サウリス産プロシュットI.G.P. (Prosciutto di Sauris I.G.P.) は、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリアの北部、峡谷ともいえるサウリス村でつくられる希少なプロシュットだ。標高1200mに位置する稀有な場所で製造されており、原産地呼称のI.G.P.認定とはいえ、その生産者はたったの2社のみ。
土地的な歴史から、長くドイツの文化の影響を受け、また長く厳しい冬を越さなければならない故から生まれた、世紀を超えたこの土地ならではの生産物といえる。
さて、この土地に行き着くまでには、結構な山道をクネクネと車で登っていく必要がある。途中、岩を切り出しただけのようなトンネルをいくつか抜けると…
目の覚めるようなエメラルドグリーンの大きなサウリス湖に出る。
これは、戦時中にドイツ軍により捕虜となったニュージーランド人たちの現場での働きによりできあがったものだとか。
どこまでも奥へ奥へと続く峡谷のような風景と、深さを感じるブルー/グリーン、そしてその歴史を考えながら水面を見ていると、まるで吸い込まれるのではないか、という錯覚に陥るようだ。
ここで1862年創業のプロシュットフィーチョ「WOLF (ヴォルフ)」を訪ねる。会社名の「WOLF」は創業家族の屋号。人口約400人ほどの小さなこの村は、そのほぼ全ての家が「Petris (ペトリス)」という苗字を持つ。そのため、お互いを区別するために屋号を用いるのが常となっている。
原料となる豚は、北イタリアを中心として飼育されたものを使用する。腿肉の形となって納品される肉には、塩、胡椒、ニンニクがすりこまれ、数日間置いたのち、塩をはずし、温度と湿度のコントロールされた保管庫にてしばらくおかれる。
その後、サウリス産プロシュット独特の工程である「アッフミカトゥーラ」に入る。いわゆる燻製だ。
燻製に使われる木はブナと決められているが、ブナの燻煙は適度に柔らかく、甘みを帯びるほど良さを持ちあわせているので、同製品に適する唯一の木材とされている。
同社の燻製室は肉の保管・熟成庫のある階下に位置し、ここに並ぶいくつかの炊き場からあがる煙は直接燻製室へつながっている。
煙が直接つながる上階の燻製室は低温庫となっているため、燻製はいわゆる冷燻となる。燻製期間は3日間。ここでほどよい燻製臭が肉にまわり、独特の風味を生みだすこととなる。
その後は熟成室へ。ここでゆっくりゆっくりと熟成が進み、14ヶ月に達した際に品質がコントロールされる。合格したものは、焼印が押され、ようやく「プロシュット・ディ・サウリスI.G.P.」として認められ、市場に出荷できる態勢となる。
このプロシュットの味わいの特徴としては、旨みや甘みがほどよく、脂が全体にうまくのっていること。ナッツのような脂と旨みが相互する非常にまろやかさが他地でのプロシュットと一線を画す。薄くスライスしていただくそれは、もちろん食する部位にもよるが、下に残るほどよい塩気は、なんとも北の山奥でつくられる力強さを感じさせる。
そして、これには、しっかりとした味わいを持つ土着品種のフリウラーノを合わせたいところだ。
同社では、特に18ヶ月熟成に達したものを、「ノンノ・ベッピ」として、ラインナップしている。その熟成した旨みをさらに特徴としたものも同社自慢の一品だ。
そして、同様に同社の看板製品でもあるスペックも合わせて味わうべきもの。
Prosciuttificio Wolf Sauris
住所 Sauris di Sotto, 88-33020 Sauris (UD)
電話 Tel: +39.0433.86054
HP http://www.wolfsauris.it
土地的な歴史から、長くドイツの文化の影響を受け、また長く厳しい冬を越さなければならない故から生まれた、世紀を超えたこの土地ならではの生産物といえる。
さて、この土地に行き着くまでには、結構な山道をクネクネと車で登っていく必要がある。途中、岩を切り出しただけのようなトンネルをいくつか抜けると…
目の覚めるようなエメラルドグリーンの大きなサウリス湖に出る。
これは、戦時中にドイツ軍により捕虜となったニュージーランド人たちの現場での働きによりできあがったものだとか。
どこまでも奥へ奥へと続く峡谷のような風景と、深さを感じるブルー/グリーン、そしてその歴史を考えながら水面を見ていると、まるで吸い込まれるのではないか、という錯覚に陥るようだ。
ここで1862年創業のプロシュットフィーチョ「WOLF (ヴォルフ)」を訪ねる。会社名の「WOLF」は創業家族の屋号。人口約400人ほどの小さなこの村は、そのほぼ全ての家が「Petris (ペトリス)」という苗字を持つ。そのため、お互いを区別するために屋号を用いるのが常となっている。
原料となる豚は、北イタリアを中心として飼育されたものを使用する。腿肉の形となって納品される肉には、塩、胡椒、ニンニクがすりこまれ、数日間置いたのち、塩をはずし、温度と湿度のコントロールされた保管庫にてしばらくおかれる。
その後、サウリス産プロシュット独特の工程である「アッフミカトゥーラ」に入る。いわゆる燻製だ。
燻製に使われる木はブナと決められているが、ブナの燻煙は適度に柔らかく、甘みを帯びるほど良さを持ちあわせているので、同製品に適する唯一の木材とされている。
同社の燻製室は肉の保管・熟成庫のある階下に位置し、ここに並ぶいくつかの炊き場からあがる煙は直接燻製室へつながっている。
煙が直接つながる上階の燻製室は低温庫となっているため、燻製はいわゆる冷燻となる。燻製期間は3日間。ここでほどよい燻製臭が肉にまわり、独特の風味を生みだすこととなる。
その後は熟成室へ。ここでゆっくりゆっくりと熟成が進み、14ヶ月に達した際に品質がコントロールされる。合格したものは、焼印が押され、ようやく「プロシュット・ディ・サウリスI.G.P.」として認められ、市場に出荷できる態勢となる。
このプロシュットの味わいの特徴としては、旨みや甘みがほどよく、脂が全体にうまくのっていること。ナッツのような脂と旨みが相互する非常にまろやかさが他地でのプロシュットと一線を画す。薄くスライスしていただくそれは、もちろん食する部位にもよるが、下に残るほどよい塩気は、なんとも北の山奥でつくられる力強さを感じさせる。
そして、これには、しっかりとした味わいを持つ土着品種のフリウラーノを合わせたいところだ。
同社では、特に18ヶ月熟成に達したものを、「ノンノ・ベッピ」として、ラインナップしている。その熟成した旨みをさらに特徴としたものも同社自慢の一品だ。
そして、同様に同社の看板製品でもあるスペックも合わせて味わうべきもの。
Prosciuttificio Wolf Sauris
住所 Sauris di Sotto, 88-33020 Sauris (UD)
電話 Tel: +39.0433.86054
HP http://www.wolfsauris.it