生まれた伝統料理の一つで、マントヴァを流れるミンチョ川に生息する魚Luccio(ルッチョ)を使った、マントヴァ人にとっては貴重な魚料理の一つです。


そんなマントヴァの伝統料理「Luccio in Salsa」を私が初めて食べたのはかれこれ15年ほど前のこと。
当時ソムリエ修行をしていたマントヴァの一つ星レストラン「Aquila Nigra(アクイラ・ニグラ)」の賄い食で。

当時私は近くのアパートを借りてもらい働いていたのですが、
昼食は従業員のみんなと、そして夕食はレストランオーナーのファミリーと一緒に食べていて、
今でもシェフとして腕を振るっているオーナーの奥様でありシェフである(ヴェラ)が家族のために夕飯として出したお料理に「Luccio in Salsa」があったからです。

大きなガラス製の器にフィレ状に綺麗に並び緑色のソースが掛けられていたLuccio(ルッチョ)。
初めて見るお料理に手を出しそびれていた私に、ヴェラが「とにかく美味しいから食べてみて!」と。
「ん?何これ?!美味しい~♪♪」←(私の第一印象です。笑)


Luccio(ルッチョ)は日本語で「カワカマス」、英語で「パイク」。
川や湖に生息する肉食の魚で平均体重は15㎏とかなり大きな魚で、アメリカやカナダや北ヨーロッパには多く生息している魚なのですが、イタリアだと北イタリアの限られた場所『ミンチョ川とガルダ湖』のみに生息している淡水魚です。

淡水魚と聞くと、臭みはないの?
と思われるかもしれませんが、私的にはイタリアで獲れる淡水魚は臭みは殆どなく、
味わい深い魚がとっても多いです。

そんな淡水魚「ルッチョ」を、玉ねぎやニンジンやセロリ、白ワインを入れた湯で煮ること30分。
フィレ状に割き、ケッパーとアンチョビとイタリアンパセリ、ビネガーなどで作るソースに浸し、
数時間寝かせ仕上げます。


シンプルなお料理ですが、
濃厚な緑のソース(Salsa Verde)が絶妙に合い、肉厚の食感も堪らないルッチョ。

最近では、ミンチョ川の下流には泥が増え、餌が見つけられないなどの理由から、
生息エリアをミンチョ川上流からガルダ湖西側へと移していると言われている「ルッチョ」ですが、
今でも変わらず大切に受け継がれている、マントヴァの歴史ある伝統魚料理です。

旬が無い魚なので1年を通してメニューにあることが多いですので、
マントヴァにいらした時には是非味わってみてくださいね。
皆さんのお口に合うこと間違いなしです~♪

 

★身体に優しいイタリアンコーヒー「Lucaffe(ルカフェ)」のご案内★

私がコーディネーターとして関わっています、
我が町近く(Bresciaブレーシャ)のコーヒー会社Lucaffe(ルカフェ)」。
世界60か国にて展開している急成長中のコーヒー会社なのですが、この度日本での展開が決まり、
クラウドファンディングMakuake(マクアケ)で先行販売が始まりました。

コーヒーマシン&カフェポッドのどちらもイタリア本社で生産している、
正真正銘Made in Italyのルカフェ。
ご縁があり、本田圭佑選手も参加しているプロジェクトです。

「身体に優しく!」を常に心がけ、
コーヒーマシンの材質選びから、豆選びに焙煎、
パッケージングにまで徹底的に拘り抜いた選りすぐりのラインナップです。
皆さんぜひ、覗いてみてくださいね♪

【日本初上陸!】本格的で上質な美味しさが味わえるコーヒーマシン「Lucaffe」

 

★マントヴァも数年振りの本格的な積雪★

今年は1月2月と暖かい日が続き、花粉も飛び始め、「このまま春になるのかしら?」
と思う様な陽気が続いていたマントヴァですが、シベリアからの寒気の影響で先週末から真冬に逆戻り。
3月1日は、この辺りでもかなりの積雪がありました。

そして、翌日まで降り続くと言うことで、昨日は学校が休校!
子供達はまたとない雪の恩恵に大喜びでした。


我が家の仮住まい宅のお庭も一面真っ白になりました☆

 

クセになる不思議な味わいモスタルダ

北イタリアを中心に冬の保存食として親しまれている
甘さの後にマスタードのツンとした風味を感じる「モスタルダ」


ホールフルーツをシロップ漬けにした「クレモナ産」やフルーツの形状を残さないジャムのような「ヴィチェンツァ産」など多種多様なモスタルダがありますが、私が暮らすここ「マントヴァ産」のモスタルダは、フルーツを小さく切ったりスライスしてからカラメル化「Caramellataカラメッラータ」し、マスタードエッセンスに漬けるという独特の手法で作られるモスタルダです。


今回ご紹介するモスタルダ生産者「Loghino Sei Piane」のモスタルダを何故皆さんにご紹介したいと思ったのかと言いますと、素材の果物は全て自家栽培し、モスタルダも全て手作り、そして着色料や保存料を一切使わないという彼らの限りない拘りに惹かれたから。そして何より一度彼らのモスタルダを食べたらもう一度必ず食べたくなるほどと~っても美味しいからです!


こちら、生産者にお邪魔して見せていただいたモスタルダを作る大切な工程の一つ「カラメル化」しているお写真です。素材(こちらの場合スライスしたリンゴ)に砂糖とレモン汁を混ぜ一日置いて出た水分を沸騰させリンゴに絡める。そして一日寝かして出た水分を再び沸騰させリンゴに絡める(この工程を実に4日間、4回繰り返します)。ジャムの様に煮詰めるのではなく、あくまでも沸騰させた水分を素材に絡めながら徐々に火を通していくという手法なので、素材は完全に柔らかくはならず適度に歯ごたえが残るという面白い味わいです。

「Loghino Sei Piane」では、冬の保存食のイメージが強いモスタルダのイメージを覆すごとく、自家栽培の旬の果物を使いバリエーション豊かなモスタルダを1年中提供しているのですが、今回は彼らの看板商品でもある「リンゴ」と「洋ナシ」と「サクランボ」とそれらのバリエーション商品のご紹介です。

「マントヴァ人は、モスタルダを食する時は鼻にツンと来るマスタード風味を涙をながしながら楽しむ!」と言われるほど、やはりマスタードが効いていることがポイントです。開封後マスタード風味は徐々に薄れていきますので、フレッシュな内に是非お楽しみ下さいね。

「聖ルチア(サンタ・ルチア)祭」が近づくと


もうすぐクリスマス!

クリスマスと言えば、サンタ・クロースがトナカイに乗って子供たちの元にプレゼントを届ける、そんなイメージを持つ方が多いと思いますが、北イタリアの一部(ベルガモ、ブレーシャ、マントヴァ、ヴェローナ、トレンティーノなど)の地域ではサンタ・ルチアがまさに彼のような存在。

え? サンタ・ルチアって誰?との声が聞こえてきそうですが、「サンタ・ルチア」は、「聖ルチア」の名で知られる今は亡きキリスト教の女性殉教者で、北ヨーロッパでは12月13日が彼女の聖名祝日で列記としたお祭りで祝日。一方、イタリアの場合少し違っていて、上記の一部の地域にこの日この人がやってきます!

そう、
サンタクロースの様に子供達のところに、
プレゼントと山のようなお菓子を届けにやってくるのです♪

 

~この時期スーパーなどでは、サンタ・ルチア用のこんな詰め合わせのお菓子が売られています~

 

さて「聖ルチア(サンタ・ルチア)祭」、マントヴァ郊外の我が家でも1年の中でかなり盛り上げりを見せる行事でして、12月に入ると必ず話題に上り、夫も含め私の地元の友人達は 子供の頃どれだけサンタ・ルチアを心待ちにしていたかをそれはそれは熱く語り、今ではサンタ・ルチアの正体を知ってしまった娘も毎年何よりも待ち望んでいる大イベントです。

それはきっと、サンタ・ルチアが良い子にはプレゼントを、悪い子には「石炭」を届けるというイタリアらしいユーモア溢れる側面もあるのだと思いますが、子供の心をぐっと捉えて離さない幾つかの大きな理由があるように思います。

まずはこの 「サンタ・ルチア」、
12月13日だけではなく1か月くらい前から何度かやってきます(笑)

 


↑こちら、サンタ・ルチアが訪れた証拠の「お菓子」♪

 

「あっ、何か鈴の音が聞こえる!」 と思ったらサンタ・ルチアで、
ドアを開けると彼女が訪れた印のチョコレートやキャンディーがドアの前に置いてあるのです。

因みに我が家では娘が小さかった頃のやり取りはこんな感じでした。

夫「あっ!サンタ・ルチアが来たよ。ホラッ、ここにお菓子が!」
娘「本当だ、本当だ!サンタ・ルチアが来たんだ~~!」

と、勿論この鈴の音は近所の友達などと協力して鳴らすのですが、時々前触れも無く聞こえてきたりして、それはそれはリアルで臨場感に溢れ、子供達はサンタ・ルチアが来る日を指折り数えて待ち望むという訳なのです。

 



 

そしてもう一つの理由は、やはり「サンタ・ルチア」が山の様なプレゼントとお菓子を届けてくれることでしょうか~。

13日の朝目覚めると↑のように、テーブルの上に山の様なプレゼントとお菓子が並んでいて、(これを用意する親は大変ですが。笑)、子供達の喜び様と言ったら、どこの家も半端じゃないようです!

 
 
 
  • あと2日で待ちに待った「聖ルチア(サンタ・ルチア)祭」
  • 今年も大忙しで、子供達の元に素敵なプレゼントを届けることなのでしょうね。
 

大理石が生んだ、知られざる上質赤ワイン「ボッティチーノ」!


私の暮らすロンバルディア州はワイン生産地としてはとりわけ有名な州ではありませんが、それでも、イタリアを代表するスプマンテ「Franciacortaフランチャコルタ」やNebbioloネッビオーロ種から造られる優良赤ワイン「Valtellinaヴァルテッリーナ」やガルダ湖近くで造られるまろやかな白ワイン「Luganaルガーナ」など、国内外でも知られる数々の良質ワインを生み出しています。

そんなロンバルディア州のワインの中でも、非常に高いポテンシャルを持ちながら恐らくイタリア国内でもあまり名が知られていない、イタリア土着品種4種(バルベーラ、サンジョベーゼ、マルツェミーノ、スキアバ)のブレンドで造られるとっても魅力的な赤ワイン「Botticinoボッティチーノ」

今日は、3年前に「BIO」ワインとして認定され、先日「SLOW WINE 2018」に選ばれた実力急上昇中の生産者NOVENTAノヴェンタのご紹介です♪

NOVENTAの畑はミラノの東約80キロにある街ブレーシャの近く、マッダレーナ山の麓の標高500メートルの小高い丘にあり、眼下にはボッティチーノの町を一面に見渡すことができます。

こちらは、NOVENTAのワインの中でも最高級のワインを造る畑「Gobbioゴッビオ」。

写真ではわかりずらいかもしれませんが、かなりの急勾配の土地にブドウの木が植えられてあり、そのお蔭で水はけがよく、また常に微風が吹くというブドウ育成には絶好の環境下にあるため、カビ系の病気にかかることは全くないとのこと。結果、化学肥料を一切使わずにブドウを栽培することが可能であり、3年前に念願の「BIO」ワインのタイトルを取得。

酸化防止剤の量もBIOワインに許される100㎎/ℓを大きく下回る60㎎/ℓなのですが、これは、『健康なブドウが育つ環境にあるから自然なこと!』と、数年前から創業者のピエランジェロの片腕となりカンティーナを切り盛りする娘アレッサンドラ。

さて、NOVENTAワインを知る上でポイントとなるのが「大理石」です。

NOVENTAの畑の周りにはイタリアでも有数の大理石「ボッティチーノ」が採掘できる小山が連なっていて、畑の土壌も山の成分と同じで泥灰土(マール)と炭酸カルシウムと砂が混じったイタリアでもかなり珍しいタイプの土壌で、土壌成分内の粘土質がブドウに骨格を、そして豊富な石灰質と炭酸カルシウムが十分なミネラルをもたらしてくれます。

また町に面した南側を除き、他三方が山に囲まれているためアルプスからの冷たい空気はここで遮断。十分な太陽の光を受け柔らかな風に包まれながらも、冷たい空気は周りの山で遮られるという最高のミクロクリマのお蔭で、ブドウは自ずと成熟し、厚みのあるクオリティーの高いワインが生まれるのです。

そんなユニークかつ恵まれたテロワール(ブドウ育成に必要な気候、土壌、地形などの自然条件)を持っているボッティチーノですが、ロンバルディア州のワインとしては古く1800年代の終わり頃からこの辺りで生産が始まり、1968年にDOCワインに昇格。当時はボッティチーノ人の多くがブドウ栽培を仕事にしていましたが、機械が入っていかれないような急な斜面にブドウ畑があり労働条件としては厳しく、また水はけが良い土壌=少ない収穫量という悲しい現実もあり、貧しいブドウ栽培農家の多くがブドウ作りを断念し大理石採掘の仕事へと移行。1950年代頃には1000ヘクタールあったボッティチーノのブドウ畑は現在では50ヘクタール、生産者の数も実に5軒まで減少してしまいました。

現在NOVENTAでは、畑仕事は「Franciacortaフランチャコルタ」で20年ワイン造りの経験を積んだアレッサンドラの夫クリスチアン(左)が主導で行っているのですが、この1月にNOVENTAワインの評判を密かに聞きつけて畑を訪れた、イタリアで著名な醸造家カルロ・フェリーニ(右)が、彼らのワインのポテンシャルに惹かれサポートしたいと話を持ち掛けてきたのです。

『彼からの提案だから、友達価格でね!』と嬉しそうに話すアレッサンドラ。畑仕事と並行し営業やマーケティングもこなすバイタリティ溢れる女性で「一人でも多くの人に自分たちのワインを飲んでもらいたい!」と夫婦一丸となり日々奮闘中。

実は、私の暮らす町のトラットリアなどではNOVENTAワインを扱っているところも多く、10年ほど前からNOVENTAワインを知っていて大ファンの私。世代交代が間近になり、カルロ・フェリーニの指導の下、彼らのワインがこの先どんな風に成長し、はたまたどんな風に世界に認められるようになっていくのか私もとっても楽しみなんです!

皆さんもミラノやヴェローナなどにいらした際には是非NOVENTAに寄ってみては如何ですか?ここでしか味わえない、果実味溢れるチャーミングで個性的な赤ワインに出会えるはずですよ♪

 


~NOVENTAの主力商品3種~
  • 左から
  • 「Colli degli Ulivi コッリ  デッリ  ウリーヴィ」
  • 「Gobbio ゴッビオ」
  • 「Pia’ de la Tesa ピアン  デ   ラ  テーザ」
  • それぞれ別の畑で造られていて、畑名がワイン名になっています☆
 

ご縁があって!


 

初めまして!ロンバルディア州マントヴァ県在住の高橋正美と申します。

 

「イタリア好き」と私のご縁は、まず、「マンマのレシピ」を担当させていただいた去年の2月頃から。

その後、2017年冬に発行された「北イタリアパン特集」のコーディネーターをさせていただいたのが去年の11月。

慣れない雑誌コーディネーターの仕事で取材先を選ぶのも難しく、うまく行くか不安も一杯あったのですが、編集長の松本さんと写真家の萬田さんのお2人に一杯助けていただき教えられ、今まで自分が見てきた視点とは違う視点でイタリアを見て感じられた、私のイタリア生活の中に新風を吹き込んでくれた忘れられないお仕事の一つとなりました。

 

 
私は2000年、所謂ワイン留学でイタリアに渡り、数年で日本に帰国するはずが未だにイタリアに滞在(笑)。ご覧いただいているロンバルディア州マントヴァの郊外の田舎町に、ヴェローナ生まれのワイン営業マンの夫と11歳の娘+1歳のトイプードルのレオと暮らしています。

仕事としては、日本人向けにミラノでワイン講座を開いている他、5年ほど前から、日本の会社と業務委託提携を結び、主にイタリアの食関連企業との間に生じる通訳やコーディネーター業務に携わっていますが、基本的に自宅でできる仕事も多く、「主婦」と「母親」業に占める割合もしっかりあるといった感じです。

 

 
我が家の娘は11歳で、イタリアは小学校が5年制なのでこの9月から中学生。町中にある公立の中学校に通っているので、普段私はお迎えの13時少し前に愛犬レオを連れてこちらの公園を散歩し娘のお迎えへと出掛ける日々。

イタリアの多くの公立の中学校は月曜~土曜日クラスの場合は授業は13時まででお昼を食べないで終了なので、レオと娘の3人で帰宅し、特に、午後の習い事のない日などは、娘と一緒にお昼を作り一緒に食べ、午後のひと時を過ごしています。

 

 
そんな訳で、普段はミラノや遠出の仕事をしない限りはここマントヴァ郊外の田舎町にどっぷり浸っている私ですが、こちら立地条件としては面白く、ちょっと行ったらヴェネト州やトレンティーノ・アルトアディジェ州、はたまたエミリア・ロマーニャ州もお近くなので、地元やロンバルディア州の話題はもちろん、時には近くの州にも出掛け、色々な表情のイタリアをご紹介して行けたらな、と思っています。

大好きな食やイタリアワイン情報、そして何気ない日常生活も交えながら♪