お料理説明・背景
「普段は7、8人分だけど、勉強や修行、療養などで滞在する修道士たちが来たときなどは、35人分ぐらいを一人で調理することもあったわ」アッシジの街の麓にあるリヴォトルト修道院で、修道士たちの食事を作っていたジョリーヴァさんはさりげなく話す。
イタリアの守護聖人でもあるサン・フランチェスコ(アッシジの大聖堂にまつられているイタリアの守護聖人)は、俗世を捨てて神のみに生きる決意をし、小川のそばにあった家畜小屋で弟子たちと極貧の生活を始めた。後に、その家畜小屋を守るように教会が造られ、中庭を挟んで建てられたのがリヴォトルト修道院だ。いわば、ここは聖フランチェスコ修道会の原点といえるところ。ジョリーヴァさんはそこの料理番として修道士たちの胃袋を支えていたのだ。
修道院の裏庭には畑や鶏小屋もあり、いつも新鮮な食材を使っておいしい料理を作ることができる。修道士たちが山でキノコを採ってきて、キノコ料理をリクエストするなんてこともあったそうだ。
取材に同行してくれた修道士のアルカンジェロさんは、ジョリーヴァさんの作った好物のラザーニャをおいしそうに食べながら「彼女はさまざまな要求に応えて、手早くおいしい料理を作るのでとても頼りにされていたんだ」と、話してくれた。世界各国から集まってくる修道士たちの好き、嫌い、決まりなどに合わせて、愛情を込めていつも楽しく料理をしていた姿が思い浮かぶ。
ジョリーヴァさんは「私の料理はみんな、喜んで食べていたわよ」と言って笑った。
Bravissima Gioliva!
レポート:赤沼 恵(Megumi Akanuma)
リグーリア州在住。音楽家、翻訳家、日本語教師、2018年3月ジェノヴァ市長より「世界のジェノヴァ大使」任命、アソシエーション「DEAI」代表。地域越えて,様々な仕事を通して知り合った人との付き合いを大切にしている。
リグーリア州在住。音楽家、翻訳家、日本語教師、2018年3月ジェノヴァ市長より「世界のジェノヴァ大使」任命、アソシエーション「DEAI」代表。地域越えて,様々な仕事を通して知り合った人との付き合いを大切にしている。
作り方
- カルチョーフィはよく洗って、外側の固い部分と先端をとり、小さく切る。(*手袋をしたほうが作業しやすい。)(写真a,b 参照)
- フライパンにたっぷりのオリーヴオイルを入れ、カルチョーフィとニンニクを炒め、イタリアンパセリ、塩、コショウを加える。(写真c,d 参照)
- 別の鍋にオリーヴオイル、ほぐしたサルシッチャを入れ、少量の水を加えて火にかけ炒める。(写真e 参照)
- パルミジャーノ・レッジャーノとエメンタールチーズは軽くミキサーにかけて砕き、モッツァレッラは小さめにほぐしておく。(写真f 参照)