絶品ガルダ湖グルメ 魚料理に合わせたい特産オリーブオイル
イタリア最大の湖、ガルダ湖。縦に長く、北部イタリアの3州(東:ヴェネト州、西:ロンバルディア州、北:トレンティーノ地方)をまたいでいる。夏は湖水浴を楽しむ観光客でにぎわい、ちょっとビーチリゾートにいるような雰囲気だ。
実はここ、ガルダ湖の周辺にはオリーブの樹々が連なり、イタリア最北のオリーブオイルの産地としても知られている。
四方を山に囲まれ暑い夏でも風通しが良く、冬も比較的温暖な気候が、寒さの厳しい北イタリアとはいえオリーブ栽培に適しているのだ。
生産地域はヴェローナ、ブレーシャ、マントヴァ、トレントの4県に広がっていて、1997年にはDOP認定(原産地名称保護)も受けた。基準を満たす農家にはガルダオイルDOPの印が付けられている。
その認定農家は約470軒、生産量は全国的に見て決して多くはないが、歴史は深い。643年には「オリーブの樹を傷つけた者には罰金を科す」という勅令もあったと記録に残っていて、すでに貴重な存在だったと窺える。中世の頃にはオリーブオイルは質が高く、「4~6kgのガルダオイルは1頭の大きな豚に相当する」ほどの経済的価値があったよう。オイルはランプを灯すのにも重要な役割を果たしており、教会の需要も高かったそうだ。
さて、今日の収穫にはモーター付きの大きな櫛のような機械が使われている。オリーブの樹を囲むように地面にネットを敷き、髪をとかすように上から下に機械を動かしてオリーブを落としていく。
体験させてもらうと、機械自体の重みと、モーターの振動が手から腕全体に伝わってきて、なかなかの重労働。3人で2日間かけ、750kgのオリーブを採る。そこからできるオイルの目安は150kg分だ。
この地域の土着品種はCasalivaといい、マイルドな香りが持ち味。熟す前に収穫することで、より濃厚な仕上がりになるんだとか。
他にも1800年代、トスカーナ州から耐寒性の強いLeccinoなどが取り入れられ、全部で10種類ほどのオリーブが育てられている。
10月のとある日にフラントイオ(搾油所)を訪ねると、まさに採れたてのオリーブが運ばれてきた。これらはまず、品質チェックを受けなければならない。
そして、外で枝葉が落とされて工房内へと移され、オリーブがすりつぶされて練り込まれる工程が続く。
最後にオイルと水に分けられたら、美しい黄緑色のバージンオイルが出来上がるというわけだ。
工房中にはオリーブオイルのフレッシュな香りが充満していて、なんだかそれだけでお腹いっぱいになった。
テイスティング方法もオリーブオイルならでは。まず、用意されたグラスの濃い青色が目を引くが、これは色合いによる先入観を取り払い、繊細なオイルの味を鼻と口だけでしっかりと見極めるため。
さらに、オイルが注がれるとそれに蓋をし、手のひらに載せてゆっくり揺らしていく。こうして人肌程度に温めることで香りを立たせるのだ。蓋をするのは手から余計な匂いが移らないように、という徹底ぶりである。
少量を口に含み「シィー」と喉まで届くように吸い込むと、ガルダのオリーブオイルの特徴である甘みの強いまろやかな風味が口に広がった。専門家は「後味がアーモンドの香り」と評する。ちなみに、今年の出来立てオイルもいただいたが、少し辛みと苦味があった。1週間もすれば、もっとすっきりとフルーティーになっていくらしい。
主張しすぎず程よくエレガントな味わいが、どんな料理にでも合うというのは納得。中でも、ガルダ湖名物の魚料理と合わせるのがオススメで、お皿にひとまわしが絶妙なアクセントとなる。
特に魚のグリルにおいては、乾いた表面に潤いを与えるような感覚だ。ガルダオイルは強すぎないため、本来の魚の美味しさを邪魔することなく馴染み、より豊かな一皿となる。
引き立て役にしておくにはもったいない。辛みがない故、ミルクアイスにシロップのようにかけて食べるのがイチオシという関係者もいるほど、ガルダオイルには本来の用途にとらわれない可能性が秘められている。ガルダ湖を満喫するなら、ぜひ特産オリーブオイルもお試しあれ。
Un ringraziamento a
Consorzio di Tutela Olio Garda DOP
Via Introl Soletti, 4,
37010 Cavaion Veronese (VR)
Website
実はここ、ガルダ湖の周辺にはオリーブの樹々が連なり、イタリア最北のオリーブオイルの産地としても知られている。
四方を山に囲まれ暑い夏でも風通しが良く、冬も比較的温暖な気候が、寒さの厳しい北イタリアとはいえオリーブ栽培に適しているのだ。
生産地域はヴェローナ、ブレーシャ、マントヴァ、トレントの4県に広がっていて、1997年にはDOP認定(原産地名称保護)も受けた。基準を満たす農家にはガルダオイルDOPの印が付けられている。
その認定農家は約470軒、生産量は全国的に見て決して多くはないが、歴史は深い。643年には「オリーブの樹を傷つけた者には罰金を科す」という勅令もあったと記録に残っていて、すでに貴重な存在だったと窺える。中世の頃にはオリーブオイルは質が高く、「4~6kgのガルダオイルは1頭の大きな豚に相当する」ほどの経済的価値があったよう。オイルはランプを灯すのにも重要な役割を果たしており、教会の需要も高かったそうだ。
さて、今日の収穫にはモーター付きの大きな櫛のような機械が使われている。オリーブの樹を囲むように地面にネットを敷き、髪をとかすように上から下に機械を動かしてオリーブを落としていく。
体験させてもらうと、機械自体の重みと、モーターの振動が手から腕全体に伝わってきて、なかなかの重労働。3人で2日間かけ、750kgのオリーブを採る。そこからできるオイルの目安は150kg分だ。
この地域の土着品種はCasalivaといい、マイルドな香りが持ち味。熟す前に収穫することで、より濃厚な仕上がりになるんだとか。
他にも1800年代、トスカーナ州から耐寒性の強いLeccinoなどが取り入れられ、全部で10種類ほどのオリーブが育てられている。
10月のとある日にフラントイオ(搾油所)を訪ねると、まさに採れたてのオリーブが運ばれてきた。これらはまず、品質チェックを受けなければならない。
そして、外で枝葉が落とされて工房内へと移され、オリーブがすりつぶされて練り込まれる工程が続く。
最後にオイルと水に分けられたら、美しい黄緑色のバージンオイルが出来上がるというわけだ。
工房中にはオリーブオイルのフレッシュな香りが充満していて、なんだかそれだけでお腹いっぱいになった。
テイスティング方法もオリーブオイルならでは。まず、用意されたグラスの濃い青色が目を引くが、これは色合いによる先入観を取り払い、繊細なオイルの味を鼻と口だけでしっかりと見極めるため。
さらに、オイルが注がれるとそれに蓋をし、手のひらに載せてゆっくり揺らしていく。こうして人肌程度に温めることで香りを立たせるのだ。蓋をするのは手から余計な匂いが移らないように、という徹底ぶりである。
少量を口に含み「シィー」と喉まで届くように吸い込むと、ガルダのオリーブオイルの特徴である甘みの強いまろやかな風味が口に広がった。専門家は「後味がアーモンドの香り」と評する。ちなみに、今年の出来立てオイルもいただいたが、少し辛みと苦味があった。1週間もすれば、もっとすっきりとフルーティーになっていくらしい。
主張しすぎず程よくエレガントな味わいが、どんな料理にでも合うというのは納得。中でも、ガルダ湖名物の魚料理と合わせるのがオススメで、お皿にひとまわしが絶妙なアクセントとなる。
特に魚のグリルにおいては、乾いた表面に潤いを与えるような感覚だ。ガルダオイルは強すぎないため、本来の魚の美味しさを邪魔することなく馴染み、より豊かな一皿となる。
引き立て役にしておくにはもったいない。辛みがない故、ミルクアイスにシロップのようにかけて食べるのがイチオシという関係者もいるほど、ガルダオイルには本来の用途にとらわれない可能性が秘められている。ガルダ湖を満喫するなら、ぜひ特産オリーブオイルもお試しあれ。
Un ringraziamento a
Consorzio di Tutela Olio Garda DOP
Via Introl Soletti, 4,
37010 Cavaion Veronese (VR)
Website