お料理説明・背景
このメニューのノンナ・ティナとは、ロベルタの義母のこと。
万国共通の嫁・姑問題は、ここイタリアでも例外ではない。そう言えば、刺でおおわれたキンシャチというサボテンを「姑のクッション」とイタリア人が呼ぶと知った時、背筋が凍った覚えがある。
しかしティナとロベルタは仲がいい。
若くして結婚したロベルタは、義母であるティナの影響を受けた。もの静かだけど、芯が強くて、凛としていて。あこがれの存在だったそう。
ティナはね…とロベルタが続ける。
アドリア海の街リミニ出身の彼女は、内陸の閉鎖的なウンブリア州スポレートに嫁いで、それは苦労したのよ。特に料理。慣れない土地で「おふくろの味」を必死に覚えて、やがて評判になるほど腕を上げたわ。
私はそんなティナの料理をまねしたくて、教わったり、目で見て技を盗んだの。目で見て覚えるって大事よねぇ。(その通り!)
そんなティナがカーニバルの時、作ってくれるのがこのカスタニョーレだ。
スポレートで一般に作るカスタニョーレは、ゴルフボールほどの大きさだが、ティナのは上品な一口サイズ。そして赤いアルケミスをたっぷりとかけるスポレート風に対して、ハチミツでつややかにドレスアップする。
今年のカーニバルは2月15日。2月に入るとヴェネツィアをはじめ、大小の街が祭で華やぐ。是非、この時期は、イタリアに思いを馳せながら、カスタニョーレを作ってみてはいかが。
レポート:粉川妙 (Kokawa Tae)
ウンブリア州在住。製薬会社を退職し渡伊。2005年にマルケ州Itakcook卒業し、スローフードに関心を持つ。食文化を深める旅の企画&通訳、執筆活動を行う。
彼女の手作りの朝食付きで、お2人様(ダブルベット)まで。
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