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マグロ料理とシチリアワインのアッビナメントの会


6月のトラーパニと言えばマグロの季節!
この時期にはトラーパニ沖に黒マグロが回遊してくるので、トラーパニの魚市場は毎日がマグロの解体ショー。
ドン!とマグロ1匹が、色々な部位に切り分けられて並んでいます。

今年は豊漁の黒マグロ。
先日、黒マグロを使った料理と、シチリアワインのアッビナメントの会がトラーパニ食文化推奨の会NUARA(ヌアラ)で行われたので参加してみました。



料理を提案してくれるのはトスカーナからやって来たLuca Cai氏。
フィレンツェでTorippaioというトラットリアのシェフを務めています。
そしてワインはパレルモ近郊カンポレアーレのPorta del VentoのオーナーのMarco Sferlazzo氏。


なんでトスカーナからシェフが来たのかな~、、、と思っていたら、今回のマグロ料理はマグロの内臓を使った料理だったから。
そう、彼はTorippa料理の名人!(だそうです)


まずは前菜。
マグロの心臓、白子、からすみ(卵巣)をつかった料理3品。
これに合わせたのは白の発泡酒。
この白ワイン、まずはベースのワインを造り瓶に詰め、そこにブドウ果汁を加えて瓶内醗酵させたというもの。
フィルターがかかっていないので、まるで濁り酒のような感じ。
爽やかなブドウの風味が内蔵とベストマッチ!
かなり止まらなくなる組み合わせでした。



そしてパスタはマグロのカマの色々な部分をじっくりと煮込んだソース。
説明がかなり面白くて、

「頬肉と、目の周りと、頭の右側の部分と、、、、」

マグロは海の豚と言われ、捨てるところがないと言われていますが、カマの細かい部分まで全部使い果たしたそうで。
それに合わせるのはトラーパニと言えば!のクルクルパスタ ブジアーテ。
(よく”ブッシャ―テ”と呼ばれるこのパスタ、正確には”Busiate=ブジアーテ”です。)
これに合わせたのは、スキンコンタクトをしながらアルコール発酵をさせたというしっかり目の白ワイン。
パスタが美味しい事も然ることながら、このワインが私はとっても気に入りました♪


続いて出てきたのが、マグロの胃を使ったカポナータ。
マグロの胃はトラーパニではトマトソースで煮込んで食べられますが、、、、
さすがトリッパ名人、このカポナータ、絶品!
シチリア人が作るカポナータとは違い、味わい軽やかで新鮮な感じで。
これに合わせたのはペリコーネで作ったロゼ。
ペリコーネとは思えないほど軽やかなロゼで、面白いワイン。


そして最後を締めくくったのは、、、マグロのヴェントレスカ、、、そうトロ!!
ご存知の方も多いかと思いますが、イタリア人、脂が多いトロは敬遠しがち。
もう内臓扱いってことでしょうか(笑)
これをしっかりと焼き上げ、ペリコーネに合わせる。
これは文句なしのアッビナメント。
タンニンが口の中の脂をすっきりと掃除してくれる、、、と良くワイナリーで説明を受けますが、まさにその代表アッビナメント、という感じでした。

今の時期、マグロは良く食べるものの、こうして1本1本のワインと料理を合わせるのは自分では難しいもの。
この企画、違うシェフとワイナリーで毎年やってほしい!と思うのでありました!