イタリア屈指のワインの銘醸地 ボルゲリ グラッタマッコ Presented by モンテ物産

今年のイタリアの夏は例年に比べ晴れの日も多く、厳しい暑さに見舞われた。暑くなると、イタリア人にとって欠かせない存在は海である。


トスカーナ州と言えば、美しい丘陵地や芸術の街フィレンツェを思い浮かべる方も多いと思うが、実は隣接するリグーリア州のように美しい海辺の街やリゾート地があることでも有名だ。

港町リヴォルノやピオンビーノからはフランス領のコルシカ島、サルデーニャ島、そしてトスカーナ諸島のエルバ島などへ向かうフェリーが乗り入れており、内陸に住んでいるトスカーナの人々は好んでトスカーナの海でバカンスや週末を過ごしている。

そんなトスカーナ州の海沿いにもイタリア屈指のワインの銘醸地があることをご存知だろうか。
そう、『スーパータスカン』で名を馳せたボルゲリである。
『スーパータスカン』と聞いて、サッシカイアというワインを連想する人も多いかもしれないが、ボルゲリの歴史を築くのに貢献した素晴らしい造り手がたくさんいる。

今日は、テヌータ・サン・グイド(サッシカイアの生産者)に次いで2番目にボルゲリで創業し、伝統を大切に守りながら、『トスカーナらしさ』を追及するワイナリー、グラッタマッコをご紹介したい。

グラッタマッコは1977年に、当時銀行員であったピエルマリオ・カヴァッラーリ氏が創設した。
「ボルゲリは歴史的に貴族に馴染み深いエリアで、サッシカイアのインチーサ・デッラ・ロッケッタ家に代表されるように、その昔は他国の貴族に謁見するときに持参するワインを造っていたんだよ。」グラッタマッコの統括エノロゴを務めるルカさんはそう語ると、ボルゲリの歴史についてさらにこう続けた。

▲丘陵地に広がる自社畑をバックに、グラッタマッコの歴史について語る統括エノロゴのルカさん

「各国の貴族たちとの交流により、洗練された感覚を持ち合わせていたマリオ・インチーサ・デッラ・ロッケッタ氏はフランスで用いられていたメルローやカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フランといった品種が未開の地であった山林の畑でうまく育つことを見出し、1972年にボルゲリで初の高品質赤ワイン、サッシカイア(ファーストヴィンテージは1968年)を市場にリリースしたんだ。」

その後、1977年にピエルマリオ・カヴァッラーリ氏がグラッタマッコを創業する。目標はもちろんボルゲリで高品質ワインを造ることだったが、その為にはテヌータ・サン・グイドのサッシカイアの成功例を辿るのが最も近道だということをよく理解していたという。

その証がグラッタマッコで今も使われている『ティネッロ』と呼ばれる発酵槽だ。グラッタマッコでは、伝統にならい、人の手によるパンチングダウンを繰り返し、ゆっくりと果皮からアロマやタンニンを抽出。天然酵母を用い、より自然な状態でのアルコール発酵を実践し続けているのだが、ワイナリー内に立ち並ぶ『ティネッロ』の中から、ひと際色が黒く、歴史の深さがうかがえる『ティネッロ』を見せてくれた。

「これはグラッタマッコ最初の、いわば『始まりのティネッロ』なんだけど、実はテヌータ・サン・グイドから譲り受けたものなんだ。彼らへのリスペクトと感謝の気持ちを忘れないように今でも現役で活用しているんだよ。』とルカさんは言う。同じエリアの生産者たちは互いにライバル視し合っていると思われることも多いが、彼らはボルゲリで偉大なワインを造ろうという共通の目標を持った同志なのだろう。

▲一番左のティネッロ(発酵槽)が、テヌータ・サン・グイドから譲り受けた『始まりのティネッロ』

これはグラッタマッコとテヌータ・サン・グイドに限った話ではなく、ボルゲリの成長のために、グラッタマッコ以降の生産者たちに対しても、積極的にコミュニケーションを取り、参入しやすくなるよう好意的に迎え入れたのである。

実際、オルネッライア(ファーストヴィンテージ1985年)やグアド・アル・タッソ(同1990年)ともノウハウを共有し友好関係を築いていき、ボルゲリ全体の成長に大きく貢献した。1994年になると、それまで白ワインとロゼワインしかなかったボルゲリDOCに赤ワインが追加されたことは、カヴァッラーリ氏の尽力によるところが大きいと言えるだろう。さらに1997年にはボルゲリで初のオーガニック認証を受ける。

▲1994年、ボルゲリロッソのDOC認定を記念しテヌータ・サン・グイド、 オルネッライア、 グアド・アル・タッソ、ミケーレ・サッタの代表がグラッタマッコに集まり撮影された記念写真。

そんなグラッタマッコは2002年から、新オーナーであるクラウディオ・ティーパ氏の元でコッレマッサーリグループ(モンテクッコのコッレマッサーリ、ボルゲリのグラッタマッコ、モンタルチーノのポッジョ・ディ・ソットとサンジョルジョ)として活動している。ティーパ氏は最新設備を導入、畑の拡張など積極的に投資を行う一方、伝統も非常に大切にしている。

「トスカーナの地ブドウであるサンジョヴェーゼの重要性を前オーナーから学んだんだ。ボルゲリエリアでこの品種を栽培している生産者は非常に少なく、三大ボルゲリのグラッタマッコ以外の二つ(サッシカイアとオルネッライア)にサンジョヴェーゼは使われていない。グラッタマッコ・スペリオーレでは、ファーストヴィンテージから使われているんだけど、欠かせない存在だね。カベルネ・ソーヴィニョン、メルローに加えられたサンジョヴェーゼにより、トスカーナらしい優美さがさらに際立つんだ。」とルカさんは話す。

「素晴らしいカベルネ・ソーヴィニョンとメルローの陰に隠れがちだったサンジョヴェーゼだけど、クオリティは常に上がり続けていると感じているし、まだまだ良くなるだろう。それを見越して、サンジョヴェーゼの栽培についても、畑の整備や拡張などの投資を行ってきているんだ」

トスカーナらしい風景に加え、きれいな海にも近い。そんな大自然とそれが育むワインにあのミック・ジャガーが魅了され、毎年バカンスに訪れることでも一躍有名になったトスカーナ・ボルゲリ。伝統と革新が融合するグラッタマッコ・スペリオーレの、リリース直後でも感じる力強くも優美でしなやかな味わいと、それに寄り添う海を想起させるようなミネラル感を楽しんでいただきたい。

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