マンマのレシピ

マンマの紹介

  • マリアンジェラ・ノダーリ(Mariangela Nodari)さん
  • ロンバルディア州カスティリオーネ・デッレ・スティヴィエレ在住
  • 得意料理:トルテッリ ディ ズッカ(南瓜の詰め物パスタ)

お料理説明・背景

「お嫁に行く1年くらい前から、母が彼女の料理を全て私に教え込んだの!」 という今回のイタリアマンマ、マリアンジェラ。 実はマリアンジェラは私の義母が既に他界していることもあり、娘が小さい頃にはよく「ベビーシッター」をお願いし、それが縁で今では家族ぐるみで親しくしている。私にとっては「セコンダマンマ」、娘にとっては「イタリアのノンナ(お婆ちゃん)」的存在の女性だ。

私がマリアンジェラと知り合った2005年頃、彼女の夫は少し前に亡くなっており、彼女は未亡人だったのだが、「とにかく明るく、よく働く人!」が彼女の第一印象。ベビーシッターをしながら、ちょっと手が空くと家を掃除してくれたり、お料理を作ってくれたり(笑)私は結局、義母の「マンマの料理」を殆ど食べずに終わってしまったので、マリアンジェラの料理がまさに私にとっての「マンマの味」と言うわけだ。

「ズブリゾローナ」は時折ミラノなどでも見掛けることがあるが、マントヴァの郷土菓子で、ルネッサンス期のゴンザーガ家の時代に生まれた。当時は「貧しいドルチェ」と称され、材料も当時安価だった「とうもろこしの粉」に「ラード」に「ヘーゼルナッツ」。時代の移り変わりと共に材料も変化し、いつからか「小麦粉」に「バター」、「アーモンド」が使われるようになった。

そんな「ズブリゾローナ」を私が初めて食べたのは、かれこれ15年程前。ソムリエの修行をしていた時、働いていたレストランのドルチェの一品として出ていたからだ。「何だか素朴で美味しい!!!」が第一印象で、その日に何度も味見をしたことを今でもよく覚えている。そう、「ズブリゾローナ」の一番の問題は、後を引くことだ(笑)
そしてイタリア語の「Sbriciolareズブリチョラーレ(粉々にする)」から来ている「ズブリゾローナ」は、その名の通り、しっとりしたケーキではなくボロボロっとした食感のお菓子。食べるときは包丁で切ると粉々になってしまうため、パルメザンチーズナイフの先などで突いて、割って食べるのが定石。紅茶やコーヒーとの相性もバッチリだが、食後に「グラッパ」といただいてもおいしい!

レポート:高橋正美(Masami Takahashi)
イタリアワインを学ぶため2000年に渡伊。ブレーシャ近郊の2つ星レストランでのソムリエ勤務を経て、2004年からミラノで日本人向けのワインセミナー開講。現在はソムリエとしての仕事と平行し、主に食関連の日伊企業のコーディネーター業務にも携わる日々。イタリア人夫と娘(9歳)の3人、ロンバルディア州マントヴァ近郊で田舎暮らしをしている。ブログ『イタリアで暮らして』で日々の暮らしを綴る。

材料

ズブリゾローナ(丸型25cm)

・小麦粉200g
・とうもろこしの粉200g
・無塩バター200g
・砂糖150g
・卵黄2個
・レモンの皮1個分
・アーモンド(皮なし)150g※アーモンド(皮付き)しか手に入らない場合、甘皮をむく方法はこちら
・アーモンド(皮つき)50g
・グラッパ大さじ2お好みで

作り方

    下ごしらえ

  1. バターは室温に戻し軟らかくする。
  2. アーモンド(皮なし)をフードプロセッサーで細かくする(粗みじん)。
  3. レモンの皮はすりおろしておく。
  4. 型(丸型25cm)に薄く油を塗っておく。
  5. オーブンを180度に温めておく。
  6. つくり方(丸型25cm)

    1. ボールに小麦粉、とうもろこしの粉、砂糖、レモンのすりおろしを入れ、フォークなどでざっくりとかき混ぜる。(写真a 参照)
    2. 別のボールにバターと細かくしたアーモンドを入れ、混ぜ合わせる。(写真b,c 参照)
    3. 1に2を入れ、更に卵黄とお好みでグラッパを加え、ひとつに纏まるまでしっかりと混ぜる。(写真d,e 参照)
    4. 型に纏まった生地を入れ、表面が平らになるように手で均等に伸ばし、表面にアーモンドを飾る。(写真f 参照)
    5. 180度に温めたオーブンで25分、そして190度に上げて20分程焼いたらできあがり。
  • a. 小麦粉、とうもろこしの粉、砂糖、レモンのすりおろしを入れかき混ぜる
  • b. 別のボールにバターとアーモンドを入れる
  • c. バターとアーモンドを混ぜ合わせる
  • d. 卵黄を加える
  • e. 纏まるまでしっかりと混ぜる
  • f. 型に平らになるように伸ばし入れ、アーモンドを飾る

お料理ポイント

アーモンドをフードプロセッサーで細かくする時は、食感を楽しみたいので、塊が多少残る程度までで決して細かくしすぎないこと。焼き時間はオーブンによっても異なるので、場合によってはもう少し長くなることも。かなりサクサクの状態に出来上がるので、食べるときは包丁で切るのではなく、パルメザンチーズナイフの先などで突いて、割って食べるのがポイント!