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リグーリアのペペロンチーノ

今日はMartedi Grasso, 謝肉祭の最終日です!

今年のカーニバルは例年より遅くやってきました。

日曜日には、どこの街でもカラフルな衣装をまとった子供たちの愛らしい姿が見られました。

リグーリア州の南の街サンレモでは花をふんだんに使った山車が中央通りに溢れます。

サンレモと言えば花と音楽祭で有名な街です。2月に行われる音楽祭に、いち早く春の訪れを告げていた美しい花々。しかし、会場に花が飾られることがなくなって数年が経ち、今では、すっかり無機質な舞台になってしまいました。しかも、今年は優勝曲を巡って議論が沸き起こり、音楽や芸術にも様々な思惑が絡み合っている現実を突きつけられたような気分でした。

昔の「ヴォラーレ」や「夢見る想い」などのカンツオーネが懐かしいです。

(2017年の優勝曲で、フランチェスコ・ガッバーニが猿のぬいぐるみと歌って踊った「Occidentali’s Karma」は大好きでした。とても楽しい曲ですので、よかったらYOUTUBEで検索してみてください。)

ところで、様変わりしたのは劇場だけではありません。花づくりに専念していた人々の生活にも変化が訪れました。

その中の代表がパオラとレオ。花の栽培からペペロンチーノ栽培に転向することに決め、2012年にVivi Piccanteを設立しました。

https://www.facebook.com/vivipiccante/


今では900種以上のペペロンチーノを栽培し、イタリア全土に出荷しています。
ペペロンチーノといえば、南が産地だと思い浮かべますよね。実際、リグーリア州でペペロンチーノ栽培を始めたのは彼らが初めてです。はじめは不信感を抱いていた周囲も彼らが作る薫り高く、カラフルで美味しいペペロンチーノに夢中になってしまいました。


「柑橘類、ローズヒップ、カカオなど色々な香りが楽しめるのよ。最近ではパパイヤとジャスミンの香りを放つ黄色のペペロンチーノを発表したわ。」とパオラさんが説明してくれます。レオさんは「通常、初めてのお客さんは辛くないのをリクエストしてくるんだ。でもだんだん、辛いのに挑戦したくなってくる。舌をやけどしたって怒られるかな、もう来てくれないかな、と思いながら販売する時もあるんだよ。でも、また戻ってきて購入してくれる。もっと辛いのを!」と笑います。

彼らが作りだしたFilippo Argenti は世界一辛いペペロンチーノとしてギネス申請中だそうです。(私は口に入れる勇気はありません)


ところで、パオラさんが賢いペペロンチーノの保存方法を教えてくれました。

そのまま冷凍保存して、必要なときに必要なだけ、おろし金で削るのです。とっても便利!

 

 

 

Vivi Piccante では、ペペロンチーノ塩やジャムなども販売しています。



ジャムとチーズの相性は抜群です。また黒砂糖で作ったペペロンチーノシロップは風邪を引いた時に舐めると鼻がすうっと通ってきます。(私はお湯に入れて薄めて飲んでいます)

リグーリアの海を見下ろす丘で育つカラフルで薫り高いペペロンチーノのお話でした。


パンチの効いたペペロンチーノにはクッキリした色彩のファッションが良く似合います。
レディース


https://www.ikrix.com/jp/crew-neck-viscose-blend-jumpsuit-m-missoni-109206

 

メンズ


https://www.ikrix.com/jp/paisley-pattern-red-silk-tie-ermenegildo-zegna-108606

 

こちらは春の優しい色彩のアイテムです。

レディース


https://www.ikrix.com/jp/floral-silk-dress-with-gold-tone-rings-blumarine-109060

メンズ


https://www.ikrix.com/jp/painting-print-denim-slim-jacket-off-white-108239

これから、リグーリアの旬のニュースと共にジェノヴァのファッション・オンラインショップiKRIXとのコラボでファッションについても発信していきたいと思っております。


ファッションアドバイザーはエリザベッタ・ロメッリーニさんです。

次号では、ペペロンチーノの色「赤」についてお話してもらいます。

お楽しみに。

ジェノヴァからこんにちは。

「イタリア好き」の皆さま、こんにちは。ジェノヴァ在住の赤沼恵です。

今、晴れた空を見ながらこれを書いています。カモメが優雅に飛んでいます。

カモメは、実際は獰猛な鳥なのですが、空を飛んでいる時はとても美しく、この鳥を見る度に海のそばに住む喜びを感じます。

私は特に夕暮れ時の空を見るのが好きです。

日本の真っ赤な夕焼けも美しいですが、このジェノヴァの海と山の上に広がる空は絶景です。

薄く紫色に染まっていく雲、黄金色の光が海に手を差し伸べ、その光を反射して輝く建物。やがてゆっくりと顔を出す星々…


そんな空を見ているとあの海の向こうになにがあるのだろう、と心を躍らせた旅人たちに思いは飛んでいきます。

ジェノヴァはアメリカ大陸を発見したコロンブスを生んだ街、捕らえられたマルコ・ポーロが牢獄の中で「東方見聞録」を囚人仲間に語った街、音楽界のさすらい人パガニーニが生まれた街。

デ・アミーチスの子供用小説「クオーレ」に出てくるマルコ少年はアルゼンチンに渡った母を探しに一人ジェノヴァの港から旅立ちます。


未知の世界への憧れは人一倍強いのに、ジェノヴェーゼ達は自分の心をさらけ出すことが苦手です。この街にある宝も大切に守り、本当に価値のわかる人にしか見せないようにしている感を受けます。

一説に、ジェノヴァの名前の語源はローマ神話のヤヌス(Janas)だと言われています。

ヤヌスは前と後ろに2つの顔を持つ神です。ジェノヴァは山と海という2つの顔をもつことからこの名前が付いたと言われています。

2つどころか、沢山の顔を持つこの街の魅力をご紹介していきます。

 

コロンブスの像
珍しく降った雪にも負けず、遠い彼方を見つめるコロンブスの像