新しいワインの貯蔵タンク、コッチョ・ペーストとは。その2
皆さんこんにちは!
今回は前回の記事<新しいワインの貯蔵タンク、コッチョ・ペーストとは。その1>の続きとして、いよいよコッチョペーストタンクの全貌を明らかにしていきたいと思います。
⇒前回記事
古代レシピのセメント
まずコッチョペーストというのは、もちろん素材のことなのですがその起源は2000年以上前の古代ローマ時代にまで遡ります。
当時、家の外壁や道路工事、レンガのつなぎに使われたりしていたセメント、それがコッチョペーストです。
ローマ人は現地で調達することができた自然環境の砂や石、岩を砕き調合して程よいバランスのセメントを作っていました。
その素材レシピを現代にワイン用タンクとして蘇らせたのが、トスカーナ州ピサ県のポンテデーラのドランクタートル社。世界で唯一の“コッチョペースト”タンクの製造者です。
コッチョペーストのセメントレシピをベースに強度を加える配合をし、ゆったりと酸化熟成を促すタンクを作りあげました。
醸造・貯蔵タンクは効率・機能性をもたらすため、天井部分と底の部分はステンレスの金具で接続してあります。
単なる“アンフォラ”のタンクではなく、アンフォラの素材要素を加えた近代的醸造のためのタンクと言えます。土器のアンフォラは得てして酸化が激しく進むものが多いのですが、このコッチョペーストはモダンで上品さを纏うワインでありながら通常のステンレス・セメントタンクや木樽では成し遂げなかったような酸化熟成を実現しています。
酸化のスピードは素材の密閉性(密度)によるところが大きいですが、一般的なアンフォラとコッチョペーストとの大きな違いを挙げるとすると、アンフォラが仕上げに火を使用して固めるのに対し、コッチョペーストは自然に冷やし固める方法を取っています。火を使わないことで土素材に密閉性がより保たれるのです。
このことで、木樽のようなミクロの隙間を持っていながら、よりニュートラルな素材であることで、ブドウ本来の資質を素直に熟成によって引き延ばすことができるユニークなタンクとなりました。
この新しいムーヴメントはじわじわと国内外の有数のワイナリーたちの目に留まることに。
地元ワイナリーのカイアロッサ http://www.caiarossa.com/ja/
同じくドゥエマーニ http://www.duemani.eu/
テヌータ・ディ・ギッザーノ http://www.tenutadighizzano.com/
ダヴィヌム http://www.davinum.it/site/en/
ヨーロッパ各国をはじめ、アメリカ、チリ、オーストラリアなど、コッチョペーストはすでに世界のワイナリーへ輸出されています
チリのディストリビューター
ルーマニアワイナリー、トハニ
その他にも北はリヴィオ・フェッルーガ、中部サンジミニャーノのモルモライアも試験的にコッチョペーストを導入しています。
イタリアワイン界では、今までも時代の移り変わりにより、フレンチオークのバリック樽やステンレスタンクなど色々な醸造・貯蔵設備が導入されてきましたがこのコッチョペーストも時代の支持を獲得するのでしょうか?はたして!?
それでは工房とショールームの写真をご覧ください。
右がコッチョペーストのプロデューサーのエンツォ・ブリーニ、ピサで醸造を学びトスカーナはモンテプルチアーノのワイナリーではプロとして醸造家をしていました。またクラフトジン“ジネプライオ”の造り手でもある若手実業家!
世界で唯一のコッチョペーストタンク、今後もその動向を追っていきたいと思います!
それでは、また次回もお楽しみに!
鈴木暢彦
Instagram @toccaasiena
HP 『トッカ・ア・シエナ』https://www.toccaasiena.com
今回は前回の記事<新しいワインの貯蔵タンク、コッチョ・ペーストとは。その1>の続きとして、いよいよコッチョペーストタンクの全貌を明らかにしていきたいと思います。
⇒前回記事
古代レシピのセメント
まずコッチョペーストというのは、もちろん素材のことなのですがその起源は2000年以上前の古代ローマ時代にまで遡ります。
当時、家の外壁や道路工事、レンガのつなぎに使われたりしていたセメント、それがコッチョペーストです。
ローマ人は現地で調達することができた自然環境の砂や石、岩を砕き調合して程よいバランスのセメントを作っていました。
その素材レシピを現代にワイン用タンクとして蘇らせたのが、トスカーナ州ピサ県のポンテデーラのドランクタートル社。世界で唯一の“コッチョペースト”タンクの製造者です。
コッチョペーストのセメントレシピをベースに強度を加える配合をし、ゆったりと酸化熟成を促すタンクを作りあげました。
醸造・貯蔵タンクは効率・機能性をもたらすため、天井部分と底の部分はステンレスの金具で接続してあります。
単なる“アンフォラ”のタンクではなく、アンフォラの素材要素を加えた近代的醸造のためのタンクと言えます。土器のアンフォラは得てして酸化が激しく進むものが多いのですが、このコッチョペーストはモダンで上品さを纏うワインでありながら通常のステンレス・セメントタンクや木樽では成し遂げなかったような酸化熟成を実現しています。
酸化のスピードは素材の密閉性(密度)によるところが大きいですが、一般的なアンフォラとコッチョペーストとの大きな違いを挙げるとすると、アンフォラが仕上げに火を使用して固めるのに対し、コッチョペーストは自然に冷やし固める方法を取っています。火を使わないことで土素材に密閉性がより保たれるのです。
このことで、木樽のようなミクロの隙間を持っていながら、よりニュートラルな素材であることで、ブドウ本来の資質を素直に熟成によって引き延ばすことができるユニークなタンクとなりました。
この新しいムーヴメントはじわじわと国内外の有数のワイナリーたちの目に留まることに。
地元ワイナリーのカイアロッサ http://www.caiarossa.com/ja/
同じくドゥエマーニ http://www.duemani.eu/
テヌータ・ディ・ギッザーノ http://www.tenutadighizzano.com/
ダヴィヌム http://www.davinum.it/site/en/
ヨーロッパ各国をはじめ、アメリカ、チリ、オーストラリアなど、コッチョペーストはすでに世界のワイナリーへ輸出されています
チリのディストリビューター
ルーマニアワイナリー、トハニ
その他にも北はリヴィオ・フェッルーガ、中部サンジミニャーノのモルモライアも試験的にコッチョペーストを導入しています。
イタリアワイン界では、今までも時代の移り変わりにより、フレンチオークのバリック樽やステンレスタンクなど色々な醸造・貯蔵設備が導入されてきましたがこのコッチョペーストも時代の支持を獲得するのでしょうか?はたして!?
それでは工房とショールームの写真をご覧ください。
右がコッチョペーストのプロデューサーのエンツォ・ブリーニ、ピサで醸造を学びトスカーナはモンテプルチアーノのワイナリーではプロとして醸造家をしていました。またクラフトジン“ジネプライオ”の造り手でもある若手実業家!
世界で唯一のコッチョペーストタンク、今後もその動向を追っていきたいと思います!
それでは、また次回もお楽しみに!
鈴木暢彦
Instagram @toccaasiena
HP 『トッカ・ア・シエナ』https://www.toccaasiena.com