Festa del Borgo -Sanluri- サンルリの村祭り

またまたお祭りネタですが 笑 今年で24回目を迎えたサンルリの村祭り。

   お城の上からの村の風景
  
カリアリから50Kmほど北上したところに位置するサンルリは町の中心にある中世に建てられたお城が
有名で保存状態も良く、博物館として使われています。お城を入り口として繰り広げられるお祭りでは
中世期の職人仕事を再現したり、アンティークのものや伝統工芸品の展示や特産物の販売、音楽に踊り、
写真や絵のコンクール、、、で見どころ盛りだくさん、毎年たくさんの人が訪れ賑わいます。
      
サンルリのパン、Civraxu(チブラッチュ)。硬質小麦のセモリナ粉で作られた表面パリパリ、中フワフワの
パン。元々1週間分として焼かれていたので通常2Kgと大きいですが、最近は少し小さく焼かれることも。
またお城の近くに2年ほど前にパンの博物館も出来ました。


ワイン造りのためのブドウの足踏み体験も!

開催時期は毎年9月の4週目の日曜に行われるようですが、年によっては変更する場合もあるので、予め開催日を確認されてくださいね。

まだまだこれからもお祭りの季節がつづくサルデーニャです。。。
  

「粋でいなせな」”マリネッラ”のバックステージ訪問



皆さまご無沙汰しております。
おげんきですか? 季節は深まり晩秋になります。イタリアも今月末にはサマータイムも終了し、冬の訪れ?
いやはや地球温暖化で、10月まだまだ海で泳いでいる人をチラホラ見かけます。

さて、季節に関係なくナポリにはいつでもお客様の絶えない小さな、小さなお店がキイアイア地区にあります。ネクタイを主軸としたショップ、E.Marinella。
ネクタイは男性のアイテムで、ショップに入ると感じる、「男性のサンクチュアリ」なオーラ。女性の私としては、入っちゃいけない?怖さも感じますが、そこはさすが老舗ブランド。魅力的でエレガントな女性アイテムも少しあって、安心できます。

ネクタイに関しては全く無知の白紙状態で訪れたのですが、お話を聞いているうちに男のロマン、正に、「粋でいなせ」な江戸っ子の文化が重なりました。マリネッラの代表的なネクタイは江戸小紋と重なる部分があります。目の悪い私には遠目は無地ですが、近寄るととても手の込んだ小紋柄がちりばめられていて、小さな花畑のようです。この小さなお花畑のネクタイをトータルアイテムに添えると、見る見るうちにあか抜けて見えて、態度も凛として、見た目いなせに見えちゃうのです。


ネクタイの世界はとても奥深く、3/5/7/9折(Pieghe)とネクタイを構成する上で何回折り重ねるかによって違ったボリュームが生まれます。つける人の好みでお買い上げできるようになっています。
7折(Pieghe)はマリネッラが105年前に考え出した、ハンドメイドでレベルの高いサルト(仕立て人)でしか実現できない伝統技術です。通常のものより少しだけボリュームを感じるので、女子的なコメントで言えば、「横からみた感じが、男らし! Potente&Eleganza」です。
なるほど言われてみれば、このネクタイ(7折)をつけている人を結構思い浮かべることができます。

世界各国の著名人の御客様を持つマリネッラ。スーパースターの某バスケット選手は身長も高く、一般の方がつける長さでは、短すぎますし、逆に小柄な人だと、長すぎてダサくなってしまう。なるほど、お客様の体格によって、細かいオーダーも受けているので世界中の男性を虜にしているのでしょうね。

さて、手作業で行われているバックステージは、熟練の職人さん、しかもほとんど?訪れたときは100%が女性でした。各製造工程に分かれて効率よく作業が行われていました。新柄の生地も一旦はこちらの工房に運ばれ、選別されているそうです。

こちらはカッティングですが、型紙に合わせてカットするだけではなく、つけてた時に柄が正確に出るようにイメージしながら型紙を置いていきます。

薄く柔らかいシルク生地に、芯地を中心に入れてサクサクと縫い合わせていくのは、なかなか難しいと思われます。他にもいくつかのステップを踏んで出来上がる100%ハンドメイドのネクタイ。
大名も庶民も豪華絢爛を嫌い派手な衣装を禁じた江戸時代に生まれた粋の文化時代に生まれた手の込んだ生地や、柄。それを理解できるセンスを持った人を通(ツウ)と呼んでいました。
英国紳士アイテムの輸入販売から始まり、第二次大戦以降に独自の柄をデザインし、ネクタイにして販売をしてきたマリネッラ。現在のようにイタリアンスタイルのベースには英国が影響していたのは知りませんでしたが、現在につながる独自のセンスを持ち合わせたからこそ続けてこれたのでしょう。

これからクリスマスシーズン突入で、ナポリ名物のマリネッラ行列の季節です。
クリスマスシーズン、プレゼントを買い求めにマリネッラにやってくるお客様がずらりと並ぶ光景は、クリスマスの時期の樹井合地区の名物シーンです。


取材協力:
E.Marinella – official site – sartorial ties

トルタに託したイタリア女性たちの夢

目に入った瞬間に『おいで、おいで』をしてくる面構えのお店はどんな街にもあるものです。
『さあ、この店なら貴方の求めているものが必ずや見つかるはず!』と保証しているかのような。
例えばピエモンテの小さな町にトルタが売りのこのカフェ。
(前回試したリコッタケーキは、搾りたての乳の風味と舌に触るドライフルーツの存在感が期待どおりだった。)
そう思い出しながらほくそ笑んで、ああ、今日はどれにしようかと品定を始める。リコッタやチョコレートなど定番ものに、季節感あふれるフルーツのケーキなど季節メニューでバラエティーに富んだトルタ、お昼時にはミニピザやサンドイッチもショーケースに所狭しと並びます。
、、、と、ふと視線を上げれば黒光りしたマリアージュの紅茶の缶が並ぶ棚の前で、恰幅の良いエプロン姿のおばちゃんがこちらを見据え「さっ、何にします!?」と、迫ってきた。味のある店にはスタッフもお客もしっかり仕切るこんなパーソナリティがいるもの。
慌ててオレンジピールの艶も色っぽいチョコレートケーキを注文をしながら視線を走らせて空いたテーブルを探し腰を下ろして一息つけば、今日のプチ幸せな時間の始まりです。
んんんっ!やっぱりこってりまったりのチョコに、オレンジの酸味がたまりません!

ビエッラの中心部に開いたケーキとお茶が自慢のカフェテリアその名も『La Torteria(ラ・トルテリア)』。おばちゃんはお店の顔、スタッフみんなのマンマ、ホール責任者のエリーザさん。でも、このお店の成り立ちはちょっと変わっていて、オーナーは甘党の若手弁護士の二人組フランチェスカとルーカ。
「見た目は無骨で家庭的でも、口にしたら満足度抜群のトルタが食べられる、カップになみなみ注いだ熱く美味しいお茶といっしょに。そんな朝食が楽しめるお店がどうして自分の町にはないんだろう?ってずっと不満だった。ならばと自分たちで作ればいいと、仕事で独り立ちができた時にこの店を開きました。」と、フランチェスカ。

大好きなお茶の仕入れはフランチェスカ自身が担当。緑茶も大好き。日本に自ら買い付けに行くほどのお茶好き。抹茶も立てる。
「この人ったら、高級なお茶でも気に入ればどんどん買いつけてくるから、心配で!」

と、フランチェスカの隣でエリーザおばちゃんが笑います。確かに選ぶのに困るくらい充実のティーメニューはパリのカフェにも引けを取らない。そういえば店内の雰囲気もパリ風。予算節約のためにフランチェスカのマンマが担当したという内装は、どのアングルも絵になるし、テーブルに着くとその小さな空間に自分の体にしっくり収まって居心地が良い。朝の開店時間から夕方まで人の流れに切れ間がありません。

そんな小さなサクセスストリーを持つお店で働くのは女性6人。ホール3名、工房に3名。ホール責任者のエリーザを除けば、オーナーのフランチェスカのようにみな2足の草鞋。例えば、パティシエ嬢のエリーザはファッションジャーナリスト。ケーキ作りが大好きで、午前は工房で粉にまみれ、執筆業は午後から。
洋菓子学校で研修を受けたのはモロッコ人のブシェラちゃんだけ。でも大事なのは経験と、皆、独学で腕を磨いて工房に立っています。一仕事の終わった午後の落ち着いた時間に工房を訪ねるときちんと片付いたピカピカの調理台、大きな壁かけの時計の下に並んだナッツ類の並んだ棚。あの幸せなトルタたちを育むゆりかごはここなんだと頷けます。
写真提供(Elisa Rama)

『工房に遊びに来るなら朝が一番!楽しいものがたくさんあるのよ』とアリアンナちゃん。
                  写真提供(Elisa Rama)

「僕とフランチェスカは法律屋としては労働環境整備が専門分野。当然お店のスタッフの職場環境を保証することもしっかり考えました。スタッフが自分の仕事に情熱を感じて店に勤務してもらうことが最後にはこの店がお客さんに喜んでもらうための秘訣だと思うんです。」と黒一点、経理など裏方担当のルーカ。

2019年10月10日、それは彼らにとって新しい挑戦の日。
ビエッラから車で1時間のヴェルチェッリの街、カヴール広場の外れ、パブやワインバー肉屋なんかが並ぶ魅力的な小さな路地に2号店をオープンさせました。
ここでビエッラの店と同じクオリティのトルタにお茶、てきぱきとしたサービスを提供していこうと皆やる気満々!
「ビエッラの工房から運ぶトルタと一緒にあたしたちもヴェルチェッリに通いよ!」とエリーザおばさん。
「どうしてヴェルチェッリかって?トリノやミラノといった大都市での展開は全く考えていません。だってビエッラでこのお店を開店したそもそもの動機が小さな街に小さな幸せをってことだったから。」
女性ならではの力が実を結ぶ例は日本でも多く目にしますが、今回はイタリアでもウーマンパワーの相乗効果で力強く展開できた美味しくって素敵なエピソードをお伝えしました。

[ショップデータ]
La Torteria

ビエッラ店
住所 Via Del Pozzo, 2  Biella
Tel +39 015 099 1291
ヴェルチェッリ店
住所  Via dei Mercanti 11
Tel  +390161 185 0070

いずれも 営業時間 7:30から17:30 定休日:日曜日

水族館でパーティー


ジェノヴァの観光名所といえば、水族館!

この水族館は、コロンブスの新大陸発見500年記念祭に建設されました。

色鮮やかな魚は勿論、ペンギン、イルカ、アザラシなどが優雅に泳ぎ、時間を忘れさせてくれる素敵な空間です。

最近では、この水族館で結婚披露などのパーティーも出来ると人気です。

ここで、UNITALSIのパーティーがあるというのでお邪魔しました。

UNITALSIとは、聖母マリア様が表れ、奇跡を起こす泉があることで有名なルルドに病に罹った人たちを連れて行くボランティアの団体です。

ジェノヴァの駅からルルド行きの特別列車を見かけることがあります。

このようなボランティア活動に従事する人たちが多いことに驚かされます。


このパーティーは献金を目的としていますが、ボランティア活動を行った人たちの交流会でもあります。


ホールの横にはイルカが泳ぐ大きな水槽があります。

ここがミーティングホールになっています。

その後、上階に移動して、パーティーが始まりました。



ジェノヴァらしく、まずはペースジェノヴェーゼでアペリティフを頂きます。

 


水族館はポルトアンティーコ(古い港)内に位置しています。

古い港とは名ばかりで、このエリア一帯が新開発され、様々なアトラクションが楽しめるジェノヴェーゼ達お気に入りの場所です。


このエリアは映画館などやレストランなどで賑わっています。


館前にはヨットが停泊しています。


反対側にはイルカのいる水槽があり、係員がイルカについて説明しています。

 



水族館のケータリングはとても美味しいという評判でしたが、本当にその通りでした。


ジェノヴァのパーティーには絶対欠かせないペースジェノヴェーゼのパスタが登場です。


中央の黒いドレスを着ている女性がUNITASILIの代表ジェンマ・マレルバさんです。

肩が開いた黒のドレスに赤にクラッチバッグが素敵です。


パーティーは夜遅くまで続いたようです。

ジェノヴァで海を見ながらのパーティー、皆さんもいかがですか?

▼水族館ホームページ
https://www.acquariodigenova.it/en/

カラブリア州でチーズ工房見学するなら、やっぱり「カラブリア州らしい」チーズ工房がお勧め。お勧めの理由と工房の様子

州内の約7割が山岳地帯のカラブリア州では体の大きな牛の飼育が難しく、伝統的に牛の飼育をしていた地域はごく限られています。
そんな限られた地域の一つ、コセンツァ県内のシラ国立公園。古代種・ポドリカ牛*の飼育でも有名な地域です。


シラ国立公園域のチーズといったら、DOP食材でもあるシラのカッチョカバッロ(Caciocavallo Silano)。ポドリカ牛のお乳100%の物も生産されていて、チーズ工房もあちこちにあります。
そんな中でおススメのチーズ工房は、
近代化って何? なThe・家内工業っぷりが素晴らしい小さな小さな工房。
ちなみに、ただ今凝固の様子を目視で見極めている所。これ、間違えると本日の生乳をすべて廃棄することになる大変重要な作業なんですが・・。見ている方がドキドキする(笑
機械に頼らず経験がすべての世界です。

カラブリア州内にはもちろんこんな近代的な工房(工場?)もあるし、どちらかと言うとこのような規模の近代的な施設が増えているけれど、せっかくカラブリア州を訪問されるなら、なんというか。。。「カラブリアらしい」「まだ残ってる」的な工房をお勧めしたいなーと思います。

実は、地元では家内工業的に作られたチーズの方が(若干高価ですが)評価が高いです。
なぜなら、カラブリア州ではまだ「人の手で作られたもの」が評価されるから。
シーズンや気象条件によって生乳の品質も若干異なるのでチーズの味も一定にならず、この味の「揺れ」も評価されます。
一年を通して一定な味は自然じゃない。そんな感覚で生活できるって逆に贅沢だなーと私は思います。

そして、あちこちゆるーく生活しているこんなカラブリアの姿を見て頂きたいな、と思うわけです。
この辺りでは、チーズ作りは女性の仕事。この工房でも伝統通りに女性たちが工房内を取り仕切っています。
搾りたての生乳を温めて、凝固剤(自然の物です)を入れて。チーズ作りは力仕事。
工房見学に行くと、生乳を温めるところからすべての行程を見学できます。
そして・・

あ。モッツアレラ作ってくれてる♡

工房見学では、モッツアレラ、リコッタなど出来立てチーズの試食もさせてもらえます。出来立てで熱々のリコッタチーズはココでないと食べることが出来ない贅沢品ですよ。

条件が整っている日なら、放牧中の牛さんの様子も見学できます。
シラ国立公園内では放牧が基本。乳牛は夜に牛舎に戻るし、寒さに弱いので冬期は完全に牛舎に入りますが、強靭な古代種・ポドリカ牛は基本的に完全放牧です。(お産を控えているなど管理が必要な牛は、冬期だけ牛舎へ。)
そんな牛さんたちの生育の状況も見ることが出来ると「チーズができる工程をいただく」よりも、もっと食材に対して愛着がわくと言うか理解が深まると言うか。

ポドリカ牛100%のカッチョカバッロは春~初夏までがシーズン。この時期なら一般的な乳牛のカッチョカバッロと食べ比べもできるかも!?


※ポドリカ牛:中央アジア原産と言われる古代種。古代ローマ時代にはすでにカラブリア州~アブルッツォ州辺りで飼育されていた。
四角く灰色の大きな体に角があり、人間に慣れず、狭いところも苦手なフリーダムを愛する性格。
肉牛でもあり乳牛でもあるオールマイティーさん。年中外を歩いているため、赤身がちのお肉は地元で大変珍重されている。
コセンツァで極上牛肉と言ったらポドリカ>>神戸です。

 

 

 

マテーラが『007』最新作のロケ地に 市民は見た『No time to Die』のバックステージ

ダニエル・クレイグ最後のボンド役とか、あの『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディ・マーキュリー役の俳優が悪役とか…007シリーズ最新作『No time to Die(原題)』について、ウェブニュースで何となく目にする機会も多いですよね。

ロケ地はジャマイカ、ロンドン、イタリアなどと伝えられていましたが、8月中旬から4週間、マテーラの世界遺産地区&旧市街で、派手なカーチェイス複数回を含む撮影が行われ、6万のマテーラ市民がざわざわしました。

これだけのビックネームはメル・ギブソン監督の『パッション』(2004)以来です。

最新作のかっこいいトレイラーがこちら
JAMES BOND 007 “NO TIME TO DIE” Teaser Trailer (2020)

 

007はお好きですか?

恥ずかしながら、わたくしボンドシリーズは1作も観ことがありません。が、たまたまマテーラにいるのも何かのご縁。グループチャット経由で回ってきた写真(撮影友人一同)を横流し…もとい活用させてもらって、ド素人&昭和&ゴシップ目線で、007マテーラ・ロケのバックステージを漏洩します。笑

 

キャリー・ジョージ・フクナガ監督が超絶カッコイイ(私見)

スリーショットの写真は左から:監督、ボンドガールの一人レア・セドゥ、ダニエル・クレイグ。https://www.facebook.com/DirectorCaryJojiFukunaga/より


てっきり出演者の一人かと思ったら、アメリカ人のキャリー・ジョージ・フクナガ監督だそうです。「監督がボンドをやればいい」と取り沙汰されるのも、さもありなん。42歳。独身。『ビースト・オブ・ノー・ネーション』観ます。

 

撮影中のダニエル・クレイグは…

世界遺産地区の友人宅が撮影に使われ、仲間内ではおおってなりました。この友人宅、なかなかいい場所にありまして、映画のロケーションになるのは、鳴かず飛ばずに終わった『ベン・ハー』(2016)に続き2回目。ダニエル・クレイグとも二言三言かわす意欲を見せていた友人曰く「撮影中のダニエルはとてもとてもとても真剣で、撮影クルーも高次元にプロフェッショナルだった。」


友人は仕事に出かけたため、結局ダニエル・クレイグにはハローと言う暇もなかったらしいのですが、スウェーデン人の撮影監督(カメラマン)がイケてた、とのこと。007クルー、ハンサム揃い。

 

カーチェイスは実写

007名物のド派手なカーチェイス、実写なんですね。ボンドファンの間ではそんなの常識だったでしょうか?たったたらりら。グループチャットで回ってきた動画を見る限り、マテーラでの少なくとも3回のアクションシーンは、ふかしたエンジン音も、急ブレーキの音も豪快な実写でした。

こんなことになっているんですね


中世のマテーラの市壁を「またにかけた」華麗なバイク・アクションシーンもあります。乞うご期待。

 

ボンドカーは…何台?

5月16日付けのシネマトゥデイによりますと「この映画にはボンドカーが2台出てくる」「アストンマーティンとジャガーランドローバー」とあります。

友人宅付近の駐車場。壮観


何台なのーーーーー?


「007」シリーズ25作目となる「No Time to Die(原題)」は、2020年4月に世界各地で公開予定だそうです。

公式サイト

 

トスカーナ州はキノコ狩りがピーク、イタリアのキノコ事情

TOKYO FMラジオでイタリアのキノコ事情についてインタビュー

全国38局のFM局が加盟している、TOKYO FMをはじめとしたJFN系列のラジオ局番組「ON THE PLANET」というラジオ番組に出演し秋の味覚、「イタリアのキノコ事情について」について話しました。(10月4日)

先週もキノコ狩りに行ってきたばかり&キノコの展示会に日曜に行ってきたばかりなのでとってもタイムリー!イタリアのキノコについて思う存分語ります!


ラジオでは、イタリア人はどのくらいキノコを食べるのか、どんな料理を食べるのか、どこでキノコはとれるのか、などなど色んな質問に答える予定です。



普段はフィレンツェのFMラジオ局でイタリア語でしゃべっていますが、日本のラジオ局に出演するのは久々。以下、イタリアのキノコ事情について話した内容です。

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• イタリアではキノコをよく食べるイメージがあるんですが、実際よく食べるんですか?

はい、実際よく食べます。イタリア人もキノコは大好きで後で詳しく話しますが、いろんな料理に使われます。


• とってきてキノコを、食べられるか鑑定してもらえるとも聞いたことがあるんですが?

イタリアは州や地域に寄ってレギュレーションが異なるので、ここからは私が住むトスカーナ州に限って話したいのですが、例えばトスカーナ州では各地域ごとの保健所にキノコを持ち込めば、無料で鑑定してもらえます。

最近ではイタリアもSNSが盛んですが、FACEBOOKのキノコファンページなどに登録すると、イタリア語でminologo日本語で菌類学者がそのページの運営者だったりした場合は、その人にキノコの特徴を添えて写真を送ると鑑定してくれることもあります。

• 真子さんもキノコ狩りは行くんですか?どんな所でとれるのでしょうか?

日本ではキノコ狩りに行ったことは一度もなかったのですが、フィレンツェでは周りの友人たちが「フンガヨーロ」、キノコ狩りをする人たちを意味するイタリア語なのですが、キノコ狩り大好きなフンガヨーロが多いので自然とキノコ狩りへ行くようになりました。実は先週も行ってきたところなんですよ。やはりイタリアでもキノコ狩りに行く場合は、まずは経験と知識のあるフンガヨーロについていくのが一番で、いきなり素人が山にむやみに入っても見つけることはできません。


トスカーナ州では、キノコ狩りをするのに住民票がある地域は無料、それ以外の地域では郵便局で半年または一年間有効のキノコ狩り許可証を受け取る手続きをします。半年で12ユーロ(1400円ほど)一年で24ユーロ(2800円ほど)で、一回に収穫していい量は一人頭3キロまでです。トスカーナ州以外ではキノコを勉強するコースを修了しないとキノコ狩りの許可が降りない州もあります。

キノコの胞子を巻くために、籐のカゴやミカンが入っているような網目のある袋などが必須でプラスチックバッグは厳禁です。

日本ではキノコというと秋の味覚というイメージでトスカーナでも同じですが、トスカーナでは冬以外ならキノコ狩りは楽しめます。特に収穫が多いのは6〜7月と秋です。とれる場所は山や丘陵地帯で天候や時期に寄って変わります。だいたい、雨が降ってから数日経過した頃に多く見つかるので、秋のこの時期は雨が降った後の数日後に山へ行くと、キノコ狩りの車が山道にずら〜っと並ぶようになります。

おしゃべり好きのイタリア人ですが、キノコ、特にポルチーニがとれる場所だけは絶対に周りに教えません。家族間だけの秘密で友人すら教えないほどなんですよ。キノコに関しては口が固いイタリア人なんです。

• イタリアではどのくらいの種類のキノコがあるんですか?

数え切れないくらいの種類があります。ただスーパーで販売されるようなキノコの種類は少ないです。そういえば、最近イタリアのスーパーでも「しいたけ」がそのまま「しいたけ」として販売されるようになりました。

キノコ狩りをしていても、毎回違ったキノコを見つけます。そのうち食べられるのは少なかったりしますが、スーパーマリオに出てくる水玉模様の真っ赤なキノコなどを見つけるとテンションがあがります。キノコ狩りは食べられるキノコを見つけるだけでなく、いろんなキノコを見つけることができて宝探しのような楽しみもあるんですよ。


• どんなキノコ料理があるんですか?

北イタリアの方ではガレッティ、フィンフェッリとも呼ばれますが、ガレッティという黄色いキノコがよく食べられます。フィレンツェを含んで真ん中から南にかけては日本人にも馴染みの在るポルチーニがよく食べられます。ちなみにポルチーノやポルチーニといった表記がありますが、ポルチーノは単数、ポルチーニは複数形になります。

今回はポルチーニについて話しますが、料理のバリエーションは豊富です。生ポルチーニはイタリア語でフリット、つまりフライにしてよく食べられます。シンプルに塩だけでいただきますが、甘みが感じられてとても人気です。それから、ポルチーニはピザの具にもなります。MARI E MONTI、海と山という名前のピザは魚介類とポルチーニを組み合わせたピザです。または、乾燥ポルチーニでもいいのですが、リゾットやパスタ、スープなど幅広いバリエーションの料理でポルチー二を楽しむことができますよ。


それからマッツァ・ディ・タンブーロという顔の大きさほどもあるおおきなキノコもトスカーナではよくとれるのですが、これは見た目にインパクトがあるので傘をそのまま切らずにグリルにして出すと華やかな一品になります。

• 日本で最高級キノコと言えば「松茸」ですが、イタリアではなんですか?

イタリアにはオーヴリという傘がオレンジのキノコが高級キノコになり、値段もポルチーニより高価です。味も香りもデリケートですが、秋のこの時期はレストランなどでも「オーブリ」の料理が出されます。生のままカルパッチョにしたり、スープやパスタなど様々な料理で楽しめます。

• イタリア人にとってキノコはどんな存在ですか?

イタリア人にとってキノコは「伝統」です。イタリア人は若者からお年寄りまで伝統的にキノコ狩りを楽しんできました。もちろんポルチーニなど食べられるキノコを探すのも目的ですが、それだけでなくキノコ探しを楽しみながら、深い静けさに包まれた山や森の中を散策するのは、イタリア人にとってなによりのリラックス方法なのだそうです。

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◆来月11月21日(木)の深夜1時10分〜(実際には22日(金)の午前1時10分〜)にも同番組に出演することになりました。内容は「イタリアの新ワイン NOVELLO(ノヴェッロ)」について」です。

ON THE PLANETの番組ウェブサイトにも出演した内容が掲載されています→ https://park.gsj.mobi/news/show/59811

リゾット・アッラ・イゾラーナ〜ヴェネト米産地の大収穫祭〜

イーゾラ・デッラ・スカーラ…ヴェネト州最大の米産地

米の品種は、「ナーノ・ヴィアノーネ・ヴェロネーゼI.G.P.」。”ナーノ(=小さい)”というように、小粒で丸い形状が特徴。この土地は、ポー川とアディジェ川に囲まれたデルタ地帯にあたり、地下よりの湧き水により清澄な水が豊富なことから、500年ほどの稲作の伝統を持つ土地として知られている。

地域内には、いくつもの米農家が点在し、土地本来の同品種のほかにも、各種米及び近年では、昨今の健康志向から人気の出ている半つき米や全粒米、米粉からできるパスタや菓子類などの他製品、さらには、米乳を使った化粧品にまで製品の範囲を広げている。

米の大収穫祭「フィエラ・デル・リーゾ」

米収穫の時期となると、その生産物をさらに盛り上げるべく、米の収穫祭「フィエラ・デル・リーゾ」が開かれる。今年の開催はなんと53回目。聞くところによると、小さな町の秋祭り的な始まりだったのが、今やイタリア国内でも最大級の収穫祭にまで成長。そしての会期はなんと1ケ月にも及ぶ。会期中には、様々なイベントが企画されており、完全に町おこしとして一役買うイベントだ。

会場内の展示即売コーナー


会期中に会場を訪れる人々の目的はもちろん、米料理を食べること。会場内には大きな仮説テントが設けられ、各生産者がスタンドを持ち、自社の米でつくるリゾットを提供している。

会場中央にある会計に行って一律6ユーロのチケットを購入。そして各人が好みの生産者のスタンドにてリゾットを受け取る仕組み。

レストラン会場。メニューは、リゾットのみ


各社により様々なリゾットが振舞われるが、どこのブースにもある定番メニューがある。それが、「リゾット・アッラ・イゾラーナ」。いわゆる「イゾラーナ風(イーゾラ・デッラ・スカーラ風)リゾット」だ。

伝統的なイゾラ風リゾット「リゾット・アッラ・イゾラーナ」とは

オリジナルレシピは、子牛と豚肉のひき肉を、バターとローズマリーで炒める。肉にしっかりと火が入ったら、肉ベースのブロードを投入。そこへ米を加えて蓋を閉めて弱火で火を入れる。米にブロードをしっかり吸わせたら、塩と挽きたての黒コショウ、シナモンをしっかりと効かせ、これまたこの地を代表するグラーナ・パダーノをたっぷり加えて仕上げる。リッチな風味のリゾットだ。

通常のリゾットのようにブロードを少しずつ足して仕上げる方法ではなく、ここでは米を予め分量の量ってあるブロードに吸わせて仕上げる方法をとる。まるで日本の米を炊くような感覚だ。この方法は、米の脱穀作業者(ピロータ)が忙しい作業中に、手間を省いて昼食の準備を行うために考案されたものとして、一般的には「リゾット・アッラ・ピロータ」と呼ばれているものだ。

この収穫祭になると、いつも訪れる私の顔なじみの生産者「リッコー(Riso Riccò)社」のブースを訪れた。ブース内には大きな鍋が設置され、たくましくて人懐っこいいつものメンバーが楽しそうにリゾットを作っている。

このメンバーでリゾットを提供。チームワーク抜群



ブースに配置された大鍋。日曜など人出の多いときにはすべての鍋が同時進行する


お祭り用の下準備として、朝のうちに肉を炒め、そこにローズマリーと香辛料を加えた肉のベースを仕上げてある。客の入りを見ながらブロードと米を大鍋に入れて、下準備した肉、さらには仕上げにグラーナ・パダーノをたっぷり加えて完成させる。

グラーナ・パダーノをたーっぷり投入



大きな鍋で仕上がり直前!



美味しそうなリゾットの仕上がり!


大鍋でつくるリゾットは仕上がりが均一になりにくいのでは、との思うのだが、できあがるリゾットは上々。それも、毎年恒例のこのメンバーの腕、そして米本来の特徴である、アミド含有量が高いことから、比較的パラパラとした仕上がりになり経時にも耐えやすい等の要因も重なり、いい具合のアルデンテを保ち、簡易キッチンで作ったとは思えない旨い仕上がりだ。

出来上がったリゾットを来場者へ提供



伝統で定番のイーゾラ風リゾット「リゾット・アッラ・イゾラーナ」


そして…「タスタサル (Tastasal)」

イゾラーナ風リゾットをつくるうえで、また有名な素材がコレ。「タスタサル」とは、いわゆるサルシッチャ(生ソーセージ)の腸詰めをしていない中身だけのもの。
コショウが効いた肉の粗ミンチでこれをリゾットのメイン素材となる。
収穫祭には、このタスタサルを売る肉屋の売店もある。

イゾラーナ風のタスタサル。子牛と豚肉のミックスがイゾラ風



タスタサルをベースにした肉製品が並ぶ肉屋のショーケース


基本のタスタサルはもちろんのこと、それを円形にしたスヴィツェラ=スイス風(ハンバーグ状)、ポルペッテ(団子状)、ポルペットーネ(ミートローフ状)など、タスタサルをベースにしたものが販売されており、それらも飛ぶように売れる。

米、そして地元伝統料理のリゾットを中心にした小さな町の熱いお祭りは、彼ら生産者とそれの関連する人々たちで大いに盛り上がる。
主催者などの話では、さらに同収穫祭の質を上げるべく、来年以降の構想もあるのだとか。そのひとつが現在提供しているプラスチック皿の廃止など。さらなる進化もまた楽しみだ。

この地方ならでは、お米のトルタも


 

ヴェルディッキオの実る頃 Presented by モンテ物産

イタリアでは今年もブドウが収穫期を迎えている。
一年間情熱をかけて育てたブドウを最高のタイミングで収穫する。生産者にとっては一年間の努力が実を結ぶ高揚感のある瞬間だ。ここ、イタリア中部のマルケ州カステッリ・ディ・イエージエリアでも、土着品種ヴェルディッキオの収穫が最盛期を迎えている。

マルケはイタリアの東海岸側に面した州だ。目の前にはスタジオジブリの名作映画「紅の豚」の舞台にもなった、エメラルドに輝くアドリア海が広がる。このマルケ州の北部、海からは少し内陸がヴェルディッキオの生産エリア、カステッリ・ディ・イエージ。ワインの正式名称は“ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ”。これにクラッシコ、とかスペリオーレ、とか続いたりするので非常に名前が長く覚えづらいかもしれない。

一方でイタリアワイン好き方の中には、“ヴェルディッキオ”という白ワインの名前は聞いたことがある、という方も多いのではないだろうか。日本にはかなり昔から輸入されているし、イタリアでも最も有名な土着品種のひとつ。フルーティで、ミネラルが乗りやすく、余韻に柑橘系の果実の皮のようなほのかな苦みがあるのが特徴的だ。

「ヴェルディッキオの房はブドウの粒同士がくっついて実るんだよ」
マルケ州を代表するウマニ・ロンキ社のミケーレ社長は、美しく実ったヴェルディッキオの房を手に取り、その出来に満足するように目を細めた。

▲たわわに実るヴェルディッキオ

確かにブドウの房を見ると、ブドウの一粒一粒がかなり密集している。
「こういう形の房なので、ブドウの間の湿気が抜けづらく、雨が降ったりするとカビが発生しないように特に注意が必要なんだ。雨が多い年はブドウの葉を少なくして、木々の間の風通しをよくする。でも余りに葉が少なく、直射日光に当たり続けると、ブドウが焼けてしまう。畑の手入れには経験が必要というわけさ。」

ミケーレ社長がそう説明している間に我々のそばを収穫作業中の10人ほどのグループが通り過ぎた。ミケーレ社長はみんなににこやかに手を振り、こう続けた。
「畑での作業に経験は不可欠。収穫前の手入れも当然ながら、収穫の際はなおさらだよ。このため、我々ウマニ・ロンキ社は年間通して、畑作業の専任を45名ほど雇用しているんだ。いま通り過ぎた彼らも全て1年中ウマニ・ロンキの畑を管理する、我々の正社員なんだよ。」

いまいちピンと来ないかもしれないが、ウマニ・ロンキ社の正しい評価のために正直に言えば、他のほとんどのワイナリーが収穫時の作業員を“期間雇用”している。
つまり、収穫期以外も一年を通じて畑の管理をする正社員の数は少数に押さえて人件費を下げているところがほとんどだ。畑専門の年間契約の正社員が45人というのは、びっくりするほど多い数と言える。

▲収穫作業の様子

それを察したように、ミケーレ社長は説明を付け加えてくれる。
「ヴェルディッキオは先ほどの説明通りブドウの実が密着しているから、収穫の時も特に大切に扱う必要がある。他のワイナリーでは機械収穫しているところもあるようだけど、機械で収穫するとブドウの実が密着しているため傷つきやすい。ブドウの実に傷がついてしまうと、そこから一部発酵や酸化が始まって品質が低下してしまうんだよ。だからウチの自社畑では、ヴェルディッキオは全て手摘みで収穫しているんだ。ウマニ・ロンキ社がこれだけ正社員を雇っているのは、ブドウをとてもデリケートに扱わなければいけない手摘み作業に、経験ある作業員を常に投入したいからでもあるのさ。」

▲畑の中を歩くミケーレ社長(左)と、その父でウマニ・ロンキ社 前社長のマッシモさん

「我がウマニ・ロンキワインのエントリーライン、カサル・ディ・セッラも全て手摘み収穫のブドウで造られているんだよ。」

 ウマニ・ロンキ社のヴェルディッキオのラインナップの中には、カサル・ディ・セッラとカサル・ディ・セッラ・ヴェッキエ・ヴィーニェという2種類のワインがある。ヴェッキエ・ヴィーニェは“古木の畑”という意味で、カサル・ディ・セッラの畑の中でも特に古いブドウの木がある一区画から作られる単一畑のトップワイン。数年前にはイタリアで最も権威あるワイン評価本ガンベロロッソでその年のNo.1白ワインにも選ばれた、イタリアを代表するワインだ。

 このエントリーラインに当たるのが、カサル・ディ・セッラ。こちらも全て手摘み収穫のブドウで造られるそうだ。手摘み収穫の努力がどれほど品質に反映されるのか、ご興味ある方には是非一度、このエントリーラインのカサル・ディ・セッラを試して頂きたい。

 華やかで白桃や花の蜜を思わせる香りに、口に含んだ時のフルーティさとミネラル。非常に繊細で綺麗な酸があり、余韻にはヴェルディッキオの特徴の、柑橘系の果実の皮のような苦みがほのかに感じられる。完成度の高さは同価格帯でも頭一つ抜きん出ているだろう。

 だがそれもそのはずだ。この価格帯で完全手摘み収穫のワインはほとんど存在しない。ウマニ・ロンキ社熟練の作業員による手摘み収穫と、品質への強いこだわりを持つミケーレ社長の情熱から生まれるワインのクオリティを、読者の皆様にも是非ご実感頂ければ幸いである。

▲カサル・ディ・セッラ(左)とカサル・ディ・セッラ・ヴェッキエ・ヴィーニェ

モンテ物産
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