イタリア好き委員会 のすべての投稿
写真で旅するイタリア フリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州ウーディネ
【vol.148|マンマのレシピ】カネーデルリ イン ブロード
【トレンティーノ₋アルト・アディジェ州】スープが身に染みる郷土料理の代表格
王様の恋 Presented by モンテ物産
イタリアの銘醸地として名高いバローロエリアでも最も大きな生産者のひとつであるフォンタナフレッダ社を訪れた際に説明されるワイナリーの歴史は、いつも必ず同じ話から始まる。
フォンタナフレッダ社で見学者にワイナリー説明を続けてもう20年(?)になる、オルネッラさんの話し出しは決まってこうだ。
「フォンタナフレッダ社の歴史は、一つの恋物語からスタートします」
そして彼女は、こう説明を続ける。
「1850年頃のお話です。後にイタリアを統一したイタリア建国の父、ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世はとある少女と恋に落ちました。名をローザといいました。」
「当時はひとつのスキャンダルでした。というのもローザは高貴な生まれではなく、王とは身分違いの恋だったためです。」

▲ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世(左)とローザ
ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世はサルデーニャ島とピエモンテ州・アオスタ州を勢力基盤としていたサルデーニャ王国の王としてイタリア半島全体を併合し、1861年にイタリア統一の偉業を成し遂げた人だ。実際彼がイタリアを統一するまでイタリア半島は長らくいくつもの国に分かれていて、イタリアという名前も半島を呼び習わす地名に過ぎなかった。歴史上でイタリアという名前の国が初めてできたのはこのヴィットーリオ・エマヌエーレ二世の功績によるもので、そのために現在でもイタリア国民から建国の父と呼ばれ、敬愛されている。そんな彼が身分違いの恋をしたというのが、人間味があってなんとも素敵な話だ。
ローザは当時イタリア領だったニースで生まれた。父親はヴィットーリオ・エマヌエーレ二世の軍隊で鼓手隊長をしていたが、決して上級兵とはいえないただの兵卒だった。
しかし、1847年、14歳のローザの人生に転機が訪れる。当時、父親がピエモンテの王室狩猟地の駐屯部隊に異動していたことがきっかけで、ローザは狩りの途中だったヴィットーリオ・エマヌエーレ王子に偶然出会うこととなるのだ。二人はすぐに恋に落ちる。しかし問題は身分の壁だ。何せ彼女が恋に落ちた相手は、サルデーニャ王国の王子にして将来サルデーニャ国王の座が約束された立場にあり、さらにはその卓越した政治手腕でイタリアを統一して初代国王となる人物で、その一方ローザの家柄は言わば一兵卒に過ぎない。身分の差は明らかだった。
案内役オルネッラさんはこう話を続けてくれる。
「王はローザを深く愛し、周囲の反対を押し切って彼女と結婚する方法を考えました。そしてローザに、王家所有地であったフォンタナフレッダの土地(バローロエリア、現在のワイナリーの所在地)とミラフィオーレの土地(トリノ近くの土地)、それに伯爵夫人の称号を与えることにしたのです。」

▲ローザの館
こうしてローザは(建前上)伯爵夫人となり、二人は身分違いの恋を成就させた。フォンタナフレッダ社の敷地内には、今もローザの館とよばれる建物が現存していて、王やローザのベッド、ソファーや使っていた食器などが大切に保存されている。
オルネッラさんの説明は続く。
「こうして結婚した王とローザは二人の子を授かりました。ヴィットーリアという女の子とエマヌエーレ・アルベルトという男の子です。しかし二人は、ローザの元の身分を理由に王家の正当な後継者とは認めてもらえませんでした。エマヌエーレ・アルベルトは他の王族と違い、自分で自分の生活費を稼がなくてはいけなかったのです。」
「そこでエマヌエーレ・アルベルトが目をつけたのが、ローザに与えられる前から王家所有地としてワイン造りが行われ、王家御用達のバローロが生み出されていたフォンタナフレッダの土地でした。」
実際、フォンタナフレッダはもともとヴィットーリオ・エマヌエーレ二世の父王がバローロのワインに惚れ込み、王家所有地として購入した土地で、造られたワインはその後実際に王が飲んでいたであろう、正真正銘の「王のバローロ」。バローロが、現在も「王のワイン、ワインの王」と呼ばれる由来は正にこのフォンタナフレッダのバローロにあると言えるのだ。
「エマヌエーレ・アルベルトは、王家御用達のバローロが生み出されていたフォンタナフレッダのワインを世界中に輸出販売することで、自身の生活を成り立たせたわけです。彼は世界市場にバローロを大きく輸出し始めた草分け的な存在で、言わば歴史上初の“バローロ大使”として活躍し、フォンタナフレッダ社のワインは大いに世界に知られることとなりました。これがフォンタナフレッダ社の始まりの物語なのです。」

▲「ラ・ローザ」の畑
オルネッラさんはいつもそうやってワイナリーの歴史をニコニコ説明すると、必ず一つのエピソードを付け加える。
「フォンタナフレッダ社には、特別な名前の畑があります。敷地内の最良のエリアの畑の名前は“ラ・ローザ”。建国の父ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世が生涯愛した平民出身の妃の名は、フォンタナフレッダ社が造るトップワインの名前として現在も消えずに残っているのです。」

▲バローロ「ラ・ローザ」
バローロ“ラ・ローザ”はフォンタナフレッダ社のトップクリュ。女性的な味わいで、バラのような花の香りに甘いスパイス、バニラなどのニュアンスが加わる複雑な香りがあり、非常に滑らかなタンニンとエレガントな味わいは親しみやすさと高貴さを併せ持つ、まさに平民出身ながらも王に生涯愛されたローザを思わせる味わいだ。
フォンタナフレッダ社では毎年、バローロをさらに広めるべく、バローロ・ウィークというキャンペーン(※)を展開している。
日本でも、さすがにトップクリュの「ラ・ローザ」ではないものの、今年の11~12月には、レストランで同社のスタンダードラインのバローロをグラスで飲める機会が増えることだろう。ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世も愛したフォンタナフレッダ社のバローロ。歴史の詰まった、同社の顔と呼ぶべき1本である。
この冬はイタリア初代国王と平民出身の妃の恋物語を思いながら、バローロをグラスで楽しんでみられてはいかがだろうか。

※日本でのキャンペーンにご興味のある飲食店様は、モンテ物産担当営業までお問い合わせください。
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼フォンタナフレッダ社について詳しくはこちらから↓↓▼
https://www.montebussan.co.jp/wine/FF.html
フォンタナフレッダ社で見学者にワイナリー説明を続けてもう20年(?)になる、オルネッラさんの話し出しは決まってこうだ。
「フォンタナフレッダ社の歴史は、一つの恋物語からスタートします」
そして彼女は、こう説明を続ける。
「1850年頃のお話です。後にイタリアを統一したイタリア建国の父、ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世はとある少女と恋に落ちました。名をローザといいました。」
「当時はひとつのスキャンダルでした。というのもローザは高貴な生まれではなく、王とは身分違いの恋だったためです。」

ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世はサルデーニャ島とピエモンテ州・アオスタ州を勢力基盤としていたサルデーニャ王国の王としてイタリア半島全体を併合し、1861年にイタリア統一の偉業を成し遂げた人だ。実際彼がイタリアを統一するまでイタリア半島は長らくいくつもの国に分かれていて、イタリアという名前も半島を呼び習わす地名に過ぎなかった。歴史上でイタリアという名前の国が初めてできたのはこのヴィットーリオ・エマヌエーレ二世の功績によるもので、そのために現在でもイタリア国民から建国の父と呼ばれ、敬愛されている。そんな彼が身分違いの恋をしたというのが、人間味があってなんとも素敵な話だ。
ローザは当時イタリア領だったニースで生まれた。父親はヴィットーリオ・エマヌエーレ二世の軍隊で鼓手隊長をしていたが、決して上級兵とはいえないただの兵卒だった。
しかし、1847年、14歳のローザの人生に転機が訪れる。当時、父親がピエモンテの王室狩猟地の駐屯部隊に異動していたことがきっかけで、ローザは狩りの途中だったヴィットーリオ・エマヌエーレ王子に偶然出会うこととなるのだ。二人はすぐに恋に落ちる。しかし問題は身分の壁だ。何せ彼女が恋に落ちた相手は、サルデーニャ王国の王子にして将来サルデーニャ国王の座が約束された立場にあり、さらにはその卓越した政治手腕でイタリアを統一して初代国王となる人物で、その一方ローザの家柄は言わば一兵卒に過ぎない。身分の差は明らかだった。
案内役オルネッラさんはこう話を続けてくれる。
「王はローザを深く愛し、周囲の反対を押し切って彼女と結婚する方法を考えました。そしてローザに、王家所有地であったフォンタナフレッダの土地(バローロエリア、現在のワイナリーの所在地)とミラフィオーレの土地(トリノ近くの土地)、それに伯爵夫人の称号を与えることにしたのです。」

こうしてローザは(建前上)伯爵夫人となり、二人は身分違いの恋を成就させた。フォンタナフレッダ社の敷地内には、今もローザの館とよばれる建物が現存していて、王やローザのベッド、ソファーや使っていた食器などが大切に保存されている。
オルネッラさんの説明は続く。
「こうして結婚した王とローザは二人の子を授かりました。ヴィットーリアという女の子とエマヌエーレ・アルベルトという男の子です。しかし二人は、ローザの元の身分を理由に王家の正当な後継者とは認めてもらえませんでした。エマヌエーレ・アルベルトは他の王族と違い、自分で自分の生活費を稼がなくてはいけなかったのです。」
「そこでエマヌエーレ・アルベルトが目をつけたのが、ローザに与えられる前から王家所有地としてワイン造りが行われ、王家御用達のバローロが生み出されていたフォンタナフレッダの土地でした。」
実際、フォンタナフレッダはもともとヴィットーリオ・エマヌエーレ二世の父王がバローロのワインに惚れ込み、王家所有地として購入した土地で、造られたワインはその後実際に王が飲んでいたであろう、正真正銘の「王のバローロ」。バローロが、現在も「王のワイン、ワインの王」と呼ばれる由来は正にこのフォンタナフレッダのバローロにあると言えるのだ。
「エマヌエーレ・アルベルトは、王家御用達のバローロが生み出されていたフォンタナフレッダのワインを世界中に輸出販売することで、自身の生活を成り立たせたわけです。彼は世界市場にバローロを大きく輸出し始めた草分け的な存在で、言わば歴史上初の“バローロ大使”として活躍し、フォンタナフレッダ社のワインは大いに世界に知られることとなりました。これがフォンタナフレッダ社の始まりの物語なのです。」

オルネッラさんはいつもそうやってワイナリーの歴史をニコニコ説明すると、必ず一つのエピソードを付け加える。
「フォンタナフレッダ社には、特別な名前の畑があります。敷地内の最良のエリアの畑の名前は“ラ・ローザ”。建国の父ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世が生涯愛した平民出身の妃の名は、フォンタナフレッダ社が造るトップワインの名前として現在も消えずに残っているのです。」

バローロ“ラ・ローザ”はフォンタナフレッダ社のトップクリュ。女性的な味わいで、バラのような花の香りに甘いスパイス、バニラなどのニュアンスが加わる複雑な香りがあり、非常に滑らかなタンニンとエレガントな味わいは親しみやすさと高貴さを併せ持つ、まさに平民出身ながらも王に生涯愛されたローザを思わせる味わいだ。
フォンタナフレッダ社では毎年、バローロをさらに広めるべく、バローロ・ウィークというキャンペーン(※)を展開している。
日本でも、さすがにトップクリュの「ラ・ローザ」ではないものの、今年の11~12月には、レストランで同社のスタンダードラインのバローロをグラスで飲める機会が増えることだろう。ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世も愛したフォンタナフレッダ社のバローロ。歴史の詰まった、同社の顔と呼ぶべき1本である。
この冬はイタリア初代国王と平民出身の妃の恋物語を思いながら、バローロをグラスで楽しんでみられてはいかがだろうか。

※日本でのキャンペーンにご興味のある飲食店様は、モンテ物産担当営業までお問い合わせください。
http://www.montebussan.co.jp/
▼フォンタナフレッダ社について詳しくはこちらから↓↓▼
https://www.montebussan.co.jp/wine/FF.html
愛すべきイタリアーニ
Facciamo un viaggio in Italia
▼デジタル版はこちらamazon.co.jp /fujisan.co.jp イタリアが好きだ。
これといってあまり深い理由もないけれど、あの国に行くと生きているという実感が湧いてくる。理屈でなく、そう、肌で感じるのだ。行くたびに湧き上がる好奇心と解放される心は、どこからともなくやって来る。
時間はゆったりと流れることを許されるいっぽうで、速さに熱狂する人や、できないと言わない自信満々の人や、自己愛の強い人。研究熱心な人や、おしゃべりな人。難しいことは分からないけれど、そんなイタリア人に会うと、自分の生き方を問われ、知らずしらずのうちにリセットされていたのかもしれない。が、今はそれがしばらくされないままだ。
今号は過去の取材からセレクトした写真と、今ならではのリモートインタヴューやメッセージで構成したので、足りなくなったイタリアを少しでも補完して、読者の皆さんもぜひリセットしてもらいたい。
また行きたい場所、また食べたい料理、また聴きたい歌、また登りたい坂、また飲みたいワイン、また会いたい人。
イタリア万歳!
編集発行人 マッシモ松本
定期購読いただくと!

バックナンバーがもれなく3冊ついてくる!!
※どの号が届くかはお楽しみ♪
- 1年間(4回発行)2,640円(税込)
- 送料無料
『イタリア好き』バックナンバー
『イタリア好き』バックナンバーは単品でご購入いただけます。
*バックナンバー 1冊660円(税込)
“イタリア好き” 郷土料理とワインを楽しもう! アブルッツォ 開催報告
10月24日(土)
気持ちいい秋晴れの日。「PepeRosso」はイベント日和り(^^)

池の上駅から1分の「PepeRosso」通常はこちらでテイクアウトでパニーノなども販売している。
三軒茶屋から移転後、細かなところまでこだわったイタリア愛の詰まった店内。
店内にさりげなく飾られたイタリア各地の調理器具や器など、そんなイタリア愛を発見するのもおもしろい。

店内はソーシャルディスタンスで16名完璧の配置。

手打ちのサーニェ
アロッティチーニを作る「CUBE」という道具に仔羊肉を詰める今井シェフ。この肉の詰め方にポイントがあるのだ。

アブルッツォ仕込みの本格派
アンティパストから始まります。
のっけからかなり攻めてきます。

Crostini alla chietina(スタートはキエティ風クロスティーニ)
アンチョビにケッパー。アブルッツォでもっともポピュラーなつまみの一つ。

Ndocca Ndocca(冷静豚足のサラダ、ンドゥカ・ンドゥカ)
ゆっくり煮込まれた豚足がとろりと口の中で溶けていく。そしてこのダシの効いたズッパがたまりません。

Mazzarelle(内臓のエンダイブ包み)
内臓の色々な部位をマリネした後ににエンダイブで包み、蒸したもの。
本来は仔羊の内臓を使うところ、日本では入手が難しいため、今回は牛の内臓で。
前菜からガッツリきてますよー
プリモは4種。小麦の生産も盛んなアブルッツォ、いろいろな種類のパスタがあります。

Sagne e ceci(ヒヨコ豆とサーニェ)
本誌にも登場したサーニェ。ヒヨコ豆のシンプルでやさしい味わい。ヒヨコ豆も多く生産されています。

Anellini alla pecorara(羊飼いの指輪のパスタ)
羊飼いが紐に通して持ち運べるように、リング状にしたという説もあるパスタ。
ズッキーニとトマトのソースにペコリーノで。


Timballo di scrippelle(クレープのティンバッロ)
クリームにはカルチョーフィとスカモルツァをたっぷり。




Spaghetti alla chitarra con le pallottine(肉団子のキタッラ)
ギターの弦を張ったような道具で作る四角いパスタはアブルッツォの定番。
アブルッツォは山の自然ばかりではありません。
アドリア海の海の幸も豊富です。魚介のズッパは名物料理のひとつ。

Brodetto di pesce alla vastese(魚介のズッパ)
シャコが豊富なアドリア海では、アブルッツォだけではなく、マルケやモリーゼでも必ずシャコが入り、
いい味を出してくれます。




Arrosticini(アッロスティチーニ)
1回に100本できます。

現地では、焼き上がりを陶器の器やアルミホイル包んで冷めないようにサービスされますが、
今回は焼き上がりを次々に皿に載せてくれて、“わんこそば”ならぬ、“わんこアロッティチーニ”。
余計なハーブは使いません、塩味だけでも十分うまい! 何本でもいけます。
そしてこの日のワインをセレクトしてくれたのは、ソムリエの藤本さん。
アブルッツォといえば、モンテプルチアーノですが、
バリエーションと味わい、とても楽しめる、可能性のあるワインだと気づかされる日でもありました。
すばらしいセレクトでした。


とってもディープでニッチなアブルッツォの会。
今井さんはじめスタッフの皆さま、参加してくれた皆さま、ありがとうございました。
写真提供:参加者の船越英一さん
気持ちいい秋晴れの日。「PepeRosso」はイベント日和り(^^)

三軒茶屋から移転後、細かなところまでこだわったイタリア愛の詰まった店内。
店内にさりげなく飾られたイタリア各地の調理器具や器など、そんなイタリア愛を発見するのもおもしろい。


アロッティチーニを作る「CUBE」という道具に仔羊肉を詰める今井シェフ。この肉の詰め方にポイントがあるのだ。

アンティパストから始まります。
のっけからかなり攻めてきます。

アンチョビにケッパー。アブルッツォでもっともポピュラーなつまみの一つ。

ゆっくり煮込まれた豚足がとろりと口の中で溶けていく。そしてこのダシの効いたズッパがたまりません。

内臓の色々な部位をマリネした後ににエンダイブで包み、蒸したもの。
本来は仔羊の内臓を使うところ、日本では入手が難しいため、今回は牛の内臓で。
前菜からガッツリきてますよー
プリモは4種。小麦の生産も盛んなアブルッツォ、いろいろな種類のパスタがあります。

本誌にも登場したサーニェ。ヒヨコ豆のシンプルでやさしい味わい。ヒヨコ豆も多く生産されています。

羊飼いが紐に通して持ち運べるように、リング状にしたという説もあるパスタ。
ズッキーニとトマトのソースにペコリーノで。


クリームにはカルチョーフィとスカモルツァをたっぷり。




ギターの弦を張ったような道具で作る四角いパスタはアブルッツォの定番。
アブルッツォは山の自然ばかりではありません。
アドリア海の海の幸も豊富です。魚介のズッパは名物料理のひとつ。

シャコが豊富なアドリア海では、アブルッツォだけではなく、マルケやモリーゼでも必ずシャコが入り、
いい味を出してくれます。




1回に100本できます。

現地では、焼き上がりを陶器の器やアルミホイル包んで冷めないようにサービスされますが、
今回は焼き上がりを次々に皿に載せてくれて、“わんこそば”ならぬ、“わんこアロッティチーニ”。
余計なハーブは使いません、塩味だけでも十分うまい! 何本でもいけます。
そしてこの日のワインをセレクトしてくれたのは、ソムリエの藤本さん。
アブルッツォといえば、モンテプルチアーノですが、
バリエーションと味わい、とても楽しめる、可能性のあるワインだと気づかされる日でもありました。
すばらしいセレクトでした。


とってもディープでニッチなアブルッツォの会。
今井さんはじめスタッフの皆さま、参加してくれた皆さま、ありがとうございました。
写真提供:参加者の船越英一さん
【vol.147|マンマのレシピ】タスタサルのリゾット
【ヴェネト州】ヴェローナ界隈の名物料理
【10/24開催】“イタリア好き” 郷土料理とワインを楽しもう! アブルッツォ
\イタリア郷土料理を巡る食事会 アブルッツォ/
9/22開催の東シチリアの食事会に続き、
Vol.38(2019年8月1日発行)アブルッツォ特集に合わせて、少しでもイタリアを感じていただける食事会を、ルールとマナーを守って開催いたします!
今回は、移転・リニューアルした「ペペロッソ」にて、イタリア郷土料理への探究心が強く、
研究熱心なオーナーシェフ今井さんの料理を楽しんでいただきます!


アブルッツォも本誌発行後にそれを持って取材先を周り、同じような体験をされてきました。
特にアッロスティチーニ(羊の串焼き)は、フランコさんに叩きこまれてきたようです。
さらにお店では、イタリア各地の手打ちパスタをひとつ名物としているので、
今回はアブルッツォのタイプの違うパスタを4種類楽しんでもらいます。
予定しているメニューこちら
-Antipasto misto-
Crostini alla chietina(キエティ風クロスティーニ、アンチョビ、ケッパー風味)
Ndocca Ndocca(ンドゥカ・ンドゥカ、冷製豚足サラダ)
Mazzarelle(内臓のエンダイブ包み)
-Primo Piatti-
アブルッオらしいパスタ4種
その1.Sagne e ceci(ヒヨコ豆とサーニェ)

その2.Anellini alla pecorara(羊飼いの指輪のパスタ)

その3.Timballo di scrippelle(クレープのティンバッロ)
こちらは写真がありません~
その4.Chitarra con le pallottine(団子のキタッラ)


-Secondi Piatti-
Brodetto di pesce alla vastese(魚介のズッパ)
アドリア海にも面してアブルッツォは魚介も豊富。
Brodetto (Photo by Manda Yasufumi)[/caption]
そして、
Arrosticini(アッロスティチーニ)
アッロスティチーニといえばフランコ・フィオッコさん!
Arrosticini[/caption]
Brodetto (Photo by Manda Yasufumi)[/caption]
-Dolce-
Sise delle monache(シセ・デッレ・モナーケ)三つのおっぱいの形をしたドルチェ

Celli ripieni(チェッリ・リピエーニ)アブルッツォで結婚式などで食べる伝統菓子
なかなかのボリュームなような気がします〜
気のせい? アブルッツェーゼになった気分で
◆+◆+開催概要+◆+◆
■日時:10月24日(土)12:00~15:00(11:45受付開始)
■会場:ペペロッソ
東京都世田谷区代沢2-46-7 エクセル桃井1階
https://www.peperosso.co.jp/
■会費:〈会員〉13,000円(税別)(14,300円:税込)
〈非会員〉15,000円(税別)(16,500円:税込)
*ドリンク込み!
(イタリアズッキーニクラブ・ズッキーニパートナーズ会員+1名まで有効)
■形式:着席式
■定員:15名
《過去の食事会レポート》
■NEW!2020年9月に開催した東シチリア食事会のレポートはこちらから
■2019年11月に開催したサルデーニャ食事会のレポートはこちらから
■2019年6月に開催したヴェネト食事会のレポートはこちらから
■2019年2月に開催したエミリア・ロマーニャ食事会のレポートはこちらから
■2018年8月に開催したカラブリア食事会のレポートはこちらから
■2018年11月に開催したリグーリア食事会のレポートはこちらから
《お申込み》
以下に「カートに入れる」ボタンが表示されます。そちらをクリックしてお進みください。
*参加条件はイタリアズッキーニクラブ・ズッキーニパートナーズ会員様とそのお連れ様1名のみとさせていただきます。
※ズッキーニクラブ、ズッキーニパートナーズ会員の方は、ログインすると会員価格でご購入いただけます(未ログインでは、非会員価格でカートに価格が表示されます)。
9/22開催の東シチリアの食事会に続き、
Vol.38(2019年8月1日発行)アブルッツォ特集に合わせて、少しでもイタリアを感じていただける食事会を、ルールとマナーを守って開催いたします!
今回は、移転・リニューアルした「ペペロッソ」にて、イタリア郷土料理への探究心が強く、
研究熱心なオーナーシェフ今井さんの料理を楽しんでいただきます!


アブルッツォも本誌発行後にそれを持って取材先を周り、同じような体験をされてきました。
特にアッロスティチーニ(羊の串焼き)は、フランコさんに叩きこまれてきたようです。
さらにお店では、イタリア各地の手打ちパスタをひとつ名物としているので、
今回はアブルッツォのタイプの違うパスタを4種類楽しんでもらいます。
予定しているメニューこちら
-Antipasto misto-
Crostini alla chietina(キエティ風クロスティーニ、アンチョビ、ケッパー風味)
Ndocca Ndocca(ンドゥカ・ンドゥカ、冷製豚足サラダ)
Mazzarelle(内臓のエンダイブ包み)
-Primo Piatti-
アブルッオらしいパスタ4種
その1.Sagne e ceci(ヒヨコ豆とサーニェ)

その2.Anellini alla pecorara(羊飼いの指輪のパスタ)

その3.Timballo di scrippelle(クレープのティンバッロ)
こちらは写真がありません~
その4.Chitarra con le pallottine(団子のキタッラ)


-Secondi Piatti-
Brodetto di pesce alla vastese(魚介のズッパ)
アドリア海にも面してアブルッツォは魚介も豊富。

そして、
Arrosticini(アッロスティチーニ)
アッロスティチーニといえばフランコ・フィオッコさん!


-Dolce-
Sise delle monache(シセ・デッレ・モナーケ)三つのおっぱいの形をしたドルチェ

Celli ripieni(チェッリ・リピエーニ)アブルッツォで結婚式などで食べる伝統菓子
なかなかのボリュームなような気がします〜
気のせい? アブルッツェーゼになった気分で
◆+◆+開催概要+◆+◆
■日時:10月24日(土)12:00~15:00(11:45受付開始)
■会場:ペペロッソ
東京都世田谷区代沢2-46-7 エクセル桃井1階
https://www.peperosso.co.jp/
■会費:〈会員〉13,000円(税別)(14,300円:税込)
〈非会員〉15,000円(税別)(16,500円:税込)
*ドリンク込み!
(イタリアズッキーニクラブ・ズッキーニパートナーズ会員+1名まで有効)
■形式:着席式
■定員:15名
《過去の食事会レポート》
■NEW!2020年9月に開催した東シチリア食事会のレポートはこちらから
■2019年11月に開催したサルデーニャ食事会のレポートはこちらから
■2019年6月に開催したヴェネト食事会のレポートはこちらから
■2019年2月に開催したエミリア・ロマーニャ食事会のレポートはこちらから
■2018年8月に開催したカラブリア食事会のレポートはこちらから
■2018年11月に開催したリグーリア食事会のレポートはこちらから
《お申込み》
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“イタリア好き” 郷土料理とワインを楽しもう! 東シチリア報告
9月22日(火・秋分の日)
スーパー晴れ男の名に恥じないように、前日までの雨もあがり、朝から気持ちよく晴れた秋の葉山。
薄っすらと富士山も見える。

新型コロナウィルスの関係でしばらく遠ざかっていた食事会ですが、店ともきちんと連携し十分な対策を取って、
最新号の特集、東シチリアをテーマにした食事会を「Piscaria(ピスカリア)」で開催。
こういう事情から、参加人数がごく限らた中での開催でしたが、
久しぶりに読者の方々と楽しく、おいしい時間を過ごすことができたことに感謝。
僕は前日から入り、佐島港や農家へ一緒に買い出しに行ってきた。
カポナータの名前の由来は諸説あるが、出雲シェフもカターニャで聞いて実際に食べた経験もあるということから、
今回はシーラ(イタリア語でカッポーネ)を使ったことで、この料理名になっているという“元祖カポナータ”説を採用。
佐島には水揚げされたシーラがちゃんとあった。

まああまり見た目のいい魚ではないですが、高級魚として扱われるところもありますし、
ハワイでは「マヒマヒ」として親しまれていますね。
これを揚げて、野菜と一緒に甘酢でマリネしているのが一応“元祖カポナータ”。
シチリアの古代小麦ルッセッロを使って焼いたパンも焼き上がり〜

さてそろそろ開始時間が近づいてきました。

軽くご挨拶。

Anti past1 生赤タマネギとトマト、リコッタサラータの“バスターザ”。カターニャではおしゃべりな奴に辛い生の赤タマネギをたっぷりと食べさせて、おしゃべりをやめさせる(basta=もういい)というサラダと言われている、そんな仕立てのサラダ。今回はもちろんちゃんと辛味は取ってます〜。それに佐島産メジマグロのタルタルに、例のカポナータ。

In salata di Bastasa, Tartaru di tonno, Caponata classica
Anti past2 アランチーノかアランチーナか? カターニャではアランチーナ。エトナ山をイメージした三角錐の形で。ブルスケッタはシチリア産マグロのカラスミで。これがうまい!

Arancino o Arancina? , Bruschetta con bottarga di tonno
Anti past3 生シラスのフリテッレ、イワシと豆アジのフリット。

Fritto misto e frittele di bianchetti
Anti pasti4 ゆで上げ佐島タコ 丸々ゆでたタコをぶつ切りにして〜 楽しいね〜

Polpo bollito

Insalata di polpo
Primo piatto 1 佐島産マグロとナスのフジッリ トロトロのナスにマグロが抜群の相性でGoo!
Fusilli con tonno e melansane[/caption]
Primo piatto 2 ブロンテ産ピスタチオのペンネ ピスタチオとタマネギのシンプルな味付けでピスタチオの味と香りを引き出すレシピ。
Pasta con pistachio di Bronte[/caption]
Secondo piatto 1 メカジキのグリル パンテレッリーア風 なぜか東からパンテレッリーアに飛んでーーケッパー、オレガノ、ドライトマト、ニンニク、アーモンド、モリーカを載せてグリルしました。
Pesce spada griliato alla pantesca[/caption]
Secondo piatto 2 白金豚の自家製グルグルサルシッチャ。
Salsiccia di maiale e insalata di verdure[/caption]
Dolce 1 ブロンテ産ピスタチオのジェラート。食事会当日に誕生日の方の特別プレート。
Gelato con pistachio di Bronte[/caption]
アーヴォラ産アーモンドのトッローネとエスプレッソ。トッローネは前日僕が1時間練りました〜(汗)これはお土産用もご用意。
Torrone e cafe[/caption]
ワインはシチリアの自然派ワインで。





参加してくれた皆さま、出雲シェフはじめピスカリアスタッフの方、ありがとうございました。
*写真は参加者の船越英一さん撮影によるものです。
スーパー晴れ男の名に恥じないように、前日までの雨もあがり、朝から気持ちよく晴れた秋の葉山。
薄っすらと富士山も見える。

新型コロナウィルスの関係でしばらく遠ざかっていた食事会ですが、店ともきちんと連携し十分な対策を取って、
最新号の特集、東シチリアをテーマにした食事会を「Piscaria(ピスカリア)」で開催。
こういう事情から、参加人数がごく限らた中での開催でしたが、
久しぶりに読者の方々と楽しく、おいしい時間を過ごすことができたことに感謝。
僕は前日から入り、佐島港や農家へ一緒に買い出しに行ってきた。
カポナータの名前の由来は諸説あるが、出雲シェフもカターニャで聞いて実際に食べた経験もあるということから、
今回はシーラ(イタリア語でカッポーネ)を使ったことで、この料理名になっているという“元祖カポナータ”説を採用。
佐島には水揚げされたシーラがちゃんとあった。

まああまり見た目のいい魚ではないですが、高級魚として扱われるところもありますし、
ハワイでは「マヒマヒ」として親しまれていますね。
これを揚げて、野菜と一緒に甘酢でマリネしているのが一応“元祖カポナータ”。
シチリアの古代小麦ルッセッロを使って焼いたパンも焼き上がり〜

さてそろそろ開始時間が近づいてきました。

軽くご挨拶。

Anti past1 生赤タマネギとトマト、リコッタサラータの“バスターザ”。カターニャではおしゃべりな奴に辛い生の赤タマネギをたっぷりと食べさせて、おしゃべりをやめさせる(basta=もういい)というサラダと言われている、そんな仕立てのサラダ。今回はもちろんちゃんと辛味は取ってます〜。それに佐島産メジマグロのタルタルに、例のカポナータ。

Anti past2 アランチーノかアランチーナか? カターニャではアランチーナ。エトナ山をイメージした三角錐の形で。ブルスケッタはシチリア産マグロのカラスミで。これがうまい!

Anti past3 生シラスのフリテッレ、イワシと豆アジのフリット。

Anti pasti4 ゆで上げ佐島タコ 丸々ゆでたタコをぶつ切りにして〜 楽しいね〜


Primo piatto 1 佐島産マグロとナスのフジッリ トロトロのナスにマグロが抜群の相性でGoo!

Primo piatto 2 ブロンテ産ピスタチオのペンネ ピスタチオとタマネギのシンプルな味付けでピスタチオの味と香りを引き出すレシピ。

Secondo piatto 1 メカジキのグリル パンテレッリーア風 なぜか東からパンテレッリーアに飛んでーーケッパー、オレガノ、ドライトマト、ニンニク、アーモンド、モリーカを載せてグリルしました。

Secondo piatto 2 白金豚の自家製グルグルサルシッチャ。

Dolce 1 ブロンテ産ピスタチオのジェラート。食事会当日に誕生日の方の特別プレート。

アーヴォラ産アーモンドのトッローネとエスプレッソ。トッローネは前日僕が1時間練りました〜(汗)これはお土産用もご用意。

ワインはシチリアの自然派ワインで。





参加してくれた皆さま、出雲シェフはじめピスカリアスタッフの方、ありがとうございました。
*写真は参加者の船越英一さん撮影によるものです。
【vol.146|マンマのレシピ】ヤリイカの詰め物 グリーンピースのクリームソース添え
【ラツィオ州】お墨付き組み合わせの一品
“ヴィヴェラ社” シチリア・エトナ山の家庭的ワイナリー Presented by モンテ物産
コロナウイルスによるイタリア・ロックダウン後、久しぶりにシチリアを訪問した。ヨーロッパ最大の活火山、エトナ山の麓にあるワイナリー、ヴィヴェラ社を訪問するためだ。
家族経営のヴィヴェラ社は、2002年創業とまだ歴史は浅いものの、エトナ山の畑の特徴を活かしたその土地独自のワイン造りを行い、国内のみならず世界各国で高い評価を受けているワイナリーである。
8月末、朝のミラノの気温は20℃以下と半袖では肌寒い気候。しかしカターニアの空港に降り立つと、力強い夏の日差し。カターニアのこの日の最高気温は37℃と猛暑であった。
標高3,326mのエトナ山の北東に位置するリングアグロッサの町のはずれにヴィヴェラ社のワイナリーは位置する。ワイナリーの周りには14haのブドウ畑が広がる。出迎えてくれたのは責任者のロレダーナさん。
「久しぶり!本当に遠いところからよく来てくれたね。とっても嬉しいわ!」
コロナの影響でお互いマスクをはめて握手もできない状況だったが、彼女が心の底からこちらの訪問を喜んでくれているのが伝わった。
まずはお互い日本、イタリアのコロナ感染状況やロックダウン中の苦労話、営業活動への影響などを情報交換。その後すぐに、「早速私たちが造るエトナワインの主要品種、3種類のブドウの畑を見にいきましょう!」と誘われた。
ヴィヴェラ社のブドウ畑は標高550m~600mに位置する。涼しいかと思えば実際はここも日中は日差しがきつく、とても暑い。しかし朝・晩は山の気候で冷え込むため、この昼夜の寒暖差がワインに複雑さをもたらしているのだという。
最初に連れていかれたのは、地場品種ネレッロ・カップッチョの段々畑。ブドウ木の列の間隔が1.2mと狭いのは、段々畑の土地を活用するためだ。
「ちょうど今、“インヴァイアトゥーラ”と呼ばれるブドウの実の色づきの段階よ。」
グリーンから青紫に変わっていくきれいなグラデーションのブドウがあちこちに見えた。
「ネレッロ・カップッチョは元々補助品種として昔から重宝されてきたの。ワインに色味を与える役割をもっていて、伝統的にエトナのブドウ畑では、主要品種のネレッロ・マスカレーゼを4列、ネレッロ・カップッチョを1列交互に配置して、ネレッロ・マスカレーゼ80%+ネレッロ・カップッチョ20%のエトナロッソを造ってきたわ。」
ネレッロ・カップッチョの果実は大きく、またそのブドウの葉も他の品種では見ないほどの大きさであった。「ネレッロ・カップッチョの“カップッチョ”は頭巾、フードのこと。“ネレッロ・マンテッラート(マントを羽織った)”という呼び名もあるわ。ブドウの房に覆いかぶさるような大きな葉の特徴から来ているのよ。」
次にワイナリーを挟んで反対側のネレッロ・マスカレーゼのブドウ畑に。
ネレッロ・マスカレーゼは2000年台前半から起こったエトナ・ワインブームの主役ともいえる黒ブドウの品種。果実の力強さと繊細さに火山土壌のミネラルが加わる素晴らしい品種だ。
「見てよこの土壌を。火山の石がごろごろ転がっているでしょ。畑を耕すのも大変なのよ。靴とズボンが汚れて申し訳ないわね。」
実際に、黒ずんだ石と砂ぼこりでスニーカーが真っ黒になった。エトナの土壌は砂質と、この石の黒ずみにも現れているように、黒みがかったケイ土を含む粘土質の土壌。カリウム、石灰、リン、鉄分、マンガンなどを豊富に含むため、この土壌で造られるワインにも、鉄分と亜リン酸が豊富に含まれるのだという。
畑ではちょうど作業員が余分な葉と不良果実を取っているところだった。
「余分な葉を取ることで、風通しを良くして収穫前の雨でカビが生えるのを防ぐの。また葉全体への日当たりが良くなって光合成が促され、糖の生成がより多くなる効果もあるのよ。」
「ネレッロ・マスカレーゼは紀元前に古代ギリシアからもたらされた品種で、海側のマスカリという町の名前から来ている。うちの赤の看板ワイン“マルティネッラ”に欠かせないブドウだわ。」
最後に白ブドウ品種カリカンテの畑へ。
「ワイナリー創業当時、苗木業者にはカリカンテの苗木の取り扱いがなく、自分たちで農家からブドウ木を分けてもらい、継ぎ木して植えたの。今ではエトナ・ビアンコを代表するメジャーな地場品種だけど、当時は植えるのも一苦労だったのよ。」
「カリカンテの語源は“Caricare tanta uva(カリカーレ タンタ ウーヴァ)=たくさんのブドウをつける”という意味。それだけ収穫量が多くなる品種なの。私たちはカリカンテに限らず、全て収穫前のブドウの房を約半分に減らして、残った房にしっかりと養分が届くようにしているのよ。より質のよいブドウを収穫できるようにするためにね!」
カリカンテ種を100%使用した白ワインは“サリズィーレ”。“苦難の坂を上る御主人様”という意味で、ワイナリー創設にあたり多大な貢献をしたロレダーナさんの父アントニーノさんに捧げるワインだ。
畑の見学が終わり大量の汗をかいた後に、そのアントニーノさんが作ってくれたナスを使ったカターニアの郷土料理、 “Pasta alla Norma(ノルマ風パスタ)”の素朴な味わいが、とても体に染みた。
ステンレスタンクで2年、ボトルで2年の計4年熟成させた白ワインは、しっかりとした骨格を持ちながら、驚くほどフレッシュな味わい。火打石のようなミネラル感もしっかりと感じられる。サリズィーレの特徴であるこのミネラル感が、パスタにかかったリコッタ・サラータの塩気とも相性がいい。
「ここに来るまで、何でもすべて自分でやってきた。様々な冒険やチャレンジもしたよ。」
そう言いながら穏やかにほほ笑むアントニーノさんに、このワインを重ね合わせた。
厳しいエトナの大地で暖かい家族により作られる、火山エリアならではの特徴を存分に反映させたワイン。
今後もますます成長が楽しみなワイナリーだ。
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼ヴィヴェラ社について詳しくはこちらから↓↓▼
https://www.montebussan.co.jp/wine/vivera.html
家族経営のヴィヴェラ社は、2002年創業とまだ歴史は浅いものの、エトナ山の畑の特徴を活かしたその土地独自のワイン造りを行い、国内のみならず世界各国で高い評価を受けているワイナリーである。
8月末、朝のミラノの気温は20℃以下と半袖では肌寒い気候。しかしカターニアの空港に降り立つと、力強い夏の日差し。カターニアのこの日の最高気温は37℃と猛暑であった。
標高3,326mのエトナ山の北東に位置するリングアグロッサの町のはずれにヴィヴェラ社のワイナリーは位置する。ワイナリーの周りには14haのブドウ畑が広がる。出迎えてくれたのは責任者のロレダーナさん。
「久しぶり!本当に遠いところからよく来てくれたね。とっても嬉しいわ!」
コロナの影響でお互いマスクをはめて握手もできない状況だったが、彼女が心の底からこちらの訪問を喜んでくれているのが伝わった。
まずはお互い日本、イタリアのコロナ感染状況やロックダウン中の苦労話、営業活動への影響などを情報交換。その後すぐに、「早速私たちが造るエトナワインの主要品種、3種類のブドウの畑を見にいきましょう!」と誘われた。
ヴィヴェラ社のブドウ畑は標高550m~600mに位置する。涼しいかと思えば実際はここも日中は日差しがきつく、とても暑い。しかし朝・晩は山の気候で冷え込むため、この昼夜の寒暖差がワインに複雑さをもたらしているのだという。
最初に連れていかれたのは、地場品種ネレッロ・カップッチョの段々畑。ブドウ木の列の間隔が1.2mと狭いのは、段々畑の土地を活用するためだ。
「ちょうど今、“インヴァイアトゥーラ”と呼ばれるブドウの実の色づきの段階よ。」
グリーンから青紫に変わっていくきれいなグラデーションのブドウがあちこちに見えた。
「ネレッロ・カップッチョは元々補助品種として昔から重宝されてきたの。ワインに色味を与える役割をもっていて、伝統的にエトナのブドウ畑では、主要品種のネレッロ・マスカレーゼを4列、ネレッロ・カップッチョを1列交互に配置して、ネレッロ・マスカレーゼ80%+ネレッロ・カップッチョ20%のエトナロッソを造ってきたわ。」
ネレッロ・カップッチョの果実は大きく、またそのブドウの葉も他の品種では見ないほどの大きさであった。「ネレッロ・カップッチョの“カップッチョ”は頭巾、フードのこと。“ネレッロ・マンテッラート(マントを羽織った)”という呼び名もあるわ。ブドウの房に覆いかぶさるような大きな葉の特徴から来ているのよ。」
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ネレッロ・マスカレーゼは2000年台前半から起こったエトナ・ワインブームの主役ともいえる黒ブドウの品種。果実の力強さと繊細さに火山土壌のミネラルが加わる素晴らしい品種だ。
「見てよこの土壌を。火山の石がごろごろ転がっているでしょ。畑を耕すのも大変なのよ。靴とズボンが汚れて申し訳ないわね。」
実際に、黒ずんだ石と砂ぼこりでスニーカーが真っ黒になった。エトナの土壌は砂質と、この石の黒ずみにも現れているように、黒みがかったケイ土を含む粘土質の土壌。カリウム、石灰、リン、鉄分、マンガンなどを豊富に含むため、この土壌で造られるワインにも、鉄分と亜リン酸が豊富に含まれるのだという。
畑ではちょうど作業員が余分な葉と不良果実を取っているところだった。
「余分な葉を取ることで、風通しを良くして収穫前の雨でカビが生えるのを防ぐの。また葉全体への日当たりが良くなって光合成が促され、糖の生成がより多くなる効果もあるのよ。」
「ネレッロ・マスカレーゼは紀元前に古代ギリシアからもたらされた品種で、海側のマスカリという町の名前から来ている。うちの赤の看板ワイン“マルティネッラ”に欠かせないブドウだわ。」
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「ワイナリー創業当時、苗木業者にはカリカンテの苗木の取り扱いがなく、自分たちで農家からブドウ木を分けてもらい、継ぎ木して植えたの。今ではエトナ・ビアンコを代表するメジャーな地場品種だけど、当時は植えるのも一苦労だったのよ。」
「カリカンテの語源は“Caricare tanta uva(カリカーレ タンタ ウーヴァ)=たくさんのブドウをつける”という意味。それだけ収穫量が多くなる品種なの。私たちはカリカンテに限らず、全て収穫前のブドウの房を約半分に減らして、残った房にしっかりと養分が届くようにしているのよ。より質のよいブドウを収穫できるようにするためにね!」
カリカンテ種を100%使用した白ワインは“サリズィーレ”。“苦難の坂を上る御主人様”という意味で、ワイナリー創設にあたり多大な貢献をしたロレダーナさんの父アントニーノさんに捧げるワインだ。
畑の見学が終わり大量の汗をかいた後に、そのアントニーノさんが作ってくれたナスを使ったカターニアの郷土料理、 “Pasta alla Norma(ノルマ風パスタ)”の素朴な味わいが、とても体に染みた。
ステンレスタンクで2年、ボトルで2年の計4年熟成させた白ワインは、しっかりとした骨格を持ちながら、驚くほどフレッシュな味わい。火打石のようなミネラル感もしっかりと感じられる。サリズィーレの特徴であるこのミネラル感が、パスタにかかったリコッタ・サラータの塩気とも相性がいい。
「ここに来るまで、何でもすべて自分でやってきた。様々な冒険やチャレンジもしたよ。」
そう言いながら穏やかにほほ笑むアントニーノさんに、このワインを重ね合わせた。
厳しいエトナの大地で暖かい家族により作られる、火山エリアならではの特徴を存分に反映させたワイン。
今後もますます成長が楽しみなワイナリーだ。
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