ピノ・ネロがたどり着いた至極の境地ピーネ(Pinè)| vol.2 フィレンツェのワイナリー フォッシの魅力に迫る

《フィレンツェのワイナリー フォッシの魅力に迫る  vol.2》

固定概念を覆す味わい
ピノ・ネロがたどり着いた至極の境地ピーネ(Pinè)

「AZIENDA AGRICOLA FOSSI」 (アズィエンダ・アグリーコラ・フォッシ)


「Pinè」はピノ・ネロを100%用したワイン。この種のブドウはフランス、ブルゴーニュ地方を代表するもので、ベリーのような香りと、渋みが少ないなめらかな味わいが好ましい、ファンの多い品種だ。しかし、夏の冷涼なブルゴーニュとは違う、暑いトスカーナでピノ・ネロとは珍しい。生産者のエンリコ・フォッシ氏はニヤリと笑って、まあ味わってみてとワインをグラスに注ぐ。


透明感のある美しいルビー色、ふわりと上品に立ち上がる、ラズベリーを思わせる瑞々しい香り、この種の美点を研鑽した出来栄えだ。そして口に含んで驚く。なめらかな口当たりは確かにピノ・ネロ。だがそれ以上に、ほかピノ・ネロワインに感じたことのない朗らかでパワフルな味わいなのだ。目を白黒させているとエンリコさんが明してくれた。
これはピノ・ネロが持つ本来の力だよ。ブドウの生産は原産地のような気候に適していると思いがちだが、そうではないんだ。そこにも適しているというだけで、別の環境に置けば、そこに応じて木が備えている力を発揮してくれるんだ。トスカーナの輝く太陽の下で朗らかにその才能を開いたピノ・ネロを味わえば、自然のおもしろさとワインの奥深さにきっとワクワクするだろう。


バランスがよく、なめらかな味わいで、料理に合わせやすいワイン。エンリコさんのおすすめは、脂身の多い肉より鶏肉料理。
しっかりしたボディなのでPollo al Curry(鶏肉のカレー)に合わせても相性がいいよとのこと。

◎Pollo al Curry(鶏肉のカレー)◎

《 材料(4人分) 》
・鶏モモ肉 600g
(好みで胸肉でも可)
・ヨーグルト 50g
・ニンニク 1片
・塩・コショウ 適量
[スパイス]
・ターメリック 小1/2
・シナモン 小1/2
・カイエンペッパー 小1/2
・パプリカパウダー 小1
・クミン 小1
・コリアンダーパウダー 小2
※上記スパイスの代わりに『カレー粉 小さじ2~3』でもOK

《 作り方 》
【1】鶏肉を食べやすい大きさに切って、塩・コショウで下味をつける。
【2】フライパンにオイルと刻んだニンニクを入れ、鶏肉を中火で表面に軽く焼き色をつけるように焼き、一旦取り出す。
【3】鶏肉を取り出したフライパンにスパイスを全て入れ、弱火で香りが立つよう軽く炒める。
【4】鶏肉とヨーグルトを加え混ぜ合わせ、弱火で鶏肉の芯まで火が通るよう煮る。
【5】最後に塩・コショウで味を調えたら出来上がり。

vol.52掲載(2/4)。本誌4回の連載記事となります。取材・写真 藤原涼子(フィレンツェ)

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■vol.1 一人の男の情熱が生み出す最上級のワイン

Vignavento Rosso Toscano Sangiovese IGP
ヴィーニャヴェント・ロッソ・トスカーナ・サンジョヴェーゼ IGT
生産本数5,000~7,000本と希少なワイン。サンジョベーゼ種100%
9月下旬~10月上旬にすべて手摘みで収穫し、新しいバリックで3年、ボトルで1年熟成。
■本誌vol.51掲載記事https://italiazuki.com/?p=53081


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