【ヴァッレ・ダオスタ州】紀元前、古代ローマ帝国に架けられた奇跡の橋を渡ろう
紀元前、拡大を続ける古代ローマ帝国がその侵攻のために架けた橋がヴァッレ・ダオスタ州の小さな村にあります。
急流のリス渓谷に高々と架けられた橋の美しさもさることながら、なんとその橋を今でも現役、普通に渡る事ができるのです。アウグストゥス帝の下、ガリア街道にかけられ、当然ローマ帝国軍も渡ったであろう、悠久のロマンあふれるサン・マルタン橋をご紹介します。
悪魔の橋?!古代ローマ人の偉業「ポン・サン・マルタン」
古代ローマ帝国によって架けられた橋「ポン・サン・マルタン」は、北イタリア、山深いヴァッレ・ダオスタ州の小さな集落、橋と同名のポン・サン・マルタンにあります。橋を中心とした小さな集落ですが、その先にはローマ帝国時代に建設された都市アオスタがあり、ローマ帝国軍の侵攻の重要な足がかりとなった街道沿いにあります。
橋の建設は紀元前1世紀初めとされ、最大の高さ約36メートルもあるアーチ型の石橋で、古代の橋としては最大で、また画期的な橋と言われます。水足の早いリス渓谷の上に、高く架かる重厚な石橋の姿は実に圧巻です。その勇姿からか、この橋にはこんな伝説が残ります。巡礼中の聖人マルティンが悪魔と取引し、悪魔に1日でこの橋を作らしたといういい伝え。その伝説に準えて橋の中央にはマルティン聖人の像も供えられています。
まあ悪魔なんて仰々しいですが、そんな魔法でも使わない限りできないような古代ローマ人の偉業、実際2000年以上現役という奇跡の橋なのですから、それこそ神がかっているような気がします。
古代ローマ人の軌跡をたどる「アオスタ」の街
さて、ポン・サン・マルタン橋を渡り、ガリア街道をたどると、古代ローマ帝国が、アルプスを越えて侵略を進めるための足がかりとした築いた街「アオスタ」につきます。
今は、スキーやトレッキングなど、アウトドアスポーツの宿場として有名な街ですが、実は古代ローマ時代の遺跡が数多く、しかもとてもいい状態で修復、保存されていています。遺跡マップの観光案内も街中に整備されていて、とてもスムーズに見て回る事ができ、それをたどって行くと、その当時、公共施設がしっかりとした先進的な大都市だった事が容易に想像されます。むしろ、遺跡の上にどんどん新しい街ができてカオス化している本拠地ローマより、より良く遺跡から当時の姿を感じる事ができるのではないのでしょうか。その遺跡たちが現役だった頃を想像すると、華やかで賑やかなだった街並みが目に浮かぶようです。
ローマ帝国の遺跡を巡る旅の行き方、楽しみ方
そんなローマ帝国の軌跡をたどる旅は、トリノから約1時間半で行く事ができます。まずは電車で途中「Ivra」駅へ、鉄道駅間連絡バスに乗り換えて「Pont Saint Martin」駅で下車。駅からは徒歩20分ほどです。連絡バスは「Aosta」駅まで行きますので、橋を堪能したらアオスタに足を伸ばすのもいいでしょう。乗り換えありのゆっくり鈍行旅ですが、車窓から見える雄大なアルプスの景色は、きっと旅を楽しくしてくれる事でしょう。
そしてこの地方に着いたら、ぜひ食べてもらいたいのが「Fonduta」この地方のチーズフォンデュなのですが、チーズと白ワインで作るスイスのそれと違い、チーズと牛乳で作るまろやかな味わいがとっても美味しいですよ。
鈍行列車のちょっぴりのんびり旅にはなりますが、古代ローマ遺跡と、アルプス山麓とチーズフォンデュ、色々楽しいヴァッレ・ダオスタの旅、遺跡好き、山好き、鈍行好き、グルメ好き、など通な旅好きの方にオススメです。
※アクセスは随時変更になる可能性がありますので、鉄道会社などのホームページなどご確認の上お出かけください。
(レポート:トスカーナ州在住 藤原 亮子)
急流のリス渓谷に高々と架けられた橋の美しさもさることながら、なんとその橋を今でも現役、普通に渡る事ができるのです。アウグストゥス帝の下、ガリア街道にかけられ、当然ローマ帝国軍も渡ったであろう、悠久のロマンあふれるサン・マルタン橋をご紹介します。
古代ローマ帝国によって架けられた橋「ポン・サン・マルタン」は、北イタリア、山深いヴァッレ・ダオスタ州の小さな集落、橋と同名のポン・サン・マルタンにあります。橋を中心とした小さな集落ですが、その先にはローマ帝国時代に建設された都市アオスタがあり、ローマ帝国軍の侵攻の重要な足がかりとなった街道沿いにあります。
橋の建設は紀元前1世紀初めとされ、最大の高さ約36メートルもあるアーチ型の石橋で、古代の橋としては最大で、また画期的な橋と言われます。水足の早いリス渓谷の上に、高く架かる重厚な石橋の姿は実に圧巻です。その勇姿からか、この橋にはこんな伝説が残ります。巡礼中の聖人マルティンが悪魔と取引し、悪魔に1日でこの橋を作らしたといういい伝え。その伝説に準えて橋の中央にはマルティン聖人の像も供えられています。
まあ悪魔なんて仰々しいですが、そんな魔法でも使わない限りできないような古代ローマ人の偉業、実際2000年以上現役という奇跡の橋なのですから、それこそ神がかっているような気がします。
さて、ポン・サン・マルタン橋を渡り、ガリア街道をたどると、古代ローマ帝国が、アルプスを越えて侵略を進めるための足がかりとした築いた街「アオスタ」につきます。
今は、スキーやトレッキングなど、アウトドアスポーツの宿場として有名な街ですが、実は古代ローマ時代の遺跡が数多く、しかもとてもいい状態で修復、保存されていています。遺跡マップの観光案内も街中に整備されていて、とてもスムーズに見て回る事ができ、それをたどって行くと、その当時、公共施設がしっかりとした先進的な大都市だった事が容易に想像されます。むしろ、遺跡の上にどんどん新しい街ができてカオス化している本拠地ローマより、より良く遺跡から当時の姿を感じる事ができるのではないのでしょうか。その遺跡たちが現役だった頃を想像すると、華やかで賑やかなだった街並みが目に浮かぶようです。
そしてこの地方に着いたら、ぜひ食べてもらいたいのが「Fonduta」この地方のチーズフォンデュなのですが、チーズと白ワインで作るスイスのそれと違い、チーズと牛乳で作るまろやかな味わいがとっても美味しいですよ。
鈍行列車のちょっぴりのんびり旅にはなりますが、古代ローマ遺跡と、アルプス山麓とチーズフォンデュ、色々楽しいヴァッレ・ダオスタの旅、遺跡好き、山好き、鈍行好き、グルメ好き、など通な旅好きの方にオススメです。
※アクセスは随時変更になる可能性がありますので、鉄道会社などのホームページなどご確認の上お出かけください。