お料理説明・背景
トリノに住んで、今年で46年。プーリア州のフォッジャ県、ルチェーラ出身のアンナ。1968年にトリノに越してきた時には20歳だったそうだ。「17歳で1人目の子を産んだの。主人が仕事を探していて、20歳の時に、2人の子供を連れて、トリノに引っ越してきたわ。そのあと、トリノで後の2人が生まれた」。
若い頃から4人の子供を育てるのは大変な事。誰も頼りになる人がいなかったので、トリノの生活はご主人と二人で苦労したそうだ。「若くに結婚したけど、私は小さいときから、母の食事の支度を手伝いながら料理を習っていたから、それがとても役に立ったわ」と笑う彼女。
「私が育ったプーリアには、季節ごとにいろいろな野菜があるの。それらの野菜とパンがあれば、それだけで私たちにはご馳走だったわ。このPane Cottoという料理は、Piatto Povero(貧しい料理)と呼ばれていて、野菜と固くなったパンがあれば、簡単にできる料理なのよ。でもこれがまたおいしいの!」彼女は、トリノに住むようになってからもプーリアの料理を作り続けている。この料理は、特にトリノで生まれた一番下の息子さんが大好きなのだそうだ。
何から何まで手作りしてしまう彼女。家の中では、その作品が至る所で目に入る。野菜を乾燥させて、細かく砕いて野菜スープの素にしたり、様々なハーブを乾燥させて、ミックススパイスを作ったりと、お料理をするときに使うものは自分でなんでも手作りしてしまう。「このほうが何を食べているのか、ちゃんと分かっていいし、体にもいいでしょ」お菓子もパスタも彼女にかかれば短い時間であっという間にいろいろできてしまうから素敵。
「今は、スーパーに行けば便利になんでもあって、簡単に料理ができる材料が沢山あるけれど、こういうひと手間から料理が楽しくなるし、家族がどんなものを食べているのか分かっているから安心できる」と話すアンナ。帰り際、彼女が作ったミックススパイスをお土産に持たせてくれた。
1995年よりピエモンテ州在住。日本とイタリア、そしてヨーロッパとの架け橋となるべく様々なジャンルのPR活動などに携わる。
作り方
下ごしらえ
- ジャガイモは皮をむき、8等分にする。ブロッコリーは葉の部分は手頃な大きさに切り、茎の部分は、皮をむき、3cmくらいの短冊切りにする。(写真a 参照)
作り方
- ベーコンの角切りをこんがり焼けるくらいまでフライパンで炒める。(写真b 参照)
- 切ったジャガイモ、ブロッコリーはよく洗う。
- 大きめの鍋にお湯を沸かし、パスタを茹でるときのように塩を入れておく。(写真c 参照)
- 固いパンは、3~5cmくらいの大きさに切っておく。(写真d 参照)
- 鍋のお湯が沸いたら、まずはジャガイモとブロッコリーを入れ、柔らかくなるまで 茹でる。
- 野菜が柔らかくなったら、鍋の中にパンを入れる。数分茹でればパンも柔らかくなる。(写真e 参照)
- すべて柔らかくなったら、ざるにあけて、湯切りする。(写真f 参照)
- 大皿に盛り、ベーコンをのせる。最後にオイルをかけて出来上がり。
- お好みでペペロンチーノオイルをかけても美味しい。