【アブルッツォ】羊飼いの歴史が紡ぎ出す、伝統の手織りで冬支度
これから冬にかけ、羊毛を使った機織り仕事が忙しい季節を迎える。長く羊の移牧が経済を支えてきたアブルッツォでは、羊毛を使った織物も伝統工芸のひとつだ。鮮やかな色彩と大胆な幾何学模様が特徴の手織りの掛毛布などは、今でも各家庭で見かける。
ヴァレリア・ベッリさんは故郷の手織物に魅了され、女性たちが家仕事として受け継いできた伝統と技術を学び、今に伝える。彼女の工房には昔ながらの手織り機があり、伝統的なベッドカバーやマットなどの大作を担う他、教室や子ども向けのワークショップなども積極的に開き、文化を継承している。
今の季節は冬に向けてショールやストールなどを織る。毛糸はアブルッツォ産のものを好んで使い、紡がれたばかりの毛糸が手に入ると、近くの山や丘で自生する草花を摘み、自ら染め上げる。
自然の中を散策することは座り仕事の多い彼女にとって絶好の気分転換でもある。ここから、アブルッツォの自然と伝統技術が織りなす、唯一無二の作品が生まれている。
【Filiforme di Valeria Belli laboratorio/studio di tessitura a mano】
●住所:Via Aterno, 340 Brecciarola 66100(CH)Stazione di Chietiから車orバスで約10分●TEL:3488147296
●HP:https://www.facebook.com/Filiforme-di-Valeria-Belli-laboratoriostudio-di-tessitura-a-mano-380372475387774/
※見学等は事前の確認が必要