ある日、森の中で牛さんに出会ったら。~ドライブ中の牛との遭遇。対処法~
車を借りてイタリアの田舎を旅行する方にお馴染みなのが「ヤギ・ひつじ渋滞」。牧童に連れられ、道路を横断したり、道路わきを歩くヤギやひつじさんを見かけることはまだ珍しくありません。
のんびりしていて「これぞイタリアの田舎!」な光景ですね。
カラブリア州でも街から出たとたんにヤギ・ひつじ渋滞が発生することもありますが、特にコセンツァ県のシラ国立公園やポッリーノ国立公園内では公道で牛に遭遇するケースもあります。
しかも、牧童が同行していない完全放牧。つまり、牛さんが勝手にウロウロしているところに遭遇することもあるんです。(稀に馬に乗った牧童が同行していることもあります)
どう見ても牛の群れ。びっくりするけど、カラブリアでは2019年でもこんな光景が繰り広げられています。
実は、彼らは「いつもの道」を行ったり来たりしているだけ。群れのボス(一番年上の牝牛)が群れを引き連れ、その時期の美味しい草のある場所・水場・ねぐらを行ったり来たりしています。
彼らにとっては、いつも道に今日はなんだか車がいるぞっていう認識らしいですが、問題はその巨体。
特にシラ国立公園内には「ポドリカ牛」という古代品種の牛が多く飼育され、体の大きなポドリカさんは角も立派。性格が荒い個体も多く、特に子牛を連れたグループは比較的簡単に「お怒りモード」に入ると言われています。
公道で牛に出会ったらまず心掛けたいのは、むやみに刺激しないこと。
特に大きな角を持つポドリカは、その気になれば大きなトラックでも簡単にひっくり返せる力があります。(しかもスイッチが入りやすい難儀な性格💦)
牛の近くでクラクションを鳴らしたり、大きな声を出すのは厳禁。間違っても窓を開けて牛を触ろうとしたり、「きゃー!可愛いー♡」などと大きな声を出さないようにご注意を。牛さんがびっくりしちゃいます。
牛さん達はいつもの道を行きたいだけ。見慣れない車に驚いて警戒しているだけで、危険が無いと判断すればそのまま通り過ぎて行ってくれます。なので、彼らとすれ違う際は静かに超徐行、もしくは彼らが通り過ぎるまで停車が正解です。
一本道で牛が通せんぼしていて全く動く気配が無かったら。最悪、引き返すぐらいの気持ちの余裕を持っていないと危険です。
基本的に優しい生き物ですが、その気になれば車程度はひとたまりもない相手だっていう事をくれぐれもお忘れなく。
草原に駐車して近くを散策して帰ったら、車が牛さんに囲まれていることもあります(笑
牛は臆病な動物なので、人影を見ると離れます。なので、こんな時はゆっくり車に近づくのが正解。
草を食むのに一生懸命で人影に気が付かないうっかりさんも稀にいますが、「人がいますよー」的なアピールを静かにすると大抵移動してくれます。
放牧されている牛にはカウベルが付いていることが普通です。遠くに聞こえていたカウベルが近づいてきたら、ご用心を。
牛に遭遇したら慌てず・騒がず。時間の許す限り彼らのペースで行動することをお勧めします。
道端で牛に遭遇、というのも楽しい経験ですけれど、ね。