お料理説明・背景
家にあるものでなんでもつくってしまうアンナ。もちろん、パスタやピッツァなどはお手の物。なかでも彼女が育ったプーリアの代表的なパスタと言えば、オレキエッテ。耳たぶのような形でよく知られるパスタで、ブロッコリーや菜の花の仲間であるCime di Rapa(チーメ・ディ・ラーパ)という野菜とあわせるのが、定番中の定番。今日はこのパスタを手づくりしてくれるという。
「小さい頃から、兄弟たちの中で、私が一番お料理に興味があったの。それを私の母は見抜いていて、料理の支度をするときには必ず私をそばにおいて、つくり方を丁寧に見せて教えてくれたわ。若いうちに結婚したから、それが本当に役に立ったのよ」
セモリナ粉に水と塩を入れただけのパスタ。まずは簡単にこねて、寝かせておく。
そのあとのオレキエッテをつくる手際の良さが素晴らしい。
いつも使っているというお気に入りのナイフを片手に、耳たぶのようなパスタがどんどん出来上がる。私も試しに挑戦してみたが、指だけでへこみを付けるのならば簡単だが、ナイフを使うと生地が切れてしまい、力加減が本当に難しい。
「もちろん、指だけでへこみをつけてもいいけれど、私はこのナイフが一番やりやすいの。たくさんあったこのナイフも、みんなが欲しがるものだから、今はもう2本しか家に残ってなくて、同じ形を探しているんだけど、なかなかいいと思うものが見つからないわ」と笑う。
レポート:石井美絵(Mie Ishii)
1995年よりピエモンテ州在住。日本とイタリア、そしてヨーロッパとの架け橋となるべく様々なジャンルのPR活動などに携わる。
1995年よりピエモンテ州在住。日本とイタリア、そしてヨーロッパとの架け橋となるべく様々なジャンルのPR活動などに携わる。
作り方
下ごしらえ
- セモリナ粉に塩、水を加えてよくこねる。生地は10分ほど常温で寝かす。
ジャガイモは皮をむき、8等分にする。チーメ・ディ・ラーパは葉の部分は手頃な大きさに切り、茎の部分は、皮をむき、3cmくらいの長さにそろえて切る。(写真a~e 参照)
作り方
- オレキエッテの生地は、手のひらサイズにちぎって、楕円形に伸ばし、縦2等分に切る。(写真f 参照)
- 手のひらを使って、細長く伸ばす。1cmくらいの大きさに切り、ナイフのヘラの部分を使って平たく伸ばす。その際に、真ん中の部分を指の先にのせて、くぼみをつけ、転がしておく。(写真g~i 参照)
- ベーコンの角切りをこんがり焼けるくらいまでフライパンで炒める。(写真j 参照)
- 切ったジャガイモ、チーメ・ディ・ラーパはよく洗う。
- 大きめの鍋にお湯を沸かし、パスタを茹でるときのように塩を入れておく。
- 鍋のお湯が沸いたら、まずは、ジャガイモとチーメ・ディ・ラーパを入れ、柔らかくなるまで茹でる。(写真k 参照)
- 野菜が柔らかくなったら、鍋の中にオレキエッテを入れる。数分でオレキエッテが上に浮いてきたら、ざるにあけて、湯切りする。(写真l 参照)
- 大皿に盛り、上に3のベーコンをのせる。最後にオリーヴオイルをかけて出来上がり。
- お好みでペペロンチーノオイルをかけてもおいしい。